シロはキリトに呼ばれて、彼のホームへ足を運んでいた。
キリトは死銃に関して調査をするために《BoB》に参加すること、政府が管理していた《ナーヴギア》が盗まれたこと…。
かなり危険な内容だったが、シロはイツキにも気をつけるように伝えるため、今度は《アルファルド》へ向かった。
「…危険なことは、よく分かった。教えてくれて、ありがとう。」
「イツキも、気をつけてね。」
「僕なら大丈夫さ。アルファルドの雑用や、パイソンくん達との約束がいっぱいでね。常に誰かと一緒にいる状況さ。」
「それなら、安心だね。」
「君の方が有名人なんだから、気をつけるんだよ。…すでに死銃が君に目をつけているかもしれない。…なーんてね。」
イツキの笑えない冗談を聞き流して、シロは帰る事にした。
見送りをパイソンがしてくれた。
「私が言うのもなんですが、イツキから目を離さない様にお願いします。」
「あの人が退屈だからと逃げ回らない限りは、大丈夫ですよ。…シロさんの方も死銃だなんだと、不吉な話が出ているので、気をつけて下さいね。」
シロが去って行く姿を、パイソンはずっと眺めていた。
********
次の日、シロはいつも通りホームでレイと話していた。
「それではマスター。今日はどこへ行きますか?」
「どうしようかなー」
そこへ、シロにメッセージが届く。
「メッセージが来ましたよ、マスター。差出人は…Death Gun!?」
『シローー偽りの英雄よ。おまえが手にした勝利者の名はわずかな幸運で手に入れたもの。
力こそ全ての世界でそのような偽りは許されない。命をかけ、おまえ自身の新の力を示せ。
決闘場への招待状をお前の自宅に送った。覚悟を決めたのなら、ログアウトしろ。
おまえの動向は常に見張っている。助けを求めることは許さない。わずかでも洩らせばーー貴様の罪による代償を、おまえの大事な物に支払ってもらう。
ーー死銃。』
(自宅…?常に、見張っている…?)
「レイ、ちょっと待ってて。」
シロは一度ログアウトをして、家の中を確認する。
特に異常は見られないが、玄関の扉に配達の不在届けが置かれていた。
急いで再配達の手続きをして、荷物を受け取るのに、そう時間はかからなかった。
大きめの段ボールで、宛名は空欄のまま。
中を開けて確認すると、シロは驚いた。
「ナーヴギア…!」
ソードアート・オンライン事件で散々テレビに映っていたから、シロでも理解出来る。
これが、死銃からの招待状だということを。
********
再び、GGOにログインして戻ってきたシロ。
「お帰りなさい、マスター。」
心配そうな顔でレイが迎える。
「死銃からのメッセージは本気みたい。私の家にわざわざ、ナーヴギアを送ってくるってことは相手も本気なんだろうね。」
「キリト達に伝えた方がいいですよ…。」
「残念だけど、それは止めておいた方がいいね。」
「どうしてですか!」
「常に、見張っている…。どんな手を使ってるか知らないけど。私たちの行動は見られてる可能性があるの。」
「そんな…。そもそも、なぜ死銃はマスターのリアルの住所を知ってるんですか…。これは罠に決まってます。」
「レイ…。でも、行かないと大事な人が傷つく。」
「…分かりました。どうしても行くのならお願いがあります。」
「お願いって…何?」
「わたしも連れて行って下さい。」
アファシスはあくまでGGOのAIだ。
一緒に連れて行けるかは、シロにも分からない。
しかし、レイの真剣な表情に、根負けする。
「…分かったよ。約束する。」
「絶対ですよ!」
レイはそう言うと、準備をしてきます!とショップへ向かった。