映画は来訪者編の後なのに。
だから、こんな話になりました。
では、お願いします。
1
FLTのCAD開発センターへ来ている。
理由はいわずもがなですね。
飛行魔法は、私と深雪で試して問題はなかった。
とくれば、次は通常の魔法師さん達で、試して頂くしかない。
因みに、サードアイと乖離剣・エアのアップデートと性能試験は終了させてます。
ここでなら達也は正当な評価を受けられる。
まあ、ミスターアフロのとこ限定ですがね。
だから、ここに来ると深雪の機嫌が大変よくなる。
アフロがいる場所に到着。
「お邪魔します。牛山主任はいらっしゃいますか?」
一番近くにいる研究員に達也が尋ねる。
すると、向こうからアフロが現れた。呼ばれてもいないのに、察知する流石です。
「お呼びですかい?ミスター」
この人は、達也の事をミスターと敬意を籠めて呼ぶ。
他の人達は、御曹司。この呼び方は、個人的にどうなんだ?って思うのよね。
因みに、私はみんなから御前っていわれてます。何故?
どうも鈴鹿御前とかの御前らしいけど…。
深雪は普通に?お姫様なのにね。
達也がアフロに呼び付けた事を謝って、ダメだしを受けていた。
あとは、お互い褒め殺し合戦をやっていた。
勿論、我が弟が勝利していたけど。
そして、真打登場。
飛行魔法専用CAD~!(牛山アフロ謹製)
歴史的快挙にみんなテンションアゲアゲの状態になりました。
早速、試験じゃぁ!!っとなった。
そして、休みだったテスターさん、申し訳ない。
某・レイバー隊整備班みたいなノリで連行されたテスターさん達が、試験場に集結した。
集結した。
命綱という名のケーブルを付けられ、いよいよ飛行魔法の試験開始。
結果は、原作通り上手くいった。達也は問題点を見付けたみたいだけど。
そして、テスターさん達は、本気で鬼ごっこに興じていた。
そして、へたり込んだテスターさん達に、追加の手当てを出さないとアフロが
いい渡していた。実はブラックか、ここ。
その後、問題点について、達也、アフロ、私で改善案を纏めた。
飛行魔法開発には、私、関わってないんだけど、いいのかな。
2
そして、帰宅の時はやってきた。
アフロ曰く、うちの宿六には連絡したそうだけど、ヤツはやってこなかった。
深雪は冷気を発していたが、私は来なくてホッとした。
当の達也は、全く気にしていない。どうでもいい人、筆頭ですし。
一体型の時は乗り込んで来たから、ちょっと来るんじゃないかと心配したよ。
そして、アフロとは途中で別れた。
忙しいのに途中まで見送りみたいな事させてゴメン、アフロ。
もうすぐ出口というところで、宿六と妖怪人間が揃って現れた。
因みに、妖怪人間とは、執事序列第四位の青木の事です。
だってさ、あの顔色、どう考えても早く人間になりたいっていいそうじゃない?
「これは深雪お嬢様。ご無沙汰しております」
妖怪人間が、丁寧に一礼した。
深雪は既に不機嫌度MAXです。まだ冷気は発してないけど、凍るのは時間の
問題でしょうね。
「お久しぶりです。青木さん。こちらこそご無沙汰しております。挨拶が足りない
のではありませんか?ここには、姉も兄もおりますが?それに、お父様もご自分の
娘や息子に声を掛けないのですか?」
火の粉は宿六にも飛んだが、宿六はボンヤリしている。流石宿六。
そのうち、前触れもなくメガンテで自爆するかもしれない。気を付けよう。
「お言葉ですが、お嬢様。私は四葉家執事序列第四位の地位にある身、秩序を守る
義務がございます。ガーディアン如きと、ガーディアンにすらなれぬ役立たずに礼
など示せません」
次の瞬間、深雪からは冷気が、達也からは殺気が迸る。
ビビる妖怪人間と宿六。ビビるくらいなら、いわなきゃいいのに。
「深雪。早く挨拶受けてやりなよ。第四位殿も忙しいんだしさ。ホント忙しいと
思うよ、四位だし。三位との間に大きく溝を開けられてるし。必死なんだよ。
第四位殿は」
妖怪人間の額の血管は、ブチ切れそうになっている。おお!顔色よくなったね?
四位連呼されんの嫌がるんだよ、この人。
深雪は清々しい程の笑顔を浮かべる。怖い。
「それでは、ご苦労様です。青木さん。お仕事頑張って下さい」
有無もいわせぬ笑顔でそういうと、妖怪人間は冷や汗を流して一礼した。
「それと、父上様。一体型の欠点の修正はまだですか?世間じゃ幻扱いされて
ますよ?それでは、胡麻擂りご苦労様です。ごきげんよう!」
私はお嬢様らしく挨拶すると、脳梗塞で倒れそうな妖怪人間と、ボンヤリ顔に罅が
入った宿六の横を通り過ぎていった。
原作と違って何もいわれなかったよ。自分を抑えるのに忙しくて、頓珍漢な事も
いえなかったようだ。
それと、達也。殺気は止めなさい。アンタの洒落にならないんだから。
3
朝、学校に行くとエンジニアに選ばれた事が、知れ渡っていた。
みんなからお祝いの言葉を頂きました。
有難いんだけど、実は二人共やりたくなかったのは、秘密だ。
「みんな情報、早ぇな」
レオ君が感心したようにいう。
「まだ、正式発表してませんよね?」
「どっから、聞き付けたんだろうね?」
美月とエリカがそれぞれ不思議そうに感想をいう。
大方、ネガティブ情報として聞いただろうね。
「御二人共、発足式に出席するんですよね?」
美月が確認する。それに頷く、私と達也。
そうですよ。態々、五時間目変更してやりますよ。
一科生はエンジニアを出せなかった為、かなり悔しがっているらしい。
いいじゃない。選手は一科生オンリーなんだから。
達也も同様の意見だった。
「でも、今回は安心じゃない?石やら魔法やら飛んでこないんだから」
エリカが冗談交じりにいった。
「だといいけどね」
私もエリカの冗談に付き合って上げた。
そして、九校戦発足式。
渡されたのはブルゾン。デザイン…これ作業着じゃないの?
まあ、正しいんだけどさ。
選手はジャケットなのに、技術スタッフはブルゾンという名の作業着。
いいんだけどさ。なんだ、この裏切られた感。原作で知ってたけどさ。
「御二人共、よくお似合いです」
深雪のキラキラした目でいわれる。
なんだ。この微妙な感じ。勿論、笑顔でありがとうをいったさ。
式は滞りなく進んでいく。
まるで珍獣ですよ、扱いが。居心地が悪い事悪い事。
五十里先輩は気さくな方でしたよ。婚約者が怖いから、サラッと流した
けど。
閣下が式の進行を務めている。
一人一人に深雪が徽章を付けていく。
そして、私達の時だけ、拍手が前の方に陣取っている1-Eの面々から
しかなかった。拍手が響く響く。ありがとう!みんな!
涙ぐんでみようとしたが、無理だった。演技の才はありませんな。
後半になって盛り下がる。
なんというか、微妙な閉幕となった。
4
「エンジニアの司波達也です。CADの整備・調整、訓練メニューの作成、
戦術立案などを担当します」
「サブエンジニアの司波深景です」
担当選手達の前に自己紹介しました。
因みに原作通りのメンバーでしたよ。
お馴染みのほのかと雫、それに深雪。
明智 英美さん。
里美 スバルさん。
滝川 和実さん。
まあ、最初ですからね。お馴染みさん以外は、感じよくないです。
「まあ、女の子が混じってるのはいいけど、腕は大丈夫?」
これは、明智さん。
「僕はどうでもいいよ。仕事さえして貰えればね」
これは、里見さん。
ほのかが失礼と怒ってくれる。ありがとう、ほのか。いい子だ。
ほのかが達也をさん付けで呼んでいる事に、新参の三人が騒ぎ出す。
キャピキャピ五月蠅い。
ほのかと達也の事で、新参三人が揶揄い出した。
深雪が冷気を発して怒り出したところで、新参三人は黙った。
「それじゃ、打ち合わせを始めていいかな?」
達也が溜息交じりにいった。
少し、待って貰えるかな?
「ちょっといいかな」
私の言葉に、達也が不思議そうに譲ってくれた。
それじゃ、ちょっと失礼して。
「みんなに確認しときたいんだけど、みんなは優勝したいのかな?」
私の質問にみんなが、ハァ?って感じになった。
「したいに決まってるじゃないか」
里見さんが、何を当然の事をっていわんばかりにいった。
他の新参さんも同じような反応。
「私が訊いてるのは、自分自身が優勝したいのか、それとも第一高校
が優勝できれば、踏み台になってもいいのかって事」
私の言葉に唯一、深雪だけがすぐに反応する。
「私は優勝したいです。負けたくありません」
キッパリとそういった。
私は笑顔で頷く。
新参三人は、黙り込んだ。
意味がようやく分かったみたいだね。
私はこう訊いたんだよ。
深雪を倒したいかってね。
同じ競技に出るなら、深雪と対戦する可能性は高まる。
その時、譲ってしまうのか、戦うのか。私はそれを訊いたのだ。
はい。勝つ気なし…。
そう結論を出そうとしたら、雫が手を挙げた。
「ん?質問?」
雫は頷いた。
「勝ちたいっていったら、勝たせてくれるの?」
「それは雫次第だね」
私の言葉は無責任に聞こえるだろう。どう答えるかな?
「私は優勝したい。誰が相手だろうと」
雫は真剣な眼差しでいい切った。
その意気やよし。
「達也。雫のピラーズブレイク。深雪と対戦する時は私、雫の方に
行くから、よろしく」
達也は少し困った顔で、渋々頷いてくれた。
5
雫の訓練だけプラスαが付きます。
無理させる気ないけどね。
それまでは合同で練習を行う。
達也と一緒に、戦術の説明とどこでどう使用していくか、などを
確認していく。
最初のうちは侮っていた新参三人だけど、今は大人しくいう事を
聞いてくれます。
因みに若干二名程、達也の調整より私の方がいいという変わり者
がいましたよ。なんでも無理矢理力を引き出されてるみたいで怖い
んだって。
CADの調整は、ユーザーとの信頼関係が重要。
という訳で、そういう子には、私がメインに交代する事になった。
達也の調整があるべき姿なんだけどね。
達也の調整は、例えるなら一瞬で必要なだけ力が引き出される感じ。
私のは、滑らかに滑り出しスピードに乗る感じかな。
達也の調整が苦手な人は、明智さんに滝川さん。
それで明智さんと仲良くなれました。今はエイミィと呼んでます。
滝川さんは、普通に名前呼び。つまらん。何か考えよう。
なんだかんだで上手くやれてるなって思ってた時でした。
「ごめん。今日はモノリス・コードの全体練習があるから、抜ける
よ。深景!今度多めに時間取って貰っていいかな?」
エイミィがそんな事をいい出した。
うん?お姉さん、ちょっと聞き間違ったみたいだからさ。もう一度
いってくれる?
今、女子競技じゃないのに練習するとかいってなかった?
「あれ?もしかして、深景ってモノリス・コード見た事ない?」
エイミィの声がやけに遠くに聞こえます。
この胸の高鳴りは、不整脈?心室細動?
どちらにしても、病院に行くべきだ。AEDはどこ?
自分で某・半笑い仮面さんみたいに胸に電撃するか?
「モノリス・コードは、男子三人、女子一人でやるんだよ。私は
モノリス・コードの新人戦に出るから」
エイミィが誇らし気にそういった。
なんじゃぁぁぁぁそらぁぁぁぁぁぁ!!
取り乱しまして。大丈夫じゃないけど、大丈夫です。
何?これフラグ?事故起きたら、私が駆り出されるの?
ノオォォォォォーーーー!!
やったろーじゃありませんことぉ!!
フラグ叩き折ってやりますよ。エイミィとは友達になっちゃったし!
あんまり人類を舐めるんじゃありませんよ!!
6
ショックを引き摺りながらも、練習終了。
雫のプラスαが残ってるけど、少し休憩して貰ってます。少しだけど。
ふらついていると、精霊が漂っているのが見えた。
これって、まさか?
全くメルヘン要素なしの精霊さんを追っていく。
向かった先は、魔法薬学の実験室。
既に扉は開いており、美月が立っていた。
「誰だ!」
ボッチ幹比古君の鋭い声が聞こえる。
あ、ヤバっ!
美月が手を前に出し、顔を背けて防御態勢。あんまり意味ないけど。
精霊が攻撃しようとしたのを、私がサイオンを放って精霊を追っ払う。
全く!危ないな!
「はい。落ち着こうか、幹比古君。落ち着けないなら気絶させるけど」
私の怒気に幹比古君が慌てる。
「ごめん!!そんな積もりじゃなかったんだ!!」
今度は一転して項垂れている。感情の起伏の激しい子だね。
美月は何かいいたそうだが、結局口を開かなかった。
そこから原作通り、精霊と水晶眼の説明になりました。
それにしても、精霊の色の振り分けって、幹比古君の流派のやつが
妥当じゃないの?それ以外って、何考えて別の色割り振ったの?
そして…。
美月の水晶眼に驚き、顔を美月に近付けるボッチ。
初心な子に止めなさい。強引はダメ。
肉食系なんて、いい訳は聞く気ないよ。
私は手でボッチ君の顔を遮ってやった。
「ああ!ごめん!!つい!!」
「いえ…。こちらこそ…」
二人で真っ赤になってイチャついている。
私も恋人できるかな?今まで大してほしいと思わなかったけど。
初心な二人を馬鹿馬鹿しくなって放置して、雫の訓練に勤しんだ。
私は職人として生きる女。恋人なんていいんだ。
7
家に帰って猛然と調べもの開始。
最初は
自分の居場所を、巧妙に隠してて、原作で集合するタイミングしか、
集まる事はなさそうな感じ。
一人でも打ち漏らすと、例の制裁にビビって賭け続けそうだし。
それならば、工作員を潰す計画にシフトする。
こっちは幹部に比べれば、ガードが甘い。
調べれば、出るわ出るわ。
媚薬に、ハニートラップ、脅迫、日本人に化けてるのもいた。
それらの証拠を搔き集める。
で、送った先は大会委員会。九島家。あとは御子柴。
大会委員会の自浄作用で解決ならよし、九島家が対応してくれるの
でもいい。それでも動かないなら、鬼畜ライターの出番だ。
三日経ったが、動きなし。OK、ジーザスやっちゃって。
因みに、彼は殺し屋でも、俺の名だ、のキメ台詞もない。
そして、魔法を快く思わない週刊誌に記事が出た。
不正と金が絡む九校戦の見出しが躍る。
流石に、九島家がストップを掛けたので、十師族批判記事は掲載
されなかった。弱腰め。
『いやぁ~!済まねぇっすね、姐さん!こんなネタ頂いちまって』
御子柴からお礼の通信があった。
「いや。逆に悪いね。危ない橋を渡らせちゃって」
これで
イカサマが開始前にバレたんだから、対応に苦慮しているだろう。
記事では、犯罪組織が絡んでいるってところまで書いてたし。
御子柴が報復対象になったのは、間違いない。
『いいんすよ。ライターなんて真面目にやってりゃ、こんなもんっすよ。
寧ろ、今が最高に楽しいっすよ』
彼はこれからほとぼりが冷めるまで、潜伏するそうだ。
『ものの喩えっすけど、暫く釣りでもして、のんびり過ごさせて貰いますよ』
最後に暫く仕事受けられないで、よろしくといっていた。
頑張って生き延びてよ。
この時、私は原作より厄介なものを呼び寄せた事に、気付いていなかった。
8
:ダグラス・
私は冷や汗と共に、通信を受けていた。
通信先は揃って顧客達からだ。今回の賭けに乗った裏社会の危険人物達。
それより恐ろしいのは日本支部の幹部揃って、このままでは制裁を加え
られる事は間違いない点にある。
これ程、ハッキリしたイカサマの証拠を出されては、誤魔化しようが
ない。顧客は怒りより、猫がネズミを甚振るように通信の向こうで、薄ら
笑いをしているのが、分かる。
何故、こうなった!?
これをやったのは、顧客ではあるまい。
あの忌々しい記者は殺すだけでは足りない。
バックに誰がいるのか、吐かせないといけない。
脳裏に白い女ココ・ヘクマティアルが浮かぶが、決め付けるのは早い。
クッソ!拳を握り締めて耐える。
『それで、賭けは中止ですかな?』
若い声が疑問を口にする。
『まさか…。続行ですよ。寧ろ、皆さんにはフェアな賭けを楽しんで頂ける
と考えております』
穏やかに、そしてぬけぬけと私はいい放った。
最早、中止になどできない。ここで挽回しないと、命どころか尊厳さえ
奪われるだろう。そんな終わり方は絶対に嫌だ。
やってやる。なんでもやってやる!!
通信の向こうで一斉に嘲笑が起きる。
『まあまあ、皆さん。黄さんが誠意を見せてくれているのですし、ここは
続ける意思のある方のみ、参加としては?』
偉そうに仕切っているのは、得体のしれない若造だった。
ビジネスネームしか分からない。伊集院左京。
武器を売っている訳でも、薬を売っている訳でもない。
何をやって金を稼いでいるのか、誰も知らない。
だが、敵対したら最後、全員殺される。
そんな男だった。
『では、まずは私が。賭け金の追加を』
左京の若造が宣言すると、他の奴等も剛毅だとかなんとかいって媚びを
売っている。
調子に乗るなよ。若造。
「ほう。いくら上乗せしますかな?」
破滅させてやる。
『90兆円』
何?こいつは今、なんといった?
『第一高校が勝つ方に90兆円』
狂ってるのか、この男は!?
流石に他の連中も黙り込んだ。
『ご心配には及びませんよ。私の全てを絞り出せば、そのくらい払える
でしょう』
正気じゃない!!しかも通信の向こうで、微かに笑っているのが分かる。
「いいでしょう。では、他の方は?」
負ける訳にはいかない!!破滅させてやる、絶対にだ!!
他の連中は、観戦料とでもいいたげな値段しか、賭けなかった。
全員に挨拶すると通信を切る。
「うがぁあぁぁぁぁぁーーー!!」
テーブルをひっくり返す。暴れ回りようやく落ち着いた。
「戸愚呂!!」
「そんなに大声で、いわなくても聞こえますよ」
後に控えていた大男が、苛立たしい程ゆったりと答える。
こいつは数日前に、自分の腕を売り込んできた。仲間と共に。
腕は確かだった。名は聞いた事がなかったが、偽名であるし、実は名が
通っているのかもしれない。
何しろジェネレーター三体を、一瞬で潰してしまったんだからな。
「第一高校を潰せ!!どんな事をしても構わん!!」
戸愚呂は溜息を吐いた。
「幼気な若者を苛めるのは、気が引けますなぁ」
「ふざけた事をぬかすな!!」
「せめて、面白そうな奴がいる事を祈りますか」
戸愚呂はそう言ってニヤリと笑った。
だが、その笑みは背筋が凍るようなものだった。
9
:左京視点
自室でゆったりと音楽を楽しんでいると、通信が入った。
通信に出る。
『第一高校を潰せと指示されましたが、よかったんですか?』
「構わないさ。賭けは自らが有利なばかりでは、スリルがない」
通信の向こうで呆れた気配がある。
「だが、くれぐれも鴉や武威を連れて行ったりしないでくれよ?」
彼らは本番まで温存しておきたい。
勿論、戸愚呂にもだ。
「君も実力は20%くらいに止めてくれ」
『ふう。ストレスが溜まりそうですなぁ』
彼のボヤキが可笑しくて笑ってしまった。
「私は見たいからね。人の世ではない世界が。君もだろ?」
だったら、少し我慢してくれ。
戸愚呂もこっちのいいたい事を察した。
「こっちじゃ、もう相手もいなさそうですからねぇ。なら、
ありませんなぁ」
少し打ち合わせをしてから、私は通信を切った。
久しぶりに楽しい事になりそうだ。
どこをチョイスするか、悩みどころですね。
原作通りの箇所は結構スキップしてますけど。
拾いたい箇所もあったりして。
今回、幽遊白書から人を引っ張ってきました。
戸愚呂が無名の理由は、九校戦編ラスト辺り
で明らかになる予定です。
設定は捏造済みです。
それでは、次回も気長に待って頂ければ。