泥濘の中に眠る   作:ペンギン隊長

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番外 いわゆる幼児化ネタ ある程度落ち着いた後


ガラスの瞳に映るもの

 

 

 

 

経緯はよくわからないが小鳥が三歳児になっていた。

「何があった?!」

「めがさめゆまえのことはあいまいだからよくわからない」

呪術などは問題なく使えるらしく、呪術で作り出した衣装に身を包んでいる。

「騒がしいですよ、鶴丸殿」

「君は何で落ち着いていられるんだ、数珠丸」

「本人は具合の悪さなどは感じていないそうですし、動揺しておられませんので。本人が落ち着いているのに、私が慌てても迷惑になってしまうでしょう」

などと言いつつ動揺を現すかのように数珠丸の前には茶菓子が塔を作っていた。

何があった。

「明らかに異変が起きているのに何ともないっていうのかい」

「もちろんからだがちぢんだふじゆうしゃはあゆが、かといってちょうしがわるいとゆうことはない」

「・・・」

「ぼくのかおになにかちゅいていゆのか」

「…ちょっと俺の名を呼んでみてくれないか」

「…ちゅゆまりゅくににゃが」

「君の相棒は」

「ちゅねちゅぐ」

「よくわかった」

どうも舌が回らずに正しく発音できないことがあるらしい。

 

 

鶴丸が抱っこして誰の名なら正しく呼べるかと連れ回したため、小鳥が幼児化したことが知れ渡った。全員ダメということはなかった。上手く呼べないものの方が多い気はするが。

 

「みかじゅきむねちゅか」

「こぎちゅねまりゅ」

「いしゅきりまゆ」

「いわとおし」

「いまにょつゆぎ」

「にっかりあおえ」

「いちゅごひちょふり」

「なきぎちゅね」

「なまじゅおとうしろう」

「ほねばみとうしろう」

「ひらのとうしろう」

「あちゅしとうしろう」

「ごちょうとうしろう」

「しにゃのとうしろう」

「まえだとうしろう」

「あきたとうしろう」

「はかちゃとうしろう」

「みだれとうしろう」

「ごこたい」

「やげんとうしろう」

「うぐいしゅまゆ」

「あかしくにゆき」

「あいぜんくにちょし」

「ほたるまゆ」

「とんぼきり」

「ものよししゃだむね」

「しょくだいきりみちゅただ」

「こうせちゅしゃもんじ」

「しょうじゃしゃもんじ」

「しゃよしゃもんじ」

「かしゅうきよみちゅ」

「やまちょのかみやしゅさだ」

「かしぇんかねしゃだ」

「いじゅみのかみかねしゃだ」

「むちゅのかみよしゅゆき」

「やまんばきりくにひろ」

「やまぶしゅくにひろ」

「ほりかわくにひろ」

「はちしゅかこてちゅ」

「うらしまこてちゅ」

「にゃがしょねこてちゅ」

「ひげきり」

「ひじゃまゆ」

「おおくりかりゃ」

「へしきりはしぇべ」

「ふどうよしみちゅ」

「ししお」

「どうだにゅきましゃくに」

「たろうたち」

「じろうたち」

「にほんごう」

「おてぎにぇ」

 

 

 

「それで結局、何が原因なんです?」

「さっぱりわからん。本人も心当たりがなさそうだしな…」

小鳥はぼーっと庭を眺めている。その視線は何かを追う様に動いている。

「一応中身までちっちゃい子になっちゃってるわけではないんだよね?躯以外に異常はないってことでいいのかな」

「…本人に自覚のないことを俺たちが気が付くというのも難しそうだしなあ」

 

 

 

「べちゅにからだがこどもになったからといって、できゆことがげきなくなったりはしちぇいにゃいからにゃ。たいかくがしゃようしゅゆものだけだ」

「でも指もこんな細くてちっちゃいし、筋力もないでしょ?」

「きんりょくはじゅじゅちゅでなんとか」

「素直に頼ってくれればいいのに」

「できないことはしかたにゃいけど、できゆことでたよるのはしゅみじゃない」

「俺は何でも頼ってくれる方が嬉しいなー」

「できゆことをたようのは、やくたたじゅみたいでやだ」

「そんなことないって。ね?」

「じぶんでやう」

「えー」

「何やってんだ」

「あ、たぬき。聞いてよ、主ったら、こんなちっちゃい手しといて配膳は自分でやるって言うんだよ。大人しく席について待っててくれればいいのに」

「ぼくはべちゅにじぶんじゃなにもできにゃいわけじゃにゃいんだから、じぶんでやうっていってゆのに、きよみちゅはしちゅこい」

「…んなこと長々言い争ってる時間が無駄だと思うんだが」

くだらねえ、と顔に書いてある。

「ね、だから俺が持ってきてあげるから、主は席で待ってて欲しいなって、ね?」

「おれは、じぶんでできゆことは、じぶんでしゅゆの!!」

ぱりっと何かが弾けた。

「おれ、じぶんで、しゅゆって、ゆって、ふ、ひっく、しゅゆって、ゆって、ふぅっ…」

癇癪を起こしてしゃくりあげ始めた小鳥に、清光と同田貫はぎょっとする。

「あ、主?!え、えっと、なんかごめん?!」

「う~」

「何で泣くんだ?泣くほどか?!」

何事かと他の刀剣たちも集まってくる。

「一体何事ですか?」

「加州と同田貫が主に変なことをするとは思わないけど、何があったんだい」

「えー…なんというか…ほら、主今ちっちゃくてちょっと心配だから、俺が主の分も持ってくるって言ったんだけど、主がどうしても自分でやる、って泣いちゃって…」

「おれ、ちゃんと、ちゃんと(ひっく)、じぶんで、できゆって、ゆって、ゆって(ひっく)、できゆのに、(ひっく)、しゅゆのに、(ひっく)」

「だって、主の手こんなちっちゃいんだよ?心配になるじゃん」

「おれ、(ひっく)、じぶんで(ひっく)、できゆもん!(ひっく)」

「…思っていたよりも精神に影響が出ていたようですな」

 

 

 

どうも、小鳥は感情のコントロールが全く利かない状態らしい。本人も戸惑っているというか、苦々しく思っているようだった。

「そもそも、小鳥は普段自分の感情を抑えがちなのですから、偶には感情的になってもいいと思いますが」

「かんじょうてきになっていいこちょがあるちょはおもわない。ちゅかれるし」

「良い事がないから抑えるのですか」

「おこったりないたりしてなにかかいけちゅすゆわけじゃないもん」

「それは…そうですが」

「…あるていどはかんじょうにしちゃがうほうがまっちょうなのはしってうけど、よくわからないもん。おさえてうっていわれても、ほんちょうにとくになんちょもおもってないちょくもあゆし、ふつうおこゆこちょらとしちぇも、おれもおこゆかっちぇいうとちあうし」

 

 

 

 

 

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