ミスフル 続編!   作:トータス検二郎

152 / 160
144発目 ケガ人多し

 

猿野たちを巡ってひと騒動あったことで試合が中断したが、再開する。

 

「おさるさんだ」

 

 

猿野「キザトラ先輩ー!!」

 

「打ってくださいよー!!!」

 

 

虎鉄「けっ、生意気な後輩だZe」

 

猪里「なんば久しぶりのやりとりばい!」

 

子津「そうっすね!なんだか懐かしい気持ちになるっす!」

 

 

キンッ

 

低めの変化球をうまくすくい上げて打球が伸びていく。

 

猿野「お!」

 

虎鉄「行けYo!」

 

 

追いかけるレフトは俊足の霧咲。

 

タッタッタッ

 

 

霧咲「大飛球捕球可能」

 

バシッ

 

 

「アウト!」

 

 

久芒「やった!」

 

紅印「ナイスよー!(じゃく)ー!!」

 

 

黒豹「惜しかったなあ」

 

巳上「あれ抜けないのか」

 

丑光「そだねー」

 

 

牛尾「惜しかったね」

 

 

この回十二支は1点差に詰め寄るホームランで7対6にする。

 

7回、最終回表は埼玉ビクトリーズの攻撃。

 

鹿目と狸間が登板済のアニマルズには当時投手をしていた選手が今この場にいない。

 

子津はいるのだが、軟式を投げないように調整している。

 

 

十二支キャプテンの鹿目は次の回に回ってくる可能性が高い好打者の子津をライトに置く。

 

鹿目「飛んできたら巳上にトスで渡せばいいのだ」

 

そして、1イニング限定でワイルズの抑え投手をしているのがこの選手。

 

 

白鴎「さ、行くよ(せん)!」

 

 

14白鴎(はくおう) 清澄(きよすみ)

 

元十二支野球部員だったが、交通事故により意識を失う重傷を負ってしまう。

 

今では歩けないと診断されながらも必死のリハビリによって回復。

 

この草野球に関しても、リハビリの一貫としてプレーをしている。

 

 

黒豹「おう、頼むで清!」

 

 

紅印「ルーキーの月ちゃんががんばってるんだもん」

 

「先輩が弱い姿見せてられないわよね」

 

カキンッ

 

沖「由太郎の活躍楽しみだな」

 

椿「ミヤが勝つだろきっと」

 

武蔵「神鷹さんに負けないバッティングを!」

 

 

猿野たちか来たことで士気が高まったのはもしかしたらビクトリーズの方かもしれない。

 

この最終回に追加点を3加える。

 

白鴎「ふぅー楽しいー!」

 

黒豹「めっちゃ点取られてるけどな」

 

子津「普通にけっこう飛んできたっす」

 

 

最終回に4点差に突き放されてもどこか楽しそうな十二支ナイン。

 

学生や社会人チームで真剣勝負という場から引退した彼らは野球しているだけでほっこりできるメンタルだった。

 

猿野「なにへらへらしてんだか」

 

兎丸「でもすっごい楽しそうだよ!」

 

牛尾「彼らはもうそういう野球をしてるんだね」

 

 

もちろん野球自体は真剣にやっている草野球メンツもプロの目から見るとふざけてるように見えてしまった。

 

それが良いとか悪いとかではない。

 

あくまで音楽性の違いのようなものである。

 

ただ少し悲しい気持ちもするような猿野たちだった。

 

 

しかし、試合は思わぬ展開を見せる。

 

まず先頭の蛇神がリーグナンバーワン打率を見せつけヒットで出塁する。

 

6番の丑光がフォアボールを選んでチャンス拡大。

 

ノーアウト1.2塁でピッチャーが交代する。

 

紅印「セーブ機会ね」

 

椿「ったく、誰が草野球のリーグのセーブ王なんか欲しいんだよ」

 

「円《まる》!」

 

 

桜花(おうか)「王になるよ」

 

と同時にキャッチャーも交代。

 

柘榴(ざくろ) 「タイトルを取ったら来年以降もテンションがあがるでしょう」

 

 

久芒「どうでもいいング」ずずず

 

元華武高校の桜花と柘榴と言えば全国制覇を果たしたことのある最強世代のバッテリー。

 

特に桜花は2年の春に全国制覇したピッチャーとしてプロ入りがほぼ確定していたが、投げすぎによる肩の故障で選手生命を終わらせてしまう。

 

兄に屑桐の女房役として活躍した巨漢の蛮奉(ばんほう)を持つ。

 

現在は二人とも普通にサラリーマンをしながらこういうオフの日に草野球を楽しむ。

 

 

子津「なんかやっぱり速いっすね」

 

桜花の投球練習を観ながらつぶやく子津。

 

 

ここ何年かはセーブ機会にのみ登板し、常にセーブ王としてタイトルを獲得していた。

 

セーブは勝っている試合を締める最後の投手に与えられる。

 

 

条件は3つ。

 

リードを保ったまま最後の3イニングを抑えるか、

 

3点差以内で登板して試合を締めるか、

 

最終回、今の打者と次の打者に連続でホームランを打たれると同点に追いつかれる場面で登板して試合を締めるかのどれか。

 

今回は4点差で登板していながらランナーが2人いるので3個めのパターンが適用される。

 

 

 

猪里「さあ、行くばい!」

 

代打に視力の回復した猪里。

 

柘榴(早速厄介なバッターですね)

 

 

「ボール!フォアボール!!」

 

猪里は速球に着いていくも当てるだけで精一杯。

 

しかし、桜花も現役当時とは違ってコントロールが良いとは言えない。

 

肩を壊した影響でボールが定まらず根負けしてしまう。

 

 

桜花「おさるさん!」

 

猿野「なんだこのやろー!!!」

 

 

猿野のことをおさるさんと呼ぶ桜花。

 

この2人は埼玉で数多くの名勝負を繰り広げた盟友。

 

2年の夏に桜花がおかしくなってしまい、自己中心的となり優勝を逃したのはこの猿野のせいでもある。

 

また、そこから大復活劇を演じ、多くの野球ファンの記憶に残る最高のピッチングを魅せたのも猿野のおかげ。

 

桜花の投手歴史は猿野との歴史と言っても過言ではない。

 

世間では猿野と犬飼のライバル関係が注目されているが、

 

彼らもまた、密なライバル同士だった。

 

 

桜花「みててよー!!!」

 

猿野「子津ッチューくらい抑えろよ!!」

 

子津「あれ?猿野くん?」

 

 

6対10 最終回

ノーアウト満塁

 

ピッチャーは桜花、 バッター子津

 

 




みんなおじさんなので身体にガタがきています。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。

阪神ライガース
1神鳥谷←ゴッドバード←鳥谷
2南條←北條
33糸目←糸目程ではないけど糸原
54メッセージボーイ←メッセンジャー
60外谷←中谷
98ドリンス←ドリス
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。