ミスフル 続編!   作:トータス検二郎

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1、2話あたりの回想が入ります。


065発目 プレイボール

 

 

 

 

『1日休養を挟んでの決勝戦』

『両先発は子津くんと桜花くん』

 

『まずは子津くんの立ち上がりに注目します』

 

 

 

「プレイボール!」

 

黒豹(来い)

子津(はいっす)

 

 

 

バシッ「ストライク」

 

『子津くんの投球で始まりました決勝戦』

『アンダースローから投げた綺麗なストレートでしたね』

『いいコースに決まりました朱牡丹くんも手が出なかったでしょうか』

 

 

朱牡丹(新球投げてこない()?)

 

準決勝で華武高校は子津に″砂燕″の新種があることに気づいた。

その球を引き出すために待球作戦に出た。

 

それを試合開始から読みきった黒豹がまずはストレートを要求した。

 

 

白雪『高度な読み合いですね』

 

『ん?』

 

白雪『主力を欠いた十二支が勝てる道は黒豹くんが読み勝ち、子津くんを9回引っ張り切ることです』

 

『逆に言うとそれほど十二支は厳しいと』

 

白雪『ええ、キャプテン、3番バッター、7回パーフェクトのバッテリーが抜けて全国2冠の絶対王者に勝てる確率はほとんどありませんよ』

 

『それはそうかもしれませんが』

 

白鴎『ただスポーツの面白いところは強いチームが勝つとは限らないところです』

『スタミナ温存しつつ勝負どころでは球数を使ってでも抑える』

『守備面ではこれが最善の策ですかね』

 

 

 

待球作戦をズバリ読みきった黒豹はストレートストレート″砂燕″のコンボで最強1、2番を3球で打ち取る。

 

 

久芒(読まれてるングか?)

 

 

 

白雪『あの決め球の″砂燕″はほとんど打たれたことのないボールなので9回までそれを投げるスタミナを残すことですね』

(新球のことはまだ言わなくていいかな)

 

『お、白雪さんの思惑と合致したのか6球でツーアウトまで来ました』

 

『去年の秋は子津くん、三打席目のこのバッター以降崩れてしまったんですよ』

『点は取られながらも粘り強く投げていたんですけどね』

 

 

「3番セカンド椿くん」

 

椿「おれが新球を引き出す」

 

 

子津「椿くん…」

 

 

________________________________________________________

 

 

秋季埼玉県予選2回戦

 

 

華武1-1十二支

5回表ツーアウトランナーなし

 

 

 

子津(はあ、いい感じっす)

辰羅川(まずはスローカーブを)

 

 

昨年の秋、まだ″砂燕″を連投するスタミナ、テクニックが無かった子津はスローカーブや砂煙が上がらない″スワロー″を多投していた。

 

この大会、3年生だった鹿目は引退、犬飼はドクターストップ、長戸はまだコンバートしておらず、狸間はまだ入学していない。

実質、通用するピッチャーは子津だけだった。

 

子津はほぼ1人で地区予選を投げ、県予選の1回戦は6イニングス投げている。

精神的にプレッシャーがかかり、肉体的疲労が大きい。

 

それを見越した華武高校は待球作戦を実施し、5回にして既に100球を投げていた。

日本一の1、2番を打ち取ったことで少しホッとしたこのタイミングで思いがけない壁にぶつかる。

 

 

バッターは1年の椿。

球数は稼いでいたもののノーヒットだった。

 

 

椿(ストレート、スローカーブ、″スワロー″、″砂燕″)

(全ての球種を打席で見たしここでリタイアしてもらおっか)

 

 

バシッ「ストライク」

バシッ「ストライクツー」

 

辰羅川(″砂燕″でこの回ゼロで)

子津「コクッ」

 

 

シュッ

 

当時このボールはまだ村中由太郎と沖草次以外に当てられたことが無かった。

それは華武高校の選手とて同じだった。

 

キンッ

「ファール」

 

 

子津「え?」

辰羅川(そんな…)

 

当然三振を取れると思って投げた球を当てられた。

しかもツーアウト、ベンチに帰ることができると思ったが阻止された。

子津の疲れがどっと出る。

 

 

辰羅川(一旦ストレートを外して…)

子津「はあはあ」コクッ

 

バシッ「ボール」

 

辰羅川(″砂燕″で決めましょう)

 

 

シュッ

キンッ「ファール」

 

椿「ふふん」

 

辰羅川(当てられるのですか…でもこのバッターを歩かせると4番の御柳くん、何としてもここで切らなければ)

 

 

何球投げても結果は変わらなかった。

3ボール2ストライクになって歩かせることを決めたバッテリーだったが、椿はそれも許さない。

 

 

「ファール」

 

子津「!」

辰羅川(今のはボール球ですよ!)

 

椿(逃がさないよん)

 

子津「はあはあ」

 

 

結局その3球後、椿はフォアボールで出塁する。

 

椿「教えてあげるよ」

辰羅川(?)

椿「なんで当てられるのか」

 

キャッチャー付近にしゃがんでガードを外しながら話す椿。

 

椿「コースと球速はわかる、砂で隠れてわからないのは高さだけ」

辰羅川「そんな簡単なものでは…」

椿「ストライクゾーンに来るコースがわかったボールなんてファールならいくらでも打てる」

辰羅川「!」

(ストライクに来るとわかっている、私の配球のせいで子津くんが……!)

 

 

子津「はあはあ…」

(僕が何とかしなきゃ…)

 

次に打席に向かってくるのは4番の御柳。

御柳「疲れてんな」

 

 

栗尾「監督、子津くん130球です」

羊谷(でもここで代えるわけには……子津!あとワンナウト取って一旦戻ってこい!)

 

 

御柳(ホームランより単打の方が子津を引っ張るか?)

 

子津(犬飼くんが投げられないんだから…)

カキンッ

 

 

 

羊谷(まだだ)

 

 

(僕が…)

カキンッ

 

「華武高校、遂に勝ち越し!」

「ツーアウトから連打連打!」

 

羊谷(厳しいか……!)

 

 

子津(僕が何とか……)

カキンッ

カキンッ

 

 

「十二支をさらに突き放す!」

「ここで子津をノックアウト!」

「もうこの試合決まっただろ」

 

 

________________________________________________________

 

 

椿「思い出しちゃったかな」

 

子津「あの時とは違うっす!」

 

 

 

 

 




椿くんはバットに当てるのがとてもうまいです。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。
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