9回表10対10
華武高校ツーアウト1塁
バッター4番御柳
『バッターはツーアウトで4番の御柳くんに回りました』
『この試合、彼は満塁ホームラン、ソロ、スリーランと3本の本塁打を放っています』
『一試合に3本は昨年の豊臣高校4番、現在阪神タイガースで活躍中の
『またこの場面でホームランを打つと鵙来くんに並ぶ4本塁打にして史上初のサイクルホームランになります!』
『静かに、静かにバッターボックスへ向かいます』
『ここで勝ち越して裏を迎えたいところでしょう』
椿(ここで点をとらないとダメだ)
柘榴「御柳さん…」
(裏の守備を無失点で切り抜けられる可能性はほとんどありませんよ)
朱牡丹「ミヤ、頼んだ
源武「ここはさすがに譲ってやるってばよ」
医務室の久芒もテレビで観戦している。
久芒「打っでくれング」
羊谷「すごいすごい選手だ御柳
「それでも通過点にしてやる王者華武高校!」
“
シュッ
6球に分身したボールがそれぞれ別変化をし、キャッチャーミットへ向かう。
ただ、それぞれのボールは速くなく変化も普通。
御柳の必殺技
“空蝉”
利点:スイングスピードを極限まで上げて超速球に対応できる。
弱点:スイングが速すぎて遅いボールにミートしづらい。
“ターニングダイス”
利点:決め球を狙って打つことでその球に対する確実性と飛距離を格段に上げる。
弱点:球種が多い投手には使用しづらい。
鵯椋は御柳にとっての天敵となるようなボールだった。
そう、データで見ると打てないようだが実際は違う。
博打に強い御柳はギャンブル運が強くこの手のボールにはむしろ必殺技なしで対応できるほどだった。
カキンッ
『打ったー!大きいぞ!』
猿野「お!」
由太郎「いったんじゃねえの」
白雪「素晴らしいバッティングですね」
羊谷監督「入るな!」
犬飼「行け!」
御柳「入れええええええ!!」
ドンッ
『フェンス直撃ーー!!』
『鋭い当たりがフェンスにダイレクトで到達しました』
『あとほんのちょっとでホームランという当たりでした!』
『残念ながらサイクルホームランにはなりませんでしたね』
椿「ちいっ」
ツーアウトのためバットに当たった瞬間に走り出していた椿。
サードとセカンドベースの中間くらいに差し迫っていた。
飛鳥「行かせるわけない♪」
シュッ
センターの飛鳥は打球に追いついてすぐさまショートへ中継する。
皇子「拙者に任せておけ!」
パシッ シュッ
守備のうまい皇子はボールが到達する前にステップし、ほぼノーステップで本塁へ送球する。
将猿「ナイスボール!」
バシッ
将猿はホームベースの少し前でボールを受けスライディングに来る椿をタッチしに行く。
椿「うおおおおおおおお」
シュタタッ
以前羊谷監督が言っていた走りに必要な3S、スタート・スピード・スライディング。
前2つは言わずもがなだが、最後に差をわけるのはスライディング。
スピードを落とすことなく、むしろ加速してタッチをかいくぐる技術が必要になる。
兎丸「うわあ…すごいよ」
サッ
十二支の兎丸もスライディングに長けているが、目の前に最上級のスライディングを見て咄嗟に腰が浮いた。
「セーーーーーーフ!!」
「よっしゃー!」
「来たー最終回に勝ち越したぞさすが王者!」
「ナイス御柳ー!かっこよすぎんだろ」
「まだだ踏ん張れよ羊谷―」
「ここしっかり踏ん張れ―」
「初出場初優勝期待してっからな!」
何にせよ球場は最高の盛り上がりを見せる。
もちろん華武高校のベンチ、スタンドも同様だ。
しかし、その華武高校の選手で喜んでいない選手が2人。
一人はチームの勝敗に無頓着な桜花。
そしてもう一人は…。
御柳「くっそ」
(思ったより球が伸びたか)
(あのピッチャーここまで来ただけのことはあるが…スタンドに叩き込まなければいけなかった……!)
羊谷「大丈夫、想定の範囲内だ」
(相手は控えピッチャー、1点ならまくるぞ)
連打を浴びたがここで崩れることなく後続を打ち取り、1点で抑える。
『さあ勝負は大詰め最終回裏、1点を追う栄都学園の攻撃は』
『8番からですランナーを出して上位に繋げたいところ』
『華武高校はこの回からショートの御柳くんをサードに戻し』
『守備固めに2年生の墨蓮くんをショートに起用しています』
「8番猪丸くんに代わりましてバッター
『ここで栄都学園は当然代打牛歩くんを出してきます』
『代打成績は予選10割で、甲子園でも6割打っています』
『彼は初球からどんどん積極的に振ってきますよ』
カキンッ
柘榴(あれ)
朱牡丹(え、いきなりいい当たりすぎる気(+o+))
『打った―大きい打球がセンターの頭上を襲うー!』
最終回裏
華武11-10栄都
ノーアウトランナーなし
とうとうクライマックスです。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。