第一位転生 異世界行ったら絶対能力者になる! 作:忍者狙撃手
身体もしっかりしてきて、能力も安定してきた。
この世界の言葉も喋れるようになってきた。
ーーーー
魔術を覚えるって言っても、何からやればいいんだか。
とりあえず、あの赤い髪の男がやってたものをしてみるか。
「灰は灰に、塵は塵に……吸血殺しの紅十字」
…………
まあ、そう簡単にはいかねぇよな。
確かこの家には5冊ほど本があったな、あの中に魔術に関するものがねぇかな。
まあ、この世界の文字を覚えるねもかねて本をよむか。
よって、この世界の文字を覚えることを、最初の課題とした。
たった5冊から覚えないといけねぇ。
この世界では本は高価なのか、
パウロやゼニスが本を読まねぇねか、
たぶん両方だろう。
俺が本なんて読んだのは何年前だったか。
たった5冊でも、文字を覚えるには十分だった。
この世界の言語は日本語に近かったため、学園都市第一位の脳ではすぐに覚えることができた。
文字の形は全く違うが、文法的なものはわりとすんなり入ってきた。
単語を覚えるだけで良かった。
言葉を先に覚えていたのも大きい。
パウロが何度か本を読み聞かせてくれたから、単語をスムーズに覚えることができた。
死んでも第一位は健在だ。
文字がわかれば、本の内容は面白い。
……本を読んでれば多少は変わってたか?
……いや、たぶんあまり変わらなかっただろぉな……。
それにしてもパウロ、あいつは生まれたばかりのガキが本の内容を理解できるとでも思っているのか?
俺だから良かったものの、ただのガキだったら破りすててんぞ。
家にあった本は下記の5冊だ。
・世界を歩く
世界各国の名前と特徴が載ったガイド本。
・フィットアの魔物の生態、弱点。
フィットアという地域に出てくる魔物の生態と、その対処法。
・魔術教本
初級から上級までの攻撃魔術が載った魔術士の教科書。
・ペルギウスの伝説
ペルギウスという召喚魔術士が、仲間達と一緒に魔神と戦い世界を救うおとぎ話。
・三剣士と迷宮
流派の違う三人の天才剣士が出会い、深い迷宮へと潜っていく冒険活劇。
上二つ、下二つはどぉでもいい。
魔術、俺が唯一操作出来なかった未知の力。
そんな俺にとって、魔術に関する記述は実に興味深いものだ。
読み進めていくと、いくつか基本的なことがわかった。
1、魔術は大きく分けて3つある。
・攻撃魔法…相手を攻撃する。
・治癒魔法…相手を癒す。
・召喚魔法…何かを呼び出す。
まんまだな。
まあ、こんなもんだろ。
正直この3つ以外おもいつかねぇわ。←魔術の知識0
2、魔術を使うには魔力が必要。
逆に言えば、魔力さえあれば、誰でも使うことができるらしい。
魔力を使用する方法は二種類。
・自分の魔力を使う。
・物体から魔力を引き出す。
この二つだ。
自家発電と電池みたいなもんか。
昔は自分の魔力しか使わなかったようだが、時代が進むにつれ、発展していったらしい。
3、魔術の発動方法は二つある。
・詠唱
・魔方陣
口で言うのと、何かに書くのだな。
4、個人の魔力は産まれたときからほぼ決まっている。
使っていくごとに上がるんじゃないのか……コップみたいなもんか。
俺の魔力はどのくらいだろう、少なかったら困るな。
とりあえず俺は最も簡単な魔術を使ってみる。
これで流れる魔力の流れを解析できれば……!
俺は魔術教本を片手に、右手を前に付きだして、文字を読み上げる。
「汝の求めるところに大いなる水の加護あらン、せせらぎの流れをいまここに……ウォーターボール」
血液が右手に集まっていくような感触があった。
その血液が押し出されるようにして、右手の先に拳ほどの水球が出現する。
「!!?」
驚いて解析に失敗した。
水球が弾けて、周囲が水浸しになった。
集中力が無いと魔術は持続しないらしい、つまり集中力を維持しながら魔術を解析しないといけないってわけか。
おもしれぇ、やってやろうじゃねぇか。
集中、集中……。
血液を右手に集める感じだ。こう、こう、こんな感じ……うん。
俺は再度右手を構え、先程の感覚を思い出しながら、頭でイメージする。
俺の魔力がどれだけあるかわからねぇが、そう何度も使えないと考えた方がいいな。
一回一回の練習を全て成功させるつもりで集中するんだ。
まず頭でイメージして、何度も何度も頭の中で繰り返して、それから実際にやってみる。
嬬づいたら、そこをまた頭でイメージする。
脳中で完璧に成功するまで。
能力を持ったばかりのころは、こんな方法で能力を制御したからな。
だからこの練習方法は間違えてねぇ……と思いたい。
「スゥ……ハァ………」
深呼吸を一つ。
足の先、頭の先から、右手へと血液を送る感じで力を溜めていく。
そしてそれを手のひらからポンと吐き出すような感じで……。
慎重に慎重に、心臓の鼓動に合わせて、少しずつ。少しずつ……。
水、水、水、水………。
「っ!!!」
次の瞬間、空中に水球が浮かんでいた。
「………あァ?」
ばちゃ
「…………」
驚いた瞬間、水球はあっけなく落ちてしまった。
しかし、今、詠唱しなかったよな?
なんでだ?
いや、こっちの方が早いならそれでいい。
深く考えるのは後だ。
今は魔術の仕組みを理解するのが先だ。
「そんじャ、もう一発」
と、右手を前に出して見ると、妙にだるい。
しかも、なんか肩の辺りにずっしりと重いものがのってる感じがする。
疲労感だ。
集中したせいか?
いや、俺は仮にも学園都市第一位だ、もっと集中が必要な演算も簡単だったはずだ。
このくらいで切れる集中力は持ち合わせていないはず。
「……つゥことは、魔力がつきたか?」
まじか………。
本に書いてあったのが本当なら、俺の魔力は水球二つ分ってことになる。
いや、さすがに少ないだろ。
初めて使ったから、魔力を無駄に消費したのか?
いや、そんな馬鹿な。
念のためもう一発出してみたら、気絶してしまった。
「もう、ルディったら、眠くなったらちゃんとベットに行って、布団を被らないと風邪ひいちゃうでしょ?」
起きた時には読書中に居眠りをしたことになっていた。
魔力が少なすぎる。
このままだと魔術を解析するのにどれ程かかるか……。
まぁ、ちょくちょくやっていくか。
はぁ………。
―――
次の日は水球四つ作っても平気だった。
五つ目で疲れを感じた。
「あン………?」
昨日の経験から、次の一発で気絶することがわかっているので、ここでやめておく。
で、考える。
ふむ。
最高六つ。
昨日の二倍だ。
俺は空中に浮遊している、大きい水球(操作に慣れるため)を見ながら考える。
昨日の今日で回数が二倍に増えた理由。
昨日は初めから疲れていたとか、初めてだから消費する魔力が大きかったとか。
わからねぇ。
明日になったらまた増えているかもしれない。
ーーー
さらに翌日、水球を作れる回数が増えた。
11個だ。
なんだか、使った分だけ増えている気がする。
もしそうなら、明日は21個になっているはずだ。
翌日、念のため5回だけ使ってその日は止めておく。
さらに翌日、26個になっていた。
やっぱり、使った分だけ増えていく。
(ふン…となると魔術教本は当てにならないな…)
魔術教本に詠唱をしないで魔術を使うなんて、書かれてなかった。
魔力が増えるとも書かれてなかった。
魔術が使えたから詠唱は本物だろう。
詠唱以外は偽物だな。(←学園都市第一位の推理)
まぁ、魔力は増えるってことがわかった。
魔力がたくさんあっても損はしねぇ。
増やすか。
ーーーー
翌日から、限界まで魔力を使っていくようにした。
同時に、使える魔術の数も増やしていく。
感覚さえ掴めば、詠唱をしないで再現することは簡単だ。
とりあえず、近日中に全系統の初級魔術はマスターしたいと思う。
初級魔術というのは、文字通り攻撃魔術の中で最も低いランクに位置する。
水球や火球はその中でも、とくに入門的な位置ずけにある初級魔術だ。
魔術の難易度は七段階に分けられている。
初級、中級、上級、聖級、帝級、神級。
一般的に一人前と言われている魔術士は、
自分の得意な系統の魔術は上級まで使えるが、
ほかの魔術は初級か中級までしか使えないらしい。
魔術教本には火、水、風、土系統の上級までしか書かれてなかったが、聖級以上はどこで覚えるんだろうか。
まぁいい、とりあえず初級だ。
魔術教本に書かれている水系統の初級魔術は以下のとぉりだ。
水球…水の球体を飛ばす。
水盾…地面から水を噴射して壁をつくる。
水矢…水の矢を飛ばす。
氷撃…氷の塊を飛ばす。
氷剣…氷で剣を作る。
氷も水系統に含まれるらしい。
ひととぉり使ってみた。
さすがは初級、使う魔力が少ない。
水球を1とすると大体2~20ぐらいだ。
ひととぉり使ってみて、魔術の仕組みが理解できた。
詠唱すると、
生成→サイズ設定→射出速度設定→発動のプロセスを辿っている。
詠唱すると、生成は自動で行われるが、詠唱無しだと全部自分でやらないといけないらしい。
まぁ、簡単だな。
また、詠唱無しだと生成の設定もできた。
氷の剣を浮かせて回転させたり。
アイデア次第で応用がいくらでも効く。
便利だな。
だが色々試すにはまだ魔力が少ない。
とりあえず、魔力の量を上げよう、実験はそれからだ。
そうして、俺は毎日、気絶寸前まで初級魔術を使い続けて過ごした。