初回ノーアウトランナー3塁
カウント3ボール1ストライク
バッター猪里
「ボール、フォアボール」
『どうしたのでしょうマウンドの沖くん三盗に動揺してしまったか』
『今大会
由太郎「沖、大丈夫!広く広く、な」
沖「コクッ」
沖の調子が
昨日、最初の3イニングも似たような調子でライトへ回り最終回だけマウンドへ戻っていた。
沖(あの子、かわいいな)
沖の目線の先にはぬいぐるみを持った女の子がいる。
昨日、十二支高校とベンチ裏ですれ違ったときに見た子だった。
沖(ダメだ、ぜんぜん集中できない)
″ダウナーシンカー″
ブンッ「ストライーク」
虎鉄(何Da、心ここに在らずみたいな顔で投げやがって)
由太郎が要求したのはシンカー。
ストレートは打たれると判断したためである。
それを読んでいた羊谷は盗塁のサインを出し猪里は二塁へ到達した。
三塁に兎丸がいるため二塁を刺しにいけない由太郎はまた盗塁を許してしまった。
ただ沖にはそんなことは関係ない。
″レストカーブ″
ブンッ「ストライークツー」
虎鉄「チッ」
猿野「キザトラ先輩ボールよく見て」
虎鉄(こいつ、バッターの俺に向かってきてないZe)
沖が投げたシュートは虎鉄の顔付近にいってしまう。
虎鉄「うぉ」
由太郎「大丈夫か?」
虎鉄「ああ」
当の沖は悪びれる素振りもない。
由太郎「沖ーリラックスリラックス!」
村中監督「ふむ」
″レストカーブ″
チッ
「ファール」
虎鉄「Fu-なんとか当たった」
由太郎(こてつさんコンパクトな振りだなスタイル変えたのか?)
カキンッ
もう一球続けられたカーブに合わせてライトへのフライ。
虎鉄「最低限Ka」
打球はほぼ定位置から少し深いくらい。
兎丸「余裕だよ」
『虎鉄、これは犠牲フライには十分かー?』
今田『来ますよ』
ライトは斎柳。
斎柳「そうでさあねー」
バシッ
シュッ
ズドン
兎丸「え?」
「アウト!」
『ライトから恐ろしいボールがホームへ返ってきました』
『レーザービームよりレーザービームです』
今田『これが斎柳くんの肩なんですよ』
『ただ今のは由太郎くんのブロックもよかったですね』
『いや、ちょっとびっくりですね』
『先程の今田さんの話は
『しかもアウトになったのが埼玉一の俊足兎丸くんですからね』
兎丸「なに、なにがおこったの?」
ベンチに戻ってもよくわかっていない兎丸。
子津「なんかすごい球が行ったんす」
黒豹「ほんまそれくらいしか説明できひんわ」
虎鉄「あれが犠牲フライにならないのKa」
巳上「
公星「んー勝負したいナア」
由太郎(………斎柳…)
斎柳の返球を捕ったミットを見つめる由太郎。
猪里はホームへ返球される間に三塁へ向かっている。
1回表ツーアウトランナー3塁でバッターは4番の猿野。
猿野「やろうぜ由太郎」
由太郎「さるの、打たせねえぞ」
沖(ふーこのバッターはちょっと気合い入れないと)
沖には気合いが入ることで変化球の質が上がるダウナーオーラというドス黒いオーラが出る。
由太郎(ん、なんかオーラピンクっぽくないか?)
気になるあの子のせいで沖はふわふわしている。
それが
ブンッ「ストライークバッターアウト!」
由太郎「ナイス沖!」
猿野(見たことのない軌道だった…)
村中監督(ムラはあるがいい調子なのか?)
羊谷監督(沖がどんどん成長してるな)
『初回、黒撰高校の沖くん、ノーアウト2、3塁の大ピンチを無失点で抑えました』
『この回は何といっても四神・斎柳くんのレーザービームでしょう』
『次はその斎柳くんの打席も注目ですよ』
凪(猿野さん頑張ってください)
この準決勝は凪が記録員としてベンチ入りしている。
辰羅川「犬飼くん、足の影響はありませんね?」
犬飼「ああ、全く問題ない」
羊谷(骨折や
「ストライークバッターアウト!」
『十二支高校のエース犬飼くん!圧倒的な投球で三者三振!』
『注目の斎柳くんもなす
『次の犬飼くんと由太郎くんの対戦が今から楽しみです』
犬飼「今日は誰にも打たせねえ」
猿野「
犬飼の気合いがほとばしっている理由は三つ。
一つ、昨日の準々決勝で役に立てなかったこと。
二つ、決勝で御柳と決着したいということ。
三つ、久しぶりの辰羅川との先発バッテリー。
今日の犬飼は
この試合は投手戦になりそうな予感です。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。