銀色の二重奏   作:乱れ咲

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起動

IS。社会の大変換の元凶。女性しか動かせず、また、強大すぎる力を持つという特性から、世界各国がこぞってIS業界に進出。優秀な搭乗者を得るため、女性優遇政策を実施。世界は混乱の一途を辿っていた。

 

 

 

 

 

 

私は今年13歳となった。秋の香りを冷たい風が運び、冬の気配が着々と近づいてきている今日この頃。私は今、ベルリンにいる。

ブルーノ中将からの指示でベルリンに赴き、1年前に確保したISの現状を把握してくることが目的である。ハーデン=ヴュルテンベルク駐屯地からベルリンまでかなり遠い。ブルーノ中将はこれを見越してか、私に特例的に車の免許を取得させてくれた。もちろん他の軍用車両は動かせるが、免許は無かった。車の価格の8割を負担してくれ、車まで誕生日プレゼントとして贈ってくれた。かなりいい車で申し訳なさがすごい。車はアウディA6オールロードクワトロ。カラーリングは黒。防弾加工を施し、隠しトランクを内側から開けられるよう改造されている。

「中将になると稼ぎも多くてな、使い所がないんだよ」

なんて言って全額負担しようとするので、流石にそれはと思い、8割負担で妥協してもらった。それでもやはり大金である。

かくいう私も今の階級は大尉である。これもまた異例の若さであり、半分は中将のおかげ。頭が上がらない。

話を戻そう。

私達が1年前に確保したISが突如として動かなくなったらしい。正確に言えば、ISの機体は動くが、コアが誰にも反応しないそう。そこで、何故かベルリンの中将様が私達に問題があると癇癪をおこし、私が派遣される。という流れ。現在、アウトバーンを時速220kmで走行中。

 

 

 

 

 

何事もなくベルリンに到着。連邦軍本部の来賓用駐車場に車を止めロックをかけて外に出る。

本部正門にて男性が2人待機しており、私を見ると、

「お待ちしておりました」

「フェルテン=ヴァルター大尉、こちらです」

とジープに案内してくれた。

車内では、私が13歳で大尉となった事を知っているのか、まだまだお若いのに、大変だ的な事を言ってくる。私から見て、この2人は十分若い部類に入る、だいたい20代前半だろうか。話を聞くと、親族に女性軍人がいたので、なんとか残れているらしい。お互いの苦労話に花を咲かせる事10分。演習場に着いた。

司令室前まで通され、では、私共はこれで。と案内人2人も戻ってしまった。意を決し、扉を叩く。

どうぞと声が響く。扉を開けると、厚化粧の女性が高慢な態度で座っていた。香水のきつい匂いに顔をしかめそうになるのを必死にこらえ、敬礼する。

「バーデン=ヴュルテンベルク駐屯地、ドイツ連邦陸軍特殊作戦師団コマンドー中隊第一小隊所属、フェルテン=ヴァルター大尉、ただ今参上致しました。なにぶん若輩者故、無作法等にはご容赦を」

女はめんどくさそうに返す。

「あー、さっさと見て帰ってくれない?どうせあれは不良品なんだから」

無理矢理呼びつけといてなんだその態度は。呼びつけたのはそちらだろう。難癖付けたかっただけか。と言いたいのをこらえ、わかりましたと一言。ここでブルーノ中将の顔に泥を塗るわけにはいかない。

司令室から退出し、時計を見る。1130。丁度いい。部隊の人達はそろそろ昼食だろうその間に済ませ、証拠映像を撮って帰ろう。そう考えながら外に出る。案内人2人が待っていた。

待たせてしまったことに謝罪し、これからどう動くかを説明する。私に付くのは部隊から1人選ばれているらしい。

合流予定時刻は1230。それまでに軽く昼食を済ませる。

 

1230。部隊から1人やってきた。

今では懐かしい、ラウラだった。だいたい1年ぶりだったが、私は驚愕した。

ラウラが酷くやつれているのだ。

私を見て一瞬だけ懐かしむような表情になるが、すぐに疲弊しきった顔になる。理由を聞くと、なんでもないと返ってきた。ここでしつこく聞いては逆効果なので、そうですか、と少し寂しそうに言う。

なんとなく理由はわかった気がする。目のことだろう。だからこそ、出生は似通えども、まったく異なる部分であるため、何も言えなかった。

 

 

格納庫に案内される。そこには、真っ黒なISが鎮座していた。ラウラにカメラを持っていてくれるよう頼む。ラウラは扉を閉め、了承してカメラを構える。しかし、ラウラに聞いたところ、研究所にいた頃は問題なく動いていたらしい。どうして動かなくなったのか。

 

 

『ミツケタ』

 

 

頭の中に機械的な声が響く。はて?と思い、ラウラに何か言いましたか?と聞いても、キョトンとした顔で首を横に振るだけだった。

 

 

『キミダヨ、キミ』

 

 

また同じ声が響く。ラウラを見ても、反応なし。

まさかなと思い、ISに近づいていく。近づくにつれ頭の中で微弱な電流が流れる感覚が生じる。

ISに触れた。

私の視線が高くなった。

はて?どこにも登っていないぞ?と首を傾げ、ラウラを見る。

ラウラは口を開け、ありえないものを見た。とでも言いたげな目で私を見る。

体に違和感。

手を見る。機械。

ん?

足を見る。機械。

あー、、え?

取り敢えず、今にも叫び出しそうなラウラを鎮め、考える。

「映像は?」

「と、撮れてる」

「目撃者は?」

「外に人の気配もないから、多分、私だけ」

ふむ、、わからん。まぁ、取り敢えず

「どうやってはずすんですか?これ」

「外れろって意識すれば、外れるはず、、」

「あ、本当だ。ありがとうございます」

平静を装ってはいるが、内心バックバクだ。どうしようか。

「ヴァルター、その、どうするのだ?」

「取り敢えずは何も無かった、何も分からなかったでこの場は凌ぎましょう。映像は問題のないものを適当に撮って渡し、ブルーノ中将に乗った映像を見せて、判断を仰ぎます」

「そ、そうか。なら私は黙っていれば良いのだな?」

ゆっくり首肯する。

それから別れ、司令室に行き、何も分からなかったと報告。案内人との会話もそこそこに本部に戻り、アウディに乗って駐屯地に向かう。一刻も早く伝えるため、エンジンをふかし続けた。




フェルト (13歳)の能力
身長167cm 体重56kg。
細身で無駄のない身体。傷跡はのこっている。
両目視力4.7
もともと狙撃兵として育てられる予定だったのか、視力と忍耐力が高い。13歳にしてはかなり大柄であり、まだまだ伸びる。
使用武器
・L96A1ラプアマグナム
・UMP 9mm
・VP9 9mm
・Feldmesser78 ブラックシース
・カランビットナイフ ブラック
・アウディA6オールロードクワトロ 防弾加工済 隠しトランクに銃器
(HK416×2、マガジン×10 パンツァーファウスト3×2、UMP×2、マガジン×10。ハーデン=ヴュルテンベルク駐屯地にあったものを、小隊のメンバーが面白がって入れた。)

はい。動かしました。ここからどうしましょう(汗)
女の扱いも微妙。
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