僕が女幹部で魔法少女!?:Re   作:ゔぁいらす

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1年近くぶりにやっとこさ第一話です。
おまたせしました。


第一話 タピオカ爆発5秒前(前編)

 桜舞い散る校庭に僕は平井さんを呼び出していた。

理由はもちろん今日こそ平井さんに告白するためだ。

今日こそ絶対告白するんだ!

こんなヒョロヒョロで頼りない僕だけどせめて気持ちだけでも伝えるんだ!!

胸を高鳴らせて待っていると何処からともなく平井さんがやってきた。

「天村君どうしたの?こんな所に呼び出して?」

「あっ・・・・えーっと・・・・・・・・・・」

ダメだ!ちゃんと何ていうか考えてたはずなのに声をかけられた途端全部飛んじゃった!!

どどどどどうしよう・・・いつも肝心な時にこうやって全部台無しにしちゃうんだ・・・

いいやそれは今までの話。

僕は変わるんだ!

こうなりゃ当たって砕けろだ!!

「ひ、平井さん!!」

勢いよく口に出してしまったせいで少し声が裏返ってしまった。

でもそんなの気にしていられない。

はやく言ってしまうんだ!

「ぼ・・・ぼく・・・平井さんのことが好きで・・・・・・・付き合ってください!!」

やった!言えた!言えたぞ・・・!

ひとまず平井さんの顔を伺うと

平井さんは少し困った顔をしていた。

「あ、あの・・・・天村君・・・気持ちは嬉しいんだけど」

あっ・・・この返事はやっぱり駄目だったか・・・

「天村くん・・・男の子なのに私より胸も大きいし・・・私そういう趣味ないからごめんなさい」

「へっ・・・?」

僕は耳を疑って自分の胸元を見てみると平井さんの控えめなおっぱいとは比べ物にならないほど大きな肉の塊が2つぶら下がっていた。

「ごめんなさい!さよなら!!」

あたふたしているうちに平井さんは走って行ってしまう

「ちょっとまって!平井さん!」

僕はその後を追いかけるも何故か走っても走ってもどんどん平井さんの背中は遠ざかっていく。

平井さんってあんなに足早かったっけ?

いいや。僕の走る速度が遅すぎるんだ。

それに全然前には進まないのに走るたびに僕の胸はぶるんぶるんと大きく揺れる・

「待って・・・平井さん!行かないで!!!」

どれだけ呼びかけても平井さんは振り向いてもくれないしどんどん遠ざかっていく。

何故か視界もどんどんとぼやけていった。

その間も僕は平井さんをずっと呼び続けたがやっぱりこちらに気づいてはくれない。

 

 

 

 

「行かないで平井さん!」

僕はそう叫んで目を覚ました。

なんだ・・・・夢か・・・

なんだか一年以上寝ていたような気もするけど気のせいだろう。

それにそうだよな・・・・僕にあんな大きなおっぱいが有るわけ・・・・

しかし現実は無情だ。

胸にはなにかを重りを付けられているみたいな重みがあり、眼下には大きなハリの良いおっぱいが2つ付いているのだから。

試しに触れるとぷにぷにとした柔らかい感触にくすぐったい感覚が手と胸に伝わってきた。

「はぁ・・・・やっぱりこれは夢じゃないかぁ・・・」

そう発する僕の喉から出た声はどことなく能登○美子みたいな声で未だ自分の声と認識するのには少しタイムラグが生じる。

まだ慣れるのには時間がかかりそうだ。

 

僕は天村有希。

つい一昨日まで冴えない男子高校生だったんだけど商店街で変なアンケートに答えたらそのまま悪の秘密結社バッドネス㈱とかいうふざけた名前の組織に拉致されて下半身は男のままで巨乳で美少女で能登○美子みたいな声の悪の女幹部に改造させられてしまったんだ。

頭をいじられる手術の直前、どう見ても小学生にしか見えないバッドネス㈱科学者の尼尽佐江さんにバッドネス㈱を倒す事を条件に助けられ、バッドネス㈱を倒すために反旗を翻した佐江さんと共に女幹部様に改造されて得た力を使って男なのに魔法少女をやることになってしまったんだ。

それから早速街でばったり出くわしたカメレオンの怪人を倒して佐江さんのアパートの地下にある秘密基地で生活する事になったんだけど・・・・

 

「はぁ・・・僕これからどうなるんだろ・・・」

ため息混じりの能登○美子みたいな声が僕から漏れ出す。

昨日だけでVシネマ一本分くらいの濃い展開が起こってしまって僕の頭はパンクしそうだった。

すると部屋のドアが勢いよく開かれ

「おい君!聞いてくれ!!」

佐江さんが勢いよく部屋に入ってきた

「うわぁ!ちょ・・・佐江さん!部屋に入る時はノックくらいしてよ!」

「何の問題がある?ここは私の地下研究室だぞ?」

「そうだけど・・・一応僕にだってプライバシーくらいあるよ!!」

「ふぅん・・・プライバシーねぇ・・・・まあそんな事どうでも良い」

「どうでも良くないよ!!」

「全く思春期《はつじょうき》のガキはうるさくてたまったものじゃないな・・・」

「変なふりがなをつけないでよ!!」

「ああもううるさいぞ!アニメ声だからなおさら」

「だからこれは好きでこうなったわけじゃないんだって!!」

「はいはいわかったわかった。これを見てくれ」

佐江さんは気だるそうにバールのようなものを取り出した

「あっ・・・それ昨日使ったバールのような・・・」

「魔じかる☆すまっしゃーな?」

「は、はあ・・・」

「君がその長過ぎる髪に辟易していると思ってな。夜なべをして新機能を搭載しておいたぞ。それにしてもさすが私だ。予想通りの事になっていたな」

「えっ・・・?」

「なにをそんなすっとぼけた顔をしている?鏡を見てみろ」

「う、うん・・・」

佐江さんに言われるがまま部屋に置かれていた姿見を見てみると髪は凄まじくくしゃくしゃになっていた。

そういえば昨日お風呂に入った後髪も乾かさずに寝ちゃったから寝癖ができちゃったのかな・・・

今までは髪も短かったし少し水をかけるなりすれば直る程度だったからあんまり気にしなかったんだけどこの姿で長い髪となるとやっぱりそうもいかないか・・・

「そこで魔じかる☆すまっしゃーの出番だ」

「こんなバールのようなもので一体・・・」

「だから魔じかる☆すまっしゃーな?」

「う・・・で、その魔じかる☆すまっしゃーで一体何をするの?」

「ほら。そのボタンを押してみろ」

佐江さんは僕に魔じかる☆すまっしゃーを手渡してきた。

佐江さんの言う通り昨日はなかったボタンが追加されている。

「・・・・これ?」

一体何が起こるんだろう・・・?

もしかしてボタン一つで髪型が変わったりとかそんな便利機能だったりして!?

すごい!もしそうならほんとに魔法少女みたいだ!!

僕は胸を高鳴らせてボタンを押すと

ブォォォォォォォォォン

という聞き覚えのある音と共に生暖かい風がバールの先端から吹き出してきた

「えーっと佐江さん・・・?」

「なんだ?」

「これは一体何・・・?」

「何ってドライヤー機能に決っているだろう!なんと風の勢いは100段階に調整可能だ!羽のない扇風機の原理を応用して搭載するのには結構苦労したんだぞ?」

佐江さんは得意げに胸を張った。

確かに便利だけどさ・・・・

形だってバールだし追加された機能がドライヤーって全然マジカルじゃないよ!!

「なんだ不満そうだな?せっかく夜なべをして作ってやったのに」

「そりゃそうだよ!なんでドライヤーなの!?百歩譲って魔法のステッキ的なものがバールのようなものなのは仕方ないとするよ・・・?でもそれに追加された機能がドライヤーって全然魔法少女っぽくないじゃん!!」

「何だ知らないのか?十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない。という言葉もあるだろうつまりそういう事だ」

「どういう事!?」

「ああもう細かいことは気にするな。モテないぞ?」

「そ・・・そんなのどうでも良いでしょ!?それにこんな姿じゃモテるとしても男からしかモテないよ!!」

「ほう・・・男にはモテる自身があるんだな」

「そっ・・・それは違・・・・というかそういう風に改造したのは佐江さんたちでしょ!?」

「私はただ組織の奴らの意見を嫌々聞いてやっただけだ」

「そ・・・・それはそうだけど・・・」

「まあ今夜からは有効に活用することだ」

「えっ・・・じゃあこのボサボサは・・・?」

「決っているだろう自分でなんとかしろ」

「そんなぁ!長い髪のセットの方法なんて僕わかんないよ!!」

「ああもううるさい・・・夜なべをしたと言って・・・・いる・・・だろ・・・・・・・」

急に佐江さんがぐったりとその場に倒れてしまったので僕は佐江さんに駆け寄った。

「さ、佐江さん!?」

「う・・・・・・腹が・・・減った・・・・・・」

そう言うと佐江さんは力が抜けたように眠ってしまった。

僕のために夜なべしてたって言ってたよな・・・

きっと夕飯も抜いてあの機能をつけてくれたんだろう。

そう思うとさっきは少し言いすぎてしまったんじゃないかという罪悪感に僕は駆られた。

よし!それじゃあ朝ごはんくらいなら作ってあげよう

僕の家は両親が共働きでいつも朝食とお弁当は両親の分も含めて僕が作っていた。

佐江さんに朝ごはんを作ってあげるくらいなんてこと無いはずだ。

せめてドライヤーのお礼分くらいはしなくっちゃ。

あっ・・・そうだ。

父さんと母さん・・・今日の朝ごはんどうしてるだろ・・・

って今はそんな事考えたって仕方ないか・・・

「それじゃあ佐江さん、台所借りるね?」

僕は力尽きた佐江さんを抱きかかえると、その身体は驚くほど軽く、簡単に持ち上がった。

これは僕の身体が改造されて強化されてるからとかそんなんじゃなく本当に軽いんだろうな・・・

ひとまずそんな佐江さんをベッドに寝かせた。

そして部屋を出て冷蔵庫を開けてみると僕はその中身に絶句した。

「うわ・・・なにこれ・・・」

冷蔵庫の中にはびっしりとエナジードリンクとポカ○スエットが詰められていて他に食べ物らしきものは入っていなかったからだ。

「うーん・・・カップ麺とかそう言うのもないのかな・・・」

あたりを見回してみるがそれらしきものが一つも無い。

佐江さん一体いつも何を食べて生きてたんだろ・・・

僕は佐江さんの食生活が心配になってきた。

あんなに軽くて改造される前の僕なんかよりずっと細いし小さいし・・・・

「誰が小さいって?」

佐江さんが部屋からぬっと顔を出してきた。

「うわぁ!ちょ・・・人の心を勝手に読まないでよ!!というかさっき倒れたところでしょ?せめてもう少し寝てなきゃ」

「なあに私ほどになれば10分横になればもう大丈夫だ」

得意気に言ってみるものの佐江さんは足がおぼつかない様子でよたよたとこちらに向かって歩いてくる

「本当に大丈夫なの?」

「大丈夫だと言っているだろ全く・・・人様の家の冷蔵庫を勝手に漁るとはデリカシーのないやつだ」

「し、仕方ないでしょ!?佐江さんがお腹空いたって言うからなんか作ってあげようと思ったのに!!あの冷蔵庫の中身は一体何?いつもなに食べてるの!?」

「あん?エナドリ常備してなにが悪い?それにうちには食料はないぞ」

「えっ!?」

「いつもはバッドネス㈱の社食で食ってたからな。朝昼晩全部無料で味もそこそこ悪くなかったぞ?」

「社食!?」

悪の秘密結社にも社員食堂があるの!?

「それに非常食に用意していたカップ麺やらカロリー○イトも丁度切らしててな。買い出しもめんどくさかったからそのままにしていたんだ。昨日せっかく久々に買い出しにでも行こうと思っていたが君が勝手に出ていくしそれどころじゃなくなってしまったからな」

「ご・・・ごめんなさい・・・」

「まあいい。謝るくらいなら買い出しに付き合ってくれ。勿論君は荷物持ちだが」

「佐江さん出かけても大丈夫なの?もうちょっと寝てたほうが・・・」

「大丈夫だと言っているだろうが。それに君に心配される筋合いはない。どけ」

佐江さんは僕を押しのけると冷蔵庫からエナジードリンクとポカリ○エットを取り出すとポ○リの入ったペットボトルにエナジードリンクを流し込み、2つが混ざったものをグビグビと飲み始めた。

「・・・ぷはぁ!!へ・・・・へへへへ・・・・・よし・・・来たぞ・・・!身体に染み渡ってくる・・・・!」

佐江さんは変な笑い声を上げた。

まさにその姿はマッドサイエンティストと言う感じだ。

「エナドリはわかるけどなんでポ○リなの?」

「ん?ああ。ポカ○と同時に摂取すると効率がいいらしいんだ。気休め程度だがなうへへへへへへ・・・・・」

また佐江さんが不気味な笑いを浮かべた。

しかもなにそのヤベーイベストマッチ・・・・!?

でも佐江さんいつもこんな感じなのかな?

こんな生活が続いたら本当に佐江さん死んじゃうんじゃ・・・

僕は佐江さんが心配になってきた。

「佐江さん・・・」

「なんだ?」

「僕がご飯作ってあげるから!そのバッドネス㈱の社食より美味しいかどうかはわからないけどちゃんと御飯作ってあげるから・・・!だからちゃんとご飯は食べようよ・・・こんな生活続けてたら死んじゃうよ!」

「なぁに人は放おっておいてもいつかは死ぬんだぞ?」

「そういう事じゃないよ!体壊したら研究だって出来なくなっちゃうよ!?」

「うーむ・・・確かにそうだ。勢いでバッドネス㈱を抜けてしまったから飯の事を思慮することを失念していた。確かに天才的な私の技術をここで亡くしてしまうのは惜しいなからな」

自分で言っちゃったよこの人・・・

「そ、それじゃあ早く買い出しに行って何か食材を買わなくっちゃだね」

「ああ・・・ところで君、その頭のままで行くのか?」

「へっ・・・!?」

そうだった・・・今僕の頭はくっしゃくしゃだったんだ!

「仕方ないな・・・・どれ、私がといてやろうそこに座れ」

「う・・・うん・・・」

佐江さんに言われるがまま椅子に座ると佐江さんが櫛で丁寧に僕の髪をといてくれた。

「ほら。こんなもんで良いだろう?」

佐江さんが持ってきた手鏡を見ると改造された時と同じような少しウェーブのかかったきれいな黒みがかった紫色の長い髪がサラサラと流れていた。

「さすが私だ。通常の人間よりも髪がもとに戻りやすいように今の君の頭髪には特殊な形状記憶合金を練り込んであるからな!しかし髪のしなやかさはそのまま!さすが私だ!!」

「今しれっとすごいこと言いませんでした・・・?」

「何を今更・・・今の君は改造人間なんだぞ?それくらい当然だろう?」

確かにテレビ○ガジンとかでデタラメな解剖図みたいなのを見たことは有るけどさ・・・

まさか今の僕の体もあんな感じに・・・・

「それに強度も増しているから生半可な物では切ることもできないし抜けもしない。それに5000度の高熱にも耐えられて髪の長さはそのまま保たれるぞ!喜べ!つまり君はその身体で居る限りはハゲないという事だ。良かったな」

佐江さんは更に得意気に続ける。

なにそれ?

この髪そんな人間離れしたことになってるの!?

「全然うれしくないよ!!」

「意見を公募した時戦闘や他の要因で急にショートカットにされたり急に髪型を変えられると嫌だという意見が結構あったからそうしたまでだ」

「うう・・・僕の身体で遊ばないでよ・・・」

「おい、何髪を弄っている?さっさと買い出しに行くぞ」

「はい・・・・」

もっと僕の身体の事で聞かなきゃいけないこともいっぱいあるんだろうけどこれ以上聞いたら本当に頭がパンクしてしまいそうだからそれ以上聞くことをやめて佐江さんの車で街まで買い出しに向かった。

 

街に着くとスーパーの横に何やら行列ができている。

「はぁ・・・こんな真っ昼間からわらわらと・・・・とかく人間というのは愚かな生き物だ」

そんな黒山の人だかりを佐江さんはゴミを見るような目で見つめていた。

でもそんな行列の先に何が有るのか僕は気になってしょうがない。

その行列の先の看板を見てみると

【タピオカドリンク専門店タピ岡】

と書かれた看板が見えた。

なんだあのくっそダサいネーミングの店・・・

僕も良くこのスーパーには買い物に来ていたけど少し前まであんな店はなかったしきっと最近できたんだろう。

最近流行ってるもんなタピオカ・・・

そういえば同じクラスの女子がこの間学校近くにもタピオカ屋ができたみたいな話をしてたっけ。

そんなにこの辺りにタピオカ屋が乱造するほど流行ってるのかぁ・・・

それにしてもすごい列だなぁ・・・

行列を眺めていると

「ほら・・・早く買い出し済ませて帰るぞ」

「えっ・・・うん・・・」

「べっ、別に私も飲みたいとか思ってないからな!!どうせあんな物どこぞの企業が流行っていると馬鹿な民衆に吹聴しているだけのただのでんぷんの塊だぞ!?」

「・・・いや・・・僕何も言ってないんだけど・・・」

「っっ・・・!」

佐江さんは恥ずかしそうにうつむいてしまった。

「それじゃあ買い出し終わったら並んでみます?」

「う・・・・君がどうしてもというのなら付き合ってやらんこともないぞ?」

佐江さんは少し嬉しそうにそう言った。

ホントに素直じゃないなぁ・・・

でもそんな佐江さんの顔はちょっと可愛いんだよなぁ

「それじゃあそういう事にしておくね。それじゃあ早く買い出し終わらせようよ」

「ああ、そうだな・・・って私に命令するな!」

「はいはいわかってますよ」

そうしてスーパーに入り、日持ちするカップ麺類やとりあえず一週間分の料理が出来るであろう食材やら生活用品を買い、スーパーを後にして例のタピオカドリンクの店に行ってみると誰もおらずシャッターが閉じられていて

【売り切れました】

と書かれた張り紙が貼られていた。

「くっ・・・・ま、まあ別に私はどうでも良かったがな!」

佐江さんはそう見栄を張ってはいるが残念そうな表情をしていた。

すると突然パァン!という破裂音が聞こえた。

「な、なんだ!?」

「おいこら走るなせめて荷物を持ってから行け!」

佐江さんから貰ったレジ袋を担いでその音の方へ行ってみると

「や〜ん・・・急にタピオカが飛び散ってきたマジ萎えぽよ〜」

破裂したタピオカミルクティーの容器と飛び散ったタピオカが体じゅうにひっついた女子高生が居た。

どうやら急にタピオカミルクティーの容器が破裂したようだ。

普通こんな事ある?

いいや無いね!

もしかしたらこれもバッドネス㈱の仕業だったりするんじゃないかな・・・

話を聞けば何か糸口が見えるかもしれない。

でも僕こういうタイプの人苦手なんだよなぁ・・・

今は尻込みをしている場合ではない。

「あ、あの・・・・何があったんですか?」

僕は意を決して恐る恐る尋ねてみると

「あ〜?アタシねーあそこの店でタピオカミルクティー買ったわけーそんでー飲んだら太るしぃ〜写真撮ってそのままおいて帰ろうとしたら急にタピオカが爆発したの〜まじありえなくない?う〜ベタベタしてまじ気持ち悪いんですけど〜」

飲まないならなんで買うのかわけが分からなかったけどとにかく本当にタピオカミルクティーの容器が爆発したらしい。

「そ・・・そうなんだ大変だね・・・・」

幸いその女子高生に怪我がなかったのが不幸中の幸いと言ったところなのかな・・・

勝手に爆発するようなものには思えないけどこれじゃ手がかりとは言えないよな・・・

「ねえねえお姉さんさ?マジ美人じゃね?コスメとか何処のつかってんの〜?」

「へっ・・・!?」

うわぁ急に質問してきた!

といっても急に話しかけたのは僕なんだけどそんな事聞かれても何もしてないとしか言えないよ・・・

「あっ・・・えーっと・・・・・」

僕が答えあぐねているとまた破裂音がそれも何箇所からか聞こえてきた。

「ご、ごめんなさい!」

僕はその女子高生にそう言い残してその場を離れ、破裂音のした方へ向かった。

行く先々ではさっきと同じ様に破裂したタピオカドリンクの容器とその中から飛び散ったタピオカがべったりとくっついた人たちと出くわした。

容器がこんな頻繁に破裂することなんて有るのだろうか?

やっぱりこれはただ事じゃない!

僕は急いで佐江さんを呼びに行き事情を話した。

「佐江さんこれって・・・?」

「ふふん・・!全くどいつもこいつもいい気味だな!流行に流されるからこんな事になるんだ!」

「違うでしょ!こんなに一斉にタピオカが爆発するなんてこんなの普通に考えてありえないよ」

「まあそうだな」

「これは多分バッドネス㈱の仕業だよ!悪の秘密結社はこういう流行のものにかこつけて悪巧みをするって相場が決まってるんだから!!」

「うーん・・・・あのアホ首領ならやらなくもないかもな・・・」

「それじゃあタピオカを爆発させてる真犯人をやっつけて街を守らなきゃ!だいたいこういう時は店が怪しいよね」

ヒーローが直面しそうな場面に遭遇して僕はテンションが上っていた。

前回も勝てたんだし今回も怪人をやっつけて街の平和を守らなくちゃ!

そんな使命感が僕を動かした。

そしてシャッターが閉じられていたタピオカ屋に戻ってみるも何の変哲もない建物だった。

どうやら僕の見当違いだったらしい。

「ほら・・・特に何もなかっただろ?それにバカが勝手に困ってるだけなんだから放おっておいて帰ろう。私は腹が減ってるんだ」

「うーん・・・でも・・・」

僕たちが店の前で話していると

「おや?お嬢さん方もタピオカを買いに来たのかい?」

突然作業着を着た初老の男性に話しかけられた

「え、まあそんなところですけど・・・お爺さんは?」

「ええ、私はこの辺りの清掃をやっておるんですが・・・最近流行っているのは良いかもしれませんけどタピオカドリンクのゴミがそこらじゅうにポイ捨てされていてワシらも困っとるんですよ」

初老の男性はくたびれた表情でそういった。

「そうなんですか・・・・大変ですね」

そういえばさっき話を聞いた女子高生もその場に置いて行こうとしてたって言ってたなぁ・・・

「お嬢さん方は買えなかった様ですがくれぐれもポイ捨てだけはせんようにしてくださいよ。この街は綺麗なのが一番ですから」

「は、はい・・・気を付けます」

その男性と別れて僕たちは佐江さんの車に乗り込んだ。

 

車で佐江さんの家に向かう道中、またさっき聞いたものと同じような破裂音が聞こえてきた。

その方向を見てみるとほかのタピオカ屋の近くでもさっきと同じようなことが起こっているようだ。

「佐江さん!まただよ!!早く車停めて!!」

「何だよ全く・・・仕方ないな」

佐江さんに車を止めてもらいタピオカ屋へ駆け寄ってみると辺りは飛び散ったタピオカを浴びた人たちだらけでまさに阿鼻叫喚な眺めだった。

「佐江さん!これやっぱりバッドネス㈱の仕業だよ!」

「確かにそうだろうがあの店が原因でないとなると・・・」

確かにこういう場合悪の秘密結社が店を建ててこういうものを売りつけたりっていうのは結構常套手段のはずだ。

しかしそうでないとすると・・・・

「きっとタピオカの仕入先がバッドネス㈱なんだよ!」

「なるほど・・・しかしその仕入先をどうやって探すつもりなんだ君は」

「えっ・・・うーんと・・・・」

その時ふとその店の裏通りにトラックが入っいく事に気づいた。

そして瞬時にそのトラックがバッドネス㈱のものであることがわかった。

だってトラックの荷台にデカデカとバッドネス㈱のマークが描いてあるんだもん。

「佐江さん!やっぱりそうだ!行くよ!!」

「え、ああ・・・あのバカ首領は相変わらずなんでこんなわかりやすいことを・・・」

佐江さんも呆れたのか大きなため息を一つつく。

予想通り裏通りに入ったトラックはタピオカ屋の裏口の前で停まった。

僕たちはそのトラックに駆け寄り近くの物陰でトラックを監視することにした。

すると男二人がトラックから降りてきて荷台からタピオカが入っていると思われるダンボールを担いで持っていこうとする。

「きっとあれだよ佐江さん!僕行ってくるから佐江さんはここで隠れてて」

「あ、ああ・・・なんだか今日の君は無駄にテンションが高いな・・・まあせいぜい頑張ってくると良い」

そして僕は佐江さんをその場に残しダンボールを運んでいる男二人に声をかけた。

「あ、あのー・・・・」

「なんだ?今忙しいんだ」

「そうだそうだ!お嬢ちゃんタピオカがほしいならちゃんと店で並んで買いな!」

「い、いや違うんですよ・・・あなたたちバッドネス㈱の人たちですよね?」

そう言うと二人の表情が急変する

「お嬢ちゃん・・・・なぜそれを知っている?」

「しっかり㈱まで付けるなんて・・・我々の事を知られているとなれば女子供だろうと容赦はしねぇぜ?あっ、ちょっと待って」

そう言うと二人はおもむろに服を脱ぎ始めた。

彼らはその中に僕が改造された時に見た戦闘員と同じ全身タイツを身に着けている。

ビンゴ!やっぱりこういう運搬作業は戦闘員の仕事だって相場が決まってるんだ!

「あっ、お嬢ちゃんもうちょっと待ってね・・・」

二人はポケットから覆面を取り出してそれを被ると

「よしできた・・・キョー!バッドネス㈱の事を知っているからにはタダでは帰さんぞ!」

「キョー!覚悟しろ!!」

何事もなかったかのように決め台詞を裏声で叫ぶと僕に襲いかかっていた。

というか結構待ってあげたんだけどなんでわざわざ着替えたんだろ・・・

ってそれどころじゃない!

戦闘員をやっつけてタピオカの出処を突き止めないと!

「ふんっ!僕に襲いかかってきたのが運の尽きだったな!魔ジカライズッ!」

僕は喉元のチョーカーに付いている石に触れてそう叫んだ。

すると身体が暖かな光りに包まれて僕の衣服はフリフリとした可愛らしいものに変わり、髪の色も明るく変わっていき僕の姿は魔法少女の姿へと変身した。

「き、貴様はチョメレオンを殺ったという噂の魔法少女!!」

「結構エロい身体してるじゃん・・・やっちまえ!!」

戦闘員二人は鼻息を荒くしてこちらに突っ込んでくるが僕は軽々とその二人を華麗に躱した。

「ふんっ!やっぱり戦闘員くらいなんてこと無いね!これで君たちの計画も終わりだよ!マジカルスマッシャー!」

僕は右手を天高く上げ高らかにそう叫んだ。

そうしたら手元に何処からともなくあのバールのようなものが飛んでくる・・・・

はずなんだけど

「あれ?おかしいな・・・マジカルスマッシャー!・・・・あれ?なんで飛んでこないの!?」

いくら呼んでもあのバールのようなものは飛んでこない

「おいおいそのマジカルなんとかってのはタダのこけ脅しかよ!来ないならこっちから行くぜ!キョー!」

「決め台詞まで待ってやろうと思ったけどそんなのも無いみたいだしエロ同人みたいに乱暴してやる!!キョー!!!」

僕が何もしないとわかると戦闘員は襲いかかってきた。

やっぱりこういう時って待ってくれてたんだな・・・

「うわあっ!」

僕は戦闘員の攻撃を躱しながら反撃の糸口を探る。

しかしただ躱しているだけというのも結構体力が削られていく。

なんたって避けるたびに胸が揺れるもんだからその遠心力で胸が引っ張られたりして結構負担がかかる。

このままじゃホントに僕エロ同人みたいに・・・

昨日戦ったカメレオン怪人の舌にがんじがらめにされたことを思い出して僕は身体をこわばらせてしまう。

またあんなことされるなんてゴメンだ。

はやくなんとかしなくちゃ・・・!

「マジカルスマッシャー!なんで!?なんで来ないんだよぉ!!マジカルスマッシャー!マジカルスマッシャぁぁぁぁ!」

「ああもう!マジカルスマッシャーじゃなくて魔じかる☆すまっしゃーだ!」

僕が呼ぶと物陰から佐江さんがぬっと姿を現した。

「あっ、あいつ脱走した尼尽博士だ!魔法少女とグルだってのは本当だったんだな!」

「あいつを捕まえて首領に持って帰れば俺たちも昇進昇給そしてちゃんとした社員になって怪人にもなれるぜーっ!!」

佐江さんを見た瞬間戦闘員たちは僕に目もくれず佐江さんに襲いかかった。

「佐江さん!逃げて!!」

「君が間違えてるから出てきたんだ!マジカルスマッシャーじゃない!魔じかる☆すまっしゃーだ!」

「えっ?違いがよくわからないんだけど・・・」

「もっとそれっぽく!カタカナじゃなくてひらがなで言え!それと魔じかるとすまっしゃーの間の☆もちゃんと意識して可愛くだ!!」

なにそれ・・・

佐江さんが言っている事はよくわからなかったがこのままだと佐江さんが捕まってしまう!

えーいもうどうにでもなれ!

「魔じかる☆すまっしゃー!!」

僕は少しぶりっこして行ってみるとそれは凄まじいスピードで飛んできた。

うう・・・なんか恥ずかしい

「おいおいなんだよあれ・・・ファンシーなステッキかなんかだと思ってたらバールだぜあれ!」

「もう放おっておいて尼尽博士だけでも連れて帰ろうぜ!!キョー!!!」

結局僕には脇目も触れず戦闘員二人は佐江さんに向かって走っていく。

しかし佐江さんは物怖じもせずその場で不敵な笑みを浮かべ仁王立ちしている。

きっと僕を信用してくれているんだろう。

それなら僕はそんな佐江さんの信用に答えたい!

「これでも喰らえぇ!」

僕は魔じかる☆すまっしゃーを戦闘員二人めがけて投げつけると

「ぐえっ!」

「ぎゃひっ!!」

魔じかる☆すまっしゃーは二人の頭部に命中し、綺麗な弧を描き僕の手元に戻ってきた。

「いてててて・・・やっぱりチョメレオンを倒しただけのことはある・・・こいつ強いぞ・・・・?」

「くそぉ・・・乱暴しようと思ったら竿役が返り討ちに遭う展開とか地雷だぜ・・・・」

二人は頭を抑えてうずくまりそんなふざけたことを言っている。

「ねえ、君たちが置かれてる状況わかってるよね?」

僕は二人を軽めに脅してみた。

「くっ・・・」

「ねえ、このタピオカ・・・どこから仕入れてきたの?」

「そ・・・・それは・・・言えるわけねぇだろ!!守秘義務ってのが有るんだよ!」

「そうだそうだ!おっぱい揉ませてもらったって教えてやんねーかんな!!」

二人は頑な口を割ろうとしない。

おっぱいを・・・?

そうか!

今の僕は股間以外は巨乳美少女!

それならハニートラップを使えば聞き出せるかもしれない!

恥ずかしいけどしっぽを掴んだんだ!なんとしてでもこのタピオカの出処を突き止めなきゃ

「ねーぇ〜?いまおっぱい触ってもって言ったよね?本当にさわらせてあげるから教えてくれない?」

僕は少し艷の有る感じの声で二人を誘惑してみると

「な・・・なんだこの引き込まれそうな声・・・・」

「ちょっとでも気を許したら従ってしまいそうだぜ・・・・」

「そんなこと言ってないでお・し・え・て?」

僕は更に畳み掛けると覆面越しに見た二人の目がどんどん虚ろになっていく。

能登○美子ボイスすごい・・・!

いや・・・これも多分女幹部として改造された僕の一種のチャームスペルみたいなものなのだろう。

いける!!はやく本拠地を見つけてこんなバカげた計画やめさせてやるんだ!!

「ぼ・・・私ぃ〜このタピオカの出処が知りたいなぁ〜」

トドメと言わんばかりに二人の喉を撫でてやると

「は、はい・・・・このタピオカの出処は・・・・・・・」

まるで生気が抜けたように戦闘員の男たちは口を開く

するとその時

「ゲルルルルルルルゥ!!バカどもが!安々計画を喋ろうとしおって!!」

不気味な声が何処からともなく聞こえてきた

「はっ・・・!?こ、この声は・・・」

「やべえあの人が来ちまった」

その声を聞くと戦闘員二人は我に返った。

「誰だ!」

その声の方に振り向くとカエルとも獣人とも取れないまさに怪人と言った不気味な怪人が暗がりからぺたぺたと湿った足音を響かせながら現れた。

「バカ戦闘員ども!こんな小娘一人に手こずるとは・・・!貴様らは下がっていろ」

怪人はそう言って戦闘員を下がらせる。

その姿を見た佐江さんは

「やはりお前だったか。カンガエルー!」

怪人に向かってそう叫んだ

「カンガエルー?」

これまた変なネーミングだなぁ・・・

「覚えていてくれて嬉しですなぁ・・・そのとおり。ワシはバッドネス㈱怪人カンガエルー!」

「気をつけろ!そいつはカンガルーとカエルの合成怪人だ!袋から卵型の爆弾を発射してくるぞ!!」

佐江さんがそう言うや否や

「ふんっ!もう遅いわぁ!!!」

怪人の腹部にあった袋から黒いゴムボールのようなものが大量に発射された。

「ここは博士だけ回収させてもらうッ!」

怪人が指をパチリと鳴らすとそのゴムボールが破裂してもくもくと煙が上がる。

煙はたちまち辺りを包み、僕の視界を奪っていく。

「くっ・・・見えない!でも今の僕の聴覚を使えば・・・!」

僕は目を瞑り意識を集中する。

すると最初は怪人のしめった足音が佐江さんの方へ移動する音が聞こえてきたが突然耳を割くようなノイズが僕の頭に響いてきた。

「ぐあああああああああああああああああああ!!!」

頭に流れてきた凄まじいノイズに耐えきれず僕はその場でうずくまってしまった。

「博士の忠告はしっかりと聞いておくべきだったな。ワシはカエルとカンガルーの合成怪人。あの間抜けのチョメレオンと違ってカエルの鳴き声でジャミングすることも可能なのだ!耳の良さが命取りだったなァ!ゲルルルルルルルルルルゥ!!!」

怪人の高笑いが僕の頭にグワングワンと響く

だめだ・・・頭が割れそうだ・・・・

僕は意識の集中を止め、なんとかその状況から脱することができたが状況は不利なままだ。

視覚もダメで聴覚センサーも使えないとなるとこの煙幕をなんとかしないことには佐江さんが連れて行かれてしまう。

そんなとき僕の頭に一つのアイディアが思い浮かんだ。

そうだ!あれを使うんだ!!

僕は魔じかる☆すまっしゃーのボタンを押し、試しに風量の出力を50に上げると温風が凄まじい勢いで吹き出して煙幕をみるみるうちに吹き払っていく。

すごい・・・100段階の風量調節って戦いにも使えるようにする為の機能だったんだ!

でもちょっと待って?

これ知らずに使ってたら僕大変なことになってたんじゃない!?

頭部にこの凄まじい温風が直撃する様を想像すると恐ろしかったので僕は考えるのをやめた。

「ふぅ・・・なんとか煙幕は脱せたけど・・・・・佐江さん!?」

煙幕を完全に吹き飛ばし、辺りを見回すと怪人と戦闘員はおろか佐江さんの姿も消えていた。

きっとさっき僕が怯んだ隙に怪人にさらわれてしまったのだろう。

僕は能力を過信しすぎたせいで肝心なことを忘れてしまっていたんだ。

佐江さんはそんな僕を信用してくれていたのにそれに答えられなかった。

これじゃあタダのヒーローごっこじゃないか・・・

結局街どころか佐江さんすら守れないなんて・・・・

「僕の・・・・僕のせいだ・・・・・佐江さぁぁぁぁぁぁん!」

僕の能登○美子みたいな声がむなしく裏通りに響いていた。

 

続く

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