ミスフル 続編!   作:トータス検二郎

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いつから中継ぎ1イニングが主流になったんでしょう。





125発目 紅月式盗塁

 

 

7回裏

 

6-5の1点差。

 

 

レオンズは勝ちパターンの投手をマウンドへ上げる。

 

埼玉レオンズの中継ぎ陣は前半戦あまりよくなかった。

 

それでも後半戦は7回以降の投手が固定され、2位に10ゲーム以上つけて優勝となった。

 

 

まずは7回のピース。

 

シーズン途中で獲得した速球と大きなカーブを武器にする大型右腕。

 

 

ワイルズの9番は先ほどからレフトの守備につく隙野。

 

足も速い彼を全力で討ち取りに来るレオンズ。

 

森本(サードファーストバント警戒な)

 

 

ファーストの谷海とライトからサードに回った内崎の国際大会コンビが構える。

 

 

カキンッ

 

大きく跳ねる打球。

 

完全に叩きつけて内野安打か相手のミスを誘うような打撃。

 

 

兎丸「やるねえ隙野くん」

 

猿野「行っちまえスキッパーーー!!!」

 

 

彼がしたのはバントの構えを見せた後のヒッティング。

 

釣られたサード内崎は対応が少し遅れる。

 

左に手を伸ばし反転そのまま送球するも間に合わない。

 

 

『先頭バッター出塁!!!』

 

『ここから上位打線に繋がっていきます!!!』

 

 

1点差を争う終盤。

 

ほとんど併殺を打っていない元太がヒッティングの構え。

 

 

狙いはもちろんストレート。

 

遅いカーブは隙野に走られることを懸念するからだ。

 

 

そこで森本の出したサインはカーブ。

 

カーブを投げることで1ストライクを稼ぎ、バッターを惑わせる。

 

終盤のノーアウトのランナーを初球から走らせるようなことはしないと考えての配球だった。

 

ピースが頷く。

 

 

野間の盗塁成功率は7割前後。

 

かのレジェンド盗塁王紅月が2/3成功しないと意味が無いと言った基準は満たしている。

 

 

牛尾「行け!」

 

森本「なっ」

 

 

『初球単独スチール成功ーーーー!!!!』

 

『終盤ですが、これは思い切った采配ですね!』

 

 

隙野「うしっ!」

 

 

 

村中「よし、こーい!」

 

(今のスチールは読めないな)

 

 

御柳「打たせろ!」

 

(森本、切り替えろよ)

 

 

 

賭けに勝ったワイルズと読みが外れた森本。

 

ただもう森本は切り替えていた。

 

 

森本(大丈夫、予定通り1ストライクや)

 

 

他のナインとは違い、1人だけ違う向きを見ている捕手は皆と視点が違う。

 

そのため、何事も見逃さぬように常に冷静を保たなければいけない。

 

 

森本(進塁打を打たれることは別にええ)

 

(ランナーを溜めないことが先決や)

 

 

キィン

 

 

追い込まれて厳しいところを攻められた元太はゴロを打つことを最優先した。

 

結果はただのショートゴロ。

 

ランナーを進めるには至らない。

 

 

元太「んー」

 

森本「よし」

 

(これで取り戻したわ)

 

 

1アウト2塁

 

ここで同点に追いつきたいワイルズはピンチヒッター金市を告げる。

 

 

ブオンッ

「ットライーッターアウッ!!」

 

 

金市「ぐっ」

 

ノーアウト2塁がツーアウト2塁に変わる。

 

 

わあああああああああああああ

 

 

それでも歓声が人一倍大きくなる。

 

ラッキーセブンのチャンス。

 

1番人気選手の牛尾。

 

喉が枯れてもいいと思っているような大声でチャンステーマを歌う。

 

というよりも叫ぶファンたち。

 

 

キィン

「ファール」

 

牛尾「やってやれないことはない」

 

 

カーブがチラつく牛尾に球威で攻めるバッテリー。

 

決め球に選んだのはアウトローへの真っ直ぐ。

 

 

白糠「おめの力さ見せるべー!!」

 

 

カキンッ

 

 

うまく合わせた牛尾。

 

センターへキレイにはじき返したライナー性の打球。

 

 

猿野「うぉおおおおぉぉぉ!!キャプテン!!!」

 

兎丸「回れ回れまわれーーええええ!!!」

 

 

隙野「いける!!!」

 

 

さらに歓声が強くなる。

 

得点の期待感がピークになった瞬間だった。

 

 

飛鳥「喜ぶの早すぎるよ♪」

 

 

 

子津「ダメっす!」

 

スタンドで観戦していた子津はすぐに喜ぶことはしなかった。

 

センターが飛鳥ということをわかっていた。

 

この飛鳥のスーパープレーを高校時代から何度見たかわからない。

 

 

基本外野手は前の浅いフライやライナーに一か八かで飛びつくことはしない。

 

基本的には横の打球か前でも飛び込んだ方が確実なときにその選択をする。

 

万が一にでも後ろに逸らしてしまうとほとんどスリーベースが確実になってしまう。

 

 

 

 

それでも飛鳥は飛んだ。

 

飛ぶ鳥と書いて飛鳥。

 

彼に万が一など存在しなかった。

 

 

バシッ

 

 

『捕ったあああーーー!!!』

 

『チームを救う超超超ファインプレー!!!!』

 

 

 

件のレジェンド紅月は同じような飛び込みで身体を痛めて引退してしまう。

 

彼は引退時に、飛び込みに後悔は無いが捕れなかったことに後悔がある。

 

過去に戻って同じ状況でもやはり飛び込んだだろうといった発言を残している。

 

 

今はスポーツニュースのキャスターを務めている紅月はその夜、この飛鳥のプレーを絶賛した。

 

 

 




紅月のモデルわかるでしょうか。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。
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