埼玉県予選準々決勝
1回表ワンアウトランナー1塁
バッターは3番の武蔵
カキンッ
鋭いライナーが猿野
飛んでくる。
猿野「うわっ」
凪「キャッ」
グローブを正面に出しギリギリアウトにしたが、ベンチに笑いながら戻る武蔵の様子が見えた。
虎鉄「やっぱりこいつら」
猪里「反省なんか全くしとらんったい」
羊谷「いや……」
辰羅川(今のはただのサードライナー、皆さん頭に血をのぼらせてはいけませんよ)
「こらー!!」
球場全体に響く声が聞こえる。
金剛「武蔵さん!!そんな態度だとまた勘違いされますよ!!僕たちは変わったんですから勘違いされたらもったいないですよ!!」
武蔵「お、おう」
猿野「なんだー?」
そこには怒る1年生と機嫌をとりなそうとする武蔵の姿が。
武蔵(全部こいつのおかげだ…去年の夏十二支にあんなにケガさせても負けた。
「4番ショート 金剛くん」
金剛「十二支の皆さん!!正々堂々闘いますよ!!」
これまた球場全体に響く声量で言い放った。
十二支ベンチからも声が飛ぶ。
羊谷「こいつらが正々堂々とか卑怯とか関係ない!お前らの野球をしろ!」
ここで十二支ナインはハッとする。
少し恨みみたいなものを持ち卑怯なやつらと試合をするといった先入観。
普段の野球では無かったと気づく。
猪里「そうったいね」
虎鉄「正々堂々勝つZe」
そんな場合では無い選手が1人。
長戸(ふーやべえよ、全力で行くぜ)
武蔵への初球で二盗を決めている島風は2塁ベース上にいる。
島風(三盗も行きますよ)
提督(ははっ、初回は好きにしろ)
黒豹はとても優秀なキャッチャーである。
三盗をするとわかっていたからである。
シュッ
長戸がボールゾーンへ投げる。
島風はスタートしている。
黒豹(読み通りや)
妙高「僕のデータを甘く見ないでほしいな」
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妙高「黒豹が二盗を刺して来ない確率は80%、刺してこなかった時の三盗はアウトコースのボールを投げる確率90%だよ」
島風「ふーん、じゃあ三盗しなければいいのでは!」
妙高「いや、三盗はしよう。そこで狙うのは…」
金剛「その不用意に投げられたボール球ですね!!」
武蔵「なるほど、面白いな」
武軍は正々堂々と試合しだしてからはこういった技術面での相談をする機会が多くなっていた。
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金剛「待ってました!!」
作戦通りに金剛はそのボールにめいっぱい手を伸ばし打ちにいく。
ただ黒豹に焦りは無い。
黒豹「待ってたんはわいの方や!」
(あのうるさいランナー刺したる)
黒豹はここで相手が打ちに来るのを想定していた。
大きく外さなかったのは見逃された時に盗塁警戒していると
妙高「なっ!」
長戸が投げていたのはフォーク。
ボールからボールへのフォークは妙高も想定していない。
長戸の最も得意とする球種がフォークで落差はなかなかのものである。
金剛「うおおお!!」
キンッ
黒豹「はっ?」
長戸「あれ」
「ファール」
金剛「ふー、当たった!!」
色んな策略が飛び交った空中戦は金剛の技術でドローまで持っていった。
金剛「うわーすみません妙高さん!!読み通りだったのにファールにしちゃって!!」
黒豹(なんやこいつほんまに1年かいな)
長戸(俺の必殺のフォークが)
妙高(いや、今のは完全に黒豹に裏を取られてたのに反応できるなんてありえないよ)
してやられた黒豹だったが島風に簡単に走らせないというポーズにはなった。
提督(三盗はやめておけ)
島風(了解です!)
黒豹はこの
黒豹(こいつは危険や)
長戸(お前がそこまで言うなら)
このフォアボールが結果的にプラスに働き長戸は初回を0点で抑える。
長戸(よし、通用する!この調子で行きたい)
黒豹(長戸はもって4回か5回、脳みそフル回転で抑えたる)
虎鉄「よくやったZe長戸」
猪里「めちゃめちゃ気合い入っとるったい」
辰羅川(やはり黒豹さんはすごい、こんなキャッチャーになれるのでしょうか)
辰羅川はそう思うと同時に犬飼の安否が気になって集中できていない部分もある。
それは猿野も同じだった。
猿野(あんのコゲ犬、心配かけてんじゃねえよ)
十二支の攻撃が始まる。
頭脳戦をうまく伝えられているかわかりません。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。