SAO フェイタルバレット   作:玄神

11 / 39
10話 幼馴染み

幼馴染みから届いたメールはこうだった。

「やっほー!ちょっと聞きたいんだけど

ましろってゲーム得意だったよね?

GGOっていうゲームを一緒にやって欲しいんだけど、どうかな?」

 

彼女らしい元気な文章だ。

反対にメールを受け取ったましろは元気がない。

メールが来てから24時間以上経つが、返事をまだ返していない。

 

 

自分の部屋の押し入れを開けアミュスフィアを手に取った。

頭に浮かぶのはGGOで仲良くなった2人の事。

 

もちろんアミュスフィアを頭に装着すればすぐにログインできる。

仮想世界を離れる理由になった用事も夏に終わっている。

何となくログインを先延ばしにしていたのは、少し怖かったから。

GGOの中に「エリオス」がどのくらい残っているだろう。

 

そんな事を考えていたら、携帯から電話の着信音が聞こえてきた。

 

ディスプレイには「紅葉」と書いてある。

 

(メールのことか…出ないとな…)

意を決して電話に出る。

 

『ましろー!あんたメールの返事くらいよこしなさいよ』

「返事を返そうと思って、文章をずっと考えてたんだよ」

『本当に?…まぁいいわ。そういう事にしておいてあげる。』

「そんな所が好きだよ紅葉」

『あー、もう!本題に入るわよ!』

 

いつもの調子で話すと、電話の向こうから深いため息が聞こえて来た。

『あんた、GGOの大会に一緒に出なさいよ』

「決定事項ですか」

『VRMMOやったことないだろうけど、あんたなら大丈夫でしょ』

「いや、人の話を聞きなさい」

 

(ALOやらやってるの、紅葉知らなかったんだっけ)

 

『アミュスフィアをまず用意して、それから…』

「あっ、それなら持ってるよ」

『持ってたの!?』

初耳ですよね紅葉さん

「ほら、学校の授業で使うから…」

『あーそういえば、あんたの通ってる学校ってアミュスフィアを使った部活とかもあったわね。

なら、話は早いわ。私が色々教えてあげるから、GGO始めなさいよ』

「紅葉が?すっごく不安だわ」

『ふふーん。あんたは知らないだろうけどね、私の腕前はかなり上の方よ!』

「ほうほう」

『トップクラスのキリトさんやアスナさん…イツキさんにだって…』

「今なんて?」

『だから、あんたに教えるくらい簡単って話よ』

 

(すっごく聞いた事ある名前が出て来たけど、気のせいかな)

 

「うーん、どうしようかな…」

『あんた家に帰っても喋る相手いないんでしょ』

「ひどい言い方だね」

『…おばさん、今も仕事が忙しいの?』

紅葉の心配そうな声が聞こえる。

 

「そうだね。あの人は今も昔も何も変わってないよ」

思ったより自分の口から出た言葉が低く、冷たいのに驚く。

 

『なら決まりね!これは紅葉様からの最優先事項だと思ってGGOを準備すること!』

 

そこで電話は切れた。

何だかんだで幼馴染みに背中を押された気もするが。

目の前のアミュスフィアをじっと見つめる。

 

心なしか電話をする前より気分が良かった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。