ミスフル 続編!   作:トータス検二郎

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原作ではボールに負けて由太郎と審判が甲子園のバックネットまで押された記憶があります。




057発目 女房役

グラウンドは静寂(せいじゃく)していた。

 

余りにも凄いボールが放たれたからである。

 

犬飼がこれを投げたのは2度目。

 

初見の者はその球の凄まじさに度肝を抜かれ口をポカンと開けた。

二度目の者もまた、再度凄さを認識し押し黙った。

 

 

 

辰羅川「犬飼くん!」

 

静寂を破ったのは女房(にょうぼう)役の辰羅川。

足が痛んであまり動けない犬飼のもとに駆け寄り肩を貸してベンチへ戻った。

 

ようやくスタンドがざわつき始める。

 

 

 

 

「なに、今の…」

「犬飼ってこんなレベルだったのか」

「凄いなんてもんじゃねーぞ」

「これは全国一じゃないか?」

 

 

野木「あれが同級生とかやばいよな」

上尾「ほんと鳥肌立ってきた」

国定「俺もあそこに立ちたい」

 

洛谷「ちょっと犬飼さん最高♡」

鶴屋「あれは私でもクるわ」

 

 

 

久芒(くぼう)「あらだめでえげつないング」

朱牡丹(しゅぼたん)「ミヤ、あれ打てる()?\(°Д° )/」

御柳(みやなぎ)「正直自信はないすけど打つ」

 

 

 

引退のミーティングが終わり観戦に来たセブンブリッジの大神月(おおかみライト)と須咲。

 

月「犬飼さんも凄いし捕る辰羅川さんも凄い!」

須咲「すっかり毒気が抜けたな、まるでファンではないか」

月「うるさいな、いいだろ別に」

須咲(我も我自身の球を模索しなければいけないのか)

 

 

?「やべーじゃん埼玉!」

?「これはちょっと来たかいあったな」

?「斎柳…」

 

 

 

村中監督(待て、高校生が投げていい球ではないぞ)

村中由太郎(あいつ、おれにも投げてくんのか?)

 

 

 

『何ですか今のボールはまるで空想上の生き物である竜みたいでしたよ』

『ノビも球威も桁外れでしたね』

『キャッチャーの辰羅川くんもだいぶボールに押されていました』

 

″画竜点睛″

第五の秘球として犬飼が身につけた最強のストレート。

球威、伸び、威圧感がとんでもないボール。

受けたキャッチャーと審判は衝撃で後ろへ押される。

 

 

 

 

 

羊谷「犬飼、よくやった交代だ」

犬飼「うす」

 

兎丸「ナイスピッチ犬飼くん!」

黒豹「なんやねん今の、わいなら捕れてへんわ」

狸間「なんすかあれ!意味わかんないっす!」

丑光「ナイスぅー」

 

猪里(犬飼のピッチングを無駄にしないばい)

子津(犬飼くんの次は僕が…)

猿野(くっそコゲ犬のくせに目立ちやがって)

 

 

 

「8回の表、十二支高校の攻撃は、4番サード猿野くん」

 

猿野(ここは一発狙う)

凪(猿野さん…)ギュッ

 

 

″レストカーブ″

 

猿野(低い…いけるか?)

 

 

カキンッ

 

『初球から積極的に行った猿野くんの打球は大きいぞレフト黒川下がる』

 

黒川(1点もやらない!)

 

 

『外野フェンスにぶつかってしまった黒川くん大丈夫でしょうか』

 

 

猿野「ちくしょー」

(ホームランじゃないが、二塁まで行く!)

 

「アウト!」

 

猿野「え?」

 

 

 

『なんと黒川くんボールを捕っていました、激突したのによく落とさなかったですね』

『キャプテンの意地を見せましたね素晴らしいプレーです』

 

黒川「沖ー!後ろは任せろ!」

沖「コクッ」

黒川「返事はー!」

沖「は、はい」

 

 

 

『猿野くんは少し強引だったでしょうか』

『エースの素晴らしいピッチングに応えようと焦りも出たのかもしれません』

 

 

兎丸「(あん)ちゃん、ドンマイ!」

猿野「ああ、次は打つぜ!」

 

 

沖はその後の丑光も打ち取ってツーアウトランナーなしにするが、次の黒豹を歩かせてしまう。

これで8回連続ランナーを出したことになる。

 

「7番キャッチャー辰羅川くん」

 

辰羅川(犬飼くんの好投に報いたいです!)

羊谷(今日ヒット1本の辰羅川、長打でワンチャンスか)

「巳上!準備だ!」

 

 

巳上「はい!来た来たー」もぐもぐ

 

由太郎(さっきこいつにはシュートを打たれたな、なら)

 

″レストカーブ″

「ストライーク」

 

由太郎「ナイス沖!」

(狙いは違う球か?ならもう一球だ)

 

″レストカーブ″

 

 

辰羅川(村中くんのリードはいつも素直です。さっき打たれたシュートは投げないでしょうし、カーブかシンカーのどちらか)

 

シュッ

 

辰羅川(初球で打つ気を見せなければ次も同じボールを投げて来るはず)

 

カキンッ

 

由太郎(カーブは狙ってないんじゃ…)

 

 

打球はセンターの少し右奥に抜ける。

 

『打ちました外のカーブをうまく合わせて長打コース!』

『一塁ランナーの黒豹くんはホームを狙うでしょう』

 

センターの右後ろの打球に先に追いついたのはライトの斎柳だった。

 

センターの長楽(ながらく)「なんで?」

 

 

________________________________________________________

 

セカンドからライトに次へ投げるボールが伝えられる。

 

斎柳「またカーブ?」

(ダメだそれは狙われてる、バッターはキャッチャーの辰羅川)

 

すぐに守備位置を深めのセンター寄りに守り直していた。

 

斎柳「ほら!思った通り」

 

 

________________________________________________________

 

 

『おっと斎柳くんの打球勘が非常にいい』

『内野へ素早くボールが返されます』

『ホームを狙っていた黒豹くんですが斎柳くんの強肩に抑止(よくし)され三塁止まりです』

『先程のライトゴロといい今回といいポジショニングが非常にうまいですね』

 

『キャッチャーももちろんうまい選手ですが、もしかしたら村中監督はそれを見抜いてライトで使っているのかもしれません』

『そうだとすると彼には失礼な事を言ってしまいました』

 

 

 

黒川「ナイスだ斎柳!」

由太郎「いいぞー!」

斎柳「ふー」

(そろそろキャッチャーさせてくれないかな)

 

 

桃坂未月「なんかグラウンドではあの斎柳くん軟派(ナンパ)な感じじゃないよね」

栗尾かの子「そうね、かっこいい」ボソッ

桃坂「あれ、もしかして」

栗尾「あくまで選手としてだってばあ!」

 

 

 

 

8回表ツーアウトランナー2、3塁

スコアは0対0

 

羊谷「行ってこい巳上!」

 

巳上「はい!」

 

先制点をゲットするべく十二支のスーパールーキーが左打席へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 




斎柳くんはキャッチャーになれるのでしょうか。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。
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