大学が再開したり、研修が始まったりで時間が取れず、投稿期間がまた空いてしまいました。
遂にシンフォギアXVも最終話を残すばかりとなってしまいましたね。何だか少し寂しい気分です。
シンフォギアシリーズのアニメも集大成ということで続編ももう出ないでしょうし、シンフォギアロスになってしまうかもです。
シンフォギアの今後の展開としてはXD編の片翼の奏者、翳り裂く閃光、イノセント・シスターをぜひ映画化してほしいところです。
アニメ本編の方はネタバレを控える為に過度なことは言えませんが、公式サイトのキービジュアルも何気に伏線だったんだなぁって思いました。
前も書きましたが、こんな僕とアニメのことで雑談したい方は個人でメッセージを送ってくれると嬉しいです。
前回通りメッセージを送って下さった場合は、必ず返信することを約束します。
まぁ、投稿出来ない間に話も進んで、名前が読めない必殺技が出てたり、調ちゃんが予習した獣への殺戮方法がトラバサミで割とエゲツなかったり、マリアさんのアマルガムが割とカッコ良かったりと色々ありましたね。
9月の4日に発売した翼さんのキャラソンですが、歌詞を聴いて延期した理由も納得出来ました。重大なネタバレソングでしたね。
翼さんのキャラソン聞いてからXVの9話を見直し、GXの9話も見直して、序でに奈々さんの深愛も聞いて号泣してました。
さて、関係の無いお話もそろそろ終了して本編の方に入っていきましょうか!
それでは、どうぞ!
黄昏時の光が街を彩る中、クリスはまるで何かから逃げるように自身が出せる全速力で校舎内を駆け抜けていた。
そんな彼女の進行方向上にある曲がり角の先には、容量の限界まで物を詰め込まれた紙袋を両手で抱えながら廊下を歩く翼の姿があった。
走るのに必死になっていたクリスは、安全確認を行わずに廊下の曲がり角を曲がり、両手が塞がっている上に紙袋から
「きゃ!?」
「うわっ!?」
クリスが全速力でぶつかった結果、両者は小さな悲鳴を上げた後に弾かれるように倒れ込み、翼が抱えていた紙袋からは紙やテープ、色紙といった様々な物が空中に
「脇見しつつ廊下を駆け抜けるなんて、余り感心出来ないわね……」
翼は倒れた際に強く打ち付けた尻餅を摩りながら自身にぶつかってきたクリスを見遣り、クリスはぶつかった際に自身に降り掛かった痛みに苦悶の声を小さく漏らしていた。
「雪音? 何をそんなに慌てているの?」
ぶつかってきた人物が自身の知人であることを認識した翼は、近くに転がっていた自身の荷物を抱え直してから立ち上がり、慌てて廊下を走っていた理由を訊ねた。
訳を訊ねられた当のクリスは、翼同様に急ぐように立ち上がった後に簡潔的に理由の説明を始める。
「奴らが……。奴らに追われてるんだ。もう直ぐそこにまで……」
「え……?」
要領を得ないクリスの説明に翼が疑問符を浮かべていると、クリスが駆けてきた廊下側から複数の足音がバタバタと鳴り響き、クリスは慌てて校舎の影に息を潜めながら隠れ始める。
クリスが隠れた直後、先程までクリスが入っていた廊下を3人の女子生徒達がそのまま真っ直ぐに駆け抜けていった。
「? 特に怪しい人なんて見当たらないけど……?」
「そうか……上手く撒けたようだな……」
不審な人物など見当たらないという翼の話を聞き、クリスは安心したかのように大きく息を吐き出した。
「それで、奴らって?」
「あぁ……何やかんやと理由を付けて、あたしを学校行事に巻き込もうと一生懸命なクラスの連中だ」
何処か険しい表情でいるクリスを見て顔を顰めていた翼であったが、クリスの話を聞いてからはまるで微笑ましいものでも見るかのように優し気な微笑みを浮かべていた。
「雪音さーん!」
「もう、何処行っちゃったのかしら……?」
クリスのクラスメイトである3人の少女達がクリスを捜す中、当のクリスは偶発的に目の前に現れた自分と近い立場にいる人間である翼に自然な流れで愚痴を零し始める。
「フィーネを名乗る謎の武装集団が現れたんだぞ。あたしらにそんな暇は……って、そっちこそ何やってんだ?」
「見ての通り、雪音が巻き込まれ掛けてる学校行事の準備よ」
翼が抱える紙袋や辺りに散らばった物を見て不思議に思ったクリスが訊ね、翼は自分が行っていることの内容を簡潔にクリスに伝えた。
実はリディアン音楽院は3日後に“秋桜祭”という学祭を控えており、リディアンに所属する女生徒達はその学祭の準備で大忙しなのである。
特に今年は初夏頃に起こったノイズの襲撃によって以前の校舎が使い物にならなくなり、新校舎に移転してから初めての学祭ということもあって女生徒達の気合いの入り方も段違いなのである。
その証拠に、季節が秋になって日の入りの時間も早くなっているにも関わらず、未だに多くの女生徒達がリディアンの校舎に残って学祭の準備に取り組んでいる。
「じゃー雪音にも手伝ってもらおうかしら?」
「何でだ!?」
「今戻っても結局は巻き込まれるでしょ? なら、少しぐらいは付き合ってくれても良いんじゃないかしら?」
翼が言っていることは正論であり、ぐうの音も出ない様子のクリスは嫌な顔をしながらも渋々翼の頼みごとを引き受けることになった。
その後、翼はクリスを伴って自身の教室に戻り、仕入れてきた色紙を使った装飾や色取り取りの花紙を使った装飾を作っては机の上に並べていた。
「まだこの生活には馴染めない?」
「まるで馴染んでない奴には言われたたくないね」
「ふふっ。確かにそうね。けど、雪音──」
気さくに話し掛けた翼にクリスは皮肉を返し、そんなクリスに翼は怒るのとは逆に笑みを浮かべてから言葉を返そうとした。
「あっ、翼さん! いたいた」
しかし、唐突に教室の廊下側から聞こえてきた声によって途中で話は打ち切られ、翼とクリスは自然と声が聞こえてきた方向へと視線を向けることになった。
そんな2人の視線の先には、教室の入り口に佇む翼の同級生であろう3人の少女達の姿があった。
「材料取りに行ったまま戻ってこないから、皆で捜してたんだよ?」
「でも心配して損した。何時の間にか可愛い下級生連れ込んでるし」
教室の前に立っていた3人の少女達は、気さくに翼に話し掛けながら作業を行っている翼とクリスの直ぐ傍まで歩み寄ってきた。
「皆……先に帰ったんじゃ……」
「だって翼さん、学祭の準備が遅れてるの自分のせいだと思ってそうだし」
「だから私達も手伝おうって!」
責任感が人一倍強い翼の考えていることは同級生達には筒抜けであったらしく、同級生を代表して
「私を、手伝って……?」
「案外人気者じゃねえか」
意外な展開に呆然としてしまう翼に、遣り取りの一部始終を見守っていたクリスは面白そうにニヤニヤしながら横から冷やかしの言葉を投げ掛けた。
その後、翼は3人の申し入れを受け入れて計5人で翼のクラスの出し物の準備に取り掛かり始めた。
「でも、昔はちょっと近寄り難かったのも事実かな」
「そうそう。孤高の歌姫って言えば、聞こえは良いけれどね」
「初めはなんか、私達の知らない世界の住人みたいだった」
作業をする中、翼の同級生である3人は出会った当初に抱いていた翼への所感を口々に話し始め、そんな彼女達の話に話題の中心である翼とクリスは自然と耳を傾けていた。
「そりゃー芸能人でトップアーティストだもん!」
「でもね」
「うん!」
「思い切って話し掛けてみたら、私達と同じなんだってよく分かった」
「皆……」
「特に最近はそう思うよ!」
「翼さんも私達と同じで、普通に男の子に恋する女の子だってこと分かったぶん余計にね」
「えぇ……!?」
話をしている中で話題が唐突に変わり、3人は作業をする手を止めずに暖かい目を翼に向け、翼は話題が自分の恋に変わったことや3人からの視線が暖かなものになったことで頬を薄く赤らめた。
「わ、私は、そんな……こ、恋なんて……!?」
「そんな隠さなくても良いよ! 何人かはもう気付いてるから」
「翼さんが好きなのってあの子でしょ? ほら、普段は大人達に混ざって街の復興作業を頑張ってる」
「確かその筈だよ。それと時々リディアンの校舎の前までやって来るよね。前の校舎の時も来てたし」
普段は街の復興作業を手伝っている、時々リディアンの校舎の前までやって来るといった特定のワードから、翼とクリスは自分達の予想通りならばとある特定の人物を脳裏に思い浮かべる。
「聞いた話だと、あの子って私達よりも2つ年下なんだって」
「凄いよね。復興現場でも大活躍してるって話だし、後は街中で人助けも頻繁にやってるみたい」
「街の子供達からも凄く懐かれてるし、正しく知る人ぞ知る街の人気者って感じよね」
更に同級生達の口から離された情報により、翼とクリスは話題となっている人物が脳裏に浮かんでいた人物で間違いないと断定した。
話題の人物が誰であるかが確定し、同級生の口から語られるその人物への所感が思っていたものよりも数段良かったことに翼とクリスは自然と笑みを浮かべていた。
「それで? 翼さんはどうしてあの子のことが好きなの?」
「えぇッ!!?」
全員がその人物を褒めていたと思ったら、唐突に話の矛先が再び翼に向いたことで話を振られた当の本人は動揺を隠せずに取り乱し始めた。
「見た感じだと、あの子って翼さんに会いに来る時も偶にあるけど、基本的に1年のリボンの子とその友達に会いに来てるって感じだよね」
「あれ? そういえば、そこにいる後輩ちゃんもあの子と話しながら一緒に帰ってたこともあったよね?」
「……」
件の人物こと響と帰る姿を密かに目撃されていたクリスは、下手に口を開けばボロを出しかねないと判断し、クリス以外の4人とは逆方向に視線を向けて無視を貫き通す。
「……はは〜ん」
「成る程ね〜」
「そういうこと〜」
そんなクリスの態度から何かを察したのか歩、瞳子、杏胡の3人は、翼とクリスを交互に見遣りながらニヤニヤと笑みを浮かべた。
「皆、このことは……」
「ん? あぁ! うん。大丈夫大丈夫!」
言い淀む翼の言わんとしていることを察した杏胡は先んじて言葉を返し、杏胡と同じく翼の言葉の意味を理解していた歩、瞳子も同意の意を示す。
「そうそう。私達誰にも言うつもりないから!」
「幾ら日本を代表する歌姫様でも、自由に恋する権利くらいはあって良い筈だもの!」
「だから、私達は翼さんのことを応援するよ!」
「皆……本当にありがとう……!」
翼の恋を応援すると言う同級生達の言葉を聞いて、翼は嬉しさと恥ずかしさから照れ臭そうに頬を赤らめながら笑みを浮かべてお礼の言葉を述べた。
「……はぁ。ちぇ、上手くやってらぁ」
翼と同級生達の遣り取りの一部始終を見ていたクリスは、呆れるように溜め息を吐いた後に自分よりも周りと上手く距離を縮めている翼に愚痴を零した。
「ッ! んんっ! 面目ないわね。気に障ったかしら?」
「さぁーてね」
翼は咳払いをすることで気を持ち直してからクリスに言葉を投げ掛け、クリスは外方を向きながらはぐらかすように言葉を返した。
「だけどあたしも、もうちょっとだけ頑張ってみようかな……」
「……そう」
しかし、翼と同級生達の繋がりに思うことがあったのかクリスは前向きな言葉を述べ、それを聞いた翼は満足そうに笑みを浮かべた。
「さてと! 翼さんが愛しの彼のハートを射止める為にも!」
「うん! もうひと頑張りといきますか!」
「よし! なら一層のこともっと華やかにして!」
「わ、私のことはもう良いから!」
変な方向にスイッチが入って更にやる気を出し始める3人を翼は恥ずかしそうに頬を赤らめながら諌め、翼達はリディアンの帰宅時刻がやって来るまで作業をし続けたのであった。
◇◇◇
「如何にもって感じだな」
響は自身の視線の先にある建物や周りの風景を見て、自身が思った所感を偽ること無く有りの儘の状態で口に出した。
夕日は既に沈み切って時間帯が夜へ移った中、響達二課に所属する装者達は人工島の一角にある廃棄施設付近の建物の物陰に潜んでいた。
『良いか! 今夜中に終わらせるつもりで行くぞ!』
「おう! 目指すは日の出と一緒にミッションコンプリートだ!」
『響君以外は明日も学校があるのに、夜半の出動を強いてしまいすみません』
「気にしないで下さい。これが私達の務めですので」
通信用インカムを通して聞こえて来る気合い十分な弦十郎に声に同じく気合い十分な響が軽口を返し、申し訳無さそうな緒川の声には冷静な声色の翼が返答した。
「にしても、こんなところに奴らが潜んでたなんてな。何で分かったんだ?」
『それは黎人さんが齎してくれた情報のお陰です。人脈を通して2ヶ月程前から一部の物資の流れに不審な点があることを知った黎人さんが独自の情報網で調べ上げ、今は廃棄されたその病院に物資が届けられているのを掴んでくれました』
物資の流れだけを見てこの場所が怪しい思うのは少々無理があるが、黎人は物資の流れだけではなく、その中身や流通ルート、運搬を行った組織とその動向まで事細かに調べ上げていた。
そんな謎の多い情報を掴んでいた最中にノイズを操る武装組織が現れたことで、黎人はその謎の解明に行き着くと同時に掴んだ情報に自分の意見を添えて二課へと流したのだ。
その結果、二課でも行われていた情報収集の精度は向上し、黎人の情報を基にして緒川が運搬を行った組織へ潜入を行い、そこで掴んだ情報と黎人が調べ上げた情報が合致したことによって今夜に作戦が決行されたのだ。
『黎人さんのお陰もあって彼女達がその施設に潜伏している可能性が限りなく高いですが、もしかすると無駄骨に終わる可能性もあるかもしれません』
「構いやしねぇよ。それに昔から言うだろ? おけつに入らずんば虎子を得ずってな!」
響がそう言った直後、まるで時間が止まったかのようにその場を沈黙が支配した。
「「……」」
『『『『……』』』』
共に現場にいた翼やクリスに限らず、司令部で通信越しに響の発言を聞いていた弦十郎や緒川、藤尭や友里までもが黙り込み、風の音や波の音といった自然の音だけがその場に鳴り響いていた。
「おけつじゃねーよ、このバカッ!!」
「こほん……おけつじゃなくて虎穴よ、響」
暫し場を支配していた沈黙をクリスが怒鳴り散らすことで打ち破り、少し恥ずかしそうに咳払いした翼が響の間違った知識に訂正を行った。
「悪い悪い、間違えたわ!」
「ったく、この単細胞バカは……。まぁ、何にしろこいつの言う通りだ。尻尾が出てないのなら、こちらから引き摺り出すまでだ!」
クリスはそう言って物陰から飛び出し、それに続くように響と翼も眼前にある廃病院に向かって駆け出した。
「シンフォギア装者、建物内へと踏み込みます」
司令室から現場を観測していた友里は装者達が状況を開始したことを通達し、弦十郎は腕組みをしながら司令室のメインモニターを静かに見詰めていた。
勿論、響達の動きを観測していたのは弦十郎達二課だけではなく、廃病院に残っていたウェルも制御室のモニターで響達の動きを監視していた。
「御持て成しといきましょう」
ウェルがコンソールを操作すると、響達が潜入していた廃病院の通路内に血のように赤い霧状の何かが散布され始める。
霧状の赤い何かは瞬く間に廃病院内の隅々にまで拡散されたが、時間帯が夜ということもあって視界が悪く、灯りも持っていない響達はその何かに気付くことは無かった。
「……んだこれ?」
「どうした?」
「何か体が重く感じてさ。元病院ってなだけでこうも変わるもんか?」
「何だぁ、ビビってるのか?」
「いや、これっぽっちも怖くない。けど、何かなぁ……」
唐突に感じた違和感と体の重さを口に出した響を揶揄うようにクリスは軽口を叩いたが、暗い場所や怪談話等が苦手でない響はクリスの言葉を否定しながら何処か腑に落ちない様子で首を傾げていた。
「意外に早い展開ね……」
そう言って目付きを鋭くした翼の視線の先には、脇目も振らずに響達に向かって侵攻してくる無数のノイズの群れがいた。
ノイズを視界に収めた装者達は、その身にシンフォギアを纏う為に胸の内より湧き上がる起動キーたる聖詠を唱え始める。
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
「Imyuteus amenohabakiri tron」
「Killiter Ichaival tron」
各々の聖詠が廃病院内に響き渡り、それによって起動したシンフォギアは装者達の体に展開され、ノイズへの戦闘態勢が整っていく。
「ばぁーん☆」
「ぐふっ!?」
その際にクリスが自身の指で銃の形を作ると、まるで撃ち抜くような仕草と共に銃声を声に出し、その余りにも可愛い一連の所作によって文字通りハートをズキューンと撃ち抜かれたバカが横にいたのであった。
シンフォギアを身に纏って歌い始めたクリスは、直様アームドギアを展開すると手始めに両手の2丁4門の2連装ガトリングで射線上にいるノイズを鉛玉の雨で一掃し始める。
【BILLION MAIDEN】
無数の銃弾で撃ち抜かれたノイズは瞬く間にその身を煤に変えて消え失せ、その後にアームドギアをガトリングからクロスボウへと変化させたクリスの両隣に響と翼が並び立つ。
先の攻撃によって数を減らしたノイズであったが、それを補填するかのように後方から次々にノイズが現れ、開幕と同時に行われたクリスの攻撃は無意味に終わってしまった。
「やっぱり、このノイズは……!」
「えぇ。間違い無く制御されているわ!」
「なら、ここが大当たりで間違い無さそうだな!」
統率されたノイズ達の動きは明らかに制御されたものであり、そのような行動を取るノイズがいるということは、この場所は予想通り敵にとっての重要施設であるということの裏付けでもあった。
「響、雪音のカバーよ! 懐に潜り込ませないよう動いて!」
「Yes, ma'am!」
翼からの指示に響はいつも通りの返事を返すと即座に行動を開始し、クリスを攻撃の主軸に置いた陣形が瞬く間に形成される。
クリスが正面からやって来るノイズを2丁のクロスボウから放たれるエネルギー矢で撃ち抜き、横からクリスの懐に忍び込もうとする他のノイズを翼が斬り捨て、響はクリスが撃ち漏らしたノイズを打撃で粉砕する。
先述の中心たるクリスは、自身のパフォーマンスを最大限に発揮して無数のノイズを撃ち貫いていく。だが、突如として訪れた変化にクリスは目を見開いた。
その変化とは、先程まで簡単に倒されていた無数のノイズに何故か攻撃が通り難くなり、攻撃しても倒し切れずに元通りになることだった。
「おりゃあッ!!」
響渾身の右ストレートがノイズの胴体を見事に打ち抜くが、まるで時間を巻き戻すかのように胴体に開いた穴は塞がってしまう。
「んなっ!?」
何時もなら開いた胴体の穴から崩れるようにノイズが消えていくが、それとは真逆の現象が眼の前で起こったことに響は驚愕を禁じ得なかった。
響と同じように近接戦闘でノイズに応戦していた翼は、通常攻撃ではなく、必殺技を用いることで現状の打開を試みる。
「はぁ!」
【蒼ノ一閃】
繰り出された翼の蒼ノ一閃が直線上にいた複数のノイズを消滅させる。しかし、それは飽く迄一時的なものでしかなく、数秒と経たない間に斬り捨てられたノイズは再生して再び活動を開始する。
「どうなってんだ!」
響は近くにいたビューマノイドノイズの頭部にある触覚部分を掴んで引き寄せることで盾代わりにし、体を槍状に変化させて行われるクロールノイズの攻撃を防ぐ。
咄嗟の防御ではあったが、ノイズ同士のぶつかり合いによって双方のノイズは同士討ちという形で消滅し、響は他にも飛来してきたノイズをカウンターの要領で粉砕してから後退する。
「何で、こんなに手間取るんだ!?」
荒い呼吸を繰り返すクリスは、明らかに何時もよりノイズが倒し難くなっている現状に疑問を抱かずにはいられなかった。
「ギアの出力が落ちている……!」
そんなクリスの疑問に答えるように、翼は自身が感じた所感を口に出して伝えた。
現場で装者達が異常を感じている中、弦十郎達がいる司令部の方でも突如として発生した異常事態の対応と原因究明が行われていた。
「装者達、適合係数が低下ッ!」
「このままでは戦闘を継続出来ませんッ!?」
司令部から常に装者達の状況をモニタリングしてデータを数値化していたオペレーター陣であったが、その装者達のギアとの適合係数が見る見る下がっていく異常事態を報告した。
翼の言うギアの出力とは、装者達が身に纏うシンフォギア、若しくは元となった聖遺物との適合係数と密接な関係にあり、その数値が高ければ高い程に強力な一撃や多様な機能を活かせるようになる。
しかし、現在のようにその数値が下がっていけば当然ギアの出力は下がり、一撃の威力も低くなる上に機能も低減され、結果的にノイズを倒すに当たる威力を発揮出来なくなる。
しかも適合係数がある一定の基準値を下回れば、シンフォギアを纏うことが出来なくなって戦場の中で無防備な状態で晒されることになるのだ。
「何が起きている!?」
シンフォギアを作り上げた了子亡き今ではその理由を究明出来る者もいない為、この前代未聞の事態に弦十郎は驚愕するばかりで、有効な解決策を見出せずにいた。
一方、現場にいる響達はギアの出力の低下によってただのノイズを倒すだけでも劣勢を強いられ、元より体力のある響を除いた他の2人には明らかな消耗が見られた。
「大丈夫か、2人共?」
「はぁ……はぁ……。えぇ……大丈夫よ……」
「ふぅ……ふぅ……。何とかな……」
(口だと普通に振る舞ってるけど、明らかに2人の消耗が激しい……)
口では大丈夫と言い切っているが、翼とクリスは肩が上下する程に荒い呼吸を繰り返しており、響の目から見ても口以上に消耗しているのは明らかであった。
(2人に比べて俺が全然消耗してないのは気になるけど、今は俺が翼とクリスを守らないと……!)
2人と比べて自身の消耗具合が軽いことが気になる響であったが、今は一番消耗の少ない自分が2人を守らなければと気を引き締め直した。
「ッ!」
響が気を引き締め直した直後、響の獣の如き鋭い第六感が唐突に反応し、響は勘の赴くままに勢いよく拳を振り抜いた。
振り抜かれた拳は疲弊していたクリスの顔の真横を通り過ぎ、その先にいた何かの顔面に見事に命中した。
「ッ!?」
「2人共気を付けろッ! 何かいるッ!!」
突然振り抜かれた響の拳と自身の間近から聞こえてきた打撃音にクリスは驚き、響は殴った拳の感触から何かがいることを確信して2人に警告を飛ばした。
直後、響に殴られた何かは態勢を立て直すなり今度は自身を迎撃した響へと狙いを変えて襲い掛かる。
「ッ!」
だが、奇襲が失敗した上に響が警告をしたことで即座に意識を切り替えた翼が横から剣を振るったことで何かの反撃は失敗に終わり、斬り捨てられた何かは後方に大きく弾き飛ばされた。
「アームドギアで迎撃したんだぞッ!?」
「なのに、何故炭素にならないのッ!?」
「あいつはノイズじゃねぇッ!! 殴った感触がノイズと全然違う!」
攻撃しても何の変化も無い敵を前にしてクリスと翼が困惑する中、響は先程に敵を殴った際の感触がノイズとは違うものであったことから敵はノイズではないと断じた。
「じゃあ、あの化け物は何だって言うんだ……!?」
「俺が知るかよ! こんなとんでも生物、どうせ同じくらいとんでもなデュランダルかネフシュタンの鎧と同じ類のもんだろ!」
「ッ! まさか、完全聖遺物!?」
クリスの疑問に響は半ば投げ遣りに答えたが、装者としての経歴が最も長い翼はそんな響の発言から敵の正体に気付いた。
すると、完全聖遺物と思われる正体不明の敵の後方からパチパチと拍手を打つ音が施設内に響き渡り、響達は自然と視線を敵の後方へと向けることになった。
「なっ!?」
音が聞こえて来る暗がりを目を凝らして見詰めた響は、暗がりの中に見えた人物の姿を見て思わず声を上げながら驚いた。
「ウェル博士!?」
クリスが名を呼んだその人物とは、表向きは米軍の岩国基地にて起こったノイズの襲撃の際に死亡したと思われていたウェルであった。
そんなウェルの足下には、ウェルの太股の高さ程の鉄製のケージが置かれていて、先程響達に襲い掛かった化け物──ネフィリムは誘導されるように自分からケージの中へと入っていった。
「意外に聡いじゃないですか。それもまさか二課の装者の中で一番おバカそうな
ネフィリムが入ったケージの檻にしっかりとロックを施したウェルは、あの数瞬だけでネフィリムの正体に勘付いた二課の装者達、その中でも直感だけでネフィリムの正体に辿り着いた響を若干小馬鹿にしながら称賛した。
「どうなってやがる!? あんたは岩国基地が襲われた時に……まさか!?」
「あぁ。お前の考え通りだ、筋肉バカ。つまり、ノイズの襲撃は全部……!」
「明かしてしまえば単純な仕掛けです。あの時既にアタッシュケースにソロモンの杖は無く、コートの内側にて隠し持っていたんですよ」
「ソロモンの杖を奪うため、自分で制御し、自分に襲わせる芝居を打ったというの?」
「バビロニアの宝物庫よりノイズを呼び出し制御することを可能にするなど、この杖を置いて他にありません」
ウェルはそう言うと、懐に忍ばせてあったソロモンの杖を起動させて自身の周囲に再び複数のノイズを召喚した。
「そしてこの杖の所有者は、今や自分こそが相応しい。そう思いませんか?」
「ッ! 思うかよッ!!」
ウェルの言葉で堪忍袋の緒が切れたクリスは怒りの感情の赴くまま啖呵を切り、ウェルが差し向けてきたノイズを迎撃すべく追尾式小型ミサイルが内蔵された左右の腰部アーマーを展開する。
「ッ!」
しかし、クリスがシンフォギアの武装を展開した瞬間、クリスの体に激しい痛みが走り、クリスは痛みで顔を苦悶の表情に歪めた。
痛みによってクリスが体を硬直させるが、ウェルが召喚したノイズは止まることなくクリス達に迫ってきており、クリスは自身の体が感じた痛みを押し殺して装填された小型ミサイルを一斉発射した。
「ッ!? うああああッ!?」
痛みを無視して攻撃を行った結果、先程以上の痛みがクリスの体を襲い、クリスは苦しむように絶叫した。
発射されたミサイルは一直線に飛んでいき、射線上にいたノイズの群れに着弾するとその爆炎と爆風によって施設諸共ノイズを吹き飛ばした。
響達がいる現場が混沌を極めていく中、弦十郎達のいる司令室には無数のアラート音が鳴り響いていた。
現在司令室のメインモニターには各装者の状態が映っており、そのどれもに装者の状態が危険であることを示す注意メッセージが複数表示されている。
「適合係数の低下に伴って、ギアからのバックファイアが装者を蝕んでいます!」
今し方適合係数の低い状態で無理をしたクリスのデータには、響と翼以上に無数の注意メッセージが更に表示された。
適合係数の低下によるデメリットは、先に挙げた例の他にも存在する。
適合係数の低い状態で無茶をしようものなら、ギアから開放されるエネルギー負荷によって装者の肉体は蝕まれ、それがダメージとなって装者自身を痛め付けることとなる。
最悪の場合、適合係数の低い状態で絶唱を歌った奏のように身に纏うシンフォギアに殺されかねないのである。
クリスのミサイル攻撃によって廃病院は見事に倒壊し、建物が倒れたことで発生した土煙と爆煙が混ざり合って周囲に立ち込める。
すると、その中から爆風に押し出されるように無数のクロールノイズが一塊となったものが飛び出してきた。
ノイズの塊は爆発によるダメージで数秒も経たない内に煤となって朽ち果て、その中から無傷の状態のウェルが姿を現す。
どうやら、ミサイルの爆発が自身に及ぶ前に無数のノイズを召喚して肉の壁とすることでクリスの攻撃を凌ぎ切ったようである。
続けて響達も煙の中から姿を現すが、攻撃を行ったクリスはダメージと疲労によってすっかり疲弊していて、今は翼に肩を貸してもらうことで如何にかこうにか歩行出来ている状態であった。
「大丈夫か、クリス?」
「……すまねぇ。クソッ……! 何でこっちがズタボロなんだよ……」
(この状況で出力の大きな技を使えば、最悪の場合、そのバックファイアで、身に纏ったシンフォギアに殺されかねない……!)
クリスを気遣う言葉を掛ける響と響に謝りながら悪態を漏らすクリスを見据えていた翼は、今のクリスの状態を見て自分達が置かれている状況を改めて認識した。
「ッ! あれは!?」
すると、空を見上げていた響が驚愕を露にしながら声を上げ、そんな響に釣られて翼も響と同じく空を見上げた。
2人の視線の先には、この場から離れていく気球のような形をした空輸型のノイズがいた。
「あいつ、さっきのケージを持ってやがるッ!」
そのノイズの足下には、先程ネフィリムが収められたケージを吊るされている。
「このまま直進すると洋上に出ます!」
司令室のモニターからもそのノイズの姿を捉えており、藤尭が言うようにこのままノイズの進行を許せばノイズは洋上へと出てしまい、装者達の足では絶対に追い付けなくなって取り逃がしてしまう。
気球のような形をしているがそのノイズのスピードは意外に速く、ノイズが洋上へと出てしまうのも最早時間の問題であった。
(さて、身軽になったところで、もう少しデータを取りたいところだけ──)
ここから離れていくノイズを見上げていたウェルは呑気に思考を巡らせていたが、思考が完結する前にウェルの思考は外部からの手によって半強制的に終了させられることになる。
「んがっ!?」
思考を巡らせていたせいで隙だらけとなっていたウェルは、その隙を的確に突いた響によって関節を捻り上げられながら取り押さえられ、手に持っていたソロモンの杖も取り上げられた。
「余計なことすんなよ、マッド野郎。もし変なことしたら、てめえの関節外す序でにメガネも叩き割ってやる」
響が発した言葉には若干ではあるが殺気も込められていて、その気配と声色からその言葉が冗談ではなく本気の脅しであることは誰から見ても一目瞭然であった。
そもそも響は、ウェルが裏切り者であることが発覚したことやソロモンの杖を使って多くの人々の命を奪ったことにクリスと同じくらい苛立っていた。
だが、今現在クリスがズタボロになったことでその怒りはクリスものものを上回った。
正直響は今にでもウェルの顔面を穴が開く勢いでブン殴ってやりたい気分であったが、今は任務を優先することで噴火寸前の感情を如何にか抑え込めているのだ。
「やれやれ、乱暴な英雄様ですね。別に拘束しなくとも、これ以上僕は何もする気は──」
「黙ってろ」
「んぐぅ!?」
拘束されているというのに何故か未だに余裕な態度を崩さないウェルが軽快に言葉を紡ぐが、響は全く聞く耳を持たずに問答無用で関節を更に捻り、その痛みでウェルは悶える。
「翼!」
「えぇ! 響、雪音を頼むわ!」
響が名を呼んだだけで響の目論見を察した翼は、肩を貸していたクリスを優しく地面に降ろしてから後のことを響に任せ、自分は洋上へ飛んでいくノイズに向かって駆け出した。
(天羽々斬の機動性なら……!)
出遅れている現状でかなりのスピードで洋上へと飛んでいくノイズに追い付けるのは、響達二課に所属する装者の中でも一番の機動性を誇る天羽々斬を纏った翼だけだろう。
そのことを理解していたからこそ、響はウェルの確保へと自主的に回り、翼は響の頼みを快諾した。
特に言葉すら交えずに互いの考えを理解出来る響と翼は正しくツーカーの関係であり、流石は響の一番最初の仲間と言った具合である。
「翼さん、逃走するノイズに追いつきつつあります。ですが……」
友里の言う通り、翼はその機動性を活かして空を飛ぶノイズとの距離を徐々に縮めているが、このペースでは翼がノイズに追い付くよりも先にノイズが洋上に出てしまう方が早いだろう。
「司令!」
「そのまま、跳べッ! 翼ッ!!」
藤尭が弦十郎に意見を仰ぐと、弦十郎はモニターを見据えたまま間髪入れずに迷うこと無く翼に指示を出した。
(跳ぶ?)
『海に向かって跳んで下さい! どんな時でもあなたはッ!』
弦十郎の指示に翼は疑問を抱いたが、直様続けて緒川が通信越しで翼に同意する言葉を投げ掛けた。
(……そうね。迷うことなんて無いッ!)
そう、迷うことなど無い。翼に言葉を投げ掛けた2人は翼が全幅の信頼を寄せる人間であり、2人が揃って跳べと言うのなら、翼は2人からの信頼に応える為にも2人を信じて跳んでみせるだけである。
建設途中の橋の先端に辿り着いた翼は、そこから空中にいるノイズ目掛けて全力で跳躍した。
全力の跳躍を以ってしても埋まらない距離を翼は両脚部のブレードのバーニアを用いることで縮めようとする。
しかし、翼のブレードのバーニアは地上と水上でのホバー走行には向いているが空中での飛行機能は無い。ジャンプの際に空中機動は出来るが、それ以上のことは出来ない。
バーニアの効果が切れた翼は地球の重力によって落下していき、このままでは真下にある海面へと叩き付けられてしまう。
「仮設本部、急速浮上!」
だが、必然的にこの事態に陥ることは予想していたであろう弦十郎達が、このまま指を咥えたまま何もせずにただジッとしている訳が無かった。
翼が落ちるであろう位置の海面に突然何かの影が浮かび上がり、その影は強烈な水飛沫を上げながら海面を突き破って姿を現す。
海面を突き破って現れたのは巨大な潜水艦であった。そして、その潜水艦こそが弦十郎達特異災害対策機動部二課の今の本部である。
3ヶ月前のルナアタックにて特異災害対策機動部二課は本部含めて機能不全に陥り、新たな本部施設の完成まで新造された次世代型潜水艦内に代わりの本部が仮設されることになった。
潜水艦が本部となったことで規模そのものは小さくなったが、ノイズ発生の検知システムや、シンフォギア・システムの各種バックアップなどの主だった機能はそのままであり、機密性と機動性を大幅に強化されている。
加えて言うと、艦内には医療施設や生活居住区、娯楽施設までもが設けられており、作戦遂行における長期間の搭乗であっても職員達の健康を損なわないよう配慮されているのだ。
そして、今回は本部が潜水艦であったからこそこのような大胆な行動を起こすことが出来たとも言える。
翼は浮上してきた潜水艦の先端部分に着地すると、今度はそこを足場とすることで再び跳躍した。
先程の橋以上の高さの場所から跳躍したことで翼は空中を飛ぶノイズに見事追い付き、その勢いに乗ったままノイズを斬り捨てた。
斬り捨てられたノイズはいつも通り煤となって朽ち果て、ノイズが吊り下げていたネフィリムの入ったケージが自然落下で海に向かって落ちていき、翼も自身を落下させながらケージを掴もうと手を伸ばす。
「翼ッ!!」
疲弊していたクリスの回復を待ってから動き始めた響とクリスも漸く翼が見える橋の先端部分に到着した。
ソロモンの杖は現在クリスが確保していて、響は一緒に連れてきたウェルが余計なことをしないよう限界まで強く拘束している。
海に向かって真っ逆さまのケージに追い付く為に翼はブレードのバーニアを吹かせて加速する。
翼がケージに追い付いてケージを掴もうとした刹那、翼は自身に向かって飛来してくる存在に気付いた。
「あぁッ!?」
直撃する直前で何とか減速には成功したが、完全には勢いを殺し切れず直撃こそしなかったものの勢いの付いたその存在──槍が左足の装甲を掠めたことで翼は大きく弾き飛ばされた。
飛来してきた槍は海面に突っ込む直前の場所で浮遊し、逆に弾き飛ばされた翼は水柱が立つ程の勢いで海に着水した。
「翼ぁ!!」
翼の身を案じて響が叫んだ直後、浮遊している槍の柄の先端部分に何者かが降り立ち、落下してきたケージを掴み取った。
「あいつは……!」
クリスが見据える先にいたのは、夜空を染める暁の太陽を背にして佇むガングニールのシンフォギアを身に纏ったマリアであった。
「時間通りですよ、フィーネ」
「「ッ!?」」
響とクリスは、マリアを見詰めるウェルがマリアのことを“フィーネ”と呼んだことで瞠目しながらウェルを見遣った。
「フィーネだと?」
「終わりを意味する名は我々組織の象徴であり、彼女の二つ名でもある」
「まさか……じゃあ、マリアさんが……ッ!?」
クリスの疑問に答えるようにウェルは唇の端を釣り上げながら詳説し、それをクリス同様に直ぐ傍で聞いていた響は槍の上に佇むマリアを見て動揺を露にした。
「新たに目覚めし、再誕したフィーネです」
ウェルがそう言った直後、槍の上に佇むマリアは閉じていた瞳を開き、目の前にいる響達をその強い瞳で見据えたのであった。
・原作と今作の相違点コーナー
(1)クラスメイトに恋してるのがバレてる翼
──翼が恋するOTOMEということもあり、今作のクラスメイト達は原作よりもフレンドリーです。
(2)翼のクラスメイトに噂される響
──街の人気者な今作ビッキー。リディアンの関係者は割と知ってる。
(3)翼さんの恋を応援するクラスメイト
──これぞ正しくファンの鑑。正しいファンのあり方ですよ。
(4)黎人の情報網
──表と裏に精通する何でも屋な黎人だからこそ持てる人脈という名の情報網。原作では曖昧だった潜伏場所が、ほぼ100%特定されています。
(5)言葉をミスる響
──おけつではなく虎穴です。尻に入っても手に入るのは汚い物だけです。
(6)生身の状態で体を重く感じた響
──適合係数は謂わば聖遺物との距離感。それに近い人間ほど反応も過敏になります。
(7)クリスに撃ち抜かれた響
──クリスのばぁーん☆で撃ち抜かれた際のリアクションを取る我々適合者の意思の体現者。
(8)盾にされるヒューマノイドノイズ
──ガードベント。所謂近くにいたお前が悪い。
(9)割と消耗が少ない響
──原作と違ってバカみたいなスタミナを持っていることに加えて、聖遺物との繋がりが原作よりも強いことが理由です。
(10)殴っただけで敵を判別する響
──殴った感触と勘だけでネフィリムの正体を当てる今作ビッキー。感覚派の究極系みたいな男。
(11)即行でウェルを拘束する響
──戦闘中は頭の回転が早い今作ビッキー。故に自分がなすべきことを直ぐになせる。
(12)翼とツーカーな関係の響
──響の考えることが予測出来るからこその関係性です。
今回で僕が挙げるのは以上です。他に気になる点がありましたら感想に書いて下さい。今後の展開に差し支えない範囲でお答えしていきます。
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そう言えばユーザーネームをSABATAから変更しました。僕の新しいユーザーネームは凹凸コアラに変わりました。
それでは、次回もお楽しみに!