SBCフリューゲル攻略が始まって二日目ーー。
ダンジョン内にあるロックされた扉を開ける為、カードキーが必要だった。
そのため、シロ達は以前倒したフィールドボス巡りをしていた。
「これで、全部かな。」
「さすがのあたしも疲れたわ。シロ、この後お茶に行こうよ。」
「私もその意見に賛成だわ~。ゆっくり涼しい所で休みたいわね。」
「確かにオアシスに飛び込みたい気分だ。僕も喉がカラカラだよ。」
みんなの意見が一致したので、SBCグロッケンに戻ってきたシロ達。
ショップに着くと、やけに人が多い。
「ずいぶん混んでいるな、めずらしい。」
「中央のモニター見て。あれってMMOストリームじゃない?」
シロはクレハに言われた通りに目をやると、生放送番組が流れていた。
画面には、ゼクシードと呼ばれたプレイヤーが自信満々に語ってる様子が映し出されている。
「…ん?なんだ、あいつは。」
イツキが何かに気付いて声をあげる。
骸骨の面を被った、全身黒尽くめのプレイヤーが、中央の画面に近づいて行く。
その手には銃が握られている。
「ゼクシード!偽りの勝利者よ!いまこそ、真なる力の裁きを受けるがいい!」
パンッ!
乾いた音と共に、中央のモニターに亀裂が入る。
ちょうど、ゼクシードの額を狙って撃たれたのだ。
「これが本当の力、本当の強さだ!愚か者どもよ。この名を恐怖とともに刻め!」
次の瞬間、モニターの画面の向こうにいるゼクシードが突然苦しみ出した。
そして、倒れたかと思うとログアウトして消えた。
「おれと、この銃の名はーーー《死銃》だ!!」
周囲の人間が何の騒ぎかと、集まり出した。
シロ達も同じく動揺していた。
シロがふと、イツキがいないことに気付いて、周囲を見渡す。
すると、どこかへ行っていたのか、外からショップへ入って来るイツキと目が合った。
イツキは笑顔でシロに手を振る。
「どこに行ってたの?」
「さっきの骸骨がどうも気になってね。後を追ったんだが、途中で見失ってしまったみたいだ。」
「気味が悪かったね。」
「タチの悪いイタズラね。運営に報告しちゃおうかしら~。」
「イタズラね。少なくとも彼の呪詛は本気のように聞こえたんだけどな。」
イツキの言葉に心配そうな顔をする、シロ。
「…なんてね。まぁ、トッププレイヤーへのひがみだろ。怖い怖い。」
そんな事もあり、一度解散する事にした。
シロはホームに戻って、アイテム整理をしていた。
すると、誰かからメッセージが届いた。
『差出人:UNKNOWN
SBCフリューゲル攻略は諦めろ。さもないと、仲間に危険が及ぶ。』
「!」
差出人不明のメッセージ。シロは内容を読んで、驚いた。
「マスター、どうしました?」
後ろにいたレイが心配そうに聞く。
「…なんでもないよ。クレハからのメッセージだった。」
咄嗟に嘘をついた。
結局、シロはメッセージのことを誰にも言えないまま、攻略再開した。