巨人とロブ・ルッチが会っていた。
『知らずの森』ではなく都の中で。
花魁と呼ばれる者達がいる場所で宴をしている。
が、そこに含まれる言い様のない澱みを感じた。
それは怯えだった。
「なんかようか?」
「単刀直入に言おう、『空白の百年』に関する本を渡してくれ、渡さねばバスターコールだ」
「それは困るが、今、カイドウとやり合うつもりなのか?それよりもカイドウと黒ひげが繋がる可能性を潰した方が良いだろー?だららららら!」
四皇同士が接触するという事態だけで世界政府・海軍はそれを阻止するため艦隊を差し向け、接触が防げないと最厳戒態勢で構えるが、これは四皇同士が戦争になれば世界が大きく揺らぐことと、万に一つでも四皇同士が"手を結んで"世界政府に牙をむいた場合、世界政府でも破滅しかねないという理由であると思われる。
「…………ちっ、やはりあいつは」
「別に俺達は『D』に関わらない、『天竜人』すら忘れてるだろうよ、だがかつて古代兵器プルトンの船長だった我々を危惧しないという条理はないがな」
「…………取引しないか」
「こーいう時はバクチだよ、バクチ」
「バクチ?ギャンブルか?」
「テゾーロのカジノ船で鉢合わせしなくてよかったよ、麦わらの一味とはな、流石にドラゴンの逆鱗を触る事はまたしたくないんでね、こう見えて隠居の身なんだ、遊んでいるぐらいしか能がない、血族だの血縁だのに縛られたら海賊なんてやっちゃいけないだろう?勘当したからな、だが、俺はそんなヤツの情報を一つ教えた、それでお前は借りを返さないまま要求を飲め、という筋が通らないただろ?なぁ!」
既に血管が顔をびしびしと立っていた。
それに失禁したり薄く悲鳴を上げた者もいた。
「そうだな、CP0いや、元CP9の男の意見は全うだな、それでこそ闇の正義と言われていただけはある、かくいう俺も伝説だけを聞いていた、アバロ・ピサロと裏で繋がっていたコウモリヤロウということをな」
「ほーか…………いやぁ、CP9に入ったのもあれだからな、世界政府の弱みでも握れば『空白の百年』の本を渡さずにすむと思ったからなぁ、いや単純に殺すのが好きだってこともある、が!」
「ひっ!」
「ほら笑いなさい」
「は、はい」
「悪とはな、こうやって嘘をつかせる事なんじゃ、無理矢理にでも他者に欺瞞を強いる、面白いやろ、政治ってこれじゃ!」
「悪趣味な…………」
「三枚舌の件もワシが噛んでいる、偽麦わらの一味とかあぁいうちょっかいならギリギリセーフかと思ったんだがのぉ」