からだに自信ネキというよりは高慢な少女系列かな
鶴丸は見習いの言葉を鼻で笑う。
「君が主より優秀?で?だから、何だって言うんだい。君が主と比べて優秀だろうが劣悪だろうが、そんな事は"俺"の知った事ではないのだが」
「なっ…あなたたちだって、優秀な人間に率いられた方が」
「優秀なら態々主のものをかすめ取ろうとせずとも自分で喚んで揃えればいいだろう。主は半年で今いる刀皆揃えたんだ、君が主より優秀だというならそれより短い期間で揃えられるんじゃないか。…優秀なんだろう?」
「・・・」
「そもそも俺は、主に仕えるために降りたんだ。他の人間に乗り換える理由などない。余計な御世話だ」
夕鶴はそもそも見習いを避けて回っていた。顔を合わせれば、嫌悪感を隠そうともしない。
「国永様、お待ちください。私があなたに何かしましたか?」
「何かしたか?…ハッ。そもそも、俺には君に関わらなきゃならない理由がない。主以外の人間など、穢らわしくて視界に入れたくもない」
「なっ…。…何故、そのようなことを仰るんです。私のこの身が穢れているとでも?」
「その身の穢れなど知った事か。…お前、欲しているだろう。この本丸の刀を、俺を、主の刀剣を!…あぁ、穢らわしい。他者のものを奪おうと欲するなど、穢らわしいにも程がある」
「そんなことは…」
「取り繕っても無駄だ、俺にはわかる。…俺は望んで主の刀になったんだ。それを奪おうとするなら、お前は敵だ。容赦はしない」
三日月は困ったように微笑する。
「すまんな。俺には、主を…アオを守ってやらねばならん理由がある。あの子の信用すら失いかねんことはできんよ」
「それは、三日月様はあの人に無理やり従わせられているということですか?!」
三日月は静かに首を振る。
「俺は自分で選んで決めた。…罪滅ぼしという面は否定できんが、あの子を守ると決めたのは俺の意思だ」
「…何故、ですか?」
「見習い、お前にはおそらく理解できんよ」
三日月は憐れむような目でそう言った。
「…私はぬしさまの初期刀ですよ。ぬしさまが健在であるのに他の方に鞍替えするわけがないでしょう。…いえ、それ以前に、主を裏切れとは、随分不躾ですね、見習い」
小狐丸の目は笑っていない。
「すまないが見習いさんよ、俺たちは今、十分幸せなんだ。余計なちょっかいを出そうとしないでくれるか」
薬研は少し困ったような顔をする。
「僕たちは、主様に不満はありません。…一兄が、主様ばっかり気にするのは、少し寂しいですけど…」
「一兄が変態なのは大将の所為じゃないだろ。…多分」
「うん、一兄が
「…やっぱアレか」
「あれ以外ないよ」
「あうぅ…」
「あれ、って何ですか?」
「一兄はこの本丸に来てすぐ顕現されたわけじゃないんだ。顕現されないで安置されていた時期があってな。…まあ、その時色々と…な」
「一兄、大将至上主義になっちゃったんだよねー、あれで」
「…僕が悪いんです。僕が早く一兄に会いたい、なんて言ったから」
「いや、あれは火に油注いだだけだから、言ってなくても結果は同じだったと思うよ?
「見習い殿は一体どんな冗談を仰っているのかな?」
かくりと首を傾げた一期の目は完全に座っている。
「私が主を乗り換えると。ははは、冗談でもありえませんな。私にとって主、碧猫さまよりも優先するべきものは一つたりともありません。あなたなど…そうですな、優先順位を付けるなら、精々政府の次程度ですかな。主とは比べるまでもありません。
数珠丸は溜息をついて言う。
「私の主になりたいのならば、まず物欲を捨てなさい。"数珠丸恒次"は欲深い人間を嫌いますので、あなたが現状のままなら、降りることはないでしょう」
「…ああ、だからレべリングステージとしか考えてなかったアオちゃんの采配の時に四振りもきたんだ…」
「予備にしてもあれは多すぎましたね」
「…あんた、頭おかしいの?」
蛍丸は呆れた顔をする。
「何をもって主があんたに劣るって思ったのか知らないけどさ、基本的に刀剣男士って、選んで主の元に降りるわけ。俺も、国行たちもそう。主がいいから此処にいるの。それなのにあんたを選ぶわけないじゃん」
「そうですなー、主はんが自分らを見限るんはあるかもしれませんけど、自分らが主を見限るってのはまずないやろなー」