SBCフリューゲル最奥ーー
カードキーを使って扉を開けて、前へ進んだシロ達。
「もしかして…ここが一番奥?」
「他にプレイヤーは見当たらないし…私たちが一番手ね~。」
「一番手!?すごい、最速攻略なんて。やったね、シロ!」
「早くお母さんに会いに行きましょう、マスター」
「まだ油断は禁物だよ。ほら、奥をご覧よ。あそこにいるのはエネミーじゃないかな。」
イツキが指差す先に、エネミーと思われる姿が見えた。
「あれが、ラスボスみたいだね。」
「待て。ラスボスの手前に設置してあるのは…コンソールじゃないか?行ってみよう。何か情報があるかもしれない。」
キリトの言う通りにコンソールの前へ移動する。
レイがコンソールに触ると、システム音が聞こえた。
「レイちゃん、通訳お願い。」
「…。」
「レイちゃん、どうしたの?」
レイは難しい表情で、通訳を始める。
「SBCフリューゲルの基幹システム・マザー クラヴィーアに異常発生。オペレーションマニュアル189-Aを実行せよ。
OSを再インストール後、システムを再起動することで、マザークラヴィーアは初期化され、機能は回復する。」
レイの言葉を聞いて、驚くクレハ。
「初期化?まさか…」
「なるほど、再インストールの方法はどうするんだい?」
「イツキ!あなた、自分が何を言ってるのか分かってるの?」
「…いいんです。わたしはマスターのアファシスです。だから…ちゃんと全部説明します。ここのコンソールから再インストールで来ます。ですが…。」
レイの言いたい事は理解している、シロ。
初期化をすれば、マザー クラヴィーアの記憶も一緒に無くなってしまうからだ。
シロはレイの肩に手を置く。
「別の方法がないか、探そう。」
「…はい!」
レイの表情が明るくなる。
「…危険ですし、100%成功するかわかりませんが…。お母さんと物理的に接続出来れば、わたしの修復機能で直せるかもしれません。」
「つまり、あの奥にいるエネミーを倒せ、ということか。」
「あのエネミーは要するにラスボスだろ。今の僕たちじゃ絶対にムリだ。全滅してしまったら、戻ってくるのに時間がかかる。その間に別のパーティーがOSを再インストールしてクリアしてしまう可能性もある。…となれば、僕なら確実にクリアする方法をとるけど。」
シロはクレハの方を見る。
「…正直に言うわ。せっかくここまでやってきたんだもの。絶対にクエストはクリアしたい。でも、レイちゃんをお母さんにも会わせてあげたい。ごめん、あたしには決められないや。」
「私は…リーダーのあなたの決断に従うわ~。」
ツェリスカもクレハと同じく判断をシロに任せてくれるらしい。
「それで、どうするんだい?」
「…ごめんね、イツキ。もう、答えは出てる。」
「謝らなくていいよ。何となく、君がどちらを選ぶかなんて分かってはいたさ。」
「みんな…ラスボスを倒して、レイをお母さんと会わせたい。だから、協力して欲しい。」
「…マスター!わかりました。わたしも精一杯がんばります。」
「いきなり最終決戦か…。まぁでも、俺たちならきっといけるさ。」
「みんなHPは大丈夫?残弾や装備のチェックはしっかりね。」