ミスフル 続編!   作:トータス検二郎

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ピッチャー心理は理解しづらいです。



081発目 頭からより足から派

『さあ、カウント1ストライクノーボール』

『1アウト2.3塁の大チャンスでバッターボックスに5番の羊谷』

 

 

羊谷(もう高めは来ないかもしれないが…一本狙いで行く)

 

 

桜花「もっといい球を…」

シュッ

 

 

桜花が投じたのはまたも高めのストレート。

 

 

 

羊谷(また同じボールだと…)

「なめるな!」

 

カキンッ

 

桜花「あれれ」

 

 

 

桜花のプレースタイルは基本的に遊び球無しの3球勝負。

初球と決め球の3球目に比べて、ほんの少しだけ2球目は甘くなる。

 

飛鳥、犬彦以外のバッターはその2球目を特に狙うことをミーティングで話していた。

 

 

『打ちました羊谷!二遊間をきれいに抜くヒットで3塁ランナーの犬彦くんが生還』

『甲子園に来て初めての失点になりました桜花くん』

 

『さあ2塁ランナーの飛鳥くんもホームへ向かう!』

 

朱牡丹「還さない気ー!(>_<)」

 

 

外野手の理想的な捕球体制からワンステップでホームへ返球。

 

『素晴らしいボールがセンターから返ってくる』

 

 

しかし、俊足の飛鳥はタッチを一瞬でくぐり抜けホームベースを触る。

 

「セーフ!ホームイン」

 

 

『飛鳥くんの足が勝りましたホームイン!』

『栄都学園4回裏に2点を先制!』

 

 

 

朱牡丹「くそう」

 

兎丸「速かったなあ」

子津「あの飛鳥くん身体能力すごいっすね」

Mr.チェント「なかなかすごい選手だね」

 

 

御柳(大丈夫、取り返してやる)プクー

桜花(今のボールは微妙だったかな)

椿(前進守備で届かなかったか)

久芒(先制ざれぢまったングな)ズビビ

 

柘榴(桜花くん、これで本当によいのでしょうか)

 

 

 

柘榴が心配するが桜花にとって大事なのはチームではなく自分の投球。

一番威力の出る高めのストレートを次打者の将猿にも投げる。

 

将猿(まさる)(ここは失敗できない)

 

コツン

 

 

将猿はセーフティバントでピッチャーの右を抜く。

ほぼピッチャー前の失敗バントに見えたが、桜花の守備は基本怠慢である。

 

バントの構えが見えた瞬間にファーストはチャージ、セカンドはファーストカバー。

ピッチャーを抜けた打球をショートの久芒が前で捕ったがオールセーフ。

 

 

将猿(よしよし、思った通り)

 

 

『ここで将猿くんの技ありバント、桜花くんが捕れたようにも思いましたが…』

『んーもしかしたら桜花くんは守備が苦手なのかもしれませんね』

 

『4連打でまたもチャンス!1アウトでランナー1.2塁バッターは7番玉兎くん』

 

 

打席に立ったバッターは次打者に情報を伝える。

凡退すれば直接、出塁すればランナーコーチを通じて。

 

7番の玉兎も2球目のストレートを狙ったが打ち上げてしまう。

 

 

 

『打球はまたしても面白いところに飛ぶ…!』

 

サードの後方へのフライ。

この打球はサードではなくショートの守備範囲内。

 

久芒「落とさないング!」

(これ以上点はやれない)

 

普通の選手なら落ちそうな打球だが、名手の久芒ならギリギリのところか。

ただ実際はファールゾーンに落ちるボールだったがそれに気づいていない。

上空はライトからレフトへの浜風が吹きどんどん逃げていく。

 

久芒は足業に特化しており普通なら捕れない打球を、足を差し出すことで捕ることができる。

 

 

ズシャアア

打球を捕ろうと足からのスライディング。

頭から行く人なら気づいたはずだが、思いのほかフェンスとの距離が近い。

 

 

コツン  ドンッ

 

 

朱牡丹「白春!!」

御柳「久芒さん!!」

 

 

ボールに足を当てて、スライディングの勢いを殺せずにフェンスに激突した。

判定はただのファール。

 

しかし、華武高校にとってはただのファールのプレーではなかった。

 

 

久芒「ちょっとやっちゃったング」

 

 

足首を押さえる華武高校キャプテンの久芒。

ベンチメンバーに抱えられて救護室へ運ばれていく。

マウンドの近くで久芒は桜花に一言かける。

 

 

久芒「捕れなくてずまながったング」

桜花「!」

(この人は自分がケガしてるのに何を言っているんだろう)

 

 

『厳しい状況になってしまいました王者華武高校』

『2点を失った直後にキャプテンの離脱』

『なおも1アウト1.2塁のピンチ』

 

 

朱牡丹(白春がいないときが来るなんて考えてなかった気(+o+))

御柳(これはけっこう厳しいぜ)

椿(どうするよ)

 

『久芒くんの代わりに出てくる選手がいるのでしょうか』

 

 

白雪(ショートを誰にするか…)

十藤(オレの出番が増えるかもってか)

 

 

名実ともに華武高校の大黒柱の久芒の離脱。

控えのショートがいないことはないが攻撃で役に立たない。

 

打力的には代打出場の多い一年生の向井か浦部。

向井はファースト専で浦部は両翼と三塁を守る。

 

菖蒲監督は御柳、久芒、朱牡丹を代えることを全く考えていなかったのでこういったチーム形態になっていた。

 

 

 

菖蒲(どうする(ゆえ)…)

「浦部!」

 

浦部「はい!」

(この場面で僕が出るの?)

 

 

浦部に交代指示を出し審判に伝えに行かせる。

 

「選手の交代をお知らせします」

「ショートの久芒くんに変わりましてサードに浦部くん」

 

 

御柳「はい?」

 

「サードの御柳くんがショートを守ります」

 

 

椿「どうなってんの?」

 

 

サードに走ってくる一年生の浦部。

 

浦部「監督からの伝言です」

「久芒の代わりは御柳しかいない故」

 

 

御柳「ははっなんでマネするんだよ」

浦部「すみませ…」

 

御柳「和んだよありがとな」

(やるしかないか、オレがやってやる……!)

 

 

 

 




御柳主人公ルートに突入しました。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。
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