『インフィニット・ストラトス』通称IS。約10年前に篠ノ之博士が宇宙に行く為のパワードスーツまたは翼として開発されたが『白騎士事件』と呼ばれる事件が起きた事により間違った方向…兵器として使われる事となった。467個と言う数少ないコアと、女性にしか起動する事の出来ないと言う2つのデメリットを持って使われていた、筈だったんだが…。
「おっと!7人目の生徒も起動しなかった!とても悔しそうな顔をして後ろの待機スペースに戻って行ったぁぁぁぁぁぁあ!さて、この状況を雫ならどう見る?」
「期待するだけ無駄だと思う。」
「うわぁ、バッサリ切った。」
「雫らしいと言えばらしいけどね。」
「…お前らは何をしているんだ?」
「あ、翼。」
「よっ!翼!何って見て分かるだろ?実況だよ、実況。あまりにも暇だからIS起動の検索を実況してんだよ。っと、此処で11人目も起動しなかった!このまま誰も動かせずに終わってしまうのか!」
「ま、何も起こらずに終わるだろうな。」
「やっぱり翼君は現実見てるね。」
「おい待て、雫は何故俺にマイクを向けている?」
「え?このままインタビューする為だけど?と言う訳で戦乙女の弟がISを動かしたけど、どう思う?」
「まぁ、これから苦労しそうだとは思うけどな。」
そう。女性しか動かせないと言われていたISが男性が動かしたのだ。そのため、2人目、3人目が居るかもしれないと言う事で全国調査をする事になった。勿論、俺達の学校でも。紹介が遅れたな、鏡神翼《かがみつばさ》18歳だ。
「短いけど、まぁ良いや。取り敢えず太陽。」
「おう!もうすぐお前の番が近いのでこんなの用意してみたぜ!ばん!」
『全校生徒に聞いた!鏡神翼はIS動かせるのか!?アンケート結果!』
「いつの間に用意したんだよ…。」
「気にすんな!そして結果はこれだ!」
動かせる98%・動かせない2%
「ま、予想通りだな。」
「…何で動かせるが9割以上なんだ?」
「翼君だから。」
「何故そうなる。っと次は俺の番か。」
「お、やっとか。で?動くと思うか?」
「動く訳無いだろ。」
「それフラグだからな?」
「知らん。」
全く、俺がISを動かせる訳が無いだろうが。動かした『織斑一夏』に何か特別な理由もしくは誰か別の人物が何等かの目的があって動かせる様に細工(まぁ、十中八九篠ノ之博士の仕業だろう。と言うよりISにそんな細工が出来るのは開発者だけだろうからな。)をしたかのどちらかだろう。この事から俺がISを動かす確率はほぼ0に近いと言う事になる。…しかし近くで見ると大きさが良く分かるな。それに思ったよりゴツゴツしていなくてスマートだな。キィィン!ッ!?頭に様々な情報が!?…分かる、いや、理解出来る。動かし方や搭載されている武装の数々、このISの状態、そして篠ノ之博士がISを作った理由と夢とその夢を叶える為の熱意や覚悟が全て理解出来る。だが今言える事はそれでは無い。
『お、おい?あの鏡神の眼は何なんだ?あんな眼は初めて見たぞ?』
『し、知るかよ?俺だってあんな魔王みたいな眼なんて見た事ねぇよ。』
『いやいや、あの眼が魔王な訳あるか。どちらかと言うと全てを滅ぼす覇王って言われた方が納得できる。』
『『それだ!そしてあんなに激怒した鏡神は初めて見た。』』
誰が魔王に覇王だ。それで納得するな。と言うより此方はISのせいで全部聴こえてるからな?それと俺は別に怒っている訳では無いからな?
『あいつマジでISを起動しやがったw何が『動く訳が無いだろ。』だよw普通に動かしてるしw』
『ちょwあんまり言い過ぎると翼君が可哀想だよw雪乃もそう思うよねw』
『まず、翼がISを動かした事に驚こうよ?』
『『いやw何処に驚く要素があるw翼がIS動かすのは予想通りなんだけどw』』
『え!?で、でも翼は男の子で…、でも翼がISを動かして…、ハッ!?翼は女の子だった!?』
『アッハハハハハハハハッ!つ、翼がお、女の子wに、似合わねぇw』
『ププッ!ゆ、雪乃ってたまに天然だよねwそ、それにしても翼君が女の子ってwお腹痛いw』
…あの2人は後でシバく。そして雪乃、どうしたらその考えに行き着く?…うん?雪乃が深呼吸をして…『翼ぁぁぁぁぁぁあ!今まで女の子だと気付かなくてごめんねぇぇぇぇぇぇえ!ふぅ。』…。
『『アッハハハハハハハハ!もう辞めてぇぇぇぇぇぇえw!笑い過ぎてもうヤバいからぁぁぁぁぁぁあw!』』
…此処に普通の反応をする奴は居ないのか?まぁ、調査しに来た女性達が慌ただしくしているのが唯一の救いか。…救いなのか?
「お姉ちゃーん。何してr…。」
秋葉?何で此処に?…あぁ、そう言う事か。気付けばかなり時間が経過しているから雪乃を探しに来たのか。しかし、此方を見て固まった所を見ると嫌な予感しかしないな…。
「つ、翼さんがISを動かしてる!?えっ!?何で!?夢…て言う訳じゃ無いよね!?」
…すまん秋葉。まさか普通の反応をするとは思っていなかった。てっきり太陽達と同じ反応をするとばかり思っていたから秋葉が普通の反応をしたお陰で少しばかり安心する事が出来た。
「あ、あの!」
「…何でしょうか?」
「ひ、ひぃ!?ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!それとランクはSです!兎に角ごめんなさい!」
「…。」
…別に怒っていないのに何故俺は謝れているんだ?それにいきなりランクがSと言われても訳が分からないんだが?…ハァ、これから色々と大変そうだな。
鏡神翼だ。俺がISを動かして数日後、俺はIS学園で実技試験を受ける事になり、IS学園へと向かう事になった。そこで待っていたのは世界最強と言われている『織斑千冬』さんだった。例え、相手が世界最強だとしても俺には関係無い。俺は俺のやれる事をやるだけだ。
次回『戦乙女と対峙する翼』まぁ、最初の次回予告はこんな物だろう。