ナ「ペットの世話…ですか?」
さ「えぇ、手伝っていただけませんか?」
お茶をもらっているとさとりさんからそう切り出された。
ナ「構いませんけど、どうしてですか?」
今まで話に出ていなかっただけに理由が気になった。
さ「今までお燐に任せていたのですが貴方も知っての通りここにはペットの数が多いので少々負担が大きかったのです。ペットたちも貴方に懐いていますし、貴方に手伝ってもらえればお燐の負担も減らせると思ったので」
ナ「わかりました、お引き受けします」
断る理由はないので快諾した。
さ「ありがとうございます。詳しいことはお燐と話し合って決めてください」
ナ「……というわけでよろしくね」
燐「助かるよ、ありがとうお兄さん!」
二本の尻尾をパタパタと振って感謝を述べてくれるお燐ちゃん。
こんなに喜んでもらえると手伝い甲斐があるな。
ナ「とりあえず、二人でやっていくって方針でいいかな?」
燐「そうだね、元々あたいの仕事だしお兄さん一人に任せるなんて悪くてできないよ。お兄さんは暇な時だけ手伝ってくれればいいんだからね?」
ナ「お燐ちゃんは優しいね。でも、さとりさんから引き受けたからにはちゃんと手伝うよ」
お燐ちゃんの頭を撫でてあげた。
燐「ふみゅぅ~……」
心地良さそうなお燐ちゃんを見ていると時間も忘れて撫でていたくなる。
「み~」
それを止めたのは一匹の猫だった。
燐「うにゃっ!?ご、ごめんよ!!今すぐ準備するよ!!」
「な~」
燐「何言ってるのさ!!そんなことないったら」
真っ赤になって何か否定していた。
ナ「何て言ってるの?」
燐「な、何でもないよ!?ほ、ほらっ、仕事仕事」
お燐ちゃんは先に歩いて行ってしまった。
ナ「何言ったのさ?」
「に~」
問いに鳴いて返してくれたこの猫を抱き抱えてお燐ちゃんの後を追った。
全員に食事を渡し終える。
目の前の光景を一言で表現するなら―
ナ「多いなぁ……」
こんなにいたのかってくらい中庭は動物であふれていた。
燐「そうだねぇ」
ナ「さとりさん、流石に飼いすぎでしょ……」
燐「さとり様がこの子達全員飼ってるわけじゃないよ?」
ナ「どういうこと?」
燐「ここらの野良も来てるのさ」
確かに見覚えのないものが大半だ。
ナ「いいの?」
さとりさんなら問題なさそうだが、勝手に野良の動物に分け与えてもいいのだろうか?
燐「さとり様からの命令なのさ、ここに来た動物達は面倒見てやってほしいってさ。優しい方なんだ、さとり様は」
さとりさんのことを語るお燐ちゃんは誇らしげだ。
ナ「お燐ちゃんは本当にさとりさんが好きなんだね」
燐「もちろん大好きさ」
そう答えるお燐ちゃんの笑顔に鼓動が早まった。
ナ「…………」
燐「あっ、もう、こら、喧嘩しちゃダメだってば」
それを誤魔化すために、喧嘩の仲裁に入ったお燐ちゃんの頭を撫でた。
燐「!?ど、どうしたのお兄さん?」
上目遣いでこちらを見上げるお燐ちゃんの可愛さにこの行為が逆効果だったことを知る。
ナ「……なんでもないよ」
燐「なんでもないならどうして撫でるのさぁ!?そこ、笑うな~!!」
囃し立てるような鳴き声に囲まれながらしばらくお燐ちゃんの頭を撫で続けた。