ふらふらと自室に戻ってきた私はまたもベッドに崩れ落ちた。
こ「お疲れかな?お姉ちゃん」
さ「!?」
気が付けばこいしがいつも私が腰掛けているソファに座っていた。
どこから、というのは今更だろう。
さ「おかえりなさい」
こ「うん、ただいま」
さ「先程の問いの答えですが疲れているわけではありませんよ、ただ――」
こ「今朝、私とお兄さんを見たからでしょ」
いきなり核心を突いてきた。
さ「…えぇ」
こ「私もそのことで話があって来たんだ~」
こいしが何を言おうとしているのか大体の予想はついていた。
こ「ねぇお姉ちゃん」
きっとこの先は――
さ・こ「「お兄ちゃんを私にちょうだい」」
こ「あれ?知ってた?」
さ「わかりますよ」
こ「それで、答えは?」
さ「そもそも私のではありませんよ」
こ「お姉ちゃんの彼氏なんじゃないの?」
さ「それは……そうですが……」
こ「お姉ちゃん顔真っ赤~」
さ「茶化さないでください」
こ「でも、それってお姉ちゃんのってことでしょ?」
さ「……つまり、別れろと?」
こ「♪」
さ「…………」
こ「お姉ちゃん、いっつも思ってたよね?私だけ幸せにはなれないって」
確かにそう思っていた。
こ「別に別れなくていいよ?ただおすそ分けしてほしいな~ってね♪」
さ「…………」
妹と一緒に幸せになる。
それは甘美な響きだった。
どれだけ望んでも届かないものだった。
それが今一度頷くだけで手に入る。
彼ならきっと私達を受け入れてくれる。
こ「答え、そろそろ出たかな?」
だから私は――
こ「それが答えかな」
さ「はい」
私は首を横に振った。
こ「私よりお兄さんをとったってことでいいのかな?」
さ「そう思われても仕方ありません。でも彼の優しさに付け入るようなことはしたくない、彼には私だけを見てほしいのです」
こ「ふぅん…」
こいしは立ち上がり私の目の前までやってきた。
頬を張られても文句は言えない、言ってはいけないのだ。
こいしが手を振り上げる。
私はギュッと目を閉じ、来たる痛みに耐えようとした。
だが、それはいつまで経ってもやってこなかった。
代わりに届いたのは柔らかな抱擁だった。
さ「こい……し……?」
こ「正解だよ、お姉ちゃん」
正解?貴女を切り捨てることが…?
こ「ようやく私にはっきり言ってくれたね。それでいいんだよ、お姉ちゃん。全部譲らなくていいんだよ、犠牲にしなくていいんだよ、あれはお姉ちゃんのなんだから」
さ「でも、私は貴女を…」
こ「だいたいさ、私は自分で目を閉じたんだってば。これで幸せなんだって。それなのに不幸だって決めつけられるなんてそれこそ不幸じゃない?」
さ「…………」
ナ「さとりさん!!」
こ「ほら、ナイトが来ちゃったし、邪魔者はさっさと出かけてくるよ」
話したいことはまだまだあるけれど今はこう言おう。
さ「……いってらっしゃい」
こ「……いってきます」
笑顔のまま、こいしはいつものようにいなくなった。
入れ替わりに彼が入ってくる。
走ってきたようで息も切れていて汗もかいている。
……そして、どこか獣臭い。
ナ「えっと……その…どこから話せばいいのか分からないんですけど………」
さ「…………」
ナ「とりあえず…最初に言いたいことは……」
もう伝わっていますよ。
ナ「さとりさん、貴女のことが好きです」
Fin
あとがき
さとり√終了です、いかがだったでしょうか?
書いてみてまず思ったのはパルスィ√の倍くらいあんじゃん…ということです。
もっと引っ張るべきだった…w
まぁ、ノリだけで書いていってる以上仕方ないですよね?w
一応、次は勇儀√になるかと思います。
今後とも拙い駄文にお付き合いくだされば幸いです。