「この子がレアアイテム!?」
クレハが驚いた声をあげる。
「ああ。正確にはこの前の大型アップデートで実装されたプレイヤーサポートAI《アファシス》だよ」
光剣を持っていた青年が丁寧に説明してくれた。
「この大会がゲット出来るチャンスだと思ってたんだけどなぁ」
「残念だったね、キリトくん。」
クレハに銃を向けていた女性が青年のことをキリト、と呼ぶ。
その名前を聞いたクレハが驚いた表情をした。
「キリト?一ヶ月でGGOのトップランカーにのし上がったという…あの光剣使いのキリトさん?」
「キリトでいいよ。こっちはアスナ。別のゲームでは《閃光》とか《バーサクヒーラー》とか…」
「キリトくん!もう、余計な事まで言わないで。」
「悪い悪い、仲間のアスナだ。」
「よろしくね、2人とも。」
キリトとアスナ、会ってすぐだがお互いに気心知れた存在なのはすぐに伝わって来た。
「そうそう。アファシス、あたしがあなたのマスターよ!」
思い出したかのように、クレハがアファシスに向かって宣言する。
「わたしはArFA System Type-X A290-00。マスターの登録は既に完了しています。
…シロ、この人がわたしのマスターです。」
「え…そんなー!」
ショックなクレハ。
「やっぱりな。だから倒してもムダだと思ったんだ。」
納得するキリト。
「ちょっと!なんで勝手にマスター登録しちゃったのよ!
あんたのモノはあたしのモノでしょ!」
「登録した覚えは…ないからさ…クレハ、落ち着いてってば!」
必死になだめようとするシロ。
「言い訳したってムダなんだから!あー、もう!」
シロの肩を前後にブンブンッと揺さぶるクレハであった。
*********
「じゃあ、俺たちはこれで。まだ時間は残ってるし、せっかくだから優勝くらいはしとかないな。」
そう言って2人は扉の先へ進んで行った。
「メインシステム起動90…100。
システムチェック…オールグリーン。起動完了しました。」
どうやら起動するまでの動作は完了したようだ。
「マスター。わたしの名前を決めてください!変更は可能ですが、変な名前をつけたら爆発します!」
「あれ?急に口調が変わってない?」
「それは仕様です、マスター!Type-Xはそれぞれ個性ある優れたアンドロイドなのです!」
「それより、早く名前をつけてあげたら?」
「名前かぁ…」
少し悩んで、出した答えは
「決めた!キミの名前は《レイ》だ!」
「…登録完了。想定よりいいセンスで安心しました、マスター」
「ちょっと待ちなさい。」
「え?」
「シロ、あんた何でアファシスにその名前つけたの?」
「え?Type-X A290-00の最後が《レイ》だから《レイ》ちゃんだよ。」
「あんたねー!自分の名前の時と良い、もう少し頭を使いなさいよ!」
「えー覚えやすいじゃん」
「初めて名前をくれたマスターにはこれをプレゼントします!
これは《アルティメットファイバーガン》。通奏《UFG》と呼んで下さい。」
シロはレイから受け取ると、装備した。
「へぇ、初めて見る銃ね。光線銃かな?」
「経験値という情報が不足しているため、マスターの将来は予測不可能です!
だから未知の武器をあげることにしました。実験台ということはないですよ。」
「それって、まだ実装前の武器ってこと?すごい、レア中のレアだよ!」
クレハが珍しそうにUFGを眺める。
「それでは、UFGの使い方を教えてあげましょう。」
こうして1人と1体は大会が終了するまでUFGの練習を眺めていた。