須咲の四大秘球はイントネーションがしっくり来ません。
十二支の監督である羊谷は迷っていた。
羊谷(どうする、負けてもいい試合なんてねえがこの試合は勝たなくてもいい試合だ。
最悪の場合、子津の″砂燕・乱″や犬飼の四大秘球が打ち込まれ、
逆にこっちは須咲の四大秘球と大神弟のリードの前にボロボロにされる。
その可能性がある試合だ。どうする?)
虎鉄「監督さん、勝ちますYo」
真っ先に口を開いたのは虎鉄だった。
負けてもいいというムードは実際あった。
兎丸が″飛鳳″を見逃してしまったのも集中できていなかったからだろう。
黒豹「せやで、ここで手抜いて負けるよりあいつらにわいらがやばいって思わせとかなあかん」
しかし、ここで十二支ナインに火がつく。
強い相手であればあるほど燃える彼らは真の実力を発揮していく。
6回裏が終わり0-0
大神月「宝町さん、風を感じてください」
宝町「風?」
「7回表セブンブリッジ学院の攻撃は3番センター宝町くん」
宝町「よーしいっちょ出塁しますよ~~~」
シュッ
ブワッ
宝町(これか、風を感じる!)
カキンッ
ピッチャーの股間を抜けた打球を司馬が飛びつき回転しながら一塁へ放る。
宝町「え?」
巳上「あの人うますぎるだろ!」
「アウト」
月「ナイスバッティングでした」
宝町「よせよ、アウトだ」
月「いえいえ風を感じるのが間違ってなかったって嬉しいです」
宝町(こいつ、キャプテンの俺を実験台にしたのか?)
「4番キャッチャー 大神くん」
カキンッ
子津(また初球っすか?)
″砂燕″攻略を確信した大神月は初球を振り抜きスタンドへと叩き込む。
セブンブリッジ先制。
月「よーし!」
ベースを1周して
宝町「よくやった大神」
古家「ニーチェ曰く……」
兜鍬「あわわ…すごいよ…」
須咲「よくやった月、褒めてやるぞ」
月「葉坏はいつも上からすぎるでしょ」
子津「フー」
いつもならここで崩れる子津だったが最後の力を振り絞って後続を打ち取った。
羊谷「よくやった子津!次の回から犬飼、辰羅川行くぞ!」
7回裏
1点差を追いかける十二支の攻撃は6番の黒豹から始まる。
十二支はヒットやフォアボールなどでランナーを出すこともあったが須咲の3つの秘球と大神弟の巧みなリードの前に無得点だった。
黒豹「わいが出なあかんな」
(あんだけピッチャーががんばったんやからキャッチャーもなんとかせなな)
シュッ″蛟鳳″
黒豹(今わかってることは2つ。
1つは1年生やからかコントロールミスがけっこうある。
2つ目は犬飼ほど威力はない…!)
カキンッ
左ピッチャーの犬飼とは違い、逃げていく″蛟鳳″をバットの先っぽで外野の前へ持っていった。
猿野「先頭出たぞー反撃開始だー!」
虎鉄「あのネコちゃん、うまいこと打ったNa」
ここで羊谷監督は疲労した子津に代えて代打を送る。
「選手の交代をお知らせします。
バッター子津くんに代わりまして河馬地くん」
狸間「よっしゃ行ってこーい」
河馬地「うっす」
河馬地 卓
ほとんど目立たないが部内戦でも2安打を放つなどバッティングもうまい。
巳上「ちっ河馬地かー」
大好きなミカンを食べながら不平をもらす巳上。
羊谷「巳上!」
巳上「は、はい!」もぐもぐ
羊谷「こっち来い」
ブンッブンッ
最大の特徴はフルスイング。
ボテッ
平凡なサードゴロだったがスイングの勢いに
「アウト」
羊谷(よし、結果オーライだ)
次の司馬は粘った
カキンッ
これも送りバントのような形になりツーアウトランナー3塁。
月(空振りが取れなくなってきたな、この回までか)
「バッター新里くんに代わりまして巳上くん」
巳上「よし出番だ」
月「へー、丑光と違ってスタメンじゃないんだ」
巳上「ふんっ、見てろここでレギュラーの働きしてやるよ」
巳上と月は中学時代に対戦している。
そこで月は巳上と丑光の実力に目をつけセブンブリッジに誘ったが断った経緯がある。
シュッ
巳上(これが″飛鳳″か、確かに犬飼さんと同じで止まって見えるな……あれ、まだ)
犬飼「それは違うぞ!」
須咲「もう遅い」
パシッ「ストライーク」
巳上「何だ今の、めちゃめちゃ遅かったんだけど」
四大秘球の″飛竜″もとい″飛鳳″には二種類ある。
ストレートのスピードで止まって見えるボールとチェンジアップのスピードで止まって見えるボール。
須咲「ふはは、″飛鳳″は″飛
巳上「ま、要するに遅いのと早いのがあるのね」
(いやー、本物かよ四神・須咲!)
巳上がスタメン勝ち取るかどうかのフラグ回でした。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。
名前が間違っていたので修正しました。