負の感情全部抑圧してる系の(無意識で)困惑くらいしか抑圧されてないのがない
使い潰された同田貫の内最後に顕現した一振り 他が生き残ってないとは言ってない 元々の存在もアレなのでお互いの記憶が混線している 戦闘狂
「俺は同田貫正国。戦に出してくれ」
赤い、鋭い瞳が小鳥を見下ろしている。
「小鳥だよ。んー…戦って言うと、出陣?ちゃんと準備して出ないと怪我したりして危ないって聞いたけど」
「はァ?傷を負うことを嫌がってたら戦は出来ねぇだろうが。いいから俺を戦に出せよ」
「えっと、とりあえずこんのすけに相談してみるね」
「あン?お前審神者だろう」
出陣遠征などの指示は、審神者か審神者に委任されたものでなければ出せない。門を使う事も審神者の許可がなければできない。…隊長章で代用できる設定にしている所も多いが。
「俺、判らない事ばっかりだから、変な失敗して無駄に怪我させたくないし」
「・・・」
「出陣、でございますか?…安全のため、契約していないものを出陣させることはできませんが…」
「こいつと契約すりゃあいいってことか」
「手続き上それは最低限の必要条件ですが、そもそも小鳥様は基礎知識が足りておられませんので、その学習が先でございます」
「はァ?実際戦うのは俺たちなんだ、そいつに知識があろうがなかろうが同じ事だろう?」
「同じではございません。部隊編成や進軍撤退の指示、陣形戦術の指示を行うのは小鳥様なのですよ?…まあ、陣形は部隊長に任せる方もおられますが、主さまに知識と判断ができなければ勝てるものも勝てなくなりかねません」
「そんなもん、わかるやつが教えりゃいいだろ。俺は戦に出てぇんだよ。それで
「同田貫正国、それは小鳥様のためになりません」
「ハッ。んなこと俺の知ったことかよ」
「同田貫正国」
「同田貫、たくさんがんばりました。いい子いい子」
少し背伸びをして、小鳥は同田貫の頭を撫でる。同田貫は困惑した顔をする。
「お、おい…」
「あのね、君が何を考えているのか、よくわからないんだ。だけど、殺すために戦場に送る気はないよ。君が死を恐れないのなら、尚更ね」
「…俺たちは戦う為の"物"だ。折れることを、壊れることを恐れて何になる?…どうせ、俺の代わりくらい幾らでもいるだろう」
「同田貫正国が何振りいても、"君"は君一振りだよ」
同田貫は酷く困惑した。何を言われているのか理解できないという顔をした。
「…俺は、同田貫だ。他の、一品物の名刀連中とは違う、誰が使ったかもわからない、量産物の実戦刀だ」
「芸術品じゃねぇ、頑丈なのが取り柄の、幾らでも替えの利く武器だ」
「たとえ仮初だとしても、命は大切なものだよ」
小鳥は同田貫の赤い瞳を真っ直ぐに見る。
「大切なものを捨てるのは負けるのと同じ事だよ。違う?」
「…それが、本当に大切なものならな」
「大切だよ」
「命が大切じゃなかったら、他に何が大切なの」
「・・・」
同田貫は苦い顔をした。
「…俺に、大切なものなんてねぇよ。誇りも何もねぇ、戦の為だけの道具だからな」
「でも、今の君には、自由に動かせる躯も、考える頭もある」
「俺には、戦以外は必要ねぇ」
「それは、"戦以外"をした上で言っているの?」
「・・・」
「戦以外をせずにそう言っているのであれば、俺はそれを肯定することはできない」
「…それで、料理をすることになったのかい」
「俺は主命じゃなきゃこんなことやらねぇっての」
「別に料理である必要性はないけれど、身近な所で言うとこれかなって」
戦、命を奪う行為とは逆の、命を繋ぐための行為。まあ、ある意味でこれもまた他者の命を"いただく"行動ではあるのだが。
「同田貫君は聞くまでもないとして…小鳥ちゃんはできるのかい?料理」
「出来るって程出来ないけど、出来ないって程出来ない訳でもない」
「つまり、最低限は出来る訳だね」
「最低限食べられるものは作れるよ」
「…まあ、小鳥ちゃんは器用だし信用するね」
「光忠は料理上手だって何振りかから聞いたよ」
「昔の主が料理に拘りのある人だったからね。自然と僕も興味を持ったんだ」
「・・・」
「(…同田貫君は飯は食えりゃあ十分…
「今回は手順が単純で大きな失敗はしづらい料理ということで、豚汁を作ります」
「・・・」
「…うん、まあ、難しい料理ではないだろうね」
「食べる所までセットだから、心して取り組むように」
「…うーっす」
「(微笑ましいなぁ…)」