司波家の長女は何をする?   作:孤独ボッチ

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 原作を少し読み進めました。
 校長出てましたね。まあ、こっちじゃこれって事で。
 
 それでは、お願いします。


入学編6

               1

 

 解放されたエガリテ御一行様の代表者が、生徒会室で交渉の打ち合わせを行ったみたい

だけど、助っ人一時終了の私は勿論、達也や深雪も参加していなかったので、閣下に訊いて

みる事にする。

 朝から張り込みを開始。

「お姉様。何故、アンパンと牛乳を持って、隠れているのですか?」

 深雪が引き気味に訊いてくる。

 フッ、張り込みに必須なアイテムだからさ!っていうのは冗談だけど。

「うん。実は朝食食べてないから、今食べようと思って」

 これなら待ってる間に、すぐ食べられるし。

 こんな事してんの、私だけなんだよ。まあ、お行儀が悪いのは確かだしね。

「そういえば、今朝いらっしゃらなかったですけど、何かあったのですか?」

 朝食は作り置きしたよ。二人分。

「うん。ちょっと情報屋のとこに行ってた」

 深雪が美しい眉を僅かに顰める。

 達也もあまりいい顔をしなかった。

 信用できる人なんだけどね。

 私はその人物の命の恩人だし、後暗い秘密も共有している。

 ネットで漁れる情報は漁ったから、今度はネットにない情報を漁る。

 今も昔も、ネットに全て情報が上がる訳じゃない。

 そんな情報を得るには、やっぱり人間を攻めるのが一番だ。

 

 なんとか閣下が来る前に、食べ終える。

 勿論、お口のケアは忘れません。簡易的なものになるけど。

 技術革新舐めたらあかんぜよ。

 

 そして満を持して向こうから、只者ではない気配が…って嘘です。はい。

 閣下が来るのが見える。

 そして、ある程度接近してから、達也が声を掛ける。

 予想していなかったのか、原作通り普通の対応。

 いつもの…すいません。

 何やら殺気じみたものが飛んできたよ。怖い。

 達也に察知させないとは、やりよるわ。

 私がバカな事を考えている間に、話は進行していた。

 纏めると、やっぱりエガリテ御一行様は、何も考えていないらしい。

 

 彼らの主張。平等じゃなきゃ認めない!何が平等か分かんないけどね☆。

 

 何考えてんだか…。

 それで我らが生徒会長閣下は、公開討論会をやって上げる事にしたらしい。

 勿論、生徒会からは閣下が出陣する事になる。

「それでね。壇上にはハンゾー君にも上がって貰うんだけど、達也君と深景さんにも待機して

ほしいのだけど」

 まあ、達也起用は理解できる。

 達也の魔法式読み取りは、知られてしまってるからね。扇動してる魔法士対策でしょう。

 でも、私が待機する意味が分かりませんが?

「貴女も鋭敏な感覚を持っているんでしょ?」

「……」

 調査での聞き取りの時かな。

 達也と深雪は表情にこそ出さなかったけど、警戒が一レベル上がっている。

 

 油断ならない人だね。バレてましたか。まあ、ですよね。

 

 

               2

 

 そんな朝の一幕を乗り越えて、昼。

 

 私とエリカは、カフェテリアで壬生先輩と向き合っていた。

「ごめんね。付き合わせちゃって…」

 深雪には心配されたけど、説得してこっちに来たよ。

 その甲斐あって、壬生先輩から興味深い事を聞けた。

 似非インテリ眼鏡の話とか、壬生先輩を祭り上げるバカ計画とか。

 エリカは視線を鋭くして聞いていた。

「千葉家の力で保護って訳にはいかないか」

 私の言葉にエリカが首を振る。

「具体的に何しようとしてるかも分からないんじゃ、無理ね」

 危険度が高いと予想できないとダメですよね。

 となると。

「壬生先輩。桐原先輩のナンバー分かります?」

「まあ、登録してあるけど…」

 壬生先輩の言葉に、エリカがへぇ、といったような顔になった。

 ニンマリとした顔で、まるで猫が獲物を狙っているような感じ。

「別に!最近、一緒に練習する事が多いし、それで…」

 慌てて否定するも意味はない。女の子というのは恋バナ大好きな生き物なんじゃ!

 と、それはまた今度ゆっくり聞くとして。

「通信端末貸してくれます?」

 話が逸れたのを幸いに壬生先輩が、サッサと通信端末を私に渡す。

 桐原先輩に通信できる状態で渡されたので、ナンバーを見ないようにして掛ける。

 すぐに本人が出た。

『どうした?』

「すいません、司波です。壬生先輩じゃなくてすいません。因みにデートはまだですか?」

「ちょっと!」

 壬生先輩が慌てて手を伸ばすが、渡しはしません。

『余計なお世話なんだよ!』

 桐原の兄貴。動揺が凄いね。惚れてるってバレバレな返答ですがな。

「今、どちらに?」

『帰ろうとしてたとこだよ』

 声が震えてますぜ?

「カフェテリアの入り口じゃないんですか?」

『……なんの事か分からなねぇな』

「そうですか。じゃあ、入り口からこちらを窺っているのは、勘違い野郎ですか」

 エリカと壬生先輩が入り口を凝視する。

「ストーカーとは許せませんね。安心して下さい、壬生先輩。ストーカーは社会的に抹殺

しますから」

 壬生先輩は、私の突然の宣言に戸惑っている。

「取り敢えず、犯人の画像を入手して証拠を捏造すればいいでしょう」

『何、サラっと犯罪行為やろうとしてんだよ!!』

「女子剣道部更衣室から、壬生先輩のショーツを顔面に装着した状態で出てくる映像に

しましょう。これで確実に殺れます」

 所謂、究極変態仮面スタイルですよ。

 あれ、女の子にとって笑いより恐怖を感じますからね。私だけかな?

「ちょっと!!それ、私も死ぬわよ!!恥ずかしくて!!」

 壬生先輩は、真っ赤になって抗議している。

『「テメェ!何、冤罪作ろうとしてんだよ!!」』

 入口の方と端末から同じ声が聞こえてくる。

「入口から桐原先輩の声が聞こえてますが?この糸電話みたいなヤツ、まだやります?」

『ホント!質の悪ぃ女だな!』

 それほどでも。

 

 桐原先輩は観念してこちらに歩いてくる。

 それを壬生先輩は冷ややかに見ている。

 エリカは生温かい視線を向けている。

 

 そして、ラストを飾るのはこの私。

 サムズアップ!

「ドンマイ!!」

 

「テメェの所為だろうがぁーーー!!!」

  

 

               3

 

 結局は騒ぎ過ぎで場所を移した。

 例の閣下愛用のベンチへと。

 エアポケットになってるっていってたけど、ホント人が来ないんだわ。

「桐原君。結局、立ち聞きしてたって事でいいの?」

「立ち聞きする積もりはなかったが、聞こえちまったんだよ。身辺に気を付けろとか

なんとかいってんのがよ…」

 どうも、全部立ち聞きした訳じゃなくて、部分的に会話内容を聞いたが正解らしい。

 それで桐原兄貴は、自主的に護衛に就いていたらしい。

 怒った壬生先輩を宥める為に、私は口を開いた。

「まあまあ、桐原先輩も壬生先輩が心配で、ついやってしまった事ですから」

「ついってなんだ!ついって!」

 まるで罪を犯したようないい方に、カチンときたようだ。

 私は桐原兄貴を無視して、エリカに視線を向ける。

「どう?来てる?」

「馬鹿話だと思ってくれたか、ここに来たらバレるから追ってこなかったか分からない

けど、大丈夫」

 壬生先輩は怪訝な顔で、桐原兄貴は押し掛け護衛だけあって表情が引き締まる。

 カフェテリアで壬生先輩を窺ってたのは、桐原兄貴だけじゃないからね。

「もう桐原先輩も巻き込みましょう」

 私の言葉に、壬生先輩は仕方なさそうに溜息を吐いた。

 

 そして、壬生先輩から改めて説明して貰う。

 

 説明を聞き終えた桐原兄貴の顔に、危険なものが浮かぶ。

「成程、じゃあその郷田って奴と話せば、壬生は安全って事だな?」

 んな訳ないでしょ。

「それはダメでしょう。そのジャイアンも煽られている一人でしょうし」

 私を除く全員に?が浮かぶ。ドラえもんネタが通じない!?

 でも気にしない。

「つまり、その件の人物を片付けても、次が湧いてくるって事です」

 桐原先輩は舌打ちする。

「そこで、桐原先輩。正式に壬生先輩を護衛して貰えませんか?突然、私達が周りを

うろつくと不審に思われるでしょうし」

「そんな護衛なんて!」

 壬生先輩が難色を示すが、ここは呑んで貰わないと。

「正直、もっと護衛がほしいくらいなんですよ。実際」

 私の言葉に壬生先輩が言葉に詰まる。

 桐原兄貴だけじゃ、正直不安だけど、あんまりゾロゾロ連れ歩くのもなぁ。

 八雲先生に派遣して貰うかな…。

「だが、問題もあるぞ」

 桐原兄貴が真面目な顔でいう。何?

「俺が色々と誤解された事だ!!」

 ああ、そんな事?

「大丈夫ですよ!健気な男の子の行動として、生温かく見守られた筈です!!」

「う~ん。そう聞くとキモいかも」

 エリカ。ここは空気を読みましょう。

 

「大丈夫な要素ねぇじゃねぇかーーー!!」

 

「でも、護りたいんですよね?」

 一転して真面目に私は訊いた。重要な事だ。

 桐原兄貴も真剣な表情で頷いた。

「桐原君…」

 ハイハイ。恋バナは、この件が片付いたらゆっくりと聞くから。

「壬生先輩。もし、お仲間から何か訊かれたら、桐原先輩との関係に悩んで相談したって

事にして下さい。あと口裏合わせといて下さいよ?」

 余計な事は、話さないようにお願いしますよ?

 その為のおふざけだ。まあ、楽しんだけどね!

 そんな事は、おくびにも出さずにいう。

 壬生先輩も承知してくれた。

 

「護って上げて下さい」

 私の言葉に桐原兄貴が苦笑いする。何故に?

「その顔はズルいな」

「?何がですか?」

 

 エリカが私の肩を気にするなとばかりに、ポンポン叩いた。

 

 いや、意味分かりませんが?

 

 

               5

 

 さて、私は九重寺に来ています。

 達也と深雪も一緒にね。

 そこで、似非インテリ眼鏡の調査結果を聞いている。

 どうも、達也襲撃犯と同一人物らしいのと、最近美月に声を掛けていたらしい。

 壬生先輩の話とは、食い違う行動だ。

 因みに、調査結果は、原作と同じ内容だったよ。

「それで?深景君の情報はどういったものかな?」

 情報を語った後、私に訊いてくる。

 私はタブレット端末を取り出す。

「今日、壬生先輩から相談を受けました。それで興味深い事が聞けました」

 タブレットを操作する。

 名簿が出てくる。

「これはもしかして…」

 深雪が困った顔で私を見た。

「うん。壬生先輩の交友関係のリスト。いけないね。年頃の娘さんが」

 もうちょっとセキュリティに気を遣わないと。

 あまり感心しないといった顔の深雪を、取り敢えず見なかった事にして続ける。

 結論からいえば、おかしな動きをしてる人はいなかった。

 通話記録、メール、接触している人物もエガリテ関連以外は、おかしな事は

なかった。

 エガリテ関連も、ブランシュ逮捕後距離を取る人間が増えていた。

 だから、気付かなかったんだよね。

 似非インテリも、エガリテから距離を取っている人間の一人だったのだ。

 で、今回の話だ。

 どこでそんな情報を手に入れたんだろう?

 あのチキン支部長かな?いや違う。

 あのチキンは家に帰っていない。

 

 監視社会。怖いですねぇ。

 

 それで的を絞って探ったよ。

「さてさて、お立合い」

 ある映像を二つタブレットに表示して、順番にタップして拡大。

「通信端末が違うね」

 達也がすぐに気付く。

 その通り。デザインは、ほぼ変わらないのに、よく分かったね。

 これは、ブランシュやエガリテが使ってる違法な端末って訳でも、()()物でもない

んだな。

 違法端末の出処を調べ上げれば、それぞれに特色があるからね。

 二つの組織で使用している物とは、違うと断言できるよ。

「いやいや。恐ろしいねぇ。ここまで調べ上げるんだから」

 私の調査を聞き、八雲先生がおどけたような口調で冗談を飛ばす。

 響子さんだったら、最初の調査で気付いてたかもね。

 私も経験が足りない。

「褒めて頂いて光栄ですけど、ここで行き止まりでした」

 奴の持ってる片方の端末は、履歴や通信先が不明だった。

 この端末の情報がない。

 ネットじゃ、ここが限界。

 情報屋に追加で調べて貰ったけど、他の国の軍関係かもとしか分からなかった。

 どうせ、他国って困ったちゃんでしょ。

 本来、頼んでたのは分かったからいいけど。

「情報屋の調べじゃ、ブランシュ支部長は逮捕騒動の後は、隠れてるみたいよ。

 新宿の怖いオジサマのところに滞在してるみたい」

 八雲先生が、ああっと地味な反応。知ってんだ。ですよね。

 達也に深雪が顔を顰める。

 そこまで嫌わなくてもいいじゃない。

 そして、最後に私は壬生先輩の護衛をお願いした。

「うん。いいよ。何人か付けておくよ」

 勿論、お金掛かりますよ?自腹だけど、それで人の安全が買えれば安いでしょ。

 

 

               6

 

 公開討論会当日。

 ここまでに動きなし。あるとすれば、今日なんだけどね。

 生活主任の先生が、くれぐれも問題を起こさないようにといってきた。

 原作では、この先生で交渉終了な筈なんだけど、こっちじゃ違った。

 校長にまでお鉢が回ったよ。

 しかし、ブーメランですな。

 結局、主任さんが監督役に。

 あンた、背中が煤けてるぜ。

 エガリテ御一行様が、参加を呼び掛けただけあって、人が多い。

 一科生の方もそれと同じくらい多い。

 バランスいいですよね。

 チクリと市原さんが、嫌味をいっていたけど。

 渡辺お姉様は、実力行使前提です。

 私達は待機。

 そして、閣下とエガリテ御一行様の討論。

 閣下の演説会に変貌しています。

 ヤル気がない連中とじゃ、そうだよね。

 はてさて、原作通りに事が起きるのかな?

 

 な~んて、考えていると空気が変動する。勿論、実際に変動した訳じゃない。

 直感に従い視線を移動させていく。

 おや?なんか光りましたよ。

 っと!これは!!

 私は走り出す。誰も止める間もない。

 舞台では丁度、閣下のターン。

 私は閣下を横抱きにして、スライディング。

 それと同時に窓が割れ、閣下の頭があった場所に銃弾が通過する。

「達也、深雪!!狙撃手!!」

 二人の顔は確認できない。

 でも、分かる。

「深雪」

 達也が深雪の肩に手を添える。

「愚か者」

 深雪の絶対零度の声。

 今頃、狙撃手は氷の彫像になっているだろう。

 私は接近してきたカンゾー君に、閣下を投げ渡す。

 閣下が似合わぬ可愛らしい悲鳴を上げて、カンゾー君の腕に納まる。

「おい!!司波!!」

 私は答えずに、舞台を飛び降りる。

 

 閣下の決意表明なかったけど、機会を再度作っていうんだろうな。

 重要な話だしね。

 

 エガリテ一同、行動開始。行動終了。

 

 窓ガラスが割れて、榴弾が飛び込んでくる。

 私は懐から十手を取り出す。私が刻印を刻んだものだ。

 想子剣。サイオンの剣を造り出すだけのCAD。

 不可視の剣が形成される。

「落合流・首位打者剣!!」

 見事なスイングで打ち返す。突き破った窓から外に榴弾が出ていく。

 う~ん。無敵。

 外で煙が上がっている。

 某・鉄火場が嫌いじゃないマフィアがいってました。ビビったら負けだと。

 だから、これでいいんです!

 立て続けに爆発音が起きる。

 これ、学校で起きる事件じゃないよね。

「姉さん!」

「お姉様!」

 達也と深雪が駆け付ける。

 それじゃ、晴れて潰しにいきますか。

 私は二人と駆け出した。

「気を付けるんだぞ!!」

 渡辺お姉様の声が掛かる。

 

 いってきます。 

 

 

               7

 

 :桐原視点

 

 公開討論会があるが、今日俺達は参加しない。

 真っ直ぐ壬生を送って帰る。

 俺は周囲を警戒しつつ、壬生と並んで歩く。

 あの一件以来、生温かい視線を向けられる事が増えた。

 服部にも、壬生と一緒にいる時によかったな!とかいわれた。

 違うんだよ!こんななし崩し的な事じゃなくてよ。

 もっとちゃんと!って…今、それどころじゃねぇな。

 俺はポケットの中の短い柄を確かめる。

 司波姉が俺に寄こした物だ。

 護衛をやるに当たり、遠距離攻撃がそれ程得意という訳じゃねぇ俺にアイツが

寄こした代物で、柄に付いているスイッチを押すと短い刃が出る。

 圧斬りを発動させる事に特化しただけでなく、刃を手裏剣のように飛ばす事も

できる優れものだ。なんでも刻印と魔法陣を組み合わせて刻んだものらしい。

 何者だ?あの女。

 いつも竹刀や真剣を、持ち歩く訳にいかねぇから、助かるがな。

 

 そして、人通りが段々と疎らになっている事に気付く。

 古式の術式か?魔法の気配がする。

 街中で大胆にも程があるな。バカなのか?

 これならすぐに警察が飛んでくる。最悪時間稼ぎをすればいい。

 壬生も気付いている。

 視線を交わす。

 足早に歩く路地に差し掛かると、突然車に進路を塞がれた。

 案の定かよ。

「壬生。下がってろ」

「冗談じゃないわ」

 おい!

 壬生は警棒を取り出している。

 やっぱり、司波姉が渡した物だ。

 後からも車が来て停車。

 同時に二台の車から野郎が、ワラワラと出て来た。

「なんか用でもあるのか?そんなとこ停めると邪魔だぜ?」

 俺も既にポケットから得物を取り出している。

「同志・壬生。一緒にきてくれ」

 ガタイのいい男が口を開く。

 一斉に襲い掛かってくる。問答無用って訳か!

 遠慮は無用だな。

 俺は素早く圧斬りを発動。不用意に手を伸ばす野郎を斬り倒す。

 殺しちゃいねぇよ。

 連中が怯んだ隙を、壬生と俺は見逃さなかった。

 次々と打倒していく。

 ガタイのいい男へ斬り掛かろうとした時、ガタイのいい男が右に一歩ズレる。

 そこには、一人の男が拳銃を構えていた。

 コイツ!いつからいやがったんだ!

 躊躇なく引き金が引かれる。

 咄嗟に回避したが、凄まじい衝撃が肩を貫く。

 情報強化の弾丸だと!?

 堪え切れずに地面に転がる。

 意識が途切れそうになる。だが、そんな事は許されねぇ!

 立ち上がろうと顔を上げると、銃口が額に向けられていた。

 こんなとこで、終われるか!!

 

 だが、引き金が引かれる事はなかった。

 俺の前に壬生が立ったからだ。

「止めて下さい!」

「お前次第だな」

 銃を持った男が、初めて口を開いた。

「おぃ!止めろ!」

 壬生が俺の制止を無視して、警棒を捨てる。

「ごめんなさい…」

「壬生…!!」

 衝撃が襲う。

 

 俺の意識はそこで途切れてしまった。

 

 

               8

 

 :九重寺僧侶

 

 お嬢さんの護衛だが、今日が襲撃が起きる可能性が高い。

 気を引き締めて務めていた。

 だが、不覚にも気付かれたようだ。

 居場所まで掴まれている。接近してくる。

 他の者に指示を出して、警護対象者のところに行かせようとするが、複数の敵が

接近していた。

 背広を着用しているが、日本人ではあるまい。

 気が男から立ち昇る。

 

 これは道術か!?

 

 戦闘を正面切って行う事になろうとはな。

 

 

               9

 

 :???視点

 

 爆発音が複数聞こえてくる。

 これで、仕事は終了だ。

 予想外に魔法が気付かれたりもしたが、終わってみればこんなものだ。

 それにしても、日本であの瞳に出会うとは、思わず声を掛けてしまった。

 できれば、拉致したいところだが、今回は見送るべきだろう。

 声を掛けていたところを見付かったが、言い訳は幾らでも出来る状況だった。

 問題ない。

 それにこの学校にあの瞳の持ち主が、いるというだけで収穫だったのだから。

 それにしても、あの娘を計画後に演説に使うという話だが、使えるのか?

 まあ、これはあちらの問題だ。

 

 好きにすればいいさ。

 

 

 

 




 壬生先輩拉致られました。
 美月拉致フラグ立ちました。回収されるか今のところ不明。
 おい!

 入学編ラストに向けて頑張ります。
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