『日本シリーズ開幕です!!』
『本日の解説は今オフの世界大会で日本代表を率います村中監督です!』
『よろしくお願いします』
『このシリーズ出場のお二人の父親としても有名です』
『今日はそのへんの昔話なんかも聞きたいですね』
『がはは、教えられる限りのことは言いますがね』
『そして、もう1人のゲスト解説はクライマックスシリーズで惜しくも敗退してしまった横浜のエース!』
『屑桐選手です!』
『よろしくお願いします』
『この屑桐選手は日本代表に選ばれるのでしょうか』チラチラ
『がはは、どうでしょうな』
試合はエース同士の対決。
まずマウンドに上がるのは今季22勝の犬飼冥。
今やセ・パ交流戦があるため対戦経験あるのが当たり前の両リーグ。
しかし、犬飼は9年間ずっと好調というわけではない。
高卒で入団した何年かは2軍でずっと体作りに励む。
ドラフト一位で騒がれ、たまに一軍に上がってもパッとしないピッチングですぐに二軍へ逆戻り。
やっと4年目に開幕一軍ローテーションを獲得したかと思うと大きな怪我に泣かされる。
期待され続けた犬飼がエースと呼ばれ始めたのは2年前のシーズン途中からのこと。
25歳になる7年目に19勝、181奪三振をマークし二冠を達成すると、
遂に今シーズン
最多勝(22勝)
最高勝率(91.7%)
最多奪三振(209個)
最優秀防御率(1.76)
最多完封(7完封)
という投手五冠を達成し名実ともエースになった。
しかし、一軍二軍の入れ替わりのタイミングか
はたまたローテーションの都合か
未だにワイルズとの対戦が無い。
『犬飼!まずは幸先よくアウトを2つとって、早くも高校の先輩と対峙します!』
『犬飼はワイルズ戦初登板ですのでプロ初対戦でしょうか!!』
牛尾(ここでは初めてだね犬飼くん)
犬飼(………)
牛尾は、特に人に懐かなかった若い時の犬飼でさえ慕っていた人物である。
ガギン
セカンド由太郎の前に転がる平凡なゴロ。
『犬飼!!立ち上がり3人で仕留めました!』
『今日はボールが走っているようですね』
このピッチングを見ても感情の揺れがないワイルズ先発の村中魁。
魁(由太郎、セカンドがとてもうまくなっているな)
『レオンズのトップバッターは出塁率.450のセンター飛鳥!!』
『188安打を放ち最多安打のタイトルを獲得した選手です!』
『今年のレオンズはタイトルホルダーだらけですが、日本代表も多いんじゃないですか?』
『がはは、そうですねー』
『パ・リーグをぶっちぎった彼らは犬飼くんはじめ呼ばれる選手は多いことでしょう!』
カキンッ
『飛鳥!!アウトコースの3球目を狙っていたようにレフトへヒット!!!』
『先程のタイトルホルダーの話ですが、彼は最多安打ともうひとつ』
ザッ
2番打者への初球でランナーがすかさずスタートを切る。
月「ナメるな!!!」
「セーフ!!!」
『早くも盗塁をマーク!!』
『今季51盗塁でタイトルを獲得したスーパープレイヤーがワイルズバッテリーへ宣戦布告!!!』
飛鳥「楽しいな♪」
飛鳥、この選手は高校時代全国制覇をしたチームの4番を打つような選手。
3割20本は当たり前、守備ではゴールデングラブ賞4度受賞、盗塁王も3シーズン連続になった。
普段からのほほんとした態度で何もしなくても何でもできる天才型に思われている彼だが、実はそうではない。
今ヒットを打てたのは組み立てをしっかり研究したからで、初球スチールできたのは投手のクセを画面に穴があくまでチェックしたから。
では、努力型かといわれればそうでもない。
彼はこれらを努力ではなく当たり前のことだと思っている。
頭脳明晰、裏付けのある天才。
そのことを世間、および他チームの選手たちは知る由もなかった。
猿野「あいつ、オレに喧嘩売るだけあるぜ」
観客席
凪「渚くん、やっぱりすごいですね」
清熊「へへっ心配すんなって!」
「いざとなったらうちの旦那が全部アウトにするぜ!」
猫湖「それは無いかも」
清熊もみじ、猫湖檜は猿野や凪が所属していた十二支高校野球部の元マネージャー。
少し離れた席
子津「久しぶりに生で観るとやっぱりいいっすね!」
雪「あれが私と同い年かー」
「実は私、あのときの試合、飛鳥くんとの勝負であなたに惚れたのよ」
子津「ええ!!?そうだったんすか」アセアセ
「それは照れるっすよ」テレテレ
続くバッターがセカンドゴロで1アウト3塁。
由太郎、御柳、ヒメラの爆弾クリーンナップが魁に襲いかかる。
親の見てる前で兄弟対決が繰り広げられます。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。