ミスフル 続編!   作:トータス検二郎

8 / 160
冬のトレーニングに入りそうです。
キャラの呼び名が曖昧模糊(あいまいもこ)です。


06発目 冬入り前

子津が最後のバッターにサヨナラホームランを打たれ試合が終わった。

 

子津「申し訳ないっす、せっかく皆が最終回に追いついてくれたのに」

 

虎鉄「気にするなYo!練習試合だったんだからこれからだZe」

 

辰羅川「そうですよ、由太郎くんも打ち取ったんだし収穫もあるじゃないですか」

 

 

 

紀洋「今日はありがとうな、おかげで勉強させてもらったよ特にあのバカ息子にはな」

 

羊谷「ふんっあの怪物がさらに大きくなったらやってられねえよ」

 

紀洋「まあお前の秘蔵(ひぞ)っ子にまたもやられちまったけどな」

 

羊谷「ああ、あいつ俺もしてないスワローを…」

 

 

 

 

 

由太郎「今日はありがとな、また成長できるってわかったし」

 

猿野「うるせえ、結局負けたからな次は勝つぜ」

 

由太郎「ああ、一勝一敗だな」

 

 

「ふっふっふ、その状況を生み出したのはサヨナラホームランを放ったオレ!十藤一(とおどうはじめ)だ!」

 

猿野「あ?なんだてめーやんのか」

 

十藤「ふっ凄んでも無駄だ、うちが勝ったのは事実!そして決着を着けたのがオレなのも事実!何を言われても動じないぜ」

 

猿野「くそっ言い返せない…」

 

 

十藤一(とおどうはじめ)

右投左打の遊撃手。控えの1年生。

足が速くパワーもそこそこのため代走代打に使われる。調子乗りの性格で長い金髪を振り回している。

 

 

羊谷「おい、帰るぞお前ら!」

 

十二支一同「はいっ!」

 

 

由太郎「またな〜」

 

猿野「おう、次は勝ーつ!」

 

 

 

紀洋「由太郎、勉強だな…」

 

由太郎「…うん」

(今度はパワーアップしたおれたちで甲子園に行ってやる!)

 

 

黒撰高校は秋季大会の準決勝華武高校に7対4で敗れている。

その4点は全て由太郎があげている。

やはりチーム力の底上げはどの高校も急務。

冬の間に選手全員の能力をぐんと上げ、優秀な新入生の獲得に乗り出す。

 

 

 

 

 

 

ある病院の一室

 

「ん、ここは…どこだ?病院?なんでぼくこんなところで寝てるんだろ?」

 

そこに毎日様子を見に来ている母親が訪れる。

目が開いている息子を見て思わず持っていた荷物を全て投げ捨て駆け寄る。

 

清澄(きよすみ)ちゃん!」

 

泣きながら抱きしめる母親。

 

「痛いよ母さん、どうしたの?」

 

その言葉を言った直後自分の体が動かないことを知る。

 

 

 

 

 

その夜

 

仕事と仕事の合間にいつも顔を出す病室に(おもむ)く。

そしてやはり彼はベッドの上の少年の意識が戻ったことを知る。

 

彼の名は黒豹一銭(くろひょういっせん)

ベッドの少年が下校中に交通事故に遭ってしまうのだがその場に一緒にいたのが彼。

 

ちなみに少年の名は白鴎清澄(はくおうきよすみ)

部活動が終わった帰り道だった。

 

 

白鴎母「銭ちゃん、これ。今までありがとうね。」

 

 

黒豹がバイトバイトの日々を送っていたのはこの白鴎への治療費を払うためだった。

一緒にいたのに救えなかった罪滅ぼしに。

即刻部活動を辞めて何個ものバイトを掛け持ちした。

その全てを治療費にあてて。

 

その治療費にあてていると思っていたお金が黒豹を待ち伏せしていた白鴎の母親から手渡された。

 

白鴎母「今までありがとう。治療費に使ってると思った?さすがに大の大人が高校生に援助を受けるわけにはいかないわよ」

 

黒豹「けど白鴎はわいのせいで…」

 

白鴎母「確かに私はあなたのことを恨んだことがあります。それも一度や二度の話じゃないわよ。」

 

 

チクッ

黒豹の胸が少し痛む。

 

 

白鴎母「けどねえある日清澄ちゃんの前で呟いちゃったの。銭ちゃんが事故に遭えばよかったのにって。最低でしょ?」

 

黒豹「いや、そんな…悪いのは全部わいで…」

 

白鴎母「そしたらね、清澄ちゃんの目から涙がこぼれてね。もちろん偶然なんでしょうけどそんなとこ一度も見たことなかったもんだから意識が戻るのかもって思って。それと同時にハッとしたの。清澄ちゃんが銭ちゃんのせいじゃないって悲しんでる…」

 

黒豹「……」

 

白鴎母「今思うと当然あなたのせいじゃない。それなのにそれまで気づかなかったの。むしろ息子がこんなにいい友だちを持ってるって気づいて急に嬉しくなってね」

 

白鴎母は涙ぐむ黒豹を抱きしめて言う。

 

白鴎母「ありがとう。もういいのよ。銭ちゃんは自分のやりたいように生きなさい。」

 

黒豹「ありがとうございます。ありがとうございます…ぐすっ…」

 

その時白鴎が人に聞こえない程度の寝言を言った。

「……やれよ……」

 

 

黒豹は涙を一通り流しきり帰路に着いた。

この後もバイトだったのだがそんなことはもう頭の中から消えていた。

 

 

 

「あー黒豹先輩じゃないすか」

「黒豹さーん」

 

部活動が終わっただろう2人組が歩いてくる。

 

黒豹「なんやお前ら。雁首(がんくび)揃えて」

 

子津「黒豹さん!また僕のボール受けてくださいっす!」

 

猿野「そうだぜ、子津ッチューは新球も編み出したんすよ」

 

黒豹「ほう、それは楽しみやなあ。今度見せてもら……」

 

 

彼が元いたのは野球部。

この時何の裏表もない笑顔を自分が見せているのに気づいた。

もちろんそれは自分を慕ってくれる後輩2人を気に入ってることも理由の一つだった。

 

野球の話であること。

これが一番の理由である。

 

彼は気づいてしまった。

野球のことが好きで好きでたまらないことを。

 

そして、頭の中で色んな言葉が反芻(はんすう)した。

「銭ちゃんは自分のやりたいように生きなさい…」

「また僕のボール受けてくださいっす…」

「…野球やれよ、銭…」

 

その時点でほとんど声を出せないくらいに嗚咽(おえつ)してしまっている。

一通り流しきったはずの涙もとめどなく流れる。

 

慌てる後輩2人に対して黒豹は精一杯の言葉を伝える。

 

「野球…野球がしたい……………」

 

 




というわけで新メンバーが入りそうです。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。