8回表4-6
ノーアウト1.2塁
金剛(任務のために、お父さんのためにアウトにならなきゃいけないのに)
(どうして楽しいことばかり思い出すんだ)
(コワモテの先輩たち、アホみたいな同級生……)
(そうか、僕は楽しかったんだ)
(これが楽しいってことだったんだ)
(任務任務の生活で初めての気持ち……)
(もっともっと……)
(みんなで野球がしたいんだ!!)
湧いているのは埼玉側のスタンド
「キター!やっと出た金剛の一発!」
「さすが武軍の4番!」
「あれで1年とかやばすぎるだろ!」
三笠「よっしゃー!それでこそうちの大黒柱!」
島風「ランナー2人のホームランで3点だ!」
霧島「ふっ」
(やるじゃないか)
島風「笑った?いま笑いましたよね」
三笠「おう、なんかふふって感じで」
ダイヤモンドをゆっくりと駆ける金剛
「ちょっと武蔵さん!!変なこと言ってたでしょ!!」
武蔵「いや、あれはお前が元気なかったからちょっと」
妙高「ははっ怒られてる」
金剛「妙高さんも!!そのスカウターみたいなやつ壊してもいいんですか?」
妙高「これだけはありえないよ!」
赤城「ははっナイス
白雪「うん、もう大丈夫そうだね」
満面の笑みで走る金剛を見て普通の人なら逆転ホームランが嬉しかったのだろうと思う。
しかし、その笑みはチームメイトとの本物の笑顔。
まだ先輩たちと一緒に全力でプレーできる喜びの笑顔。
そして、父に初めて刃向かってしまった決意の笑顔でもある。
♢
政治家秘書室
金剛父「まったく、あの埼玉の監督にも困ったな何がミスだ」
「野球なんかに割く無駄な時間は無いというのにやれやれ」
ポチッ
無意識につけられたテレビには公共放送。
ちょうど甲子園の試合が放送されていた。
1人で映る満面の笑みの息子。
金剛父「え?なんだこれは」
事態を読み取るのに少し時間がかかってしまうが、これが正真正銘息子であると気づく。
勝ってるじゃないか、とか
あいつ打ったのか?などの不満をひとしきり漏らした後、
金剛父「しかし、あいつあんな顔で笑うんだなあ」
♢
『出ました8番金剛くんの逆転スリーランホームラン!』
『決勝で負傷してしまった華武高校
『いやいやなんと素晴らしいバッティングをする1年生でしょう』
『キレイに逆らわずレフト方向へ打ちましたね』
『あれがフェンスを越えてしまうんですから末恐ろしいですよ』
灰狼「えろううまく打たれたな」
「9番子津くんに代わりまして丑光くん」
灰狼「なんやてリベンジできひんやないかい」
白雪「あと気がかりなのは華武の5人と彼らかな…」
猿野「おら続けカーリング女子ー!」
由太郎「そうだ1年生根性見せろー」
いつも一緒にプレーするメンバー
もとい去年代表で一緒にプレーしたメンバーがほとんどいない。
さらに4番の座を争う御柳の不調交代。
エース桜花の大乱調。
なまじっか二度目の選出であり昨年からレギュラーだった彼ら。
自分でもわからない緊張感やら高揚感で普段通りのプレーができなくなっていた。
由太郎(なーんかおかしいのはわかってんだけど、何がおかしいのかはわかんねえんだよなあ)
猿野(あがっちまってるのかこの猿野様が……いや、そんなわけないか)
沖「ふわふわタイムだね」
由太郎「お?なんか言ったか沖?」
沖「別に何も」
白雪「ま、ここは丑光くんの成果を楽しみにしようかな」
仏教の三身
一切の仏に三種の仏あり
一に応身仏、二に報身仏、三に法身仏なり
応身を利用した技が猿野たちの“空蝉”
速い球を打つことに特化している。
そして、今回丑光たちが教わったのは報身を利用した技。
丑光「“
ガギンッ
斎柳「お!」
白雪「うーん」(まだまだだね)
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斎柳「あの、これいつまでやれば…」
「あーら、喋ったらダメじゃなーい」
「それとも私にお・し・お・きされたいのかしら?」
斎柳「そそそんなわけないじゃないですか!おれは可愛い女の子が好きなんですよ」ごにょごにょ
「しかもほら横!寝てますよ」
丑光「そだねー」むにゃむにゃ
「寝てないじゃないの」
斎柳「いや寝言寝言!」
金剛「あのなんで僕はここに!!」
「あなたも3人ともほんとかわいいわねー食べちゃいたいくらい」
白雪に選ばれた丑光、斎柳、そして金剛の3人はコーチのもとで座禅を組んでいた。
コーチの名前は
昨年のセブンブリッジ3年生。
3番キャッチャーて埼玉代表にも選ばれた実力の持ち主。
おそらく正真正銘のオネエ。
紅印「こら!そこ!かーっつ!」パチンッ
斎柳「いってー」
紅印「さあさあ、避けられないと完成できないわよ」
(ふふん、楽しいわねこれ)
気が乱れたときに
座禅を組み、気を鎮め、気配を読み取る。
そして、警策を掴むことがこの修行のメインである。
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丑光「むう」
斎柳「金剛は地力で打ってるしまだみんな完成は遠いか」
白雪「完成してないのに技名叫んだらダメだよ」
源武は本戦に出ていたので金剛になりました。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。