司波家の長女は何をする?   作:孤独ボッチ

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 まだ、エスケープ編読んでないですわ。
 いつ読めるかな。
 多分、完結まで読まないんじゃないかと懸念しとります。

 それでは、お願いします。


入学編7

               1

 

 一番戦場みたいになってる場所へ、私達は走る。

 本命は原作通り、図書館だと思うけど無視はできない。

 実技棟、映像でしか見た事ないような事になってるもん。

 全く、この学校は、日本にあるんじゃないの?

 原作知ってても疑問に思うよ。目の前の情報を拒否したくなるよ。

 実技棟、ロケットランチャー食らってますよ。

 許されるなら、回れ右したい。

 途中出会ったテロリストは、原作よりマシな練度の連中のようで、戦闘に参加している

生徒は、乱戦の上に押されている。

 なので、三人でお掃除しながら進む。

 

 レオ君が暴れているのが見える。

 私は更に加速し、深雪が魔法を使う為に急停止。達也は深雪を護る為、一緒に停止。

 レオ君は順調に敵を薙ぎ倒していたが、相手はレオ君を難敵とみたか、包囲に入って

いる。レオ君も気付いているけど、目の前の相手に精一杯だった。

 一時包囲している連中が、深雪の魔法でお空に旅立つ。

 私は、その後からバックアップしようとしている連中の傍を、流れる水のように走り

貫ける。その度に、テロリストは想子剣で打ち据えられて、倒されていく。

 気付いた連中も反撃を試みるが、そんな事はさせない。

 乱戦にしたのを後悔しなさい。

 戦っている生徒と、テロリストの中を駆け抜ける。

 敵を巧みに盾にして打ち倒し、盾がなくなれば魔法師用の高速弾を斬り落とす。

 咄嗟にナイフを取り出した最後の男を斬り伏せた。

 取り敢えず、ここはこれで全部かな。

 

「達也、深景!助かったぜ!!」

 レオ君が爽やかに礼を言ってくる。

 残念だけど、まだ終わってないわ。

「魔法を使ったのは深雪だ。俺じゃ、あんな事はできない」

 達也が冷静に訂正する。

「そうだったか。ダンケ!深雪!」

 素直に深雪に感謝し直すレオ君。

 深雪はニッコリ笑って礼を受ける。

 

「レオーー!!」

 エリカの声が聞こえてくる。

 エリカが自分の警棒とレオ君のCADを持って、走ってきた。

「既に援軍が来てたか…」

 ドンマイ!エリカ。まだまだいるから、あの連中。無駄じゃないよ。

「どうなってんだ?これ」

「テロリストが入り込んだ」

 レオ君の疑問に端的に達也が答える。

「物騒だな、オイ」

 レオ君の顔の方が物騒ですよ。獰猛に笑ってますよ?顔が。

「それじゃ、問答無用にブッ飛ばしていい相手って事ね?」

「ああ。生徒じゃなければ手加減無用だろう」

 エリカの問いにも簡潔に達也が答える。

 それとエリカ。貴女の顔もヤバいから。

「高校って、思ったより楽しい場所ね」

 異議あり!こんな楽しい要らない!ラブ&ピース!

 因みに、レオ君とエリカが居残ってたのは、自主練を結果的に二人でやってたから

だそうだ。これ、説明する時の慌てっぷり。もう付き合っちゃいなよ。

 教師が常駐している場所は、怪我人は出たみたいだけど、粗方制圧したみたい。

 少しぐらい、襲撃者の実力が上がろうが護ってくれる。有難い事で。

「陽動か…」

 達也が今までの材料から、正解に行き着く。

「討論会もでしょうか?」

 深雪が達也に疑問を投げ掛ける。

「まあ、体よく使われたってとこでしょ」

 それには、私が簡潔に答えて上げた。

「これからどうするかだが…」

 達也が呟くようにいう。

 だが、考えるまでもなく正解は示される。

 

「本命は図書館よ」

 そこには小野遙先生がいらっしゃった。

 

 

               2

 

 小野先生の格好は、チャンと防御を考えたものだった。

 金属繊維でできた服を着込んでいた。

 こんなところに、ノコノコ出てくるだけありますね。

 それにしても、ロリ巨乳ですね。ここまで絵に描いたような存在、この世界ならでは

じゃないですかね。十文字さんと逆の年齢詐称してませんか?

「主力は既に図書館内に入り込んでいるわ。生徒達もね」

 全員の訝し気な視線を向けられる小野先生。

 そりゃ、こんな意味あり気な登場すれば、こうなりますよ。

 表面上は平然としてるけど、貴女動揺してますよね?

「後ほど、説明して頂けますか」

 達也の素っ気ないセリフが、小野先生に突き刺さる。

「却下します、っといいたいけどダメよね。その代わり、お願いがあるの」

「なんでしょうか」

 達也のどこまでも素っ気ない態度にも、今度は怯まなかった。

 ま、いわなきゃいけない事だからね。

「カウンセラーとしてお願いします。彼等に…生徒達にチャンスを上げて貰えないかしら。

彼等も魔法科高校という特殊な場所で悩んでいたの。私も相談に乗ったけど、彼らの力に

なれなかった…」

 小野先生の顔には悔しさが滲んでいた。

「甘いですね」

 達也はバッサリと切り捨てる。

 今度は私が口を開いた。

「小野先生。図書館に主力が向かっていると掴んだ方の立場の貴女は、何をしたかった

んですか?」

 小野先生は言葉に詰まってしまった。

 答えは聞かなくていいだろう。

「もういいよ。行こう」

 私はみんなを促して走り出す。

 後からレオ君が声を上げていたけど、今はそれどころじゃない。

 

 結局、レオ君も付いてきてるし。

 

 

               3

 

 図書館前は、ルール無用の大乱闘中だった。

 三年生連合は、押され気味とはいえ、どうにか踏ん張っている。

 流石です。欲をいえば、片付けてほしいけど。

 そして、私達を追い越していく人物がいた。

 古の古城城壁に匹敵する男。レオ君である。

 雄叫びを上げてレオ君が、乱闘中の集団に突撃。

「パンツァーーーー!!」

 フォー!!

 っと、ネタをブチ込んでる場合じゃないですね。

 走っている最中に、レオ君のCADと魔法についての説明が語られる。

 サラッとエリカが原作通りにディスった。

「ここは俺に任せて、先に行け!!」

 知らない事は幸せな事もある。

 折角、格好よく決めたのに、ディスられたなんて知らない方がいいでしょ。

「よろしく!」

「気を付けろよ!レオ!」

 私達は、漢の横を駆け抜けた。

 

 死ぬんじゃないよ。

 

 

               4

 私達は図書館内に侵入した。

 達也が精霊の眼(エレメンタルサイト)で、図書館内を探る。

 いやはや、便利だね。

 私の特典?今は使いませんよ?達也がいるし。

 特別閲覧室に四人。閲覧室外に二人。階段の上り口に二人。上り切ったところに二人。

 少し原作より多いかな?

「凄いね。達也君がいれば待ち伏せなんて意味ないね。敵に回したくなよ」

 若干、引き気味にエリカが感想を述べる。

「特別閲覧室で何をやってるかは、考えるまでもなしっと」

 クラックしてる訳じゃないらしいし、原作通り機密文書の強奪でしょ。

 ここまでやって、やってる事同じって…。まあ、いいけどね。

「ええ!?じゃあ、普通にスパイ活動!?うわっ!」

 エリカが顔全体でつまんねぇーー!っていっている。

 現実なんて、そんなもんさ。

 

「それじゃ、せめて露払いくらいしますか!」

 エリカが飛び出して行く。

 階下にいたモロバレ要員1・2号が、エリカに突撃していく。

 南無阿弥陀仏。

 エリカにあっと言う間に、警棒で叩きのめされてしまいました。

 描写?必要ないくらいアッサリ終わったよ?

 

 それじゃ、私は階上にいるモロバレ要員3・4号を、片付けますか。

 私は、達也と深雪より先にジャンプして階上に降り立つ。

 3・4号が襲い掛かってくるが、それぞれ一太刀で打倒す。

 お手々の皺と皺を合わせて(以下略)。

 

 エリカに門番をやって貰い、私達は特別閲覧室へ急ぐ。 

 

 

               5

 

 ここも精鋭が踏み込んだとはいえ、所詮は雑魚キャラ。

 入り口のモロバレ要員5・6号は、達也の魔法でアッサリと無力化された。

 塀の中で養生して下さい。

 

 頑丈な扉も達也の前には、襖と変わらない。

 アッサリと破壊。ギャグみたいに向こうに扉が二枚とも倒れた。

 中の連中は流石というべきか、すぐさまライフルを撃ちまくる。

 だけど、こんなに近くちゃね。

 回避と同時に深雪が、ライフルをすぐに凍結させて使い物にならなくした。

 止めは、達也が魔法を人数分打ち込んで戦闘終了。

 ワンサイドゲームもここまでくると、敵が哀れですね。

 

 そして、私は、ここまでほぼ何もしてないよ。素晴らしい。

 

「なんでだよ!お前達だって二科生じゃないか!!悔しくないのかよ!!」

 私が感慨に耽っていると、横から水を差す喚き声がする。

 声の発生源は、男子生徒だった。

 あれ?まだ残ってるよ?ああ、撃ったの三人か。

 確か放送室占拠事件の際、いたような?空手部の…コータローさんでしたっけ?

 どうやら、私と達也に向けていっているらしい。

「お前等だって、馬鹿にされただろ!?侮蔑されただろ!?これは必要なんだよ!!」

 こりゃ、酷いな。なんの疑問もない訳?

 呆れてものがいえない私に代わり、深雪が口を開く。

「私は御二人を誇りに思っています。例え全世界が御二人を認めなくとも、私は変わらぬ

敬愛を捧げます」

 揺るぎのない深雪の態度に、コータローさんがたじろぐ。

「確かに御二人を蔑む愚か者は、存在します。そんな有象無象の言葉で私の心が変わる事

はない!!」

 ほぼ全世界の人間を、有象無象扱いした気がするが、私はスルーできる!

 伊達に、この子と生活を共にしている訳じゃない!

 

 私が深雪の過激発言と脳内対決している間に、コータローさんは投降した。

 あの迫力からは、逃げられないよね。

 

 

               6

 

 :???視点

 

 もうじき、校門を出る。

 少し早足で、近付いていく。

 あの騒ぎの最中、自分を呼び止める暇人もいないだろうが、可笑しな行動を取る訳に

いかない。

「おう!司!帰んのかい?」

 随分と砕けた声が掛けられる。

 暇人はいるものらしい。

 声の主は、成り済ましている人物の知人だ。友人という訳ではない。

 俺は振り返ると、当人が立っていた。

「辰巳か。それは帰るだろ。こんな状況で居残る方が危険だろう」

 動揺するような事は、一切ない。

「そりゃ、そうか!部活なんてこの状況じゃ、できねぇわな!」

「ああ、そういう事だ。こっちは無力な二科生なもんでな。帰るぞ」

 そういうと、サッサと歩き出す。

「まあ、待ちな。ちょっと聞きてぇ事があんだよ」

「この危険な状況でか?」

「ああ。今じゃなきゃ、不味いんだよ」

 俺はワザとらしく溜息を吐く。

「なんだ?」

 俺は顔に不快感を出す。

「ウチの委員長はよ。感心できねぇ特技があってよ。気流を使って複数の香料を掛け合わせ

て、自白剤を造っちまうんだよ」

 俺は呆れ果てたように、装う。

「それは確かに感心しないな。いっていいのか?それは」

 最近の学生は、何をやっているんだ。

 本気で呆れる。

「あー。分かった。単刀直入にいうぜ?風紀委員本部に来てくれや。お前が手引きしたって

事は、もうバレてるからよ」

 俺は鼻で嗤ってやった。

「さっき違法な手段で訊き出した、といっていたじゃないか。渡辺が誘導尋問していわせた

んじゃないのか?」

 俺は、厳しい表情で辰巳を睨み付けてやった。

 辰巳も厳しい表情だ。

「司先輩!!ご同道願います!!」

 後から威勢のいい声が放たれる。

 確か、沢木とかっていったか。

「実力行使…という訳か?」

「大人しく来ねぇってんなら、仕様がねぇわな」

 俺は、持っていた鞄を投げ捨てる。

 二人は既に戦闘態勢に入っている。

 中々鍛えられているじゃないか。

 俺も無言で構えを取る。

「それは抵抗するって事でいいのか?司」

 何を今更。

「俺を叩きのめせたら、本部でもどこでも行ってやる」

 二人は警戒する。

 すぐに弱者と見て掛かってこなかったのは、評価できるが、相手の実力の把握が甘いな。

 スムーズに魔法を発動させ、まずは辰巳に接近する。

 突然、間合いに入られても、辰巳は動揺せずに後退を選択。

 だが、もう騙されている。

 振り抜かれた拳が、辰巳の顎を捉える。

 俺は間合いも誤魔化していたんだよ。

 倒れこそしなかったが、よろめく。

 俺の拳が蛇のように鋭く、陰湿に辰巳を捉える。

 遂に、辰巳が掌底を受けて、吹き飛んだ。

 ここまでで、ゼロコンマの時間。

 後の沢木には、辰巳が一瞬で倒れたように見えただろう。

 学生の防御など、紙に等しい。

 沢木が奇襲のつもりか、飛び蹴りを放つ。

 挙動の大きい攻撃は、隙を生むものだ。

 アッサリと蹴りを避けて、拳だけで沢木を沈める。

 

 倒れ伏している二人を見下ろし、俺は呟くようにいってやった。

「よかったな。本当なら、死んでいたところだぞ?」

 

 俺は、何事もなかったように学校を去った。

 

 

 

               7

 

 怪我人多数を出して、ようやく鎮圧。

 見えないところで、生徒会や風紀委員も頑張っていたようだ。

 勿論、部活連も。主に十文字さんが叩きのめしたらしい。

 ファランクスを使わなくても強い。

 あとは、エガリテの溜まり場に行って残りを潰して、チキン支部長を源田刑事に逮捕

して貰えばいいでしょ。

 精神干渉魔法の使い手にお仕置きするのも、忘れてはいけない。

 タチコマは、追尾できてるかな?

 こんな事もあろうかと、今回は真田大尉に設計者権限で借りました。

 ストーカーごっこの結果は後で聞くとして。

 なんて考えていると、通信端末が呼び出し音を鳴らす。

 な~んか、こういう時の電話って、嫌な予感がするですけど…。

 出ない訳にいかないからね。通信に出ると八雲先生だった。

『深景君!済まない!実は…失敗しちゃってね』

 最悪だ。私は天を仰いだ。

 

 私達は保健室に来ていた。

 生徒会などの主だったメンバーも集合している。

 怪我人で溢れ返っている。まるで野戦病院ですよ。

 そこのベットの一つに、桐原兄貴が寝ていた。

「面目ねぇ…。それしかいえやしねぇ」

 話を聞くと、仕様がないね。

 ここを襲った連中より、凄腕が混じっていたんじゃ。

 相手は、情報強化の弾丸を撃ってきたそうだ。

 寧ろ、至近距離から弾丸を受けて、意識を飛ばさなかったのは、大したものだ。

 壬生先輩は、桐原兄貴を護る為に投降したという。

 桐原兄貴の顔色は悪い。どす黒いよ。入院した方がいいよ。

 

「それで、どうする?」

 渡辺お姉様が、兄貴の話を聞き終え閣下に意向を確認する。

 風紀委員の二枚看板が、似非インテリモドキを捕らえようとしたらしいけど、これも

失敗している。因みに、二人は保健室のお世話になっている。

 達也経由でアレをマークしていたらしい。

 証拠を掴んでいざ!で、負けたと。

「校内なら兎も角、外で拉致となるとね。これは警察かしら…」

 校内なら面子の問題もあったって訳ですか。

 全員が無言だった。

 

 それじゃ、間に合わないかもしれないでしょ。

 

 私は踵を返す。

「深景さん?どこ行くの?」

 閣下の声が背に掛けられれる。

「帰るんですよ。雑用には荷が重い話ですし」

 私は背を向けたまま、答えた。

「姉さん。まだ外は危険だからね。送っていくよ」

 達也が拒否を認めない口調でいった。

「あら、お兄様。私は送って下さらないのですか?」

 深雪が揶揄うようにいう。

「勿論、送っていくつもりだったさ」

 ハイ、そこ。二人の世界を作らない。

「そうね。私も一学生だし。帰ろうかな」

「俺も帰るわ」

 エリカとレオ君コンビは、とてもこのまま帰宅するとは、信じられない口調だった。

「!!俺も!帰らせて貰えますか。こんな怪我人だらけのところを占拠したら、

申し訳ないですからね」

 桐原兄貴が無茶をブチ込んできた。

 兄貴の傷は、魔法で治療済みだが、再成じゃあるまいし、一発で治らない。

 魔法が定着するまで、大人しくしている必要がある。

 

 生徒会メンバーは頭痛を堪えているのが、背中越しにも分かる。

 

「ならば、俺が車を出そう。防弾仕様の車だ。徒歩よりいいだろう」

 重々しい声が響く。十文字さんだ。

「十文字君!?」

 閣下の驚愕の声が木霊する。

「止めても、こいつ等はやる。ならば、監督役が必要だろう」

 私、やるといってませんが。どうして分かるんですかね?

 渡辺お姉様を筆頭に、自分も行くという申し出を十文字さんは却下した。

 まあ、ですよね。

 

 私を怒らせた事を、後悔させて上げないとね。

 

 

               8

 

 私は一人、トイレによっている。みんな、主に兄貴の支度があるし。

 八雲先生は、このままお仕舞では沽券に係わると、弟子を襲撃した道士を担当して

くれるという。

 依頼料の返却を申し出てくれたけど、断った。

 八雲先生の高弟が、失敗するような相手では責められない。

 これから怪我の治療もあるだろうし。

 便器に座り、タブレットに目を落とすと、タチコマが手を振っていた。

「どう?」

『尾行を警戒しつつ、埠頭方面へ向かっているみたいですね!』

『何度か顔を変えてますけど、僕達は欺けません!』

『元々、医療用に開発された造顔装置を使ってるみたいです』

 タチコマ達が、代わる代わる出てきて喋る。

 その度に資料やデータが提示される。

 顔が病気で崩れてしまった人等を、治療する目的で開発されたものだが、コイツみたい

に犯罪に使う奴がいる為、一般には出回っていない。

 顔を変える程度では、タチコマの解析は誤魔化せない。

 骨格や歩行パターン、僅かな癖、全て解析するんだから。

「そのまま追跡して」

『りょ~かい』

 

 さて、お仕置き行脚に行きますか。

 

 

               9

 

 :十文字視点

 

 家に連絡した車が到着した。

 あとは、連中を乗せていくだけだ。

 司波(男)は、小野先生に情報を訊いている。

 事情をよく知っているのも、当然か。彼女の素性を考えればな。

 

 桐原が歩いてくる。

 安宿先生をどう説得したのか知らんが、よく来れたな。

 あの人は体術のエキスパートだ。いう事を聞かない患者は、容赦しない。

 矛盾しているようだが、実力差で押さえ込めるのだから問題ない…ようだ。

「お待たせしました。他の連中は?」

「小野先生に話を聞いている」

 桐原は訝し気な顔をしたが、結局何も言わなかった。

「何故、無茶をする?ここで無理をすれば、どんなハンデを背負うか分からん訳では、

あるまい」 

 桐原は決然と俺を見返している。

「今、ここで行かなきゃ、俺の剣が死ぬからですよ」

「何故、そこまで壬生に拘る?」

 そこで桐原は、フッと笑った。

「惚れているからですよ。あいつを護らずに誰を護るっていうんです。あいつ一人護れ

ずに、国防に携われると思いますか?ここで何もしなかったら、俺の腕なんぞ、もげた

のと同じですよ。今度こそ護りたいんです、あいつを」

 ここまでいう男とは思わなかった。

「会頭にしてみたら、馬鹿馬鹿しい事かもしれませんが、俺には命を懸ける理由になり

ますよ」

 桐原は最後まで目を逸らす事なく、俺にいった。

 俺は一つ頷いた。

「理解した。一つ訂正がある。馬鹿馬鹿しいとは思わん。上等な理由だ」

 桐原は一瞬、目を見開いた。

 

 話し終えると、残りのメンバーが戻ってきた。

「乗れ」

 一言、全員にいうと俺は車に乗り込んだ。

 

 

 

 




 次回で入学編が終わる予定となっております。
 次回、ようやくオリ主の実力が明らかになる筈です。
 気長に待って頂ければ幸いです。

 
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