問題児が召喚されたようですよ?   作:神ジーク

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さっさと終わればいいのに、受験。


第七話 一回目は決着がついたようですよ?

「おい。ここはあんたの出番じゃないぜ、貴族サマ。痛い目会わないうちに下がってな」

「痛い目見ようとしてるのはどっちよ!あんたじゃ負けそうじゃない!」

「あんたじゃもっと確率薄いぜ。つーかゼロだな」

「うるさい!あんたはもう黙ってなさい!」

 

目の前の少女が自分を庇おうとしていることはわかる。

だが、十六夜はそんなことで無粋を許す気はなかった。

十六夜はスッと目を細め、

 

「わかってねえようだから教えてやる。これは俺の売った喧嘩だ。他人に割り込まれるなんてナンセンスにもほどがあるぜ。それでも邪魔するってのなら・・・・・・先にテメェをブッ飛ばすぞ」

 

これは純然たる十六夜の本音だった。

十六夜は他人の戦いに割り込むことを嫌う。

そして、自分がそうされることは彼の中で最上級に不愉快なことだった。

この混じり気なしの拒絶の視線を受けただけで、普通は引き下がるだろう。

だが、ルイズはそうはしなかった。

むしろ気丈な瞳で十六夜を見つめている。

やがて、口を開いた。

 

「わかってないのはあんたよ!メイジは使い魔を見捨てない!自分でどうしようもない状況でも!絶対に見捨てないの!」

 

十六夜はルイズに意外そうな目を向ける。

ルイズは振り向いて、黒装束を正面から睨みつける。

 

「そこの不審者!わたしと戦いなさい!」

 

黒装束はルイズを数秒見つめて、

 

「いいだろう」

 

音速の手刀で彼女を突き刺そうとする。

ダメージでかなり速度が落ちているが、それでも人間に避けることができるレベルではない。

もちろん、構えている杖など毛ほどの意味もなさない。

黒装束の指先がルイズの胸に触れようとした時、その腕をありえない腕力で掴まれた。

右腕が折れる感触もした。

黒装束は全力で脱出し、跳び退く。

相手は、

 

「テメェの相手は俺だろ。ロリコン」

 

やはり、十六夜だった。

彼はルイズの目を見て、

 

「言ったろ。これは俺の喧嘩だ。他人に邪魔はさせねえ。もちろん、お前でもだ、桃チビ」

 

呆然とするルイズ。

だが、すぐに持ち直した。

 

「ふん!勝てないのに何言ってるのよ」

「オイオイ、誰に向かって言ってやがる?寝言は寝て言うもんだぜ」

「じゃあ、勝つ方法があるっていうの?」

「当然。まあ見てな」

 

ルイズは十六夜の瞳をジッと見つめて、意を決したように言う。

 

「わかったわよ。じゃあ、主として命令してあげる!勝ちなさい!勝たないと許さないんだから!」

「オーケー、御チビ様!」

 

金縛りを受ける前よりもいっそう速く、疾く黒装束に接近した。

だが、またもや体の動きが封じられる。

今度は黒装束が左の手刀を突き出してくる。

が、その一撃が十六夜に届くことはなかった。

今度は左腕が掴まれていた。

十六夜はニヤニヤ笑いながら、

 

「同じ技を二度も喰らうわけねえだろ。俺はマゾじゃないぜ?だから、お前を目覚めさせてやるよ!」

 

躊躇なく左腕を握りつぶした。

粉砕骨折の鈍い音がする。

しかし、黒装束はその程度では声もあげず、十六夜が力を弱めた瞬間に腕を引きつつさっきよりも長距離をとびずさった。

 

(何故、効いていない?)

「何故、効いていない?」

 

十六夜は正確に心を読み当てた。

黒装束はピクリと肩を動かす。

始めて見せた動揺である。

 

「って思っただろ?意外とわかりやすいな、黒装束」

 

十六夜はくつくつ笑う。

 

「テメェの力はテメェが一番知ってるんだろう?自分で考えてみろよ」

 

適当を言っているのではないことは明白だった。

十六夜の顔が確信に満ちていたからだ。

すでに十六夜は金縛りの謎を解いている。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・散」

 

黒装束が小声で一言つぶやいたと感じた時、黒装束はすでに消えていた。

ルイズが周りをキョロキョロ見回すが黒装束はどこにもいない。

十六夜だけは目で追えていたようだが、これ以上追跡はしなかった。

あんな状態の奴と戦っても楽しめないし、今回はこちらの勝ちということになったのだ。

それに、謎が解けた以上、彼は十六夜の敵足り得るかどうか微妙なところである。

十六夜に意地になってまで追う理由はなかった。

 

「何やってるのよ!探しなさい!」

 

ルイズは違うようだが。

ちなみにルイズの服は黒装束に放った自分の爆発の威力でボロボロになって、かなり際どいところまで破れている。

本人は気づいていないようだ。

十六夜は神妙な表情で類似を見つめ、

 

「桃チビ」

「何よ」

「服の上からでもわかっていたが、その年齢の割に慎ましい胸部はある意味レアだな。大人しいスク水を着せるより、むしろ紐ビキニの方がいいか?だが、旧式も捨てがたい。当然、平仮名のゼッケンをつけて・・・・・・」

「知ってたなら言いなさいよ、この変態使い魔ーっ!」

 

羞恥に真っ赤になったルイズに杖でツッコミを受ける十六夜。

変な絵面だった。

だが、

 

「しかし、その考えは安直すぎる。猫耳等のオプションをつけてみるとか?間違いなく似合うだろうが、少しあざと過ぎる気もする。だとしたら・・・・・・」

「いい加減にしなさい!」

 

やめろと言われてやめるほど、十六夜は可愛らしい問題児ではなかった。




まだ一巻が終わりそうにありません。
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