新世界とある海上。
その船は船首が骸骨の上半身である、そして上半身から伸びる二つの腕がサルベージを始める。
「この下にジャックがいるわけで…………」
小太刀が悪魔小僧の首元をかする。
「もう! 避けないでよ!」
その少女はくノ一であった。
「何で今、攻撃した?」
「殺す事は私にとって愛なのよ!」
「絶倫娘め、抜け忍の恩を忘れたのか?」
「そうやってわけありの女ばかり狙うのは卑劣だと思うよ?」
「ハーレムを現実的にやろうとするとこういう方法のしかないんだけどね」
「元天竜人の奴隷をサルベージの引き上げにこきつかったり、追われた見習い魔女を助けたり、あと普通に奴隷の女に座ってたり」
「あぁこの椅子ね」
彼は踊り子の服装をした奴隷の女に座っていた。
優雅にティーカップを持ちティータイムをしている、その安らぎを邪魔するように声がした。
「せんちょ~、マジヤベェ事が起きました~」
船の上の見張り台から聞こえた。
「どうした?」
「海軍です~、それにせんちょ~の妹さんです~」
「あぁ、ここら辺で待ち伏せしていたわけか」
「誰も来ないと疑ったヤツは整列! ぐるるる!」
そうして並べられた海兵達をボコボコにしていく、刀は使わず一人ずつ拳で一撃で沈める。
「二十二人!二十八秒です!」
隣にいた海兵が時間を計っていた。
「ちっ、やっぱり戦闘が続いていないと体がなまるなぁ…………」
「あまり動かないと太ももに贅肉がついてしまうのは花の国の逸話ですがまだ数日もたっていないのでは?」
そういう男も花の国出身の海軍の服装の上から羽織っている男。
「……紫鳥中将また一つ豆知識ありがとう」
「どういたしまして、もう一つ豆知識といたしましてはこれから戦闘する以上兵力を自ら失うのは愚策としかいいようがありません」
「知るか、むしろ気合い入っただろてめぇら!」
「「「「「はいサタ中将!!」」」」」
「というわけだ紫鳥中将」
「同じ世界徴兵の仲とは言え激情家を指揮官にするのもまた赤犬元帥の悪いく…………」
「ぐるるるるるる!」
その時、犬のうなり声と共に抜刀された鋭い斬撃が紫鳥中将に襲いかかる。
「てめぇ赤犬元帥の悪口は言うんじゃねぇよ」
「彼の狂信者の一人なのは分かりますがしかし私と闘いたいのであれば…………」
瞬間的に含み針を口から飛ばした、同時に手袋を外し武装色の覇気で黒色になった手で貫手を放つ。
「貴女が『慈悲なき正義』をかかげるにしても私は『謀略する正義』ですからね、手駒をわざわざ減らされて少し策が狂いそうになっている事に関して平手打ちの一つぐらいはさせてください」
武装色の覇気同士がぶつかり合った。
「俺様の剣術を防御し終えてからいいな!」
「含み針忘れてません?」
「知るか!」
含み針が頬に刺さっても気にしない。
少しばかりの毒があるが気にしない。
気になったのは瞬間的に貫手を中断して見聞色の覇気で斬撃をよけた事だ。
その後お互いが後方に飛んだ。
そして紫鳥が方向転換をした。
「さて、では天使達の海賊団の掃討に移りましょうか、貴方に平手打ちするのはまた今度にします、あと狂いそうになった策を頭の中で修正し終えました、従って策は『こんばんわ真夜中のスケバン特攻作戦』にしましょうか、というわけでサタ中将、月歩で一人で特攻してくださいな」
性悪が滲む笑顔で紫鳥が提案した。
「ちっ、根に持ってやがるなぁ…………」
サタは船から月歩で飛び出していった。
「そうですとも、勝てないと思ったら船員を一人拐ってくるだけでもいいですよ? ……ってもういませんか、これは剃との合わせ技ですね、花の国の逸話で水と魚のよつな仲睦まじい関係と言いますけどあれほど世界一嫌悪している兄を前にすればまさに火と油の関係ですね、どうしようもない殺意を押さえられないと見ました、早く世界を濡らす油を燃やし尽くしたい火だ、それゆえ家出してまで世界徴兵をした娘だ、あれはもう憎悪が裏返った愛のようなモノだ、おっと一人言失礼、殴られた者達は治癒してあげてください、いずれ私がきちんと平手打ちするのでそれまで我慢してください、その時は赤犬には秘密にして下さいね」