感想を書いて下さった方
ありがとうございます
これからも頑張るので
お気に入りに登録してくださった
皆様 どうか見捨てないでください
※の部分は補足の様なものですので
読まなくても物語には影響はほとんどありません
ので 読み飛ばしてもかまいません
それでは お楽しみください
放課後
生徒たちが学業から解放され清々しい気持ちで 部活へ バイトへ デートへ
だが八坂は未だ教室に残っていた
いや残らざるを得ないのだが
本来ならHRが終わったならば 校門で揚羽を待っているはずだったのだが
何となく嫌な予感がしたので 窓からのぞいてみたら
案の定 奴がいた 川神百代である
肉食獣のような雰囲気を醸し出していた
故に彼女があきらめるまで 今の今まで
教室にて待機していたのだが
諦めて帰る気配は全くと言っていいほど無い
おまけに揚羽は校門まで来ているようだが連絡を寄越さない
いや寄越せないのかもしれない
僅かに そう ほんのわずかな気配しか出していない
故にこそ彼女は逆に気付かないのかもしれない
彼女は戦いたい戦闘欲と怒りが入り混じった感情である
人というのは一つのことに集中すると周りが見えなくなる生き物である
彼女は恐らく私を見つけてキチンとした形で勝負したいのであろう
だが私はゴメンだ 疲れるし何よりも戦う事が好きではない
揚羽は怒っているのであろうか はたまた呆れているのだろうか
分からないが 未だ待っていてくれるのだから
私としてはかなり助かる
いい加減 黙っているのも飽きたし
そろそろ彼女を撒くか
そう思い窓から彼女がどこに居るかを見ようとしたら
目と目が合った 間違いなく合った
すると彼女はさながら獲物を見つけた狼よろしく ニヤリと笑った
すると気がつけば彼女の姿は無くなっていた
すると膨大な量の氣が教室へと近付いてくる
逃げる暇はなさそうだ
勿体ないが使うしかないか
八坂はそのまま場所を動かない
がらりと扉が開く
予想どうり 彼女がやってきた
彼女は先程と同じ場所をボー と眺めている八坂に嬉々として
話しかけた
「八雲八坂、探したぞ」
その言葉だけで八坂には充分であった
避けられない戦いならば闘うまで
それが八雲八坂である
だが八坂は絶対に避けられない戦い以外は闘わない
百代が八坂に殴りかかる
昼のように上に立つ者としてではなく 同じ位置に居る者として
―川神流 無双正拳突
だが対する八坂は昼のように刀に手を伸ばさなかった
―八雲流 言霊術 だるまさん
「だるまさんが転んだ」
八坂はそう言いながらクルリと振り返る
すると彼女は八坂に攻撃が当たる直前に止まっていた
まるで小さい頃に遊んだあの遊びのように
※
八雲流の言霊術は先祖から受け継いだ物などではなく
八坂が家の関係で知り合った 京極彦一 の言霊を見盗ったものである
しかし八坂の場合 言葉に氣を乗せ
八雲流 奥義 『心ノ一方』
を使い彼女を強制的に止めている
この技の欠点は 遊びと同様に
目を離すと術が解けるというところにある
彼女は微動だにしない いや 出来ないのだが
八坂はそのまま彼女から目を離さずに出口へ向かい
扉に触れようと彼女から一瞬目を離すと彼女はクルリと
こちらに向き直る
「おもしろい、ますます死合ってみたくなった」
八坂の作戦は裏目に出 火に油というよりも
火に爆薬を放り込む結果となってしまった
「はぁー しょうがない」
勿体ないけど使うか
そう思うと彼は刀の鯉口付近を触る
彼女はようやく死合えると思い
さらに気を引き締める
八坂はさっと手を前に出す
―八雲流 心術 影縫い
すると彼女の足元に 正確には影に 小柄が刺さっていた
※
小柄というのは本来投げたり手裏剣のように使うものではなく
今で言う ペーパーナイフ の様な物である
要は時代劇のあれは演出であり実際にはやらないし
出来ないのである そもそも 紙や小細工に使う程度の
切れ味と強度しか持ち合わせていないのである
八坂が投げたものは 普通の用途ではなく
手裏剣として使うためにバランスや強度を考え 鍛えられた物である
この技は先程の『だるまさん』の応用技である
先ほどのだるまさんは言葉のみであり
目を離すと術が解けるという欠点があった
そこで この技では小柄を足元に刺すのだ
小柄と共に氣で作った小さな針を脳に打ち込み
体を動かす命令を出させなくする
これが並の人間ならば一日は効くのだろうが
相手は川神百代である
恐らく三分ほどであろう
そこで 心ノ一方を使い
そうなのだろうと思い込ませ 行動の自由を奪うのである
「それ適当に誰かに抜いてもらえ、抜けた奴にくれてやるもよし
あんたがもらうもよしだ」
そういって八坂は去っていった
八坂は階段を降りながら 揚羽に何と言って謝ろうかと考えていた
そのころ揚羽は
八坂のことを考えていた
トラブルで予定より少し遅れてしまった
そのため急いで校門まで来たのだが
八坂はいなかった もしかして怒って帰ってしまったのだろうか
などと不安な表情を浮かべている
普段の揚羽を知っている人間が見たら 苦笑いするのではないだろうか
しかし 冷静になって考えると八坂の気配は
およそ教室の方向にある つまり まだ中にいるのだろう
理由はおおよそわかる 校庭の真ん中で百代が待ち構えている
からであろう
※
八坂は普段から気配を感じさせない
それだけではなく 時に生気さえも感じない
さらに 八代や八重 などの八流派を知らぬ人間
が見れば八坂は最弱に見えるが実際は逆だ
八坂は八流派の中で最強なのだ もっとも物凄く強そうに見えないのだが
故に帯剣許可は裏金により得たものだと揶揄する人間がいるが
それは違う 今の八坂は確かにそう見えてもおかしくないが
昔の八坂は違う 十徳を備え皆から好かれ
どんな人間にも平等に接するそんな好漢であった
あんな出来事さえなければ……
我は迂闊に連絡が取れない
下手をすれば彼が隠れている意味がなくなる
そう考えていると 川神百代は嬉々として校舎の中へ入って行った
そのすぐ後に百代の氣が爆発的に大きくなる
が直ぐに同じ人間とは思えないほど小さくなった
恐らく八坂に飲まれたな
八坂の気配が徐々に近づいてくる
ここは労って直ぐに甘味でも食べに行こう
あ奴は好きであったからな
八坂は揚羽を見つけると
一瞬にして見事な腕立て伏せを披露した
それはもう土下座流などという流派があれば免許皆伝レベルだろうし
世界土下座選手権というものがあれば間違いなく優勝できるであろう
と言うほどに綺麗なフォームであった
「ごめんなさい」
ただ言が少々あれだったが
揚羽は素気ない態度をとって少し八坂をいじってみようなどという
気持ちになったが
あとから八坂に仕返しがあることを考えるとやめようという気持ちになった
とりあえず有名所を案内し甘味処につく
揚羽が注文していた
すると葛餅が運ばれてきた
(うむ うまそうだ)
そうして二人で葛餅を食べる
(やはりおいしい)
しかし 懐かしい光景だ
何も知らない昔に戻りたいとおもってしまう
感傷に浸るのはよそう
そんな事を思っていたら一人の老爺が私の目の前を通った
その老爺を何気なく眼で追ってしまった
普段なら不覚だろう
だがなぜ私が見たのかその理由はすぐに分かった
その老爺の歩法 重心移動は間違いなく
八雲流 合気術 の源流が一つ 『栄流合気術』
確か栄流は幕末期に当主が討ち死にし途絶えたはずだが…
まぁ八雲流も途絶えたと言われているが現にいまだ生き残っている
それを考慮すればありえないわけではない
まあ気にしないでおこう 向こうは争うつもりはないようだし
そして、揚羽が何か言いたそうにしている
右手が痛いのだろうか
そう考えると彼女が食べないのも
羨ましそうな目で見ているのもうなずける
※
すでに知っている人間もいると思うが
八坂は基本的には 即断即決 一見 脳筋に見えると思うが
本来は思量深い人間である
こと戦闘においては相手の手の内を
拾手も弐拾手も先を読み 相手の心までも見透かす
そんな人間である
八坂はすぐに行動に移した
いわゆる あーん というやつである
すると彼の女は信号機のない横断歩道を渡るがごとく
凄い勢いで 右左の二乗を行う
そして すこし躊躇った後 ようやっと食べた
もしかして 健康のために 摂取制限 でもしていたのか
だとしたら悪いことをしたかな
そう思う私がいるが 美味しそうに食べているのでいいか
そしてそんな楽しい時間も終わりを迎える
私は揚羽の迎えが来るまで一緒にいた
久しぶりに楽しかった
そして迎えの車が来た
「八坂、 それじゃ また会おう」
「揚羽、色々 ありがとう また会おう」
八坂は フワリ と微笑んだ
懐かしい笑顔であった
揚羽は何も言わなかったが
口元に笑みを浮かべ車に乗り込んだ
車は走り去ってゆく
八坂は先程の表情を
戻した いや むしろマイナスになった
口元を三日月の様に 悪鬼の形相とはこのような
物なのだろう
「隠れてないで出て来いよ 栄流 現当主
すると何もないはずの空間から急に人が現れた
『無想の境地』か
「ばれたか まぁ 八雲流の 八雲八坂 流祖の再来
八雲の黄龍と言われた男に隠せるはずもないか」
寿命と言われた男はまるでかくれんぼで見つかった子供の様に
ニッコリ といや ニッカリと笑う
だが笑顔とは裏腹に絶対零度の様な殺気をたたきつけてくる
だが八坂はそれもどこ吹く風と受け止める
「孫の仇か」
冷たく言い放つ
言わずとも分かる
だが八坂は様式美というのが好きであった
寿命は何も答えずただ日付と場所だけを指定して
去ってゆく
「明後日 親不孝通りにあるビルの屋上にて待つ」
そう言ってまた消えた
シャリン
ただ一太刀 八坂は刀を抜き そして収めた
八坂は元の無表情に戻り 帰路についた
八坂の長い一日は終わった
ちなみに川神百代はというと
運よくなのか運悪くなのか分からないが
椎名京が教室に忘れ物をし
取りに来た時に救出されたという
この話は二人いや三人しか知らない秘密となった
余談だが八坂の小柄は百代が貰ったのである
これからもきちんと書き続けていきますが
更新ペースは遅くと一か月に一話以上で書き上げていきたいと思います
もしかするとこれからキャラクターのの名前などのアンケートを
募集するかもしれませんのでその時は気が向いたらで構いませんのでお願いします
それではみなさん 次話をお楽しみに