試合は6回表
華武1-0セブンブリッジ
ツーアウトランナーなし
「2番ショート久芒くん」
『ツーアウトながら今日ヒットを打っているキャプテンの久芒くんです』
『チャンスを作って御柳くんに回したいところ』
久芒「オラたちがしっかりしだいど」
久芒は年中鼻が垂れており詰まったような声で話す。
カキンッ
『久芒くん、上手くセンターへ運びましたね』
『ツーボールから積極的に打ちにいった結果です』
『ほう、華武高校の選手もなかなか…』
続く椿には四大秘球のコントロールが定まらずフォアボールを与えてしまう。
須咲「我としたことが張り切りすぎておるのか」
椿(四大秘球を打席で全部見れた、次は打って出る)
『さあ同点のチャンスで勝負強い御柳くん』
『ここでいつもの御柳くんが見たいものです』
『はて、そうそううまくいくかどうか』
御柳「………」
朱牡丹「ミヤ…」
久芒「ワンヒットでホームへ
椿「ここで打つしかないよ」
柘榴「御柳さん、任せますよ」
ズバッ
『華武高校4番御柳くん、三打席連続三振!この打席は1度もバットを振りませんでした』
『いったいどうしたのでしょう』
『若いもんは悩みがたくさんあって大変じゃのう』
大神(苦しんでるな、まだだ、もっと苦しみを味あわせてやる)
菖蒲監督「ちょっと裏で話がある
御柳「は、はい」
「ただいま御柳くんが治療中ですのでしばらくお待ちください」
兎丸「治療?」
虎鉄「それでバットを振らなかったのKa」
辰羅川「大丈夫でしょうか御柳くん」
犬飼「………」
猿野「さてはあいつまた小さいことで…」
菖蒲「我々華武高校が初めて甲子園に出場したのは5年前、それまで目の上のたんこぶであったのが十二支高校である」
御柳「………」
菖蒲「特に邪魔だったのが十二支の主将でエースで4番の大神照」
御柳「?」
菖蒲「こいつさえいなければ我々華武が甲子園出場するのにと何度も思った故」
御柳「!」
菖蒲「あの交通事故を起こしたのは余である」
御柳「え、何言ってんすか」
菖蒲「それ以来余は逃亡のために仮面を被ってこのような喋り方をしておる」
御柳「あんた本当に…」
(てことはオレのせいってわけじゃ……)
菖蒲「そんなわけないであろう」
「いま一瞬でも罪の意識が薄れたか」
「あの事故の責任を自分以外に押し付けたいか」
「過去から逃げたいのか」
はっとして黙ってしまう。
御柳「………」
菖蒲「大神照を忘れたいということか」
御柳「…………違う!オレは大神さんを本当に…」
菖蒲「その過去を本当の意味で乗り越えない以上華武の4番は任せられない故」
「もうサードは交替する故」
御柳「ちょっと待ってくれ」
『ベンチに動きがありますかねえ』
『御柳くんは4番ですが怪我しているようですし何より当たっていませんからね』
『おーっとベンチの奥から御柳くん出てきました、どうやら交替はないようです!』
御柳(終わったことをずっと悩んでも仕方ない。それは去年猿野にも言われたことだ)
(辛い、辛いけどそんなこと言ってる場合じゃない)
(オレは全国王者華武高校の4番
(素晴らしい人が命を懸けてオレを守ってくれたっていう事実を受け入れる!本当の強い自分を手に入れる)
(大神さん、オレはこの試合で過去を乗り越えてあんたを越える!)
「ウオオオオォォォォ!!!」
久芒「なんだべ?」
御柳「よっしゃ行くぞ!」
椿「いい顔になったね」
柘榴「もう、心配しましたよ」
朱牡丹「世話がかかる後輩
『いま吠えましたかね御柳くん』
『普段クールなイメージのある彼ですがなにかを変えようということでしょうか』
『ほっほっなかなかいい監督じゃわい』
大神月「なんだあいつ」
(スッキリした顔しやがって)
白雪(菖蒲監督、あなたに御柳くんを任せて良かった)
5年前の十二支のキャッチャー白雪と菖蒲は交流があった。
十二支高校と華武高校はライバル校同士
菖蒲監督も大神照
そんな時あの事故があり大神照のお葬式が行われた。
それに出席した白雪と菖蒲監督はここで初めて会話をする。
御柳の母親から犬飼たちと
そこで精神的に不安定だろう御柳を信頼できる菖蒲監督に見てもらおうと菖蒲に掛け合う。
その結果華武高校が御柳をスカウトし入学が決まったという裏があった。
菖蒲監督(あの時は素晴らしい選手のプレーをもう観ることができないのかと敵ではあるが辛かった故)
目線の先にはサードで打球を華麗に捌く御柳の姿。
(でも今はかわいいあの子の成長をみることが最大の楽しみ故)
試合は桜花が6回裏を3人で抑え、7回表に入る。
華武高校は5番の
埼玉選抜を今から悩んでいます。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。