タイトル編集しました。
なぜ負けなくないのか
前述、子津が桜花に言っていたのは勝てばまだ皆と長くいられるといったもの
しかし、これは決勝戦
勝っても負けてもこのチームは終了する
なぜ勝ちたいのか
それは男に生まれた以上、仕方の無いことだった
オスとして他者の上をいく
その優劣の手段に選んだのが野球を選んだだけ
猿野「来い!BIGに行こうぜ!」
嗚「やっぱり照兄に似てるなあ」
(でも何もさせない)
『1アウトで1塁には代走の十藤くん』
『チャンスを広げるかダブルプレーでゲームセットか』
猿野が初めてバットを握ったのは1年前の凪と出会った日
そこでツースイング目で160メートルほどの距離の打球を放った
バッティングとは下半身の踏ん張りと上半身の動作、それらの様々な要素が絡み合って完成するもの
いくらパワーがあろうと初心者がそのような飛球を打つことはありえない
彼の父親は日本人メジャーリーグ挑戦の第一人者
その遺伝子がずっと燻っていたのだろう
それが発動する条件は好きな人のため
猿野「ふぅー」
(凪さん、好きだ)
(バブリシャス、ちょんまげ、うざいとこもあるけど競い合って楽しいぜ)
(ねづっチュー、スバガキ、関西さん、いつも支えてくれてるんだよな)
「皆のために打つ!」
沼崎(あーあ、打つって言っちゃってるよ)
由太郎「さるの…」
御柳「いけんのか?」
桜花が振りかぶる
猿野(あれ、見える?)
“明鯱止水”
カキンッ
また打球はセンターへ
『打ちました連打連打!』
『由太郎くんに続き猿野くんも打ちましたシングルヒット!』
猿野「打てた?」
嗚「なんで」
沼崎「おいおいどうなってるんだ」
『連打で繋いだもちろん埼玉スタンドは大騒ぎです』
剣菱「シングルヒットか、まあホームランでも同点だしね」
凪「猿野さん、チームプレイですね」
丑光「ナイスぅー!」
斎柳「猿野さーん」
黒豹「やりよったなあいつ」
子津「さるが猿野くんっす」
兎丸「なんて顔してるの
猿野「え、あ、ああ」
「よくやったぞ猿野ー!」
「あとは4番に任せとけー!」
御柳「…よくやった」
まだボーッとしている猿野
何故ボールが見えたのかわかっていない
そのことに感づいて御柳も話を聞きに行っていない
相手を打つことより大切な人の比重が大きくなったことがボールの見えた要因である
長打が出なかったのは打つ比重が小さかったためでもある
それは誰も知る由もないが、困惑しているのは聖高校ナイン
清池「なにか起こっているのか」
七海「集中しないと」
御柳「さ、舞台は整ったな」プクー
「来いよ弟くん二号」
嗚「一発出れば逆転サヨナラ」
「打席には照兄の弟子か…」
「楽しくなってきたじゃん」
『ここは勝負を仕掛けてくる埼玉ベンチ』
『十藤くんに続き兎丸くんを代走に送ります』
『陸上選手より速いのではと思われる兎丸くんが同点のランナーです』
『そういえばらまた同校の同級生ですね』
甲子園本戦では嗚の負傷退場で不完全燃焼のまま終わった2人の対決
この県対抗決勝の舞台で最終ラウンドを迎える
彼ら聖高校のこの大会に向けるモチベーションは華武高校含む埼玉へのリベンジマッチ
次からのバッターは華武高校4番の御柳、実弟の月
1アウトでランナー2人背負ったこの状況で大神嗚は笑った
御柳(ここで笑うか)ニヤッ
(オレも楽しいぜ)
桜花「ミヤ…」
御柳がベンチにいる間ずっとしていたのが桜花の隣へ座りタイミングを教えてもらうこと
1人でいると投げているあいだの時間ごとカットされるが、投げている時間はしっかりと存在する
ピッチャーの振りかぶり
ボールのリリース
ホームを通過するタイミング
キャッチャーの返球
それら全てのタイミングを桜花にタッチしてもらうことで時間を把握していた
御柳(結局見えなかったが、それでも打つ)
(セットのタイミングも捉えた)
1桜花「ミヤ!!」動作が始まる
2
3
4嗚(“明鯱止水”)球が指を離れる
5ブンッ
「ストライク!」
沼崎(こいつも振ってきた)
白雪(タイミングバッチリだったね)
桜花「いいぞミヤ!」
椿「桜花…」(こいつが声掛けとは)
嗚(ドキドキする。これが高校野球、興奮してきたじゃん)
犬飼「いいな」
辰羅川「!……そうですね」
キンッ「ファール!」
御柳「お!」
(だいたいのボールの位置はわかった)
沼崎(タイミングは合ってるけど捉えられてはない)
(もしかして見えてるわけじゃないのか?)
“明鯱止水”は“飛”の秘球を発展させたものである
秘球は投げた高さコースによりバッターに止まってると錯覚させるボール
言い換えると全く同じポイントに投げ込んでいる
それは“明鏡止水”も同じ
沼崎は薄々御柳が見えていないことに気づいたが、それを逆手にとる技は無かった
沼崎(大神嗚を信じるしかない)
御柳(次で決めてやる)
御柳は目つぶって打っているようなものです。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。