ミスフル 続編!   作:トータス検二郎

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野球の采配は叩かれやすいです。


105発目 分岐点

 

CS3戦目

 

 

この試合からラミレット監督の采配が機能し始める。

 

ワイルズの先発は今季11勝をあげている3番手、ベテラン左腕の江野。

 

今シーズン横浜ベイプラネッツとの対戦成績は1勝3敗と負け越している投手でもある。

 

 

初回

 

対戦成績4割を超えるこの男がトップバッターに抜擢される。

 

 

 

鷹羽「うおおおおぉぉぉぉ!いい采配やのう」

 

猿野「あいつ毎試合うるさいな」

 

ただ勢いに乗せてしまうと厄介なのも事実。

 

 

その厄介な鷹羽は初球から手を出して出塁する。

 

これで待球作戦を敷いていないことが判明する。

 

続く王、筒子(ピンズ)、白雪も続きワイルズ先発の江野を一気に攻め立てる。

 

 

『なんとベイプラネッツ!!』

 

『昨日までの消極的な打撃とは真逆の積極打法!!!』

 

『初回から3点を先取!!このシリーズで初めて先制点をあげました!!』

 

 

月「参ったな、急に早打ちになったから対応が遅れた」

 

牛尾「(ライト)くん、任せっぱなしでわるいけど投手陣の立て直し頼むよ」

 

月「はい、任せてください!」

 

 

 

大神(おおかみ) (ライト)

ワイルズの右投右打8番キャッチャー。

社会人野球出身の鳴り物入りルーキー。

攻守で頼りになり、責任感も強い。

 

 

猿野「(つき)ちゃんよー攻撃は今回オレたちに任せろよ」

 

月「いつも頼りにしてますよ」

 

 

 

ベイプラネッツの先発はこちらも左の古長。

 

緩急を武器にしており、ワイルズとの戦績は今季3勝1敗と勝ち越し。

 

試合前に監督から5失点までは許すという司令を受けていた。

 

そのことが彼の肩の力を抜く良い采配となる。

 

 

『良い!!今日の古長は素晴らしい!!』

 

『6回を投げて被安打3の無失点です!!』

 

『絶体絶命のベイプラネッツをこのまま救うことができるか!!!』

 

 

5回で5点を取って江野をノックアウトすると、中継ぎピッチャーも打ち込み7点を取るベイプラネッツ。

 

現在7対0。

 

この中継ぎを打てたのも昨日までの待球があったからに他ならない。

 

 

月「完全に昨日までのツケが回ってきてる」

 

 

『大差を付けられたこの試合ですが、ワイルズは今日勝って日本シリーズ行きを決定したかったところでしょう!!』

 

『なんと言っても明日はおそらく第1ステージの初戦を先発好投した、日本のエース屑桐無涯が出てくるはずですから!!!』

 

 

7回裏

 

月「攻撃からリズムを作る!!」

 

白雪「あいつの弟とこの舞台で相見えるとはね」

 

 

カキンッ

 

有言通り、出塁に成功した月だったがそんな小さなことでこの流れは止められなかった。

 

続くバッターは代打の太川。

 

フルスイングが武器の彼の打撃は率こそ高くはないものの長打率は3割5分を超えていた。

 

その初球。

 

 

ボテ

 

鷹羽「よーし、ナイス古長!!」

 

王「なかなかやネ」

 

 

『先頭を出して反撃に転じたいワイルズでしたが、結果はまさかのゲッツー!!!』

 

『1球でチャンスを潰したワイルズの気力ももうここまでか』

 

 

既にワイルズは敗戦処理もこなす投手を投入していた。

 

 

猿野「仕方ないよな」

 

負けることをもう覚悟して試合している。

 

高校時代と違い、全ての試合で勝てるとは思っていない。

 

こういう試合運びが必要なことはわかっている。

 

それでも、それでもやっぱり全部の試合に勝ちたい。

 

観に来てくれるお客さんやファンの人たちに毎回、毎試合楽しんでもらいたい。

 

ホーム球場での試合なら尚更。

 

 

 

『試合終了ーーーー!!!』

 

『結局打たれたヒットは4本だけ!古長の今季最高のピッチングで首の皮一枚繋げましたベイプラネッツ!!』

 

『ただラミレット監督はこの展開を見越していたように思います!』

 

『しかも明日の先発はおそらく屑桐!!』

 

『日本シリーズ進出のシナリオが見えてきたか!!!』

 

 

 

猿野「ふぅ」

 

白糠「だべ」

 

月「………」

 

 

前日とは打って変わって暗い雰囲気のロッカールーム。

 

こういうムードをいつも払拭していたのが猿野だったが、4タコの彼は少し悩んでいた。

 

 

猿野「やっちまった」

 

なんで打てなかったんだろう。

 

冷静になってみると大きいのを狙いすぎたか、4番としてじゃなくて1人のバッターとして向かうべきか…。

 

 

キャプテンの牛尾はこの暗い雰囲気に敢えて口を出さなかった。

 

それは彼らがただ落ち込んでいるわけでは無いと知っているから。

 

今日の反省と同時にもう明日に向けて気持ちは前を向いているから。

 

 

160km/hを誇る日本球界の剛腕投手に、今季初優勝を果たしたワイルズが立ち向かう!

 

 

 




ワイルズの弱点は先発なのかもしれません。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。
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