先攻は全セ。
つまり、まっさらなマウンドに上がるのは犬飼。
球場は阪神甲子園球場。
牛尾「まずは僕だ」
『さあー!日本中が注目するオールスターの開幕!!!』
『特に気になるのはこの先発の犬飼と4番猿野の対戦!!!』
『しかし、まずはこの人!』
『犬飼が高校1年時に主将を務めていた牛尾がバッターボックスに向かいます!!』
牛尾「嬉しいよ、犬飼くん」
「ボール!!」
『歩かせてしまいました犬飼!!』
『2年連続オールスター、今年は先発を務めます犬飼ですが』
2番は高校時代対戦経験のある小饂飩。
その時は3打数1安打。
「ボールフォア!」
『これまたフォアボール!!』
『ストライクが入りません犬飼!!』
3番は幼馴染の御柳。
御柳「おいおい、冗談だろ」
「ボール!!!」
『なんと満塁!四球3つで満塁です!!!』
『バッターは4番の猿野!!』
たまらず集まるパ・リーグ内野陣。
由太郎「どうしたんだよお前らしくねえぞ」
犬飼「……」
愛良「そうですよう!犬飼さん!」
-
札幌ファイヤーズの左投左打4番ファースト。
犬飼と高校時代に対戦があり、ずっと4番。
童顔だが、野球のことになると逆に老けて見える。
平河「大丈夫ですよ、守るんで!」
千葉オリオールズの1番ショート。
数年前甲子園を沸かしたアイドル選手。
幕田「そやぞ!しっかりせんかい!」
福岡コンドルズの5番サード。
ガッツのあるプレーが武器の熱血漢。
炭山「大丈夫、いつも通り落ち着こうか」
レオンズのベテラン正捕手。
頼りになる守備とリーダーシップ。
この翌年メジャーリーグへ挑戦する。
犬飼「うっす」
各々が守備位置へ戻る。
レフト
五領「こういう時ヒマだよなあ」
仙台クローズの右投右打4番レフト。
元神奈川NO.1打者として鵙来所属の大阪選抜と対戦。
センター
喜田矢「なに話してるんやろ」
福岡コンドルズのスター選手。
身体能力オバケの異名を持つ。
ライト
吉吉「ストライク投げればいいのに」
大阪バッフォンの若き大砲。
フルスイングが持ち味の人気選手。
バッターが打席に。
猿野「コゲ犬…」
犬飼「バカ猿………」
オールスターの先発を任されて柄にもなくふわふわしてしまった。
地に足がついていないような。
それでも猿野の姿を見て落ち着いた。
3年間一緒にプレーした戦友に実家のような安心感を覚えてしまった。
カチンッ
ギアが切り替わる音がする。
この勝負を最も楽しみにしていたこの2人。
初球、先ほどまでとは全く違う力のこもったボール。
インコースギリギリを狙ったキレッキレのボール。
カキイイィィィンンン
『打ったーーーーー!!!!』
『センター方向伸びる伸びるーーー!!』
御柳「まじかよ」
由太郎「ありゃ」
鵙来「そらわいがやる事やで」
『超特大ホーーーームラーーーーーンンンンン!!!!!』
『全セ初回ノーアウトでグランドスラムが飛び出した!!!』
『4点先制ーーーー!!!』
犬飼「!!!!!」
(何が起こったんだ)
ハッと本塁を踏む猿野の方を見る。
すると、悲しそうな表情の猿野。
ガッカリだ。
そう言われているような顔。
犬飼のプライドが崩れ去った瞬間だった。
××××××××××
その試合を機に犬飼はさらに力をつけていった。
ずっと一軍で切磋琢磨した猿野にはまだ敵わないと認識した。
初めて猿野を格上に見た。
次の年のオールスターで猿野を三振に取りリベンジを果たす。
次の対戦は日本シリーズ初戦。
7回表
ノーアウトランナーなし。
カキイイィィィンンン
2年前とほぼ同じ打球音。
猿野が放った打球はセンターフェンスを越えていった。
『ウオオォォォォォ!!!!』
『3球目を一振で決めたあああぁぁぁ!!!!!』
『同点ホーーーームラーーーーーンンンンン!!!』
『初戦を取りたい両チームの必死さが伝わってきますね』
投手五冠の犬飼。
今季に限っては確実に日本ナンバーワンの投手。
シーズンの負けは僅かに2つ。
崩れるようなことは無かったが、元々打ち込まれる試合も少なくない投手。
5番、6番に連続フォアボール。
7番はキャッチャーの
まだノーアウト。
カキンッ
ライトとセンターの間に抜ける。
飛鳥「なにやってんの♪」
由太郎「世話の焼けるエースだな」
身体能力抜群の飛鳥と元捕手由太郎の中継プレー。
1塁ランナーは代走の兎丸。
止めることはできず大神月の2点タイムリーツーベースになる。
月「よしゃー!!!!」
ワイルズベンチ、スタンドは大熱狂。
辰羅川「犬飼くん……」
犬飼「後は頼む……………」
犬飼冥
投球回6回と3分の0
被安打4、四球3、失点4
この成績でマウンドをおりていった。
犬飼が降板してしまいました。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。