最終回の十二支の攻撃はツーアウトランナーなしから2人が出てスリーランホームランで3点。
簡単な話、これと全く同じことを黒撰高校がすれば逆転サヨナラで試合が終了する。
実際そうはいかない理由は状況が少し違ったからである。
9回まで1人で投げ、ツーアウトを取る頃には130球近く投げていた沖。
8回からマウンドへ上がり9回ツーアウトでまだ20球程度の子津。
おまけに子津には由太郎にしか当てられたことのない″砂燕・乱″を最後まで投げ切るスタミナも経験も持ち合わせていた。
「ストライクバッターアウト!」
『いやあナイスゲームでした』
『最後は子津くんの三者三振!』
『点を取られた後もしっかり集中していたことが大きいですね』
『由太郎くんの打席を甲子園でも見たかったという気持ちはあるにはありますが、これは選抜の方で見させてもらいましょう』
『気になるのは十二支の猪里、虎鉄ですね』
『虎鉄は整列には出てきていますが特に心配なのは猪里』
『決勝は明後日、3冠の懸かる6年連続埼玉の絶対王者華武高校と20年振りの悲願達成なるか古豪十二支高校の試合です』
?「見にきたかいがあったな」
?「斎柳…」
?「面白いじゃん十二支高校」
猿野「猪里せんぱーい!やりましたよ!勝ちました!」
子津「やったっす!」
黒豹「しゃあないから勝ったったわ」
巳上「キャプテンー」
猪里「みんな、ありがとうばい。よくやったと」
「俺は明後日の決勝出られん、甲子園までには間に合わすばってん連れてってくれんね」
「はい!」
一通りどんちゃん騒ぎした十二支メンバーは記者の質問責めに会う。
「あそこで犬飼を交代させたのはケガですか?」
「最後の打席何をかんがえていましたか?」
「猪里くんは決勝戦出られないのですか?」
御柳「あいつ足大丈夫っすかね」
朱牡丹「犬飼かー肩借りてベンチに戻ってた
御柳(お前が来ないとうちには勝てねえぞ)
大神
須咲「四大秘球を進化させねば」
大神月(次は選抜で味方として…)
翌日、軽めの調整のために集まった十二支野球部。
羊谷「言っておかなくてはならんことがある」
練習後、
猪里、目の検査で入院。
虎鉄、デッドボールの当たりどころが悪く骨折。
犬飼、足の打撲が悪化し骨折。
辰羅川、左手の指の骨に少しヒビが入り欠場。
十二支は主力を4人欠いた状態で明日の華武との決勝戦に臨むことが決まった。
さすがの猿野でさえ暗い顔をしたメンバーは黙って明日のオーダーを聞く。
1番センター兎丸
2番セカンド巳上
3番レフト丑光
4番サード猿野
5番キャッチャー黒豹
6番ピッチャー子津
7番ショート司馬
8番ライト新里
9番ファースト芦屋
まるで天国から地獄とでも言うのだろうか。
猿野「コゲ犬…」
凪「猿野さん…」
その日の夜
ピロロン
猿野「凪さんからメール?」
凪〈起きてますか?〉
猿野〈はい、どうしたんですか?〉
凪〈少しお話しませんか〉
猿野〈はい、喜んで!〉
猿野(凪さん、どうしたんだろう、明日の決勝戦に向けて励ましてくれるとかか…)
プルルルル
猿野「はい」
「やっほーてんごく君」
猿野「え、
鳥居剣菱、セブンブリッジ学院の元主将で凪の兄。
持病の影響で野球ができない体になってしまう。
猿野「どうしたんですか!」
剣菱「凪から聞いてね、びみょ〜に励ましてやってほしいって頼まれたんだ」
猿野「!」
剣菱「決勝進出おめでとう、華武は強いよ」
猿野「……」
剣菱「オレたちが3年懸けても勝てなかった相手、主力4人を欠いて決戦か、勝てばかっこいいな」
猿野「!」
剣菱「勝ちなよてんごく君、今や十二支は君のチームだ、大丈夫勝てる」
猿野「剣菱さん、オレ…」
剣菱「オレが保証するよ、てんごく君たち十二支高校は華武に勝てる」
その後も色んな話をした猿野と剣菱。
兄に少し嫉妬してしまう凪なのだった。
凪「もう、お兄ちゃん!」
翌日
新大宮市営球場
13時
猿野「行くぞ!」
御柳「行こうぜ」
?「まさかまた来るとは」
?「今日は遅れなかったじゃん」
?「あ、源武」
由太郎「みにきたぞさるの」
斎柳「そうでさあねー」
大神月「これで埼玉ナンバーワンが決まる」
須咲「来年は我々があそこに立つ」
『さあ、全国高等学校野球大会埼玉予選決勝』
『華武高校対十二支高校』
『まもなくプレイボールです』
2つの準決勝が似た展開でした。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。