ミスフル 続編!   作:トータス検二郎

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音瓶の監督がなぜかオカマっぽくなりました。
前回のエピローグと後書きウソでした。


09発目 玄渕鏡(くろぶちかがみ)

十二支高校野球部グラウンド

 

音瓶高校との練習試合

 

1回表スコアボードに2が刻まれている。

エースで4番の別紅は3年生のため引退している。

そんななか新4番の玄渕が先制のツーランホームランを放った。

 

-玄渕 鏡(くろぶち かがみ)-

右投右打の投手。音瓶高校のエースで4番。黒髪をリーゼントにしメガネをかける。オーバーグラスとサングラスも同時にかけている。

 

 

大正(ふふっ、彼は音瓶史上最強のアレ。3つのメガネをアレされたのは初めてのアレなのよ)

 

 

「ナイスぶっちー」

玄渕「おうよこのままやってやるぜ」

 

 

 

良いムードの音瓶高校に対して十二支のメンバーに焦りは全く無い。

 

マウンドから冷や汗をかきながらベンチに戻ってくるのは長戸。

2年生ながら虎鉄と同じファーストのため出場機会に恵まれかったがこの秋大会後投手にコンバートした。

実力が認められあれよあれよと2年生では1番手の投手になりこの度先発を任された。

 

虎鉄「上出来じゃねえKa長戸」

長戸「おお、自分でも思ったより落ち着いてるぜ」

(犬飼や子津に勝てるはずないのは自分でもわかってるんだ。少しでもあいつらを休ませられるようにしたい)

 

 

犬飼(ちっ…)

 

子津(負けないっすよ)

 

 

長戸の殊勝な思いとは裏腹に1年生投手の2人はライバル視している。

 

羊谷「ふっ」

 

それに気づき微笑む監督。

チーム内の循環が非常に良くなってきたことがわかる。

 

 

羊谷(バッターの補強、控え投手の充実、この冬である程度はできたと思うが…)

 

 

兎丸が内野安打、猪里が送りバントで打席には虎鉄がいる。

 

虎鉄「ハハーン、今年初打点はいただきだZe」

 

 

カキンッ

 

レフトがほぼ定位置でダイレクトでボールを捕球する。

 

「アウト」

 

 

猿野「マリファナ先輩、それはオレの役目みたいですねププッ」

 

虎鉄「くそっ俺をそのあだ名で呼ぶなYo」

 

 

羊谷(やはり圧倒的に層が薄い。去年の獅子川や鹿目のような安心できる控え選手も必要だ。となるとやはり新入生か)

 

 

玄渕「くそ、なんでそんな簡単に当てられんだ」

「ナイスピー、ツーアウトー」

 

味方の声援も煽りにしか感じていない玄渕は猿野を歩かせてしまう。

実はこの投手音瓶で試合に出るのは今日初めてである。

 

親の仕事でずっと千葉にいた彼だったが去年の5月に転入。

しかし、すぐに怪我を負ってしまい手術とリハビリの日々。

やっと復帰した12月には対外試合禁止だった。

彼にとってやっと実現した試合。

相手は夏ベスト4の十二支、相手にとって不足はない。

 

カキンッ

 

 

黒豹が振り抜いたバットから快音が聞こえる。

レフトとセンターのちょうど間に落ち兎丸が生還した。

 

 

黒豹「よっしゃー、わいが初打点やでえ」

 

 

 

今年度初打点をあげた十二支高校は更に加点していく。

辰羅川のタイムリーや黒豹の猛打賞、虎鉄猿野のアベックホームランと8イニングスで昨年夏同様30得点した。

 

やはりベスト16、8あたりの高校とはほとんど相手にならなくなっている十二支高校。

しかし、チームとして見ればそうだが個人で対抗できる選手がいないわけではない。

この音瓶の玄渕もその1人だった。

 

 

3回表、ランナー2人一掃のツーベースヒットを放ち長戸をノックアウトする。

続いてマウンドにあがった子津との初対決は5回表ノーアウトランナーなしで行われた。

 

 

 

シュッ

″砂燕″

 

「ストライーク」

 

羊谷(よし、子津も充分に仕上がってきている。長戸の4失点は誤算だが子津、犬飼なら大丈夫だろう)

 

 

 

羊谷は玄渕の力量を見誤る。

この時点で8対4。

このあと22点とる打線に玄渕はなんとか踏ん張っていると言える結果だろう。

 

 

 

カキンッ

 

 

砂塵に隠れたボールがアンダースローの軌道から浮き上がりバッターに姿を見せるか見せないかの瞬間、玄渕のバットから快音が生まれた。

 

 

 

玄渕「よしよし!あと3点差!いけるぞ!」

「おう、やってやるぜ」

「3年生の卒業記念に敵うってやろうぜ」

 

 

もともと一匹狼でありお山の大将だった玄渕は常に横柄な態度で野球をしていた。

その事に何も感じていなかったが、転校先で大きな怪我をしたときに意識が変わった。

 

「大丈夫か?」

「無理するなよ」

「お前が必要なんだからな!焦っちゃダメだぜ」

 

チームメイトとほとんどコミュニケーションをとってこなかった。

ずっと偉そうにしていたこんな自分に優しく声をかけてくれる。

 

彼は変わった。

 

夏、初めてのベンチ外を味わったが心は清々しい。

スタンドで先輩やメンバーのために声を張り上げた。

必死に仲間になろうとした。

 

と同時に今までの自分を恥じた。

 

良くしてくれる先輩達が試合終了と同時に泣いているのをみてスタンドで泣いた。

これまた初めての経験だった。

仲間の意味を知った。

 

 

「チームって良くなくな〜い?」

 

 

 

羊谷(こいつは、由太郎レベルのバッターなのか…?)

 

 

 

5番バッターがスワローをヒットする。

子津は全てのボールを砂燕にするほどのスタミナは無い。

 

 

玄渕「いけるぞ!続け」

 

 

カキンッカキンッ

 

下位打線が爆発し1点差に詰め寄る。

 

 

玄渕「勝てるぞ声出してこーぜ!」

「おう!」

「気合入れてこうぜくろー!」

 

 

 

玄渕(埼玉5強を全部倒してオレたちが甲子園へ行く!)

 




モブ回でした。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。
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