待球作戦を取ってこない横浜打線を相手にポンポンと追い込み凡退の山を積み上げるワイルズのバリアウス。
自ら招いた大ピンチを切り抜けた初回以降、普段の落ち着いた姿を見せる屑桐。
お互い譲らずに点の入らぬまま、早くも6回の攻防を迎える。
白雪「この回だ」
王「1番からの好打順ネ」
鷹羽「蔵元ー!頼むで!」
この試合は普段の打順に戻し、打撃型ショートの蔵元が打席へ向かう。
カキンッ
『先頭打者出塁!!!初球をきれいにセンター返し!!』
『さあ上位打線!先制点を狙っていきたい!』
コツンッ
後半戦スタートとなる6回、ベイプラネッツは手堅く送りバントを選択。
王の絶妙なバントでランナーを得点圏に進め、バッターは若き左の大砲筒子。
その初球ー
カキンッ
『お!!!いい角度で上がったぞ打球はーーー』
『入ったーーー!!!3番筒子の先制ツーランホームランーー!!!』
『日本代表にも名を連ねる男が大きな大きな一発!!!』
『負けると後が無い横浜がこの試合で日本シリーズ進出逆王手に1歩リード!!』
筒子「うらあああぁぁぁ!!」
鷹羽「ナイス筒子ーーー!!!」
白雪「完璧だったね」
屑桐「よくやったな」
『悔やまれる一球になってしまうかもしれませんね』
『ええ、ここまでいい流れで来ていただけに余計にですね』
この後なんとかホームランの2点で抑えたバリアウス、裏には代打が告げられる。
しかし、ここまで被安打1の屑桐、牙城はそう簡単に崩せない。
9番から上位に繋がる打順だったが、あっさり三者凡退。
7回の守備はビハインドでも登板する林が下位打線を3人で抑え、ラッキーセブンの攻撃に繋げた。
先頭は牛尾。
牛尾「屑桐…」
(君を倒して僕はこのチームで頂点に立つ!!)
屑桐「牛尾…」
(キサマはここで沈める…!!)
『中学で同じチームだった彼らは高校3年生の夏前に強豪校同士の主将として再会する』
『しかし、公式戦での対戦は無いまま屑桐の率いる華武高校が甲子園に出場』
『その年に始まった県対抗総力戦の埼玉選抜に選ばれた彼らは主将、副主将としてチームを優勝に導く』
『終生のライバルと言っていい彼らがこのセ・リーグ代表を決める舞台で激突しています!!!』
『牛尾はこの試合まだノーヒット!』
『この打席でキャプテンとしても牛尾御門としても屑桐無涯を打ちたいでしょう!!!』
ズドンッ「ットライ!」
初球はインローにズバッと決まる157km/hのストレート。
牛尾(やっぱりすごい、7回でこんなボールが投げられるなんて…)
「でも!!」
(君がいたから僕はここまで強くなった!!!)
カキィン
『ジャストミート!!!』
『打球はライトのポールを………』
『あーっと数センチ右に切れる大ファール!』
『しかし、ほぼ完璧でしたよ今の打球!!』
屑桐「………」
(牛尾……)
(いつもオレの前に立ちはだかるお前が……)
(ジャマでジャマでしょうがない!!!)
ズドンッ「ットライ!ッターアウッ!!」
屑桐「うおおおおぉぉぉぉ!!」
『屑桐が吠えましたよこんな姿記憶にありません!!』
『素晴らしいボール!!アウトローへのどストレート!!!』
『鍵となるラッキーセブン!!先頭を打ち取ってワンアウト!』
牛尾「すまない…」
猿野「キャプテン、任してください」
普段から120球近く投球する屑桐の球数はまだ92球。
完全に完封ペースで来ていた。
7回ではあるが球の衰えは見えない。
牛尾と同様、猿野からも三振を狙う屑桐。
ここまで完璧な試合運びをしてきた横浜ベイプラネッツの唯一の誤算だった。
白雪(さあこのバッターも三振で勢いをつけよう!)
屑桐(当然です)
既に日本シリーズ進出を決定させている埼玉レオンズ一行。
御柳「はっ、やっぱあの人には適わねーな」プクー
辰羅川「あの人のボールは初見では捕ることができなかったんですよね、あれは恐ろしかった」
由太郎「おれもおれも、選抜では結構苦労したな〜」
屑桐の圧倒的な投球を語る面々。
御柳「屑桐さんの試合はきちーけどそれ以外は勝てるだろ」
由太郎「兄ちゃんのとことやりたかったんだけどな〜明日次第かな」
辰羅川「明日は明日で横浜は2番手投手の14勝した井南なのでどうでしょうね」
犬飼「ワイルズが勝つだろ」
飛鳥「やっぱそう思うよね♪」
辰羅川「確かに明日はワイルズ投手の調子次第では…」
飛鳥「明日じゃないよ♪」
辰羅川「え?」
犬飼「よく見てろ辰!ミヤもユタも!」
御柳「ん?」
由太郎「お?」
犬飼「あのバカ猿唯一の売りが出るぞ」
牛尾と屑桐の気持ちの対比に気をつけました。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。