僕が女幹部で魔法少女!?:Re   作:ゔぁいらす

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序章.2

 前回までの3つの出来事!

1つ!男子高校生天村有希は悪の秘密結社バッドネス㈱によって悪の女幹部(♂)に改造されてしまう

2つ!自称天才の美少女(25)と取引してバッドネス㈱と戦う事になってしまう

そして3つ!改造された有希はその超人的能力でバッドネス㈱の警備ロボットを軽々と撃破した!!

 

 

 

 そんなあらすじを脳内で語って現実逃避を試みる僕は今佐江さんの車の後部座席に必死でしがみついている。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

そんちょそこらの絶叫マシーンなんかよりも凄いスピードで走行する車の中で僕は恐怖のあまり半べそをかいて声を上げた。

「ああもううるさいぞ!その声耳に来るからやめろ」

「しょ・・・しょうがないだろ!?僕だって好きでこんな声になったんじゃないし・・・!それに僕がこうなったのは元はと言えば佐江さんのその天才的技術とか言う奴のせいじゃないか!?」

そうだ・・・抜けるとは言っていた物の佐江さんは一応バッドネスの研究員なんだ。

あの時は咄嗟で考えていなかったが本当に信用していいのだろうか?

「だからバッドネス㈱を潰したら元に戻してやるって言ってるだろ!?」

「そ・・・・そうだけど・・・その・・・信用できないというか・・・わぶっ!」

僕が話を切り出そうとしたとき車が急ブレーキをかけたので前部座席に思いっきり顔面を強打してしまった。

「いったぁ〜」

でも普通なら鼻血が出ていてもおかしくない様なぶつかり方をしたが鼻血はおろか痛みもすぐに引いていった。

これも改造されたからその分頑丈になってるのかな?

やっぱり僕・・・・もう人間じゃないんだ

僕が少し落ち込んでいると

「着いたぞ」

佐江さんはそう言って車から降りたので僕も後に続いた。

「ここだ」

彼女が指を指したのはさびれたボロアパートだった

「えっ・・・!?ここがラボ・・・?」

「ああそうだが?何か問題でも?」

彼女はきょとんとした顔でこちらを見つめてくる

「問題ありありだよ!こんなボロアパートで研究もへったくれも無いでしょ!?」

「はぁ・・・・キミは分かってないなぁ・・・弘法筆を択ばずと言うだろう?私は天才だから場所を選ばないんだ」

「は・・・はぁ・・・・?」

彼女の超理論に僕はついていけずに居た。

そして彼女についていくとアパートの一階の一室に通された

「ここが私のラボ兼自宅だ」

「うわ・・・」

そこはラボとは言いがたいゴミやら食べカスやらが乱雑に散らかっているだけの普通の部屋だった。

僕の部屋もあまり綺麗な方ではないがそれ以上に洒落にならない位の部屋だ。

「あ・・・あの・・・・ちょっと部屋汚すぎない?」

「いいや?私は全ての物の配置を記憶しているから問題無い」

「いやいやそういうことじゃなくて・・・・」

そんな時僕はふとやけに物が置かれていない畳を見つけた。

佐江さんは器用に物を避けてそこへたどり着き

「あらよっと・・・」

と言って畳を床からひっくり返すとその畳の下からは地下へと続く階段が現れた。

「さあいくぞ」

「いくぞってどこへ!?あっ・・・ちょっと待って」

彼女はそう言うとその階段を降りて行ったので僕も彼女の後について行くと階段を下りきった先にはさっきのボロアパートが噓の様に綺麗に整頓された清潔感溢れるとても広い空間が広がっていて、生活に必要な物は一式綺麗に揃えられていた。

「あっ!これビ○ドで見た事ある奴だ!!」

僕はテンションが上がり声を上げる

「ビ・・・・?なんだそれ?まあいいとにかくここが私のラボ、上はここまで降りてくるのがめんどい時の居住スペースだ」

「すごいよ佐江さん!本当に天才なのか疑ってたけど本当に凄い人だったんだ!!でも勝手にこんな改装しちゃって良いの・・・?」

「ああ。このアパートは私の所有物だ。私が稼いだ金で土地事ごと買い取ったからな・・・ってそれよりこの私を疑っていたのか!?」

「い・・・いや・・・その・・・・」

「まあいい。あいにくここは一人では使い切れない程広くてね、好きに使ってくれ」

「あ・・・はい!その気持ちは嬉しいんだけど・・・」

僕はひとまず家に帰りたい。

でもこんな姿で声まで別人だし・・・・流石に入れてくれないよね・・・

「なんだ?自分の家が恋しくなったのか?」

「は・・・はい・・・流石に親も心配してるだろうし」

「そう考えるのが自然か・・・・しかし今のキミを果たして親御さんはキミだと信じてくれるのか?まず真っ裸だし。あの姿に変身した時に私の白衣も消し飛んでしまったしな・・・結構高かったんだぞアレ」

「えっ・・あっ・・・・ごめんなさい・・・でも僕だって必死で・・・」

「ああ。分かってるよ。おかげで私もバッドネス㈱をやめる踏ん切りが付いた訳だしキミには感謝しているつもりだ」

「佐江さん・・・・ところでなんでバッドネスに律儀にずっと㈱って付けてるの?」

「は?何を言っているんだキミは?バッドネス㈱はバッドネス㈱だろう?」

「いやその㈱って要らなくない?」

「いいや。バッドネス㈱はバッドネス㈱までが正式名称なんだよ」

佐江さんはなにってんだコイツみたいな顔で僕を見つめてきた。

「え・・・・?㈱って株式会社の略とかじゃなく?」

「ああ。あの会社株式上場は愚か株式なんて物は持ってないからな。悪の秘密結社が株式を持てるとでも思っていたのか?」

凄い正論を言われた気がする・・・・!

「え・・・それじゃあバッドネス㈱って・・・」

「企業として運営はされているが公式には企業でもなんでも無い。ただバッドネス㈱に賛同する富裕層が金を回して企業の真似事をしているだけに過ぎないんだよ。まああくまで正式に企業として認められていないだけでやっている事は企業と変わらないと言えなくもないが」

「そうだったのか・・・」

「ああ。株式買えたら秘密結社でもなんでも無いからな。当たり前だろう?何をバカな事を」

「そ・・・そうだよね・・・」

「ところでいつまで裸でいるんだキミは?露出狂なのか?私にそんな汚い棒を見せびらかして楽しいのか?おー汚らわしい・・・」

僕をバカにする様に彼女は言った。

「違うよ!僕だって何か着たいよ!!」

「はぁ・・・これだから凡人と言う奴は・・・少し待っていろ」

そう言うと置いてあったパソコンを操作し始めた。

「少し時間がかかるからテレビでも見て待っていてくれ」

彼女がそう言うので僕は置かれていたリモコンを操作してテレビを付けた

時計を見ると朝の6時前だった。

昨日の夕方に連れていかれてからまだ半日くらいしか経ってないのか・・・

僕はそんな事を思いながらチャンネルを弄るがどのチャンネルもこの時間帯はニュースばかりだ。

「やっぱりこの時間はニュースしかやってないな・・・・」

そんな時あるニュースがテレビに映された

「ニュースです。昨日午後6時過ぎ、真星町で起きた交通事故の被害者男性の身元が明らかになりました」

テレビに映し出されたのは夕方に僕が行っていた商店街のすぐ側だ。

僕が似ない間に事故が起こってたのか・・・

「死亡したのは・・・高校生の天村有希さん17歳と見られ・・・」

えっ・・・!?今なんて!?

僕はテレビを二度見するとそこには僕の写真とその下には天村有希さん17歳 

と書かれていた。

「え・・・僕・・・死んだ事にされてる・・・・・!?」

「ああ。バッドネス㈱の常套手段だ。やってる事は頭悪いが情報操作は富裕層が絡んでる事もあってお手の物と言った所だな」

「そ・・・そんな・・・・」

僕は余りにもショックでテレビの電源を切る。

こんな身体にされて・・・・それに死んだ事にまでされて・・・

完全に僕と言う存在を消し去ろうとしてたんだ・・・・

やっぱり首領は間抜けそうでも曲がりなりにも悪の組織だ。

僕みたいな人がまた出る前になんとかしないと・・・・

僕の心の中には義憤の念がどんどん募っていった。

「なあ、服はTシャツとかで良いか?」

佐江さんがそう尋ねてきた

「ああはい・・・着れる物ならなんでも」

「あいよ」

僕の返事を聞くと佐江さんはまたパソコンの画面に顔を近づけキーボードで何かを打ち込んでいた。

それからしばらくして

「できたぞ。はぁ・・・めんどくさかった」

佐江さんはため息混じりに言った。

「出来たって何が?僕裸のままなんだけど?」

「まあそう焦るな。さっきの要領でその石を触ってみろ」

「ええ・・・ああはい」

僕は言われた通りにそうした。

「そうだな〜音声コードを考えてくれ」

「音声コード?」

「それを触って特定の言葉を言うとそれに対応したコマンドが発動するアレだ。さっきの変身もそれだな・・・何か適当に言葉を言え、それを言えばTシャツが転送されるようにしてやる」

佐江さんはそう言った。

よくわからないけどTシャツを呼び寄せる言葉か・・・・

「え・・・じゃあ招来とかで・・・」

「はいはい・・・えーしょうらい・・・ね・・・」

佐江さんはぶつぶつと言いながらまたキーボードで何かを入力した。

「よし。登録完了。それでは試しに言ってみてくれ」

「あ・・・はい・・・・・招来ッ!」

僕がそう叫ぶとまた石がバチバチと光り僕を光がつつんだ。

そして光が収まると僕はなぜかTシャツを着ていた。

「はぁ・・・・やっと胸が隠せる・・・・」

僕は安堵の息をつく

「下は出たまんまだけどな」

佐江さんはそう言ってTシャツを捲り上げてきた

「うわっ・・・!!!仕方ないじゃないか!!ちょ・・・やめ・・・捲らないでよ!」

僕は捲られたTシャツを思いっきり引っ張って股間を隠す。

「はいはい分かった。それじゃあ半ズボンも入れておいてやるからもう一回招来って言え」

「え・・・はい・・・・招来!」

もう一度同じ手順で言うとまた石が光を放ち僕をつつんだ。

そして僕は下半身が何かにつつまれている感触を覚えたのでしたを確認しようとしたが胸が邪魔でよく見えなかったので太ももやお尻を手で触ってみるとズボンを履いている事が分かった。

「はぁ・・・やっとこれで服をちゃんと着れた・・・・」

「はぁ・・・しかしキミは大袈裟だな。たかがTシャツと半パンを呼び出すだけで招来なんて大層な言葉をつかうとは」

「えっ・・・?」

言われてみればなんだか大層すぎて恥ずかしい気がしてくる

「だ・・・だって何か適当にって言うから!!」

「普通にTシャツ!とかでよかっただろう。バカかキミは?」

「そ・・・そっか・・・・」

その手があった・・・なんだかその気になってしまってかっこいい言葉をセレクトしちゃったけどそれで良かったんだ・・・

しかしどういう原理なんだろう?

「あの・・・なんで言うだけでTシャツやらズボンやらが出てきたの?」

「はぁ?そんな事も分からないのか?それはだな・・・量子力学が・・・・・・・・シュレーディンガーの・・・・・・・・エンゲル係数が・・・・・・宇宙ひも理論とエントロピーで・・・・・・・・・」

それから佐江さんは一時間以上長々と原理を説明してくれた様だが文系高校生の僕にはさっぱり何の事か分からなかった。

「どうだ?分かったか!?」

佐江さんは言い切った様な晴れやかな顔で尋ねてくる。

ここでいいえを選ぶと多分最初から聞かされる奴だと思ったので

「は・・・はい・・・一応・・・」

と答えておいた。

そんなときふと僕は顔にかかっている前髪が気になった。

いままで髪なんか染めた事など無く17年間黒髪の僕だったが今僕の目にかかっている髪は紫色をしていてなんだか落ち着かない。

「と・・・ところで・・・僕の髪・・なんだけど・・・」

「髪がどうかしたか?」

「こんな紫色の髪じゃ目立っちゃうかなって・・・・それこそバッドネス㈱に見つかっちゃうんじゃ・・・」

「はぁ?この超絶可愛いピンク色の髪をした私に向かってそれを言うのかキミは・・・?まあ確かにその通りではある。そんなキミの悩みを解決しつつ今からキミにはそのチョーカーの転送システムの説明をしてあげよう」

「は・・・はい・・・出来れば専門用語とか無しで・・・」

「はぁ・・・仕方ないな・・・・それじゃあ耳かっぽじって聞けよ?今のキミの状態は改造係数20%・・・ああ改造係数と言うのはどれだけ改造の作用が身体に表れた状態かを表す数値で・・・・キミが先ほど変身したあの姿が85%だ。」

「そ・・・それじゃあ100%は・・・?それにこれ・・・外れないんだけど?」

僕はチョーカーを引っ張りながら尋ねた

「バカかキミは、それは転送装置であり制御装置でありリミッターなんだ。それを外せばキミの能力は100%いや1000%くらいまで解放される。しかしその代償にキミはもう二度とあの姿から戻れなくなる。この制御装置は一度外れると使えなくなっている仕組みになっているからね。それに仮に能力が解放されてもキミはその力に耐えられなくなって自我を失うか最悪死ぬぞ。いや。寧ろ自我を失ってしまうんだから死んだ方がよっぽどマシかもしれないな。」

僕はそれを聞いて咄嗟にチョーカーから手を離した。

「なんでそんな物騒な作りにしたんだよ!!」

「いやだって・・・・作ったときはキミが私の案に乗ってくれるか分からなかったし一応クライアントからの指示だったし・・・私だって久しぶりに面白い改造が出来ると思って色々やってみたかったんだ。許せ」

彼女は目を逸らして言った。

「それで・・・だ。キミの改造係数を0%に抑えたセーブモードにする事もできるんだ。そうだな・・・・さっきの要領でセーブ・・・とでも言ってみてくれ」

「セーブ・・・」

僕が首元の石を触ってそう呟くと身体からなんだか力が抜けて行った。

それになんだか目の前がぼやけて良く見えなくなったぞ・・・?

「それが0%の状態だ。姿までは以前のキミには戻らないが身体能力その他諸々は完全に以前のキミと同等・・・いや多少は頑丈になっているかもしれないな。それに髪の色も黒に近い色になるぞ。」

と佐江さんは言った

「そ・・・それじゃあ・・・・」

「ああ。もちろん視力も低下する。キミはここに運び込まれてくる時メガネをしていたな。先ほどまでの姿はメガネ無しでも人並みはずれた視力を有していたがその状態では以前のキミの視力とさして変わらない訳だ」

「そ・・・それじゃあメガネは・・・・?僕メガネが無いと全然見えなくて・・・」

「フフフ・・・キミがそう言うと思ってキミが身ぐるみを剥がされた時にこっそりくすねておいた。」

そう言うと佐江さんはぼやけて良く見えなかったが僕に何かを渡してきた。

この手触り・・・間違いない!僕のメガネだ!!

「あ・・・ありがとう佐江さん」

ああ・・・お帰り僕のメガネ・・・・

僕はメガネをかけると視界はくっきりとした。

そして僕は試しに髪をつまんでみてみるとさっきまでの紫色ではなく、紫かかった黒髪になっていた事が分かる。

「これなら・・・目立たないかな」

そんな髪を物珍しく眺めていると

「それじゃあ次の説明に入るぞ」

佐江さんは淡々と説明を続けた。

「それで、だ。セーブを使えばその状態の衣類が毎回記録される。他の姿になってもセーブと言えば今のキミの衣服が身に付いた状態でその姿に戻れる訳だ」

「結構便利だね・・・」

「それでは本題だ。もう一度85%の姿になってみてくれるか?」

「ええ!?またやるの?!」

「いいから・・・キミの声じゃないとコマンドが発動しない仕組みになってるんだ。だからさっさとしろ」

佐江さんは机をばんばんと叩き急かしてくる。

「わ・・・わかったよ・・・・変身っ!」

僕がそう言うとまた喉元の石が妖しく輝き身体に電撃が走った様な衝撃が襲う

「くぅんっ・・・・!」

僕はまた情けない声を上げてしまった。

でも初めて変身したときよりは幾分マシだ。

慣れてきたのかな・・・・?

「よし。なったな。キミはまだ自分がどんな姿になっているのか見ていなかっただろう?百聞は一見にしかずだ。見てみるといい。どっこいしょっと」

そう言うと佐江さんは鏡を取ってきて僕の前に置いた

そこにはなんだか紫を基調としたえっちぃコスチュームに身を纏った女の人が映っている。

僕・・・こんな恥ずかしい格好で戦ってたのか・・・?

それに唇には紫色の口紅が塗られていて目の上は紫色に染まっていた。

化粧なんかした事も無い僕だったけどなんだか少しケバい様な気もしてしまう。

「こ・・・これが僕・・・?」

「ああ。まぎれもなく君の真の姿であるフジュンヒルデの姿だ」

そう話す佐江さんの言葉を聞いている最中、鏡の中の僕の背中でぴょこぴょこと動くものが目に付いた。

「それになんだこれ!?羽根?しっぽ!?それにこれ・・・ツノ!?」

そう。僕には人間に生えていないはずの物が生えていたのだ。

意識してみると羽根はぱたぱたと、しっぽはゆらゆらと自分の思う通りに動いた。

これってもしかして・・・試しにしっぽを触ってみると

「うぁぅ・・・♡」

なんだかむずかゆい良いようなくすぐったい様な感触がして変な声が出てしまった。

僕こんな変な声を・・・・

まるで本当に女の子になったみたいじゃないか・・・・

「さっきの戦闘では気付かなかったのか?キミが俊敏に反応できたのも素早く移動したり飛び跳ねたりできたのもその器官のおかげなんだぞ?まあそれだけ馴染んでいたと言う事だろうが流石私と言った所だな、もちろん作り物などではなくキミの身体の一部だ。しっぽはレーダーの役割を担ってくれている。そのしっぽは20%の時にもなくならないから急に狙われても大丈夫だ。そしてその翼はキミの移動をアシストしてくれる。多少俊敏に動ける様になるだろう。そしてそのツノだ。そのツノはエネルギーを蓄積したりできる上に攻撃にも使える優れものだ。攻撃だけでなく貯めたエネルギーを全身に回すバフに似た事も可能になっている」

淡々と佐江さんは僕の新しい身体の一部についての説明をしてくれた。

なんだか本当に超能力者になったみたいだ・・・・

これなら本当にヒーローになれるかもしれない。

ビジュアルは子供には見せられないけど・・・・

「で・・・・僕は何の怪人なの?虫でも動物でもないって言ってたけど・・・」

「ああ。サキュバス・・・と言う奴だよ」

「さ・・・サキュバス?なんで!?」

ヒーローとは真逆の存在の名前が出てきてしまった。

「いやぁ・・・バッドネス㈱の社員の公募さ。女幹部のモチーフ、能力は何がいいかって言うのを首領は公募したんだがダントツでサキュバスがトップだった訳だ」

「そ・・・そんなぁ・・・・もしかして僕・・・えっちぃ事しないと死んじゃうとかそんなデメリットとかあるの!?」

「何を期待してるんだキミは・・・」

「な・・・何も期待してないよ!!」

「残念ながらそういうのはないぞ。流石にそれで最強と言うには怪しい物があったのであくまで一部意匠を組んだだけで他は基本的に伝承に置ける悪魔の様に様々な生物の能力のハイブリッドとでも言っておこうか。もちろん私は悪魔なんて存在は信じていないがね。もし仮に本当に悪魔が居るとすればそれは・・・・いいやなんでもない。まあ悪魔と言うよりは様々な動物の能力のいいとこ取り複合体だ。キメラに近いかもしれないな」

「おお!それっぽい!」

よかった・・・・これならなんとかなりそうだ・・・・

「はい説明終わり。それじゃあ戻ってくれ」

「え・・・は・・・はい・・・セーブ・・・」

僕がそう言うとまた脱力感が僕を襲い、視界が一瞬ぼやけた後、メガネのフレームが目の前に出現した。

そして鏡を見るとTシャツに半ズボン姿の眼鏡っ娘が鏡には映っている。

「本当に変身する前の状態に戻ってる・・・!すごいよ!!」

僕がそう発すると鏡の中の眼鏡っ娘は嬉しそうな顔をしていた。

これがそのセーブモードの僕なんだよね・・・・

もしかして今の僕って僕すっごく可愛い・・・・のかな?

「だろう?まあこれはあくまで私の天才の片鱗にしかすぎんがキミは現状私の最高傑作と言って良い出来だ。なにせいままでは虫やら甲殻類やら嫌いな生物の改造人間ばかり作らされていて乗り気じゃなかったからな」

やっぱりやる気を出せばそれだけ違うと言う事なのだろうか。

佐江さんは胸を張って言った。

「まあ他にも注意やらデメリットも色々あるがそれはまた追々話すとしよう・・・ふわぁあぁぁ・・・・当直の時に寝るつもりだったがキミのせいで全く眠れなかったからもうダメだ。天才には睡眠が必要なんだ。私はそろそろ寝かせてもらうよ・・・・そこに空き部屋があるから自由に使ってくれ・・・キミも寝たいなら寝るといい。」

佐江さんは奥にあった扉を指した。

「あ・・・うん・・・」

「それじゃあ私は寝る・・・あっ、そうだ。とりあえずこれだけは言っておく。私に無断で外出はするな。以上だ。ああもう無理・・・寝る・・・・」

そう言うと佐江さんはとぼとぼと歩いて指を指した方とは真逆の所にあった扉の中へ消えて行った。

「そんな・・・・外出するなって言われたって・・・・・」

外出するなと言われると逆にさっきのニュースを意識して外の様子が気になってしまう。

僕・・・死んじゃった事にされてるんだよな・・・・

父さんに母さん・・・どうしてるだろう・・・?

僕は両親の事を思い出すと家がさらに恋しくなってしまった。

「佐江さんごめんっ・・・・!」

僕は居ても立ってもられなくなりそう言い残して階段を駆け上がり、

その先の汚い部屋に運良くに落ちていたトイレ用のスリッパを履いてボロアパートから飛び出した。

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