私と同じ銀色の髪。かなり小柄だ。150cmないだろう。左右で色が違う大きなめをこちらに向け、キョトンとしている。確実に美少女に分類されると思われる顔は、少しやつれていた。
上を見上げた。私と同じ銀色の髪を持ち、見ていると吸い込まれそうな緑色の目をした少年とも少女ともとれる人間がこちらを見ている。軍属なのだろう。軍の戦闘服を着て、わずかにUMPも伺える。
しばらく見つめ合い、ハッとした。それどころではない。
「下がって!」
私は強めに言う。すぐに飛び退いたのを確認し、鉄格子を撃ち、むりやり外す。しかし、このままでは届かない。
「内側から開けられないのか?」
「む、無理だ。扉がどこかもわからないようにしてある。それより、お前は誰だ?他のみんなは?」
心底不安そうにこちらに聞いてくる。しかし、今はまず、彼女を部屋から出す事が優先的。どうにかしなくてはならない。そこで、持っている縄を繋ぎ合わせ、長くする。天井の高さは3m程度。十分な長さになった。端を自身のベルトに括り付け、もう片方を部屋に落とす。
「昇れるか?」
ああ、と少女は首肯し、縄に手をかける。私は滑らないように両足の裏をダクトの側面につけ、踏ん張る。少女は軽く、また、訓練を受けていたのか、すぐに昇ってきた。
「私の仲間と合流する。進めるか?」
「無論だ」
短い会話を挟み、来た方向へ進む。光が漏れており、覗き込めば、ブルーノ少将達が5人の少女と共に、こちらを見上げていた。
ゆっくりダクトから降下し、合流する。銀髪の少女が降りてくるやいなや、少女のもとにわっと5人が集まる。
「無事だったんですね!」
「勿論だとも。お前達も無事で良かった。いや、待て。1人足りない。クロエはどうした。」
5人は目をそらす。銀髪の少女はそうか、、と下を向いたきり、何も話さなくなった。
待て。今、なんて言った?
「すまない。そのクロエというのは、誰だ?」
ブルーノ少将が代表して聞く。少女達が言うことには、銀髪の目を常に閉じている少女らしい。しかし、見つからない。その時、外にいた待機部隊から連絡が入った。
「少将に連絡!たった今、銀髪の少女が紫髪の女に連れられ、えっと、き、巨大なニンジン?に乗って飛んでいったとの事です!何か心当たりは!?」
ナイスタイミングなのかそうでないのか。果たしてその巨大なニンジン?の紫髪の女が良い奴なのか悪い奴なのかは分からないが、どちらにせよ、クロエという少女は無事である事が分かった。これだけでもまだ良い方なのだろうか。少女6人は見るからに喜んでいるが、私個人としては手放しには喜ばない。が、今は喜ばしいこととして受け取ろう。
成果としては、施設内を隈なく調べ尽くし、死体がなかったことと、実験体のリストから、クロエ以外は全員揃っているということで、大成功とまではいかなくとも、成果としては良い結果であった。
帰還の車内で聞いたところ、銀髪の少女はラウラ=ボーデヴィッヒというらしく、彼女曰く、5人の少女達は自分よりも3歳程年上であったが、研究施設での訓練成績や個人の性格から、自分に対して敬語を使うようになったのだという。しかし、ISの成績になるとどうしても自分は落ちこぼれの『失敗作』であると、だから隔離されたあの部屋にいたのだと自虐気味に言ってきた。あの研究所にいたのは4年程で、1度目の適合テストから失敗が続き、他の成績でなんとか生き残っていたとも言っていた。『廃棄品』と言われていた自分と重なるところがあり、言葉を発せないでいると、彼女が私に倒れかかってきた。何か身体に異常があったか!?と不安になって見てみると、ただ疲れただけなのだろう。寝息を立てていた。時計を見てみる。既に今日もあと僅かになっていた。彼女の寝顔を見ると私も少し眠くなった。頭を振り、駐屯地に帰るまで起きていようと目を凝らすが、いつのまにか寝てしまった。
ラウラとクロエが出てきました。
今作では、この2人は同郷という設定です。