僕が女幹部で魔法少女!?:Re   作:ゔぁいらす

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第二話 タピオカ爆発5秒前(後編)

 「佐江さぁぁぁぁん!」

どれだけ叫んでも返事が帰ってくることはない。

それにあれだけ音を立てたんだから野次馬だって集まってくるかもしれない。

こんな格好見られたら死んじゃう・・・社会的にもメンタル的にも

「か、解除・・・」

僕はチョーカーに付いた石に触れてそう呟き、変身する前の姿に戻った。

しかしもたもたしてはいられない。

悪の秘密結社から逃げ出した博士の末路なんて泡的なもので溶かされてしまうか怪人の能力の実験台にされるかの二択くらいだ。

このままだと佐江さんが殺されてしまう。

なんとかして逃げた先を突き止めて佐江さんを助けないと!

でも手がかりもなにも無いしむやみに動いたって時間を無駄にするだけだ。

一体どうしたら・・・

ふと辺りを見回すと佐江さんがさっきまで居た所に車のキーが落ちていた。

あの佐江さんが捕まったくらいで車のキーを落とすだろうか?

それに不自然だ。

キーホルダーが付いていたはずなのに何故かキーホルダーが無くなっている。

捕まった拍子に落としたならキーホルダーも何処かに落ちているはずだし、捕まった時にちぎれたにしてはしっかりと鍵だけが落ちていて付いていたチェーンがちぎれたりしている形跡もない。

もしかして車にもどれってことなのかな・・・?

僕はその可能性にかけて車のキーを拾い、佐江さんの車が停まっている場所に走った。

「んくっ・・・・♡あふぅっ・・・・♡」

走るたびに胸がぶるんと大きく揺れてそのたびに乳首が服の布に擦れて変な声が出るし手にはバールのようなものを持っているしで通行人に変な目で見られたがそんな事を気にしている場合ではない。

僕は恥を捨ててなんとか車までたどり着いた。

そして鍵を開けて車に乗り込み、エンジンを掛けてみると

『キュウナンシンゴウヲカクニンシマシタ。モクテキチマデジドウウンテンヲカイシシマス』

そんな自動音声と同時にカーナビが点灯した。

画面の地図上では赤い点が点滅しながら移動している。

そして車のアクセルが勝手に動き出して次の瞬間何もしていないのに突然発進した。

「うわっ!!」

そして車が発進してつかの間

『モクテキチイドウノタメサエモードニヘンコウシマス シートベルトヲオシメクダサイ』

そんな自動音声が流れると車の運転が急に荒々しくなりスピードが上がっていく

もしかしてサエモードって佐江さんの運転をコピーしてる感じの奴!?

確かにこの荒々しさは一昨日に乗った佐江さんの運転のような荒々しさだ。

「うわああああああああ!!」

僕は必死でしがみつき、やっとのことでシートベルトを締めた。

 

そしてマップでさっきまで移動していた赤い点があるところに着くと車はピタリと止まった。

『モクテキチシュヘンデス ジドウウンテンヲシュウリョウシマス』

「ふぅ・・・やっと着いたけど・・・うっぷ・・・・ちょっと酔ったかも・・・・」

僕はよろよろと立ち上がり車から降りるとそこは街の外れにある廃工場だった。

廃工場の駐車場にはバッドネス㈱のマークが荷台に描かれたトラックが数台停まっているし戦闘員が見回りをしている。

うわぁなんてわかりやすいアジトなんだ・・・

ということはきっと佐江さんもここに・・・!

でもこのまま真正面から突っ込もうものなら見張りに見つかって下手に刺激してしまえば佐江さんが殺されてしまうかもしれない。

なんとか隠れて佐江さんを助けないと

こういう時はダンボールがあれば良いんだけど・・・・

でも仮にダンボールが都合よく転がっていてもこの大きい胸が邪魔してス○ークみたいなほふく前進はちょっと無理かな・・・・

はぁ・・・巨乳って思った以上に不便だなぁ・・・

隠れての潜入がダメならあの手で行こう!

さっきの戦闘員だって僕のことを性的な目で見てきたんだからきっとうまくいくはずだ。

僕はこっそり見張りの戦闘員が一人になるところを見計らった。

そしてさっきは失敗したけど今回は成功してくれよ・・・!

「ねぇそこのお兄さぁん?」

僕はさっきしたように艷っぽい声で一人の戦闘員に声をかけ物陰へ呼び寄せる。

「キョ!?な、誰だお前!?」

「誰だって良いじゃない・・・ねぇ・・・それ脱いで?そのおしゃれな全身タ・イ・ツ♡」

「これ・・・を・・・・脱・・・ぐ・・・・?」

「ええ。そしたら良いことしてあげる♡」

正直恥ずかしいけどこれも佐江さんを助けるためだ。

なんとしてでもこいつからこの全身タイツを剥ぎ取って潜入してやる!

「はい・・・・仰せのままに・・・・」

戦闘員はまるで操り人形のようにタイツを脱ぎ始めてパンツ一丁になった。

「じゃあそのタイツもらうわね?ありがと・・・♡」

僕は戦闘員の頬を優しく撫でると彼は白目を向いてその場で糸が切れたように倒れてしまった。

このチャームスペルすごいぞ!?

力をセーブした状態でこれなんだから力を最大まで開放した状態で使っちゃったらどうなるんだろ・・・・?

そう考えると自分の力に恐怖を覚えた。

・・・でも・・・・・この力で佐江さんを助けられるなら今はなんだって使ってやる!

意を決した僕はひとまず服を脱いでその場に脱ぎ捨てられた全身タイツに袖を通した。

「う・・・・すごく汗臭い・・・・それに・・・んっ♡胸のあたりがすごくきつい・・・よぉ・・・」

乳首が擦れるたび変な声が出てしまったがやっとの事でタイツを着ることができた。

鏡がないから確認はできないけど体にピッタリとフィットしているし一応ちゃんと着れているんだろう。

「はぁ・・・・やっと着れた・・・・でも乳首も浮いてるけどこれ大丈夫かな・・・・」

やっぱりブラジャーって付けたほうが良いのかな・・・?

って何考えてるんだ僕!

今はそれどころじゃないんだぞ!?

戦闘員に変装できたんだから後は潜入するだけだ。

・・・ちょっと待てよ?

流石に変装したとはいえこんなバールのようなもの片手に工場に入るわけにも行かないしどうしよう・・・

うーん・・・・

「んぅうっ・・・♡まさかこんな漫画みたいな隠し方をすることになるなんて・・・」

考えた挙げ句、僕は魔じかる☆すまっしゃーをタイツの中に入れて両胸で挟んだ。

けっこうすっぽりと挟まってくれたので一安心だ。

「・・・これでよしっと!」

僕は意を決して工場の中へ足を進めた。

 

工場に難なく潜入した僕は戦闘員とすれ違うと

「キョー!」

と声をかけられた。

多分挨拶か何かなんだろう。

ここで無視すると怪しまれるかもしれない。

「きょ・・・きょー・・・」

僕は恥ずかしかったがそう返した。

すると

「お前新入りか?もっと恥を捨てろ!キョー!!」

どうやら挨拶が気に食わなかったらしく少しガタイのいい戦闘員に熱い指導を受けてしまった。

僕こういうタイプの人も苦手なんだよなぁ

でもこれ以上の面倒事に巻き込まれたくないし・・・

「きょ・・・・キョー!!」

僕は恥を捨てて全力でそう言うと

「なかなかいいぞ新入り!ところでお前すごく良い身体してるなぁ・・・よかったら今夜・・・」

その戦闘員は鼻息を荒くしてこちらににじり寄ってくる。

「ごっ、ごめんなさい!キョー!!!」

僕はそう言ってその場からダッシュで離れた。

「はぁ・・・・戦闘員も大変だなぁ」

少し戦闘員の気持ちがわかったような気がする。

歩みを進めていくとダンボールを持った戦闘員の列を見つけた。

この列の先に行けばあの変なタピオカの出処にたどり着けるはずだ!

僕はその列が出てきた方へ向けてこっそり進んでしばらくすると開けた場所に出ると

「こ、これは・・・」

そこでは真面目にタピオカが作られていた。

別に何か毒が入れられているとか怪しい工程は一切ないただのタピオカ工場だった。

ただのタピオカがあんな爆発するわけないし・・・

一体どんなからくりがあるんだ?

こっそりそんな様子を物陰から観察していると湿った足音がこちらに近づいてきた。

この湿った足音には聞き覚えがある。

一瞬だけ聞こえたあの怪人の足跡だ。

あの怪人は完成したタピオカが溜まっている場所の前に立った。

「ゲルルルルルルルルルルゥ!!」

怪人が声を上げると、腹の袋から小さい黒い粒のようなものを放出しタピオカが溜まっている容器に混ぜ初めた。

わかったぞ!タピオカにあの怪人が作ったあの黒いやつを混入させて爆発させていたんだ!

でもさっきの煙幕とは大きさも違うしタピオカドリンクが爆発した時に煙が上がったような形跡もなかった。

もしかしたらあの怪人はいろんな大きさや効力のある黒いつぶつぶをあの袋から出すことが出来るのかもしれない

でもあんな袋から出てきた黒いのを混ぜて飲ませるなんてなんか気持ち悪いな・・・・

一気にタピオカドリンクを飲む気が失せてしまった。

でもなんで容器が破裂したんだろう?

あんなものを飲み込もうものなら人も破裂しそうな気もするけど・・・

とりあえずあの怪人に付いていけば佐江さんが捕まっている場所もわかるかもしれない。

そのまま僕は様子見を続けていると

「いやぁ〜カンガエルーさんのタピオカ最高に美味しいっすよ」

戦闘員の一人が怪人に話しかけた。

「おおそうかそうか!ゲルルルルゥ!!ほらお前らも食え食え!休憩も大事だぞ?」

怪人はまた袋からタピオカのような黒いものを出すと戦闘員たちはそれを美味しそうに食べ始めた

「うぇ・・・・気持ち悪・・・」

あんな破裂するものを平然と食べるなんて戦闘員は一体何を考えてるんだろう?

「やっぱカンガエルーさんの作るタピオカは最高にうまいっす!これを純粋に楽しめない世の中・・・悲しいっすよね!」

「ああそうだ・・・タピオカに罪はないがワシらはタピオカを販売中止にせねばならない そのためにはタピオカを破裂させるしか無いのだ。皮肉なものじゃが」

「そう思いつめないでくださいよカンガエルーさん!これもこの街の為!きっとそうなったらバッドネス㈱だけがタピオカを食えることになりますね!」

話していることがよくわからないがバッドネス㈱はタピオカを独り占めしようとしているのか?

なんでそんなしょうもないことを・・・・

「それじゃあワシは博士の拷問に戻るからな!定時まで後ちょっとだ頑張ってくれよ!」

怪人は戦闘員たちにそう言うと奥の扉の奥へ入っていった。

「キョー!」

戦闘員は怪人に向け敬礼して見送っている。

「あそこか!」

僕は怪人の後をつけてその扉をくぐるとその先にはいくつかの部屋があり、耳を澄ましてみるとさっきの怪人の声と佐江さんの声が聞こえてきた。

僕はその部屋の扉に聞き耳を立てる。

「ゲルルルルルルルルルルゥ・・・何故博士はワシらを裏切ったのだ・・・?博士はワシらの中でも待遇も良いし地位もあったはず・・・それにこれも世界を救うためなのだぞ?」

「馬鹿か!そうやって悪の秘密結社を自称してるくせに大義名分を振りかざしてる方針が気持ち悪いんだ。それにあのバカ首領のしょうもない作戦に付き合うのに疲れたんだよ」

「ゲルゥ!!首領の崇高なる作戦をしょうもないだと!?殺すなという首領の命令さえなければ殺していた所だぞ?」

「ほう・・・?やってみると良い。しかしバッドネス㈱で殺しは御法度ではなかったかな?」

悪の組織なのに殺しが御法度?

一体どんな組織なんだ・・・?

さらにバッドネス㈱の謎が深まった。

「そうだ・・・・人を殺めてしまってはワシらもアイツらと一緒になってしまうからな しかし二度と逆らうなどという気が起きないまで拷問することは出来る!ゲルルゥ!!!!!!」

佐江さんの言葉が怪人を刺激してしまったようで、怪人は大きな雄叫びを上げた。

怪人の言っている事が本当なら少なくとも佐江さんが殺される事は無いだろうけどこのままじゃ佐江さんがどんな目に遭わされるかわからない。

そう思うと居ても立っても居られなくなり僕は飛び出した。

「そこまでだ!」

「ゲルルゥ・・・戦闘員か・・・まだ定時は早いはずだし部屋に入る前はノックくらいしたらどうだ?」

すごい!こんな簡単な変装で凄まじく不自然に出ていったのに全くバレてないぞ!?

しかし佐江さんは僕に気づいたようで

「ふん・・・そろそろ来ると思ってたよ・・・いいややっぱちょっと遅いぞ」

佐江さんは得意げに言った。

「来ると思っていただとぉ?」

「私がタダで捕まると思ってるのか?お前らのそういうアホな所に嫌気がさしたんだよ。私が捕まって位置情報さえ発信すればアジトの場所がわかると思ってな!」

「そうだそうだ!お前らの悪巧みもここまでだからな!」

僕は覚悟を決め首元の石に手を当て

「魔ジカライズ!」

と叫んだ。

すると着ていた戦闘員の全身タイツが弾け飛び、僕は魔法少女の姿へと変身した。

「き、貴様!さっきの魔法少女!!おのれぇ!このワシを嵌めたというのか!こうなればそこの魔法少女もまとめてボスへの土産にしてくれる!ゲルルルルルルゥ!!!」

怪人が叫ぶと戦闘員が部屋にわらわらとやってきた

「キョー!お前が噂の魔法少女か!」

「結構可愛いじゃん」

「は?いやいや流石にその胸で魔法少女は無理でしょ」

「いや俺は有りだと思うで」

「やっちまえ!」

「キョー!!」

戦闘員たちが口々叫びながら僕に向かって襲いかかってくる。

しかし魔じかる☆すまっしゃーさえあればこんな戦闘員なんか敵じゃない!

僕は胸に挟まっていた魔じかる☆すまっしゃーを取り出してまるで無双ゲーのように戦闘員を倒していった。

「さあこれで戦闘員はいなくなったぞ!後はお前だけだ!!」

「ゲルルルルルルゥおのれぇ・・・よくもワシの可愛い部下達を・・・ワシが直々に相手をしてやる!ゲルルルルルルゥ!!」

声をあげると腹の袋から黒いゴムボールのようなものを放出して破裂するとまた煙幕が辺りを包んだ

「二度も同じ手なんて効かないよ!」

僕は魔じかる☆すまっしゃーのボタンを押し、出力を上げて煙を吹き払う。

「ゲルルルルゥ・・・・それならばこれはどうだ!」

また袋からゴムボールを出したと思うと地面に付いた瞬間ゴムボールが爆発し中から小さなタピオカのようなものがこちらに向かって勢いよく飛び出ししてきた。

「うわっ!」

べっとりとしたタピオカのようなものが勢いよく身体に当たるのは結構痛いしなんかすごくこれべたべたしてて気持ち悪い。

「キョ・・・・キョー・・・!魔法少女がカンガエルーさんの粘液とタピオカまみれになってるぜ・・・・挿絵がないのが残念なくらいエロい・・・!我が人生に一遍の悔いなし・・・ブハッ!」

倒れていた一人の戦闘員が突然そう言って立ち上がると鼻血を出してまた倒れた。

うう・・・恥ずかしいしベタベタするし結構痛いし・・・・はやくあいつを倒さなきゃ!

しかし辺りに怪人が居ない。

飛んできたタピオカに気を取られていたせいで見失ってしまったようだ。

すると

「後ろだ!」

佐江さんのその声で後ろに振り向くが体にへばりついたネバネバとタピオカのせいでうまく身動きが取れない。

「ワシの力は室内では分が悪いのでなぁ・・・場所を変えさせてもらうッ!ゲルゥ!!」

怪人が口を開け、勢いよく舌が飛び出してきて僕にべったりと張り付き、僕をぐるぐる巻きにした。

「んぐぅっ・・・!?またこれ・・・・・!?」

まさか怪人じゃら二回連続でべっとりした舌を巻き付けられるとは思わなかった。

「チョメレオンのような破廉恥な戦い方は好かぬが外に出るまで我慢してもらうぞ!ゲルルルォ!!」

そう叫ぶと怪人はすごい勢いで飛び上がり天井を突き破った。

もちろん舌で捕まっている僕もそれに引っ張られて飛び上がる。

そして怪人と屋上へ飛び出すと僕を思い切り屋上の床へ叩きつけた。

「ぐはっ・・・・!」

「ゲルルゥ・・・ここならワシも最大限力を生かして戦える・・・・行くぞ!!」

怪人がこちらに向かってくる。

「くっ・・・まだまだ・・・!!」

僕も体制を立て直して魔じかる☆すまっしゃーを構えた。

すると怪人は雄叫びを上げてパンチを放ってきた。

すんでのところで回避することができたが後ろにあった貯水タンクにはぽっかりと穴が空き、水が吹き出してきた。

その大穴があのパンチを食らってしまったらタダでは済まない事を物語っている。

「ゲルルルルルルゥ!避けたか・・・しかしそれが運の尽きだ!」

怪人は水を浴びると身体の光沢が増し、さらに俊敏になりこちらに再び向かってくる。

避けてるだけじゃだめだ・・・こっちも攻撃しなきゃ!

「でぇい!!」

僕は魔じかる☆すまっしゃーを怪人に叩きつけるがしっかり命中したはずなのに魔じかる☆すまっしゃーはダメージを与えることなくするりと怪人の身体を滑っていった。

「なんで・・!?えいっ!このっ!」

僕はそのまま攻撃を続けるが肌の弾力で弾かれたり滑ったりで全くダメージを与えられない。

「ゲルルゥ・・・!無駄だ。今のワシは水を得た魚・・・いや水を得たカエル・・・!この湿り気こそがワシ最大の鎧となったのだ!今のワシに貴様程度の生ぬるい物理攻撃など効かぬ!今度はワシの番じゃぁ!!」

怪人が僕のみぞおちにパンチを見舞ってくる

ガードが間に合わずモロに食らってしまい僕は吹き飛ばされてしまった。

「がっ・・・・はぁっ・・・・!!!」

凄まじい痛みが身体を駆け巡り、さっきの貯水タンクに叩きつけられた。

い・・・痛い・・・・ヒーローっていつもこんな痛みと隣合わせで戦ってたの・・・?

見ていて痛そうだと思うことは何度もあったけど自ら体験してみると今まで自分が思っていた痛みなんて生ぬるいものだということを痛感させられる

「ゲルルゥ・・・おっと、お嬢さん相手にやりすぎてしまったかな。しかしバッドネス㈱の理想を邪魔するやつは例え女子供でも容赦せん!殺しはしないが二度と戦えぬよう恐怖を植え付けてやる!!ゲルルルルルルゥ!!」

怪人が僕にとどめを刺そうとこちらに向かってくる。

だ・・・・だめだ・・・このままじゃ僕・・・・

恐怖で手足がガタガタと震える。

それに痛みで思うように力も入らない・・・

でもまたあのパンチを食らったらタダじゃすまない・・・・!

なんとかしなきゃ・・・・

なんとか・・・・

考えろ

考えるんだ僕・・・・!

湿り気・・・?

そうだ!

一か八かあの手しか無い!!

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

僕は思いっきり怪人めがけて魔じかる☆すまっしゃーを投げつけた。

しかし怪人はそれを軽々飛び越えて回避し、魔じかる☆すまっしゃーは空を切った。

「ふんっ!血迷ったか!そんな判断力の鈍った等的などカエルとカンガルーの跳躍能力を兼ね備えたワシに当たるものかよ!!これでトドメじゃぁぁ!!」

そして怪人のパンチが当たる寸前、僕は感覚を最大限に研ぎ澄ませ、怪人に向けて手をかざして叫んだ。

「魔じかる☆すまっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

すると怪人に避けられてそのまま屋上から地面めがけて自由落下していた魔じかる☆すまっしゃーは突然起動を変え、凄まじい勢いでこちらに飛んできて怪人の後頭部に命中した。

しかし効いている様子はなく、そのまま怪人の後頭部をバウンドしてこちらの手元に戻ってきた。

「ゲルッ?無駄な虚仮威しを!無駄だと言っただろうが!」

ダメージは与えられなかったものの怪人の気を引くことには成功したようだ。

怪人の動きが一瞬止まった。

「確かに今のお前には物理攻撃ではダメージは与えられないかもしれない!それならこれでどうだ!行け!風速出力最大だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

僕は魔じかる☆すまっしゃーのボタンを押し、温風の出力を100にして怪人に向けて放った。

「ゲルルルルルルルルゥ!!!熱い・・・!か、身体が・・・・身体が乾くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」

その温風は当たりの水気を凄まじい勢いで蒸発させていく。

それを浴びた怪人の身体も例外ではなく体を覆っていた湿り気や光沢がどんどん薄れていった。

「ゲルッ・・・お前・・・これを狙って・・・」

怪人はその場で膝をついた。

倒すなら今しかない!

「くらえ!!魔じかる☆だぁぁぁぁぁぁぁいなみっくぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」

「ゲルッ・・・・身体が重くてよ・・・避けられないっ・・・!」

僕は動けなくなった怪人の頭部めがけ思いっきり!魔じかる☆すまっしゃーを振り下ろした。

「ゲルゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!」

怪人の断末魔が辺りにこだまする。

「よし・・・やった・・・!勝ったぞ!!」

僕は完全に勝利を確信した。

しかし倒れていた怪人はよろりと立ち上がる

「な・・・なんで!?変身機能は破壊したはずなのに・・・・!」

彼の人間からかけ離れていた姿はどんどん人間へと近づいていき遂に正体を表す。

その正体はさっきタピ岡の前で話しかけてきた初老の男性だった。

「あ、あなたは・・・・どうして・・・・」

「そういうあんたはやはりあの時博士と一緒に居たお嬢さんか・・・声が似とったからまさかとは思ったが」

「どうして?どうして街を綺麗にしたいって言ってたあなたがバッドネス㈱なんかに・・・」

「そのとおりワシは街を綺麗にしたかっただけだ・・・・しかしどれだけ街を綺麗にしても街は汚れていく一方。いつしかワシは憎悪に駆られた。そして最近はタピオカが流行りだし更にゴミが街中に溢れたんじゃ・・・街を汚す輩をワシは許してはおけんかった・・・それに若者がワシらの苦労も知らずにはしゃいでおる姿が妬ましかったんじゃ・・・」

「だ・・・だからって・・・」

「ふんっ・・・お嬢さんみたいな若いもんにはわからんじゃろう・・・これが老人の勝手な意地と嫉妬の矛先じゃ・・・・!しかしそれも今終わった!お嬢さん!あなたの勝ちじゃ・・・・ゲルッ・・・ゲェルゲルゲルゲル!!!」

彼は怪人のときのような声を上げて高笑いをすると力尽きたようにその場に倒れた。

「街を綺麗にしたいって思いから悪の組織に入るなんて・・・・」

僕はお爺さんを悪の道に進めた原因が正義に満ちた正しい考えだったような気がして勝ったはずなのに晴れやかな気分にはなれなかった。

それにあれだけの跳躍力と煙幕さえ使えば僕を一方的に攻撃することだってできたはずなのにそれさえせずに真っ向勝負で挑んできたあの怪人を僕は悪いやつだとは思えなかった。

 

「そうだ佐江さん!」

早く助け出さないと戦闘員たちに佐江さんを連れて行かれてしまうかもしれない。

僕は急いで屋上に空いた大穴に飛び込み、佐江さんを救出に向かうとさっき倒したはずの戦闘員達はばったりと姿を消していた。

「佐江さん!怪我はない?」

「ああ・・・なんとかな」

「佐江さん?ここにいた戦闘員たちは?」

「ああ、あいつらか」

佐江さんが言うには僕たちが戦っている間にみんな逃げていったらしい。

きっとあのお爺さんはこの時間を稼ぐために僕に真っ向勝負を挑んできたんだろう。

それからもぬけの殻になったその工場に残されたメモによればあの怪人が作ったタピオカが混入したタピオカが残されたままポイ捨てされた場合のみ起爆する仕組みで、タピオカの爆破騒ぎを起こすことでタピオカのポイ捨て、もしくはタピオカの販売自体を街の条例で禁止する事が目的だったらしい。

「全く・・・相変わらず意味もないしょうもない作戦ばかり立てる・・・」

佐江さんはそんなメモを見て心底呆れたような顔をしていたが、あのお爺さんをこの計画に駆り立てたのは他でもないポイ捨てをしていた人たちだ。

それにあれだけ爆破騒ぎが起きてしまったということはそれだけ飲まれずにタピオカが捨てられているという事実を突きつけられているということだった。

今回の事件の本当の悪はバッドネス㈱ではなく、そういった事を行って善良なお爺さんを怒らせてしまった人々なんじゃないかと思ったが僕にはどうすることもできなかった。

それに悪の秘密結社を名乗っている以上その元で行われる行為が正しいわけがない。

なら僕があのお爺さんを倒したことも間違いじゃないはず・・・・

僕はそうだと自分に言い聞かせるしかなかった。

「ねえ佐江さん」

「あの掃除のおじさんが怪人だって知ってたならなんで教えてくれなかったの?」

「は?」

佐江さんは首を傾げる

「だからさ!あの買いに行ったら閉まってたタピオカ屋さんで話しかけてきたあのお爺さんが怪人だったんだって!改造したのは佐江さんなんだし知ってたでしょ?」

「ああいや・・・・そうだったのか・・・怪人とその被験体になった人間の名前は覚えているんだが顔は覚えるの苦手なんだ私は・・・」

「なんだよそれー!!そういえばあの怪人・・・男の人だよね?なんで男の怪人なのに袋があったりカエルの卵っぽいものがだせたりしたの?」

「ああそんな事か?別に怪人なのだから被検体が男だろうが女だろうがその動物の雄と雌どちらの特性を持っていようが関係のないことだ。君だって男の怪人だが女性的な特徴を持っているだろう?それと同じだ」

「僕を怪人呼ばわりしないでよ!!」

「なにも間違っちゃいないだろうに・・・ま、君がそう言うならこれからは控えるとしよう。それより腹が減った・・・早く帰るぞ」

「う、うん・・」

「あっ、そうだ。車にベタベタが着くのが嫌だから君はトランクな」

「そんなぁ〜!」

 

 そして僕たちは佐江さんの車で予定よりずっと遅く家に戻り、真っ先にシャワーを浴びることにした。

衣装についたタピオカは変身解除をしたら綺麗さっぱり取れたけど髪と体にべっとりひっついた分はそうもいかなかったからだ。

「う〜これ・・・取れないなぁ」

タピオカは体にへばりついていて取るのに苦労した。

こんなのが道端でこぼれたりしてアスファルトにでもこびりつこうものならそれはそれは面倒なことになるということは簡単に想像できる。

なんとかタピオカを取りきった僕は湯船に浸かった。

そして風呂から上がって早速魔じかる☆すまっしゃーのドライヤー機能で髪を乾かして簡単にとくと本当にすぐに綺麗でサラサラした髪にもどった。

 

それから部屋を出ると佐江さんがムッとした表情でこちらを睨みつけてくる

「風呂入る時間長すぎだろ女子か!?」

「違うよ!!タピオカが結構取れなかったんだよ!!」

「はぁ・・・もういい腹減った・・・飯、作ってくれるんだろう?」

「うん!朝ごはんのつもりが夜ご飯になっちゃったけどね」

僕は買ってきた材料を使ってカレーライスを作ってあげた。

これなら作り置きが効くしいつでも温めれば食べられる。

問題は佐江さんの口にあうかどうかだけど・・・

「佐江さん・・・どうかな・・・・?」

「うん・・・まあバッドネス㈱の社食ほどじゃないがなかなかうまいな・・・」

そこまで言われるとバッドネス㈱の社食がすごく気になってきたぞ・・・?

「それにしても君がここまで料理上手だとは意外だな」

「以外とは失礼な!これでも僕毎朝家族全員分の朝ごはんにお弁当・・・それに夕飯だって週に2~3回は作ってたんだ」

「ほーう・・・それだけの女子力があれば今朝言った男にモテるかもしれないというのもあながち間違いではなさそうだな・・・どうだ?今からでもその不完全な所も改造して完全な女になるというのは?君ならきっと良い花嫁になれるぞ!」

「絶対イヤだ!」

「まあまあそう言わずに・・・サービスだ!安くしといてやるから!」

「絶対イヤだー!!!!」

僕を追いかけ回してきた佐江さんの顔はなんだか嬉しそうだった。

これ以上改造されるのはゴメンだけど佐江さんが嬉しそうにしてくれたらなんだか僕も少し嬉しくなった気がした。

 

そして次の日・・・・

朝っぱらから僕は佐江さんに起こされていた。

そして佐江さんが得意気に見せびらかしてきたものが・・・

「なあ君!タピオカ自動生成マシーンを作ったんだが・・・・!」

「いやー!!タピオカはもうこりごりだよぉ〜」

「やれやれ・・・なんだこの古典的なオチは・・・」

佐江さんに山盛りのタピオカを見せられたぼくの悲鳴が部屋に響き渡った。

やっぱりこの生活に慣れるのはまだまだ時間がかかりそうだ。

 

終わり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 有希が佐江のタピオカ生成器でトラウマを刺激されていた頃、バッドネスのアジトでは・・・

「キョー!報告します!タピオカ秘密工場が例の魔法少女と裏切り者の尼尽博士によって壊滅させられたようです!」

戦闘員がその部屋に置かれているレリーフに話しかけるとレリーフにはめ込まれていた石が輝き出し

「ほう・・・あのカンガエルーを倒すとはなかなかやるではないか・・・被害状況は?」

首領の威厳のある声が聞こえてきた。

「工場が一つ使用不可能にされタピオカ産業が続けられなくなりました!」

「そんな事はどうでも良い!人的被害が有るかどうかと聞いているのだ!」

戦闘員の報告に対して首領は声を荒げる

「は、はいすみません!人的被害は・・・・カンガエルーが工場の屋上で変身機能を破壊されていた以外は一部けが人は居るものの全員無事です!」

「ほう・・・カンガエルーがやってくれたのか・・・彼もチョメレオンのように始末しておけ。もう二度と悪の秘密結社などには入らないようにな・・・もう下がっていいぞ。ごくろうだった。」

戦闘員の報告を聞き、首領は安心したような口調でそう言った。

「キョー!かしこまりました!」

 

「しかしフジュンヒルデは一体どこへ消えたのだ・・・・それに佐江と行動を共にしているという魔法少女は一体・・・」

誰も居ない部屋で首領は一人呟き、レリーフにはめ込まれた石がの光がゆっくりと暗くなっていった。




続きは未定です。
だって魔法少女の名前が思い浮かばないから
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