7回表
2対5で3点を追うレオンズ。
打席は魁に好相性の飛鳥。
ホームランを含む2安打。
このシリーズで4打数3安打。
ワイルズはこのタイミングで投手を交代するはずだった。
次の代打待機が由太郎でなければ。
飛鳥「一発狙うのは違うよね♪」
ズドン
「ットライー!!」
飛鳥(強気だね♪)
初球は厳しいインコースへのストレート。
ボールになるカーブを見せて再度内角直球。
カキンッ
ロス(Wow!!)
ファーストの横を抜けるもファールの判定。
月(あれを普通に打ってくるのか)
飛鳥(あの程度の緩急で舐めてるのかな♪)
魁「ふぅ」
ワイルズバッテリーはあと2球ボールを投げる余裕があったが、
飛鳥にはなんの意味もないことを悟る。
もうできることは守備を信じて自分の1番のボールを投げるだけだった。
コクン
サインに頷き、いつものように綺麗なマサカリフォームから投げこむ。
さらに厳しく内角高めへ。
ガギンッ
対応力に優れた飛鳥。
いくら頭に無いボールでもそれなりに打つことができる。
しかし、振り抜いた打球はライトのほぼ正面へのフライ。
魁「よし」
飛鳥「最後は気迫負けかな♪」
喜び沸くワイルズファン。
しかし、まだ2アウト1.3塁とピンチは続く。
ゆっくりと打席へ向かう由太郎。
兄との思い出を反芻しても勝てたビジョンは見つからない。
それでも、この場面で起用されたのだから打つしかない。
由太郎「行くぞ兄ちゃん!!!!」
魁「来い!由太郎!」
打席に立った瞬間、小饂飩の言葉を思い出す。
××××××××××
小饂飩「なあ、ユタ坊よ」
「魁ちゃんにバッティング崩されたのかはわかんねえけど考えすぎじゃねえのか?」
泥片「確かに、テレビで観ていても打席で固いような気がするな」
沖「由太郎は自分で背負いすぎるクセがあるもんね」
確かに由太郎は高校時代から、
おれが打たなきゃ、4番の責任を果たさないと、おれのせいで、
みたいにチームを気負いすぎるきらいがあった。
小饂飩「まあ、なんつーか気楽にやれよ」
「チームのためにも良いけどたまには自分のために野球やるのもいいもんだぜ」
××××××××××
カキンッ
『上がったーーー!!!!』
『これは大きいが、左に切れそうかーーーー!!!』
由太郎(おれは1人の男として)
『切れるか!入るかーーー!!!』
「入れーーーーーー!!!!」
「切れろーーーーー!!!!!」
由太郎(兄ちゃんに勝ちたい!!!!!!)
コーンッ
『当たった!当たりました!!!!』
『代打村中の打球はポール直撃の同点スリーランホームラーーーーーーーン!!!!!!』
由太郎「やった!やったぞおおおお!!!!!」
『試合を振り出しに戻す渾身の一発!!!!!』
喜びを噛み締めながらダイヤモンドを回る由太郎。
(やっとそこを乗り越えたか由太郎よ)
観戦しているのは日本代表監督の村中紀洋。
紀洋(それでこそ世界で戦える選手だ)
(それに御柳、猿野、飛鳥、お前たちを軸に世界を獲るぞ!)
日本は第1回、第2回と厳しい戦いを何度も勝ち上がり世界一に輝いた。
しかし、第3回、第4回はいずれもベスト4で沈んでいる。
村中監督に課せられたのはもちろん世界一の称号。
3年前の前回大会で出場していたのはこの2チームでは猿野、御柳、由太郎の3選手がメイン。
メインでは無いが、魁、牛尾なども選出されていた。
しかし、ベスト4からの壁の高さを感じてしまい敗退。
3年前より強い選手たちを招集、もとい育て上げなくてはならない。
今回はエース級の働きをしているメジャーリーガーにも声をかけている。
この試合もあくまで選手たちの成長のためだと紀洋は見ていた。
7回表
5-5の同点。
魁「すまない」
白糠「なに言ってるだべ!おめから熱い心さ受け取ったべ!!!」
次の回に9番からの投手から始まる打順。
ワイルズは7番にリリーフの白糠を入れ、レフトに隙野を投入。
隙野はドラフト一位で入ってきてこの4年目に才能が開花。
規定未満ながら攻走守でワイルズの泣き所を埋める。
御柳「甘い」プクー
カキンッ
『まさか、まさか!!!!!』
『いったーーーーー!!!』
『今日3番の御柳がこの回4点目となる勝ち越しホームラン!!!!!』
『これが王者たる所以なのか!!!!』
同点にされても勝ちパターンを出してまだここからといった気持ちになったところにそれを折る一発。
両リーグの投手は言う。
御柳は嫌なところで必ず打ってくると。
御柳「ジャックポットってところか」
7回6対5で負け越し。
ワイルズは一気に厳しくなってしまう。
猿野「あいつら…」
この危機的状況でも猿野は笑っていた。
猿野、犬飼、御柳、由太郎は実力が抜けてます。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。