SAO フェイタルバレット   作:玄神

2 / 39
2話 GGOスタート

「エリオス、エネミー発見よ」

「りょうーかい!ツェリスカはサポート頼む。イツキはそのまま後ろを任せた!」

「サポートは任せて」

「頼りにしてくれるのは嬉しいけど、いつかみたいに前に出過ぎないでね」

 

ゴツゴツした岩場で男2人と女1人のプレイヤーが大型の蜂達と戦っている。

 

「とりゃー!!」

 

エリオスと呼ばれた男は岩場を軽やかに飛び跳ねながらサブマシンガンで向かってくる蜂に狙いを定める。

まず先頭を飛んでいた一匹を黙らせる。

エネミーが四方八方から攻撃をしかけてくるのを冷静にかわしつつリロード。

最初にエネミーを発見した銀髪の女性は慣れた手つきでエリオスに攻撃力向上のスキルを使う。

 

そして2人から少し離れたところ、見晴らしの良いポイントから男がスナイパーライフルで的確に狙撃していた。

 

「これで終わりだ」

 

最後の1匹を倒して周囲に敵が他にいないか確認する。

ドロップアイテムを回収するときに漁夫の利を狙ったプレイヤーに気をつける為でもある。

Lv的にも特にレアなアイテムは無かったが、長時間の狩りのおかげで懐は温かい

 

「必要なアイテムは揃ったのかしら?」

サポートに徹していた女性、ツェリスカがエリオスに尋ねる。

「うん、おかげで予想以上に集まったよ」

「気をつけないと、そろそろ弾数の方が心配だな」

 

そういいながらスナイパーライフルを持ち上げる男性、イツキ。

それもそうだな…とエリオスが呟きながら自身も残弾数を確認する

 

「あら〜残念ね。私はまだ行けるから、なんならイツキだけ先に帰ったらどうかしら?」

ツェリスカは腕を組んで仕方ないわ…という仕草をする。

言われた方のイツキは一瞬で眉間に皺を寄せた。

口にしなくても大変不愉快だと感じているのだろう

 

「まぁまぁ、2人とも。今日はかなりの時間を付き合ってもらったんだし…。この後現実世界(リアル)で用事あるから続きはまた今度って事でどうかな?もちろんその時は、今日のお返しとして2人がやりたいクエストでも何でも付き合うぜ」

「そうだね。次は僕と君の2人だけで出かけるとしよう」

「それは私も同意だわ。このままだと間違って誰かさんを撃ってしまいそうだもの」

 

ツェリスカの一言で場の空気が再び凍りつく。

イツキとツェリスカがお互いに武器の引き金を引く前に、エリオスが間に入る。

 

「だーかーらー、ケンカしないの。いい加減怒るよ」

 

お互いにまだ言いたい事はありそうだが、その日は無事に解散した。

 

GGO(ガンゲイル・オンライン)が始まって3ヶ月

後にエリオス除く2名はトッププレイヤーとして誰もが尊敬する存在になるのであった

 

 

***********

 

時は遡る事、桜が満開に咲いてとても気持ちのよい春。

学校からの帰り道、神谷 ましろは上機嫌に歩いていた。

理由は簡単だ。

親には内緒で新しいオモチャを発売日に手に入れたからである。

 

そのオモチャの名は

VRMMORPG「GGO(ガンゲイル・オンライン))」

 

もともと、ましろは重度のALOプレイヤーでサラマンダーの「エリオス」

この名前を聞けばある程度のプレイヤーは赤髪の男性をすぐに思い浮かべる。

 

しかしALOとは違い魔法も妖精の羽も無い。

 

今までの戦法が全く効かないかもしれない。

新しい事ばかりで戸惑うだろう。

 

それでも「やってみたい」

その素直な気持ちにましろはすぐに行動に出た。

 

帰宅すると鞄を放り投げ動きやすい部屋着に着替え、アミュスフィアの準備をする。

ベッドに横たわると目を閉じてひと言。

 

「リンク、スタート」

 

この瞬間から意識は現実世界から仮想世界へとうつる。

GGOをプレイする上で、まずキャラクターデータを作らないといけない。

ましろはALOの「エリオス」のデータをそのままコンバートする。

 

いくつかの設定を終えて一瞬の暗闇の後、目の前が急に明るくなった。

(コンバートが終わったのか…)

 

目の前に見えたのは大きいメインストリート、背後には巨大な建造物が存在感をだしていた。

周囲を見渡す。どうやらフィールドへ移動する時に使う転送ポート前に出て来たらしい

 

メニューを開いて自分の現在位置を確認する。

大きな通路は「センターストリート」と書いてある。

なるべくマップを頭に叩き込み、とりあえずガンショップへ向かった。

 

今日がGGO運営初日だからか、情報交換をおこなうプレイヤーがちらほら目にする

すでにPT(パーティー)を組んだのであろう人たちは転送ポートからフィールドへ向かっている。

 

自分も早くフィールドへ出たい

 

はやる気持ちを抑えて目的のガンショップ店へ入る。

コンバートをしてパラメーターはあるが所持金は少ない。

取り合えず手が届くハンドガンから見てみる事にした。

 

「……全部同じに見えるなぁ」

 

攻撃力や装弾数など違いはあるだろうが、何しろ予備知識ゼロで来てしまっている。

「とりあえず…これにしておくかな」

 

無事に購入してお店を出る。

ここで転送ポートから武器を購入するまでの間、気になる事が出て来た。

 

周囲の自分に対しての反応である。

 

最初は気のせいかと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。

表立ってリアクションは無いがチラチラ見てくる人が多い

いや、多すぎる。

 

コンバートをすると本人の好き嫌い関係なく、アバターは勝手に作られてしまう。

(もしかして、そんなに変な顔してるの…!?)

ショップのウィンドウを覗き込んだ。

光の反射で映し出された自身の顔を見てすぐに納得がいく。

 

「…なるほど、初期設定だからか」

 

つい口に出してしまったが、そのままの通り。

アバターの種類が沢山ある中で、何故か男性の初期設定。

普通の顔をしているが普通過ぎるのか、同じアバターとすれ違う事は無かった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。