犬飼が四大秘球で1番得意なのは“蛟竜”
須咲は“天鳳”、嗚は“飛鯱”
“蛟竜”をメインに他三秘球の技術を取り入れた究極のストレート“
“飛鳳”をメインに他三秘球の技術を取り入れた圧倒的に重いボール“
そして、嗚が決め球に投げているのが
“天鯱”をメインに他三秘球の技術を取り入れた時空間ごと止める“
3回裏ツーアウトランナーなし
バッター由太郎
『簡単に追い込まれましたツーストライク』
『積極的な打撃が持ち味の由太郎くんですが、見逃し2つですね』
由太郎「追い込まれちまったぞー」
沼崎「わざとじゃないのか?」
主審「君、もうアウトだよ」
由太郎「え?」
『またも簡単な見逃し三振です』
『見逃し三振した選手はみんな意識なくやられているみたいな感じですかね』
『主審に促されてベンチに帰っていきます』
白雪「うーん、どうだいみんな」
「僕にはただのストレートにしか見えないんだけど」
玄渕「やはり3球目は認識できないです」
黒豹「なんやわからんままアウトなっとるなあ」
由太郎「ほんとに3球も投げてんのかー?」
猿野「次の回でオレが打ってやる!」
桜花「あの、」
こういうチームで話し合うような場で発言したことがない選手が口を開いた。
子津「どうしたんすか桜花くん」
桜花「見えるんだけどボール」
「え???!?」
猿野「ほんとかよ投げたがりバカ!」
御柳「どういうことだ桜花」
源武「教えてくださいってばよ!」
玄渕「待て待て早くお前らは守備につけ」
『少し十二支のベンチがざわつきましたがポジションに変更は無いようですね』
『4回は福島の2巡目、反撃なるか』
四大秘球を練習で打っている聖高校ナインは他チームよりは対応が良い。
特に嗚の四大秘球は質が高い、“激・天鳳”以外なら打てる自信があった。
『この回も三者凡退福島聖高校ナイン!』
『今大会初マウンドの須咲、堂々たる佇まい』
『甲子園のニュースターの誕生を予感させます』
須咲「我にひれ伏せ愚民ども」
二巡目でも打たせなかった要因は2つ。
スタミナ配分を考えない全力投球と的を絞らせない月のリード。
須咲は見た目よりも疲弊している。
須咲「ふぅ」
♢
4回表十二支ベンチの様子
白雪「桜花くん、詳しく教えてくれないかい」
桜花「え、えと…」
「ただ普通にボールが見えるだけなんだけど…」
白雪「普通のストレート?」
桜花「はい、たぶん高め付近のストレートだと…」
白雪「僕と同じだね」
黒豹「監督さんと桜花の共通点があるってことかいな」
玄渕「逆に2人以外に共通点があるのかもしれない」
妙高「審判や観客はぜんぜん見えてるっぽいもんねありえないよ」
子津「なんか考えてることとかないんすか?」
桜花「考えてることって、特に何も…」
子津「そうっすか」
武蔵「なんだよ何もわかんねえじゃねーか」
チェント「投手が見えるってわけじゃないですよね」
赤城「俺も見えていない」
子津「僕もっす」
妙高(なんだ?なにか引っかかる、考えろ…僕はこういう時のためにこのメンバーに選ばれているんだ)
斎柳「ナイスピッチ須咲ー!」
丑光「ナイスぅー」
斎柳「やっぱいい投手だな、秋以降の試合で打ってやるぜ」
丑光「そだねー」
妙高(やれやれ、1年は守備の時でも応援より打つことか…)
(攻撃で相手投手を打つことを考えるのは当たり前だけど…?)
白雪「ナイスピッチ須咲くん!」
猿野「さあ先制してきてやる」
御柳「なにかわかったんすか?」
玄渕「いや、八方塞がりだ」
椿「あいつとオレらの違いがわかればな」
妙高(そう、違い…僕たちと桜花に違いがあるはずなんだ…もう少しでわかりそうなのに)
(まあとりあえず何回もボールを見て打つことを考えないと…)
「ストライクバッターアウト!」
猿野「へ?」
「ストライクバッターアウト!」
御柳「プクー」
「ストライクバッターアウト!」
月「これが皆言ってる…」
『三者連続見逃し三振!これは明らかに異常です!』
『埼玉が誇るクリンナップさえも見逃し三振』
『先ほどヒットの月くんも嗚くんの歯牙にかかってしまいました』
『兄弟対決第2ラウンドは弟に軍配!』
沼崎「ナイス嗚!」
(ベンチを見ていても気づいている様子は無い、このままいけるぞ)
嗚(意地になってたら一生たどり着けないじゃん)
『4回を終えて依然としてスコアレスが続いております』
『5回は4番の嗚くんからの好打順!』
『ノーヒットの福島選抜、反撃なるか』
須咲「這いつくばれ」
嗚「月兄の友だち口悪いじゃん」
桜花(なんで皆見えないんだろ)
妙高(この回に攻略の糸口を!)
白雪(こらえてくれよ須咲くん)
カキンッ
文句言うだけの武蔵さんと責任感の強い妙高さんの図式。
次回は明日の夜に投稿したいと思います。