SAO フェイタルバレット   作:玄神

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34話 みんなで帰ろう

「マスタアァー!!」

レイは勢いを止めずにシロ達が落ちた場所へ走り、下を覗く。

 

「ひゃっはははははー!!ざまぁみろ!」

 

パイソンはクレハを突き飛ばすと、狂ったように笑い続ける。

「そこまでよ!パイソン!」

ツェリスカがすかさずパイソンの太ももを撃ち抜く。

 

「ぐぅっ!」

そして逆の足もまた撃つ。

これですぐには立てなくなったパイソン。

ツェリスカはすぐにパイソンの銃を奪い、両手を拘束する。

 

 

「ツェリスカ!クレハ!」

レイが二人を呼ぶ

「早くこちらに来てください!」

「レイちゃん…」

「マスターは生きています!」

「「!」」

 

急いでレイに駆け寄る2人。

下を覗くとシロとイツキは手を繋いだ状態でぶら下がっていた。

 

シロの腕の先にあるUFGがのびて、よく見るとフィールドの地面に刺さっていた。

2人は引き上げるのを手伝ってもらい、座り込んだ。

 

パイソンは手を後ろで縛られた状態で座らされいる。

横にはツェリスカが見張りのために立っていた。

クレハはシロに抱き着いて泣いている。

誰もが黙っていたなか、イツキが最初に口を開いた。

 

「ましろ、どうしてあんな事をしたんだ。死ぬところだっだんだよ。」

「その…イツキを巻き込んだのは予想外だった…ごめん…。」

「…僕が巻き込まれた程度で怒ってると、思ってるのか?」

 

クレハがイツキの声に驚いて顔をあげる。

 

「君は自分が何をしたのか分かってるのか?あの時、本当に君が居なくなるんじゃないかと……!」

言葉に詰まってるイツキの目からは涙が流れる。

 

これには驚く4人。

「イツキ、そこらへんにしておきなさい。みんな無事だったんだから、続きはここを出てから2人でやりなさい」

「……!」

ツェリスカの制止に、睨みつけるイツキ。

 

「もちろん、その後は私とクレハちゃんのお説教タイムが待ってるからね、シロ」

「そっ、そうよ!人を散々心配させたんだから!」

 

「2人ともありがとう…。イツキ、ごめんなさい。2度とこんな事しない。」

「…ハァ、分かったよ。いつの間にか僕もましろには甘くなったなぁ」

「あら、やっと自覚したの?随分前からあなたはシロに甘かったわよ」

ニヤニヤするツェリスカを睨んだあと、イツキはパイソンに銃口をつきつける。

 

「イツキ!」

「答えるんだ、パイソン。ここからどうすれば出られる。僕は甘くないぞ。ましろを巻き込んだ時点でお前を許さない。」

「…ふふっ」 

パイソンの口から漏れた笑い声。

 

イツキは眉をひそめて、銃口をより一層パイソンに押し当てる。

 

「無いさ。ここから出る方法なんてな!お前らはここで野垂れ死ね!」

 

イツキはハンドガンでパイソンを殴る。

パイソンは殴られても尚、ニヤついた笑みを浮かべてる。

 

シロがレイに聞いてみる。

「レイ、どうにかして外に繋がらないかな?」

「はい、さっきから色々試してはいるんですが…」

 

レイが悲しい表情で、首を横に振る。

そのとき、彼女を呼びかける声が少しずつ大きく聞こえてきた。

『…レイさん!聞こえますか!レイさん!』

 

どこから聞こえてくるか分からないが、レイを呼ぶ声はちゃんと耳に届いている。

「この声は…ユイちゃん?」

「ユイちゃん!聞こえるよ!」

クレハが大声で返事をする。

『…みなさん、無事ですか?…はい、パパ、繋がりました!』

『みんな…俺だ、キリトだ。』

キリトの声がすると、不思議と安心感が高まる。

「みんな無事だよ。ただ…ログアウトの方法が無くて、手詰まりの状態なの。」

『無事で良かった…。今からユイとストレアが、道を繋いでくれる。もう少しだけ、我慢してくれ。』

「ユイちゃん、ストレアーありがとう。」

ツェリスカとクレハ、レイはここからやっと出られる、と笑顔になる。

 

「ねぇ、イツキ。」

「なんだい、ましろ?」

「どうして、最初にパイソンと一緒にいたの?」

「あぁ…。アルファルドに戻ったその日に、パイソンくんから話があってね。」

「うん。」

「最初は僕を脅して従わせるつもりでいたらしい。『シロを殺す算段は整っている。』とね。詳しい話を聞きたかったし、仲間のフリをするのが手っ取り早い、と思ってね。…結果的に、君を危険な目に遭わせてしまったのは、本当にすまない。」

「…そんなことより、大切なこと、まだ聞いてない。」

「これより、大切なこと?」

「ほら、『展望台で話したことは、全部本心だった』って言ってたじゃない。」

イツキはきょとん、とした顔をしていたが、思い出したのか、みるみる顔が赤くなる。

 

「いや…あの時は…咄嗟に言葉が出て…。」

右手で顔を覆いながら、横を向くイツキ。

好機を逃すまい、とシロは笑いながら見ようとする。

「ねーねー。顔赤いよ?」

「君のせいだろう。」

ニヤニヤ笑いながら楽しんでいるシロにクレハが呼びかける。

 

「ちょっと、そこのお二人さーん!イチャつくのは勝手だけど、キリトさんが準備できたって!早く、こっちに来なさい!」

「はーい!行こう、イツキ。」

シロはイツキに手を差し伸べる。

「…君には本当に勝てないな。」

2人は手をつなぐと、みんなの所へ戻った。

 

 

 

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