子津「犬飼くんが…これが日本の頂上……!!」
後続にさらに1点追加されたレオンズは3点差を追いかける。
降板した犬飼、代打を出された辰羅川がベンチ裏で話す。
犬飼「まだ甘かった…オールスターで打ち取った時に並んだと思っちまった」
「違う、やつは9年間自分を磨き続けて成績を出し続けた選手だ」
「プレッシャーのかかりようがまるで違う」
「打たれてショックを受けるのが間違ってるんだ」
「とりあえず、大丈夫」
「すまなかった辰…」
技術面では猿野に劣らない犬飼の唯一の弱点がメンタル。
相手を下に見るクセがあり、打たれるわけないと思い打たれると思考が停止してしまう。
今シーズンは下に見たバッターに全く打たれなかったので顕在化していなかった。
3点差の7回白糠。
8回のスアレ。
9回守護神の羊谷。
3人が自分の仕事をしっかり果たし試合を終わらせる。
『試合終了ーーーー!!!!』
『日本シリーズの初戦!』
『先手を取ったのはワイルズ!!!』
先に4勝した方が日本一になるこのシリーズ。
統計では先勝したチームが60%以上の確率で日本一に輝く。
猿野「まず一勝!!!!」
月「この調子でいきましょう!」
兎丸「司馬くんもナイス守備だったよー」
司馬「コクッ」♪
羊谷「もちろん通過点ですよ」
とても明るいワイルズのベンチ裏に対して微妙な雰囲気のレオンズ。
御柳「ま、誰かさんがあの調子じゃな」
由太郎「………」
飛鳥「みんな頑張ってたんだしまた明日からあるよ♪」
敗け投手の犬飼、4タコの由太郎。
これがレオンズの不安要素になってしまった。
プロ野球チームは一部のチームを除いて本拠地開催のゲームの勝率が高くなる傾向にある。
それはファンの声援、常に後攻、グラウンド特性の把握などが要因にあげられる。
しかし、レオンズはホーム試合を1つ落としてしまった。
そんな第2戦。
昨日の流れを引きずっているかのように不調だったのはパ・リーグ首位打者の由太郎。
それでもその後ろの御柳、谷海、内崎などの活躍で大量得点。
先発の菊華も安定したピッチングを見せ、4対7で勝利する。
『ホーム開催第2戦!!』
『レオンズはここで勝ち星を五分に戻しました!!!』
御柳「ま、こんなもんよ」
牛尾「みんな、大丈夫!」
「パ・リーグぶっちぎり優勝のレオンズ相手に五分で本拠地に戻れるんだ!」
「気落ちしてる暇は無いよ」
猿野「わかってますよ、明後日勝ち越してやります!」
レオンズの本拠地で2戦行われた後、移動日を挟んでワイルズの本拠地で3戦、
また移動して2戦といったスケジュールになっている。
レオンズの本拠地は埼玉。
ワイルズの本拠地も埼玉。
移動日がほぼ必要ないが規定なので仕方が無い。
日本シリーズ初の埼玉対決になった。
「明日どうするか」
悩んでいるのは埼玉レオンズの監督コーチ陣。
2日で8打席ノーヒットの悩める安打製造機由太郎の打順を決めあぐねていた。
「打順を下げて使ってみるのはどうでしょう」
「いっそのことベンチを温めてもらうのは」
「幸いうちには強打の深町が復帰してることですし」
レオンズの深町は大阪選抜で灰狼と二遊間を組んでいた選手。
自チームではショートを守り、プロでもショートかセカンド、ファーストを務める。
昨シーズン途中の怪我で長期離脱を余儀なくされ、それもあり御柳との契約が実現した。
今季途中で怪我から復帰し、要所で活躍を見せる。
今日の試合、ファーストでスタメン出場している。
「うーん、どうしたものか」
ピロリン
由太郎「誰だろ?」
小饂飩「おう、ユタ坊!わるかったな急に呼び出して」
由太郎「うどん先輩!明日もナイターだから大丈夫!」
「久しいね由太郎くん」
由太郎「うわ!ヒジカタさん!どうしてこんなとこに」
泥片「君が悩んでいるのではないかと思ってね」
-
黒撰高校時代の2年上のレギュラーショート。
埼玉選抜に選ばれたほどの実力者。
ある一言を聞くと正気を保てなくなる。
沖「ほんと世話が焼けるよ」
由太郎「沖までいるのか!」
-
黒撰高校の元エース。
数多くの変化球を操る。
由太郎とは大の仲良し。
この日、由太郎はかつての仲間とごはんに行くことで落ち着きを取り戻した。
次の日以降の試合で自分のプレーを取り戻すことになる。
1勝1負で迎えるワイルズの主催試合。
指名打者が無いので戦術も変わってくる。
ワイルズの先発は江野。
レオンズは2ケタ勝利の千瓶。
猿野「交流戦では負けたからリベンジ!」
牛尾「これに勝って流れを掴みたい」
勝負どころの第3戦です。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。
7回白糠、8回スアレに編集しました。