第一位転生 異世界行ったら絶対能力者になる! 作:忍者狙撃手
俺は金色の光に突っ込んでいく。
(世界を救う…か。)
このクソみたいな世界は滅んでも良いと思っていた。
だが、守りたいものができた今は別だ。
(………わるくねェ)
直後、視界が光に包まれた。
目が覚めると目の前には金髪の女が俺を見ていた。
上条とかがホイホイついていきそうな、いわゆる美人だ。
(誰だ?・・・俺は死なずに回収されたのか?)
女の隣には茶髪の男が笑っていた。
男の顔も俺の基準では美形だと思う。
筋肉が凄いな、俺とは大違いだ。
「――――!――」
女が俺をみて笑いながら何かを言った。
頭がぼんやりして上手く聞き取れない。
チョーカーのバッテリーが切れてんのか?
クソが。
「――・・・―――」
男の方も何かを言う。
いや、これはバッテリーが切れてるんじゃねぇ。
そもそも日本語じゃねぇんだ。
「――・・――・・―」
3人目の声が聞こえる。
視認範囲の外にいるな。
だがこの言葉はどこの言葉だ?聞いたことがねぇ。
「あー、うあー」
首を動かしてテメェらはどこの所属かと聞こうとした。
グループの下位組織じゃなかったら能力を解放して此処にいる全員を血だるまに変えるつもりだった。
だが俺の口から出てきたのはうめき声ともあえぎ声とも言えない、微妙な音だった。
体も動かねぇ。
動かしている感覚はあるんだが、上手く動かねぇ。
(ヤバいな、脳を弄られたか?)
あり得ないことではない。
俺達と対立している組織が俺を洗脳しようとしたのかもしれねぇ。
もしくは、もう使えないと判断されて実験の具にされたか。
「―――・・―?」
男が俺をみて不安そうな顔で喋る。
なんだ?
実験失敗か?
意識や記憶があるからか。
「―・・・・――――・」
考えていると男に抱き上げられた。
俺の体は軽いからな。
別の部屋につれて行くのか?
(結局こうなっちまうのか、番外個体は打ち止めをちゃんと守れたのかァ?)
物心ついた初日。俺はそんなことを考えていた。
ーーーー
あれから1ヶ月がたった。
俺は生まれ変わったらしい。
最近ようやく理解してきた。
俺はガキだった。
自分の体を見下ろしてわかった。
最初は脳をガキに移植されたのかと思っていたがそれにしてはこいつらの技術レベルは低すぎだった。
頭を開くどころか建物は木造、照明すら無かった。
此処は恐らく平行世界というものだ。
存在するという理論はあったしおかしくねぇ。
覚醒して最初にみた女と男が俺の親らしい。
外見からして二十代前半ってところか。
前の俺は親なんて覚えて無かったからな、なんか不思議だな。
この家にはメイドがいた。それなりに裕福な家なのか?
ーーーーーー
半年がたった。
親の会話でこっちの言葉も覚えてきた。
一応学園都市第一位だからな。
覚えるのもそこまで難しくは無かった。
そういえば、能力は問題なく使えた。
チョーカーなしで。
脳はカリキュラムを受けた常態で回復してるのか。
やったぜ。
この頃になると俺はもう問題なく走れるようになっていた。
能力も使っていたが。
「眼を離すとすぐにどこかにいなくなっちゃうの。」
「元気でいいじゃないか。
生まれてすぐの頃は泣かなくて心配したもんだ」
「今もなかないのよねぇ」
親はそんなことを言っていた。
俺はあまり泣かねぇ。
いちばん最後に泣いたのはいつだったか。
立てるようになったのは大きい。
窓から見える景色で大体わかった。
この世界の文明レベルはそんなに高くねぇ、っつうか低い。
自動車は勿論、電気すらねぇ。
ある日、窓から外を見てみると父さんが剣を振り回していた。
(マジかよ・・・)
文明レベルが低いのはわかっていたが、剣で戦うくらいなのか・・・
(あ、やべェ・・・)
驚いた拍子に窓枠から落ちてしまった。
能力を使っていたから痛くねぇが、大きな音が出ちまった。
「きゃあ!」
後ろから悲鳴か聞こえた。
見ると、母さんが洗濯物を落として、口にてみ当てて真っ青になっていた。
「ルディ!大丈夫なの!?」
母さんがあわててよってきて俺を抱き上げる。
頷くと安心したように胸を撫で下ろした。
「………ほっ、大丈夫そうね。」
こういう扱いは受けたこと無かったから不思議な感じだ。
流石に慌て過ぎだったと思うが……
母さんは俺のあちこちを見ると最後に背中にてを当てた。
「念のため………神なる力は回復の糧、力失いしかの者に再び立ち上がる力を与えん『ヒーリング』」
(はァ?なにを言ってやがるんだァ?)
と思った次の瞬間、母さんの手がひかり解析不能のベクトルが体を駆けめぐった。
(……!?これはエイワスの!?)
「さ、これで大丈夫よ。
母さんこれでも昔は名の知れた冒険者だったんだから。」
『魔術』『index』『不可思議のベクトル』生前にエイワスと戦った時のことやロシアで見た資料のことが頭をぐるぐるまわる。
なんだ、今のは?
何が起こった?
「どうした?」
父さんの声で思考が中断された。
見ると、母さんの悲鳴を聞いたのか、父さんが窓から覗いていた。
剣を振り回していたからか汗だくだ。
「聞いてあなた、ルディったら、椅子の上なんかによじ登って……今日は危うく大怪我するところだったのよ。」
「まあまあ、男の子はそれぐらい元気でなくっちゃ」
母さんは大げさだと思うが、父さんは適当過ぎないか?
「あのねあなた、この子は生まれてからまだ1年もたっていないんですよ。もっと心配してあげて!」
「そうは言ったってな。
子どもは落ちたり転んだりするものさ。
そうやって丈夫になっていくものじゃないか。
それに、怪我をしたら、そのたびにお前が治して上げればいい。」
「でも、あんまり大怪我をさせて治らなかったらとなると心配で…」
「大丈夫だよ」
父さんはそう言うと、母さんと俺を一緒に抱きしめた。
母さんの顔が赤く染まる。
「最初は泣かなくて心配だったけど、こんなにやんちゃなら大丈夫さ……」
父さんは母さんにキスをした。
ガキの前でやったらだめなんじゃないかと俺は思う。
俺が間違ってんのか?
その後俺は隣の部屋に寝かされた。
(魔術……か……)
俺がたどり着け無かった正体不明の力……
いいじゃねぇか。
魔術の域にもたどり着いてやるよ。
(全うに生きながら、レベル6を目指すか……うん、悪くねぇ)
俺は考えながら眠りについた。
(ギシギシうるせぇ)
親が出来たことで丸くなりました。